最強少女は幸せを探している   作:但野ミラクル

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皆様に謝罪がございます。作者の諸々の事情でこれ以上継続してこの作品を書くことができなくなりました。そのため展開を大分飛ばし、物語自体は一度終わらせようと思います。その後に番外編や掲示板形式の話やイフ、他人視点を追加し飛ばした話を補完させていきたいと思います。お読みの皆様ご了承ください。なお最終回(一旦)は14話までになると思います。投稿は今日から朝と夜の10時に一本ずつしようと思います。


第8話

 聖ルノウスレッド学園の学園長書、そこは上品な印象を与える部屋であった。その学園長室に四人の人影があった。

 一人はもちろん聖ルノウスレッド学園長であるマキナさん。そして、ここを待ち合わせに指定したキュリエ、大聖場でキュリエと一緒にいた禁呪使いクロヒコ・サガラ、最後に私。

 この四人が学園長室に集まっていた。

「イム! よかった。元気そうで、別れも言えなかったからこのまま会えなかったらどうしようかと思っていたよ!」

「ちょ、キュリエ、苦しい。いきなり抱きつかないでよ」

 嬉しいけれども!

「ああ、すまない。つい……な」

「……別に人がいないときならいいのですけど」

「ん? 何か言ったか?」

「いえ、何も」

 人目があるので渋々内心キュリエを引き剥がす。

「あの、キュリエさん。この人が?」

「ああ、私の親友。イム・アルカディアだ」

 親友、……親友か!とても嬉しい。知り合いぐらいに言われるかなと思っていたからとても嬉しい!

「よろしくお願いします、アルカディアさん」

「クロヒコ、イムはおそらく第六院の出身の中で一般人の感覚に近いから話をまともにできる数少ない人間だ」

「サガラさん。よろしくお願いします。イムでいいですよ。キュリエ、それをあなたに言われるとちょっと複雑ですよ」

「ん?」

 私も第六院にいた当時は結構キュリエに人間性を依存していたからそうでしたけど、あなたがいなければそこまでまともじゃなかったよ。

「あなたがいなければ、ヒビガミやノイズみたいになってましたよ、きっとね」

「んん?」

 不思議そうにするキュリエを見てマキナさんたちは納得の表情になった。

「イムさん、俺もクロヒコでいいですよ。言いたいことは分かりますけどヒビガミもノイズもキュリエさんと一緒にいて、ああですから、全然違うと思いますよ?」

「……ありがとうございます。クロヒコさん。そうですね、そう思うことにします」

「イム、クロヒコ。どういうことだ?」

「「……秘密です」」

 キュリエは首を盛大に傾げた。

 

 

 

 

 

「改めてよろしくお願いします。クロヒコさん」

「こちらこそよろしくお願いします、イムさん」

 私たちはお互いに握手をする。

 私は改めてクロヒコさんを観察する。……うわあ、これは強い。肉体がかなり出来上がっている。しかもまだ成長の余地がありそう。これに禁呪も使えるというのだから手の施しようがない。

「キュリエ、なぜ私とクロヒコさんを会わせたの?」

 マキナさんは分かる。でもクロヒコさんをわざわざ会わせたかについては分からない。でもキュリエは何も考えず行動するはずがない。理由があるはずだ。

「ああ、実はな、クロヒコと一回戦ってほしいと思ってな。とりあえず顔見合わせしておいた方がいいと思ってな」

「……別にいいですが、何故戦わせたいんです? 彼、もう十分強いでしょう?」

「……相変わらずの観察眼だな。実はなヒビガミとクロヒコが戦うことになってだな」

「は?」

「もちろん今すぐではない。クロヒコがルノウスレッド学園を卒業したときに決闘することになった」

「……。協力します。ただ……」

「ただ?」

どっち(・・・)でです?」

「……その気持ちはありがたいが、模擬刀で頼む」

「分かりました。そうですよね、すいません」

「あの? 二人ともどういうことです?」

 クロヒコさんが疑問の表情を浮かべる。

「……イムが奥の手を使うかどうかって聞いてきたんだよ、鍛えたいのは剣術だからな」

「なるほど」

「それに」

「?」

「イムの奥の手は本気で殺す気でないと崩すことは無理だろうからな」

「えっ」

「そんなにですか」

 マキナさんとクロヒコさんが同時に声を上げた。

「まあ、本当です」

「おっ、ようやく受け入れたか」

「まあ、色々ありまして」

 この心境の変化にはローズさんと戦ったことがかなり影響しているだろう。そのきっかけをくれたシャナさんには感謝をしてもしきれないだろう。

「まあ、模擬戦の件は分かりました。キュリエ、ただひとつ聞きたいことがあります」

「うん?」

「どうしてそこまでクロヒコのために動くのですか」

「ああ、それか。それは……私が色々巻き込んだこともあるし、クロヒコが大事な存在になったこともある。まあ、一言で言うなら居場所(・・・)を見つけたからかな」

 居場所、居場所か。私は居場所にはなれなかったんだね。これは嬉しいことだ。嬉しいことなんだ。……そのはずなのに――

「……そうですか、そうですよね」

「イム? どうした?」

 私があなたの居場所でなかったことがとても悔しい。そして同時にとても妬ましい。ああ、こんな感情があったなんて知らなかった。知りたくなかった。

「私はあなたの居場所にはなれていなかったですか、そうですか、そうだったんですね」

 ああ、泣いてしまいそうだ。

「イム! それは違う!」

「!」 

 いきなりキュリエに抱きしめられる。

「居場所を見つけたと言ったのは嘘じゃない。だが居場所の原点はお前だ、イム」

「原点?」

「そうだ。お前がいなければ私は居場所の大切さを知らなかっただろう。切り捨てていたかもしれない。居場所の大切さを教えてくれたのはお前なんだよ」

 あ、まずい。涙が。涙が止まらない。

「え? ちょっ、イム!?」

「ぐす、……今だけはちょっとこのままで」

「……ああ、分かった。好きなだけこうしておけ、イム」

 キュリエの声色はとても優しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お見苦しいところをお見せしました」

「「「気にするな」しないで」しないでください」

 三人に気を遣われてしまった。とても恥ずかしい。

「それでいつやりましょうか」

「それなんだが、明後日の朝仁修練場で頼みたい」

「明後日ですか、分かりました」

「急にこんなこと頼んですまないな」

「大丈夫です。もし無理になったらすぐ連絡しますね」

「ああ、頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で明後日修練場に行きますね、シャナさん」

「ほっほっほ、了解じゃ」

 

 

 

 

 

 

翌日の午後

「すまん、イム。大聖場が襲撃されるそうじゃから明日の約束行かせられないわい」

「……はい?」

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