僕のヒーローアカデミア〜頭平成ジェネレーションズForever〜 作:パラドクスのガシャットは俺が飲み込んだ
「さあ、
鬣を意識させる金色のマスクに、左肩のライオンが特徴的な姿。全体的に金と黒のカラーリングが目立つそれの名は、仮面ライダービースト。
絶望から生まれる魔物、ファントムの内一体、ビーストキマイラを封印したドライバーを経由して魔法を扱い戦う戦士であり、ウィザードやメイジなどの、魔法使いのアーキタイプ。古の魔法使いの名を持つ仮面ライダー。
「おらぁぁぁぁっ!」
ドロタボウに接近し殴りかかるが、ドロタボウは軽く仰け反る。が、あまりダメージを受けた様子は無く、逆に腕を振り上げてビーストに攻撃を仕掛ける。
「おわっ!? とりゃっ、そいっ!」
呑気な声を上げながらその尽くを躱し、反撃として伸ばした腕を掴みあげて投げ飛ばす。
「結構硬えな…。でもその分遅いぜ!」
ドロタボウとてされるがままではない。直ぐに起き上がって接近戦に持ち込むが、それでもいなされる。そして冗談から振り下ろした左腕がビーストの肩口を捉えるが、ビーストはこれを読んでいた。
「どうだぁ!」
右腕で防ぎ、動きを止めたドロタボウに獅子を模したベルトのバックルから取り出した剣――ダイスサーベル――でもって袈裟斬りにする。
これには堪らずドロタボウもたたらを踏む。…………しかし、様子がおかしい。
「何だ?」
ヨロヨロととよろめき、どこか苦しそうな挙動を見せた。それのは思わずビーストも怪訝そうな目を向けて、その異変の正体に気がついた。
「あれは…!」
草だ。ドロタボウの体から歪に生えていた植物が更にその体を覆っていき、その一部から異界の果実――ヘルヘイムの実――が実っていた。
そして毒々しい瘤が震えたかと思うと、その中から灰色のずんぐりむっくりとした怪物。低級インベスが出現する。それも5体。突然現れたインベス達はうろたえるビーストの姿を見るや、その強靭な爪を構えて襲いかかる。
「増えんのかよ!? そういうことなら――――」
迫りくるインベスを身を翻して躱し、連続キックで弾き飛ばす。そして距離が出来たその隙に、変身に用いたのとは反対側。右手の薬指に、緑色のリングを装着した。
「――――こいつでいくか!」
『カメレオ!ゴーッ!カカッ カッ カカッ カメレオ!』
右から緑色の魔法陣がビーストの体を通り抜け、その右肩にはカメレオンの頭部がついた緑色のマントが身に着けられていた。
「おらっ!」
マントを翻すとそれに応じてカメレオンの舌が伸び、インベス達に強烈な鞭打を与えていく。そのまま5体絡め取ると、空中に拘束して一気に握り潰した。
「ごっつぁん!」
倒したインベスの肉体に宿っていたヘルヘイムの実の力をビーストドライバーに取り込むと、次はお前だとドロタボウへと視線を向けると………。
「あれ? に、逃げられたぁっ!?」
そこにドロタボウの姿など影も形も見えず、濡れていた痕跡すら途絶えている。こちらに来た時同様クラックを通って逃げていったのだ。
「ん、こりゃあ……」
慌てた様子で消えた場を探し回り、ゴミ箱の蓋すら開ける謎の徹底ぶりを見せたが、通路にあるものを発見する。
それは毒々しい極彩色の果実。先程ドロタボウの体に生えていたヘルヘイムの果実がぽつんと落ちていた。
「ちょっと、不味いかもな」
何かにそれを摂取される前に、その果実を回収し、この街にいるであろう人物を訪ねようと、来た道を引き返すのだった。
◆
そんなこととは露知らず、出久と爆豪はシャルモン洋菓子店にて皿洗いの手伝いをさせられていた。
『全てにおいて一流を揃えるワテクシの店にあなた達のような未熟者はハッキリ言って相応しくないわ! …そ・れ・で・も、スタッフが足りないのは事実。皿洗いなら任せられるかしら?』
とのこと。因みにスタッフがいないのは産休で来れないかららしい。
「…何で俺がこんなこと……!!」
「仕方ないよ、諦めなよかっちゃん…」
「こぅら坊やたち! まだまだお客様は途絶えてないわよ! 無駄話をしていて皿をキレイに洗えるのかしら?」
「っ洗い殺すわクソが!!!!」
((((洗い殺す…?))))
