お待たせしやしたぁ!!←
何度目かの春を迎え現在中学二年生となり部活で初めての後輩というものが現れる。
その後輩達はアランの知り合いで名を侑と治という。
他にもチラホラと後輩は居ったが印象深かったのがこの二人で双子というだけあり顔がそっくりであった。
性格や声は全く違い判別は容易く間違う事は無い。
そんな双子は毎回喧嘩している、気が付けば。
見ている分には愉快で良いのだがアランは世話焼きなのか止めに入る、周りの人も。
兄弟喧嘩できる程仲が良いのだなと伝えると声を揃えて『誰がコイツ何かと!!真似すんな!』と漫才をする。
やはり仲が良いではないか。
「はっはっは!」
「何わろとんねん!!止めろや」
「続けさせれば良い、実に愉快である」
「見せもんと違いますけど!?」
「愉快てなんやねん!!」
喧嘩していた筈の双子がこちらにツッコミを入れ一時的にではあるもののそれが収まり怒りも収まった様に思う。
何故かは知らぬ、愉快と口にしただけでこうとは実に不思議だ。
そして部活の監督である先生が此方へ声を掛け皆静まった。
「宮兄弟の喧嘩か?よう止めたな嬴政」
と言葉を紡ぐが別に止めたつもりは毛頭ない。
「推奨した筈なのに止まった」
「いや、推奨してたんかーい!!そこは止めたれや。普通に止めても止まらん奴等やけども」
「ほれ、もっと喧嘩して良いぞ」
「いや、それ冷静になるやつやん。無理難題せんといてもろて」
「嬴政くん変わりもんやからしゃーないな。喧嘩せぇへんけど」
「俺からしたらお前等も嬴政も同じ穴の狢やで」
「はいはい!私語はそこまでや。練習するで」
その鶴の一声で気持ちを切り替え練習へと移り数時間が経過した。
何度目かのチャイムが鳴り終え下校の時間となりそれぞれ解散となった。
奇遇にも双子達と家が近く一緒に帰る事となったのだが。
寄り道してこうと提案をしてきた。
ウチの中学では買い食いが禁止されては居らぬのでちらほらと生徒を見かける事もある。
一番は家での食事だが当然部活後ともなれば必然的に腹は減る。
食べ盛りの中学生にとっては物足りぬだろうがな。
「嬴政くんは買わんでええんすか?」
「構わぬ家に帰って確りと飯を食う」
「そないな事言うて金欠とちゃいます?」
「カードは持ってるが金自体は持ってない故ある意味そうであろうな」
「いや、それ金持ちが言うセリフやないですか!」
「・・・ふむ、そうなのか」
「やっぱ嬴政くんてズレとるわ〜」
「いやホンマに。そこがおもろいんやけども」
「朕からしてみれば主等の方が面白い」
「「いやいやいや」」
後輩と呼ぶには双子は少々敬語が足りないがそれでも初めての可愛い後輩。
それと何より楽しませてくれる存在でもありバレーする時の頼もしい仲間でこの学校に通えて光栄だ。
幸いにも親の転勤は暫く無いと申していたので高校まではこの地域で暮らせるとのこと。
それとは関係なく高校は好きな所へ行きなさいとまで言われたがやはりバレー強豪校は外せない。
この後輩達ともう暫くバレーが出来そうな環境と言えば一択。
『稲荷崎』
しかない、が。
幼馴染みとのバレーも好きだった。
東京で再び彼とバレーするのも悪くない。
手紙によると進学先は既に決まっているのだとか。
流石朕と幼馴染みなだけある、確か・・・。
『梟谷』
と、書いてあった。
実に悩ましいがどちらかと言えば幼馴染みとは一緒によりも対戦者として戦いたい。
よって進学先は稲荷崎に決定。
必ずしも双子がその学校へ来るとは限らんが確信している。
県内トップレベルならず全国トップレベルの強豪に双子が興味を惹かれぬ筈がない、と。
寄り道の店で未来を思いほくそ笑む朕に気付かぬ二人を眺めつつ会計を終えるのを待ち家へと帰宅。
その足取りは実に軽かった。
まあ、重い事等一度も有りはしないのだが。
閲覧ありがとうございましたー( ◍´꒳`◍ )ペコッ