クラスメイトは皆、あたしと同じ……?
もし、そうならこの学園は一体……
「桐乃ちゃん、僕達も同じ仲間だよ」
瀬野さんはにっこりと笑って手招きする
同じ仲間ーーやっぱり一緒なんだ
ホッと一気に力が抜けた
「あたし……ここに来て、よかった」
心底そう思える
ずっと孤独だったらと考えるのも怖い
あたしは少しネガティブになってる頭を振って今の状況を喜んだ
それからは皆に囲まれて色々な質問に答えたりした
好きな歌
好きな本
やってみたいことまで
「はいはい、そこまで!それ以上は桐乃が疲れちゃうでしょ!」
いつの間にか瀬野さん……いや、葵もあたしを呼び捨てにしていた
それだけで嬉しい自分がどうしようもなく馬鹿に思えて、でもやっぱり嬉しくて……
「ごめんね、転校生は珍しいから皆はしゃいじゃって」
謝られることに驚き、慌てて首を横に振る
むしろ初めてで嬉しい
確かに少し戸惑ったけど、でも嫌じゃない
「あたし、全部初めてだから…嬉しい」
素直にそう言うと葵は少し驚き、ちょっとおかしそうに首を傾げる
かと思えば急に笑い出す
あたしはそんなにおかしなことを言ったのだろうか……?
少し不安になり始めた頃、ようやく葵が言葉を発した
「ごめん、そうだよね。桐乃は一般の学校に通ってたもんね」
その言葉に少し納得する
葵はーー彼らはもっと幼い頃から居たのだろう
だからこれが普通
特別優しくしているつもりはないのだろう
「辛かったでしょ?」
ピタリと笑いは止み、凄く優しく笑いかけてくれる
そこには労り、労いが込められていた
暖かくてなんとも言えない喜びが胸の中に満ちていく
「葵……友達、に」
あたしの言葉はそこで遮られた
その先はあたしが言う前に葵が被せてきたのだ
「友達になってくれる?桐乃」
ずっと誰かに言って欲しかった言葉
上辺だけでもいい、社交辞令でもいい
ただ聞きたかっただけの言葉
それを初めて言ってくれる人が現れた
「うん……!な、る……!」
あの日以来、消え去ったモノが頬を伝う
熱く頬を濡らすナミダ
「よしよし、今まで1人でよく頑張ったね」
そっと頭を撫でられ、反射的に顔を上げてしまう
反動でその手も離れてしまう
小さく身体が震える
「ごめん、嫌だった?」
心配そうに訊いてくる葵にふるふると首を振る
嫌ではない……と言うのは半分本当で半分嘘
でも嫌ではないのだ
「そっか、ならよかった」
そう言って笑いつつも、もう触ろうとはしなかった
彼なりの気遣いだろうか
その気遣いからは葵の不安までもが伝わってきた
ーーごめんなさい