最強少女は幸せを探している   作:但野ミラクル

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今回はちょっと短めです。


第3話

 第六院から逃げ出して三年程経った。

 今私は軍神国ルーヴェルガンに滞在していた。

 私が今いるミドズベリア大陸には三つの大国が存在している。

 聖国ルノウスレッド、ギュンタリオス帝国、そして私が今いる軍神国ルーヴェルガンだ。ルーヴェルガンは軍神国と名の付く通り軍事に重きを置いている国で、国内で内戦が起こっている国だ。

 何故そんな国に滞在しているかというと、話は第六院を出て数ヶ月経ったとき遡る。

 第六院を出た私は私の容姿を見て舌なめずりしてくる連中から食料などを徴収して生活していたのだが、その途中で偶然終末郷の連中に襲われている馬車を見つけた。見捨てるのも少しかわいそうに思ったので終末郷の連中を退けたら馬車に乗っていた商人にとても感謝されて何故か気に入られ護衛として同行してくれないかと提案をされ、報酬もよかったので受け入れたた。そしてその商人が向かっていた所が軍神国ルーヴェルガンだったという訳だ。

 ルーヴェルガンは内戦が多いだけに傭兵の需要がかなり高く稼ぐのにはもってこいではあったので滞在している。まあ、結構稼いだのでもう別の国に移住してもいいかなと思うのだが、今のところ目標が特にない。キュリエとはまた会いたいとは思うし、安否も確認したいけどそのキュリエの場所を知る方法がない。という訳でやれることもなくやりたいこともできないのでここに滞在している。仕事は何もしなくても時間が経ったら至るところで発生してくれるので、とりあえずここにいるのが無難と言えば無難なのだ。

 ……とそう思っていたのだが、

「おお、お主が噂になっている『白の亡霊』か!」

「……お初にお目にかかります。シャナトリス・トゥーエルフ様」

 私は目の前にいる左目に眼帯を着けた軍服を身に纏っている褐色の肌をしたまるで少女のように見える女性を見つめる。

「そんなにうやむやしくしなくても構わんぞ? シャナと呼んでもよいのだぞ?」

 椅子に座る彼女にそう言われたが私は彼女に砕けた態度を取れるはずがなかった。なぜなら彼女は――

「そう言われてもルーヴェルガンの神罰隊副隊長様に対して無礼なことはできる者は少ないと思いますが」

「かかっ、堅い奴じゃのう」

 神罰隊、それはルーヴェルガン王家直属部隊だ。めちゃくちゃ強いらしい。そして目の前にいるシャナトリスさんはその神罰隊のナンバーツー。ルーヴェルガンの王からとても信頼されていると聞いたことがある。

 そんな相手に砕けた態度を取る? いや、無理でしょう。現代で言ったら一般人が天皇陛下にタメ口聞くようなものだ。むしろ、できる奴の方がヤバい。

 そのため、今、シャナトリスさんが言った中二病感極まる『白の亡霊』という私の二つ名のようなものにツッコミを入れることもできない。いつの間についていたのだろうか?

「まあ、よい。早速じゃがお主に提案があって来たのじゃ」

「はい。なんでしょう?」

「お主、神罰隊に入る気はないかの?」

「……はい?」

 何を言っているのか、理解することに数秒を要した。

 ……スカウトされたということか。でも何で私を? その思考が顔に出ていたのか彼女はニヤリと笑った。

「いや、お主が普通に強いだけなら儂も誘いはしないが、お主の強さは規格外じゃからの」

「いえ、規格外という程ではないと思いますよ?」

 そう私が言うと、シャナトリスさんは冗談だろ、と言いたげな顔になった。

「いや、お主一人で百人を相手して勝ったと聞いておるが?」

「……あれは他の人に陽動してもらって不意打ちだったからできたことです」

「不意打ちで百人も倒せたら十分規格外じゃ」

「そう言われましても、私個人の実力は本当に大したことはないと思います」

 私が否定してもシャナトリスさんは不満げな顔をするだけで納得しそうにない。

「それに私には目的が一つありまして規格外であるなし関係なく今神罰隊に入ることは申し訳ないですがお断りしたいです」

「何!? なんじゃ、それは。申してみるがよいのじゃ。物によっては儂で解決できるかもしれんぞ?」

 シャナトリスさんは目を輝かせながら足を組んだ。

 ……ここで言ってしまっても大丈夫かな? でも自力で探すにしても時間はかかる。言ってしまった方がいいかもしれない。

「これは内密にしていただきたいのですが……」

「うむ、儂は口は堅いぞ。申してみよ」

「キュリエ・ヴィルステインという者を探しておりまして」

「ほう」

「もしキュリエ・ヴィルステインを見つけたらそのときはシャナトリス・トゥーエルフ様の勧誘についても考えさせていただきたいと存じます」

「つまり、そのキュリエ・ヴィルステインを見つけたらよいのだな」

「できれば情報を教えていただけたらと考えております」

「ふふ、言質は取ったぞ。一日も早くそのものを見つけて見せよう!」

 シャナトリスさんはそう啖呵を切った。

 

 

 そして1ヶ月後。

「キュリエ・ヴィルステインを見つけたぞ!」

「早!?」

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