原作と全然違うとか、こんなの誰々じゃないとか言われても何ともできませんのでご了承くださいませ。
それじゃ、スキップしようぜ
高度育成高等学校。希望する進学、就職先にほぼ100%答えるという全国屈指の名門校である。
そんな学校に期待を胸にワクワクとしている青年の名前は山田太郎。
そうだね、お気づきの方もいると思うが何を隠そうこいつは転生者である。
とは言っても、原作知識は何も持っていないため、これから何が起こるのかは全く知らないまま生活していくこととなるだろう。
がんばれ太郎、負けるな太郎。君の活躍をこれからそっと観察するのが楽しみだ。
何にもチートを与えなかったため、超絶に凡人の君のこれからの幸運を願っているよ。
まぁ、あまりにも理不尽な目にあっていたら多少は手助けしてあげなくもない。
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僕の名前は山田太郎。ものすごい平凡な名前のせいなのか、すべてにおいて平凡な能力を有している。何もかもが中途半端である僕が、何故だかわからないが、名門校の高度育成高等学校に進学することになった。よく受かったなって思う。もちろん周りの人間もとても驚いていたのはいい思い出だ。
高度育成高等学校は全寮制で、三年間は強制的にそこでの生活を余儀なくされる。外部との連絡は禁止で、ある意味監禁に近い状況を強いられることとなるが、進学もしくは就職先の希望を100%叶えてもらうことを考えたら、三年監禁されるくらい我慢のしようがあるってもんだ。
僕はスキップで学校まで向かっていた。
「るるるんるんるん♪るるるんるんるん♪るるるんるるるんるるるん♪」
気分がいい。バス停までついたが、なんかこのままバスに乗らずにスキップで行けるんじゃないかって思った。いける、今の俺ならスキップで学校まで行けるはずだ。
「るるるんるんるん♪るるるんるんるん♪るるるんるるるんるるるん♪」
最寄りのバス停を通り過ぎる。同じ制服を着ている人が何人かいたので、手を振ってその場を通り過ぎた。同級生たちかな彼ら彼女らは。同じクラスになったら友達になれるだろうか。今から期待で胸いっぱいだ。
「るるるんるんるん♪るるるんるんるん♪るるるんるるるんるるるん♪」
……………………
…………
……
「るるるんるんるん♪るるるんるんるん♪るるるんるるるんるるるん♪」
お空を見上げると満面の星空が広がっていた。そこでスキップをいったんやめる。
「きれいな星空だなぁ。幸先いいや」
ウフフと笑ってスキップを再開する。こんな星空を同級生たちと眺めたい。叶えたい夢ができた。夢が見つかって本当に嬉しいな。友達もたくさんできるかな?できるといいな。
「到着!!ここが高度育成高等学校かぁ、広いなぁ」
ようし、ここは盛大に挨拶だ。
「山田太郎でーーーす。今日から三年間よろしくおねがいしまーーーーーーーーーーす」
自分が出せる最大音量であいさつをする。挨拶は大事だからね。
警備員に捕まりました。なじぇ??
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side 綾小路
奇妙な奴を見た。
「るるるんるんるん♪るるるんるんるん♪るるるんるるるんるるるん♪」
鼻歌交じりにスキップをしている奴だ。そいつは嬉しそうにこちらに手を振ってきた。
何だろう、これは手を振り返した方がいいのだろうか?俗世を知らなさ過ぎてわからない。
とりあえず手を振り返してみたが、俺の周りは何も反応していないことから、この光景はありふれたものではないと判断した。手、振るんじゃなかったな……
スキップしている奴は、バス停で止まらずにそのままずっと先に行ってしまった。バスに乗ろうとしてたわけじゃないのか?
五分後に来たバスに俺は乗り込み、座席につくと、不思議な奴もいるもんだなと窓の外を眺める。
ある程度バスが走った時に、窓からスキップをしている奴を見つける。
あいつ、スキップで学校に向かってるわけじゃないよな?
