反省も後悔もしていない。
西暦1995年2月18日、日本の東京のとある某区に一人の男児が産まれる。
その赤子の名は嬴政(えいせい)、本来は死後ワルキューレ(半神半人)に天界へと連れていかれる手筈で有った。
しかし何の因果か嬴政は輪廻の輪へ入り転生を果たす。
それも三度目の。
同じ人生を二度も歩み、同じ道に進むと信じていた。
どれだけ上手くやろうとも何らかの修正の力が働き結果同じ道を歩むこととなっていたのだ、そう思っても致し方ないだろう。
しかし、ここで奇跡が起きた。
次の人生ではバレーで始皇帝になれでも言うのか。
全く別の道が開かれ、新しい時代へと導かれ今に至る。
そして幸いな事に天賦の才が“朕”にはあった。
物心が着く頃には両親とバレーを始めており小学生へ上がる頃にはその辺の子らよりも頭三つ程抜け出ていた程。
だからと言い慢心等出来る筈も無し。
このボールを落とさないという競技は中々に興味を唆られそれに関わらぬ人生は今世では考えられない。
どれだけ鍛錬したとしても足りない。
出来ることなら四六時中、夢の中でもしていたいものだ。
バレーに夢中な日々を送るとある日、両親はこう告げた。
仕事の都合で兵庫へと引っ越すと。
仕方ないがやはり仲良くしてくれていた彼にはきちんと別れを告げなければならぬ。
今世で初めての友達であり幼馴染みの京治に。
朕の方が一つ上ではあるものの話を合わせてくれており共に楽しくバレーをした仲なのだ。
言わぬ訳にはいくまい。
「引っ越す事となった」
「そっか・・・え!?引っ越す?ど、何処に?」
「関西圏の兵庫の確か稲荷何とかと言っていた」
「・・・遠くなるね。手紙書くよ。バレーは続けるんでしょ?それならまた会えるだろうし嬴政なら何処でもやって行けそうだし心配はしてないけど我が道を行くスタイルは控えた方がいいよ」
「あっはっは!朕が進む先は道となる。今更控える?無理な話だ。バレーは当然続ける。後朕も手紙を送ろう」
「言うと思った。今日はバレーしてく?」
「否、今日出発するらしい!だから最後のお別れをと寄ったまでだ」
「・・・嬴政も大概だけど両親も大概だよね。多分今後の人生で驚く事少なくなると思うよ。元気でね」
「好!京治も元気でな」
こうして別れを告げいざ兵庫へ。
飛行機の中は暇でボールを抱えながら窓の外を覗いているといつの間にか夢の中。
目覚めた時には新しい家の中であった。
父が抱っこをして運んでくれたのであろう。
ボールを手放さず抱えて眠っていた様子を考えるとそれが妥当か。
起きてすぐ腹がなり母は笑いキッチンへ夕食の準備を始め父は朕と共にリビングへと足を運ぶ。
今の家庭は暖かくいい家庭だと伺える。
幸せとはこういう事なのだろうな。
春燕・・・朕はやっと血の繋がりのある家族と食事を取り愛され楽しく過ごすことが出来た。
これも春燕のお陰なのであろう。
あの時心を救ってもらったからこそ正しく生きられる。
この事は今の両親は知らぬだろうがどうでもいい。
感謝している、受け入れてくれていることも愛してくれている事も全て。
だから恩返しがしたい。
バレーという競技で有名になって。
再び『始皇帝』の名を手に入れ両親に感謝の意を伝える。
それが今の目標である。
閲覧ありがとうございました(*・ω・)*_ _)