ふっ、そんなまさかな。
俺は再び窓から景色を眺めるのだった。
side out 綾小路
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僕は正座でお説教を受けていた。
「初日から遅刻とはいい度胸だな。もうこんな時間だと無断欠席のようなものだが。こんな夜にやってくるとは何を考えている」
茶柱という先生になぜかとてつもなく怒られていた。
「きちんと学校にたどり着けたのだから、時間なんてあってないようなものじゃないですか」
「そんなわけあるか。どんな言い分だそれは……」
はぁ、とため息をついて頭を抱える茶柱先生。
「初日から遅刻、それに迷惑行為で警備員に連行される。とんだ生徒がDクラスに来たもんだ」
どうやら俺はDクラスらしい。どんな生徒たちがいるのかなワクワク。会いたいな。
「僕はDクラスなんですね。早くクラスのみんなに会いたいので教室に行きましょ、茶柱先生」
「今の時間に誰もいるわけがないだろう……」
あきれともいえる顔でこちらを見つめてくる茶柱先生。この人お綺麗なのにしかめっ面ばかり。もったいないな。
「茶柱先生はとてもお綺麗なんですから、そんなしかめっ面ばっかりだと、せっかくのお綺麗なお顔が台無しですよ」
「誰のせいでこんな顔をしてるとおもっ……もういい、なんでこんなに遅刻したんだ」
「スキップで学校に行きたくなったからです」
「すきっ、え?スキップ?」
「はいスキップです」
無事学校に来ることができた。スキップすげぇよ。まじリスペクト。
「スキップで学校に来たから遅刻したというのか」
「遅刻するつもりはなかったんですけど、そういうことになります。いけると思ったんですけどね」
「……もういい、学校から支給されてる端末と、寮の部屋のキーカードだ。もう帰れ。詳しいことは明日クラスメイトにでも聞くといい」
「今から教室でまってたいです」
「帰れ」
「茶柱先生も一緒に教室行きましょうよ」
「か、え、れ、」
「はーい帰ります」
ちぇ、せっかく教室でクラスメイトを待てると思ったのに。今日はおとなしく寮に帰るとしよう。
明日からの学校生活も楽しみだなぁ。
寮に帰ると素っ裸になった。さすがにスキップで動き回っていたせいか、汗だくである。よくよく考えるととても汗臭いと思うので、茶柱先生には悪いことをしたなって反省した。明日ファブリーズを250個プレゼントしようと思う。
汗だくの制服を洗濯機に入れて洗濯をする。その後お風呂に直行して汗を流した。お風呂から上がった後バスタオルを用意するのを忘れたので、乾くまでその場に立っていることにした。二時間くらいたっていると乾いてきたため、お水を飲むため台所に向かった。
「ぷはっ、水道水がこの世で一番うめぇな」
水道水に感動を覚えているのも束の間、洗濯が終わったようなので制服を干す。そこで思う。
「これめっちゃしわくちゃじゃね?」
まぁいいかと思いその日は就寝することにした。お休み今日、明日はもっといい日になるよね、太郎。
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朝の5時半に目を覚ました俺は、ラジオ体操第一と第二を全力で踊りいい汗をかいた。その後昨日の反省を生かしてきちんとバスタオルを用意してシャワーに向かう。くぅ、シャワーは心の洗濯だぜ。
「さっぱりさっぱり」
時計を見ると6時半だった。昨日干した制服を見てみる。しわくちゃだった。制服はクリーニングに出すべきだな、てへぺろ。しかし困ったな。着ていく服がない。いっそ裸で学校に向かうか?さすがに恥ずかしいなそれは。
「あっそういえば予備の制服があったはず」
こんな時のための予備の制服、たまんねぇぜ俺の予知能力。ガサゴソと制服を探すとそれはすぐに見つかった。
「あった。けどなんで?」
あれれ?なんで予備の制服が女の子用何だろう。思いっきりスカートだよ。
「んー、まっ、些細な問題か」
特に気にせずに着用することにした。するとウィッグとメイクセットも見つけた。
「なるほど、ここまで用意周到だと、姉のいたずらだなこれは」
もともと中性的な顔で、髪が長い時は女性と思われることも多かったことから、姉は定期的に僕を女装させたがっていたからなそのせいかも。
ばっちりメイクをしてウィッグ装着。後は。
「きゃるるーん♪山田妙子(たえこ)だよぉ♪」
うん、のどの調整もばっちし。これで完全に女性の声である。
時計の時刻を見てみると7時半、やりたいことがある太郎、もとい妙子は学校に向かうのだった。
何とかしてファブリーズを250個手に入れた僕は、それをもって職員室に向かう。
「一年Dクラスの山田妙子でーす。茶柱先生はいらっしゃいますかー??」
少しばかり職員室がざわつく。何かあったのだろうか。
「おはよう妙子さん。貴女一年生なの?あなたみたいなきれいな人、昨日の入学式で見かけなかったんだけど??」
「そうなんですか?僕、影が薄いからそのせいなのかもー♪」
「そんなに綺麗なのに影が薄いわけが……まぁいいわ、私は一年Bクラス担任の星之宮知恵、気軽にちえちゃんって呼んでね」
「はい♪ちえちゃん、茶柱先生は不在ですか?」
「さっきまでいたんだけどねぇ、何の用件なの?」
「このファブリーズをプレゼントに来ました」
「え?なんでファブリーズ?」
「僕の愛です♪」
「どういうことなの?」
星之宮知恵は少しばかり困惑していた。
「というのは冗談で、山田妙子がファブリーズを渡してきたって言ってもらえたら伝わると思います。なので預かってもらっていいですか?」
「それは構わないけど、ずいぶん多そうね、何個くらいあるの」
「250個です」
「250!!え、なんで?」
「とにかくお願いしますねー」
これでミッションコンプリート。茶柱先生を不快にさせてしまった罪はこれでチャラになるだろう。後ろで「ちょっとまちなさい」とちえちゃんの声が聞こえたが、私も忙しいのでこれにてさらばだ。
あ、山田太郎じゃなくて山田妙子って言っちゃった。まぁ伝わるか。それではお待ちかねの一年Dクラスにレッツゴー。
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side 茶柱
職員室に戻ってみると、職員室はざわざわと色めきだっているようだった。なにかあったのだろうか。
「さえちゃーん、妙子ちゃんって何者なのー?」
「妙子?誰だそれは?」
「またまたー山田妙子ちゃんだよー。それにこれみてよ、さえちゃんにって、ファブリーズ」
「ファブリーズ……何だこの量は」
「運ぶの大変だったんだから、さえちゃんの机に。250個もあるんだよ」
「250!?なんだその量は」
「さえちゃんが妙子ちゃんにおつかいでも頼んだんでしょ。こんなに大量のファブリーズ何に使うんだか」
そういうと知恵は自分のデスクに戻っていった。
山田妙子とは誰だ?うちのクラスにいるのは山田太郎だ。一体どうなっているというんだ。それにこの大量のファブリーズ。なんだなんの嫌がらせだ。この数を買うには10万ポイント必要なはずだ。こんなものの為に貴重な10万ポイントを使って何が伝えたいんだ山田妙子。……もしかして、私は臭いのか?
side out 茶柱
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ずばーーん!!
そんな効果音が鳴り響くくらいには勢いよく扉を開けた。
「おはよーー、今日も元気に頑張ろうね!!」
え、誰?という声を皮切りにクラスは騒然としだす。そんなことお構いなしに教室にずんずんと入っていく。あれそういえば自分の席ってどこだろう。
あたりをきょろきょろ見渡してみると、昨日スキップしていた時に手を振り返してくれた男子がいることに気付いた。スキップしているときの記憶力はこの世の誰よりも高いと自負している。普段はごみくそだが。なので間違いない。あの男子こそはスキップしていた時に手を振り返してくれた男子だ。
その子のもとに勢いよくダッシュして向かう。急ブレーキで目の前でストップする。少しばかり引いていたがお構いなしに話しかける。
「昨日手を振り返してくれた子だよね。私、山田妙子。よろしくね」
「お、おう、よろしく」
「突然なんだけど、自分の席がわからなくて困ってるんだ。教えてくれない?」
「もしかして昨日いなかった奴か。それなら、堀北の席の前だったはずだ」
「ありがとう。ほーーーりーーーきーーーたーーーさーーーん」
私は堀北さんを思いっきり呼んだ。
「ちょ、ちょっと、わたしはここよ。そんなに大声で叫ばないで。あなたには常識というものがないのかしら」
「あ、目の前にいたんだ。堀北さんよろしくね」
「私はよろしくするつもりはないわ」
「ありがとう、よろしくね」
「……私の話を聞いてた?」
「ありがとう、これからもよろしくね」
「……好きになさい」
「おぉ……堀北が押し切られてる」
「うるさいわよ綾小路君。あなたが安易に堀北と言わなければこんなことにはなっていないわ」
「それはすまん……」
うんうん、この二人なんだか仲がいいねぇ、僕もこの二人ともっと仲良くなるぞ。
「それにしても、こんなきれいな人と貴女知り合いだったのね。少し頭がおかしいけど……」
「いや、知らないんだが」
「えぇ、昨日手を振ってくれたじゃん」
「いや、まったくお前に身に覚えがない」
しつれいしちゃうなぁ。まぁ、スキップしている僕と記憶力を比べてはいけないね。許そう。これから仲良くなればいい。
「堀北さんとも、もう知り合いになっちゃったね」
「……頭痛がしてきたわ」
「それはいけない、イヴ飲む?」
いつも常備している頭痛薬を堀北さんに差し出す。
「あなたのせいなんだけれど……ありがとう、受け取るわ」
「なんか、堀北がいろいろと押し負けている。新鮮だ」
あぁ、なんかいい。これこそが青春というやつではないだろうか。いつまでも話していたいそんな日々。素敵。
そうこうしているとチャイムが鳴り響く。素敵な時間は終わりだ。
茶柱先生がSHRにやってくる。すると、唖然とした表情でこちらを見ていた。
「きりーーーつ、れい、ちゃくせき」
とりあえず号令をして規律と礼と着席を行う。僕一人でだけど。クラスの皆もさえちゃんと一緒に唖然としてこちらを見ている。なんでみんなやってくれなかったんだろう?あ、まだなかよくなってないからかぁ、頑張って仲良くなるぞ。仲良くなった人だけが一緒に規律と礼と着席をしてくれるシステムなんだね初めて知りました。
「勝手に号令をするんじゃない」
茶柱先生はあきれながらこちらに注意した。
「それにお前、だれだ?」
その言葉を皮切りに火が付いたかのように周りの皆もざわざわしだした。
あのかわいい子誰なの?先生も知らないのはおかしくない?かわいいならなんでもいいだろ。様々な喧噪で包まれる。
あぁ、そうか、自己紹介してなかったから自己紹介の場を用意してくれたんだね、茶柱先生は優しいなぁ。
「はじめまして、山田妙子もとい山田太郎です。昨日はスキップをしていたために入学式に間に合いませんでしたが、今日から全身全霊をもって頑張る所存なので皆さんよろしくお願いします。趣味はスキップ、特技は変装です。性別は男子」
そこまで言い切って一度声帯を調整する。なるべくイケメン男子っぽい声で
「よろしくね」
これで決まった。最高の自己紹介ができたはずだ。
しかし、予想に反してみんなポカーンと口を開けてこちらを見ている。
あれれ? 何か失敗したかな? そう不安に思っていると。
「「「えぇえええええええええええええええええええええええええ!?」」」
突然の怒号に包まれた
解せぬ。
続く?
ファブリーズ事件をきっかけにちょいと高い香水をかけるようになったさえちゃん。山田にどう思われてるかを気にしているのは内緒の話。恋愛に発展するかは神のみぞ知るのであった。