その鬼気迫る迫力のまま行われる皿洗いに、客は一層不思議なものを見るような目を向けるが、これでも皿一枚傷つけることなく洗えているのである。
未成年労働では? という疑問もなくはないが、かっちゃんはおばさんが「あ、全然いいです。むしろコキ使ってやってくださいな」と送り出され、僕は猛士の任務に着いてきてる身なので何も言えない。いや、言えたとしても大人しくやるんだけどさ。
それにしても、一流というだけあってこのお店は凄い。店内の景観はよくて、清潔感もある。店長さんが作っていく品々はどれも思わず唾が出そうなほど美味しそうで、訪れた人はみんな笑顔で食べている。
最初はインパクトがあったけど、この人がこの仕事に誇りを持って取り組んでいるのは疑いようもないことだ。
「ちょっと、手が止まってるわよ!」
「すみませんっ!」
そのまま小一時間ほど、客足が遠のくまで僕たちの皿洗いは続いた。
「ピークは過ぎた頃合いかしら? ま、この当たりで許して差し上げましょう。二度とあんな真似するんじゃないわよっ!」
「は、はい。申し訳ありませんでした…」
「チッ……サーセンした」
そんなこんなで、僕たちは解放して貰えた。その間の情報収集が出来なかったのは痛いけど……。
既に復興作業の終了した、クリーンな印象を思わせる街並みを戻りながら……ってああ!? そうだった! 情報を集めるためにシャルモンに寄ったのに、何も聞けないところだった…!
「ごめんかっちゃん! 僕シャルモンに忘れ物してきたかも!」
「あ゛!? んなもんいちいち俺に言うなや!! さっさと行け!!」
「じゃ、じゃあね! おばさんによろしく!」
慌てて道を引き返す。かっちゃんが、怪訝な顔でこっちを見ていることに気づかないまま。
――――…
「すいません凰蓮さん! 聞きたいことがあるんですけど…」
チリンチリンと鳴るベルと同時、駆け込みながら問いかける。…けど、突然戻ってきた僕に不思議そうな顔を向ける店員さんがいるだけで、肝心の凰蓮さんの姿は見えない。
「あれ、出久くん? 凰蓮さんならついさっき呉島さんと『ドルーパーズ』に行ったけど…」
「ホントですか!?」
しまった。あのとき一緒に聞いていれば二度手間にならなかったのに…。いや、まだいい。別に凰蓮さんだけが情報を持ってるわけじゃないし……。
「あのっ、なら何かこう、最近街の中で怪物を見たっていう話はないですか?」
「怪物? さあ…? 異形型個性…じゃなさそうね。私は知らないかな…。でも、そういう情報が知りたいなら尚更ドルーパーズに行ったほうがいいかもね。あそこはビートライダーズの溜まり場だから、噂話なんかも手に入りやすいかもよ」
「あ、ありがとうございました!」
店員さんに一礼して、言われた通りの道を走る。案内された道通りなら、あそこの角を右に行って……!
「っ、何だ!?」
急ぐ足に対して、その反対の曲がり角からずちゃ、ずちゃ、と濡れたブーツのような音がする。
足を止め、そちらをキッと睨みつけると、現れたのは正しく異形。田んぼが人の形を無理矢理にとったような姿で、こちらに明確な敵意をを向けていることを感じ取れた。
これでも“鬼”の末席だ。だから分かる。こいつが持つ邪悪な妖気。ほぼ間違いなく、魔化魍だ。
「こいつがドロタボウ……!? 特徴は一致してるけど、少し違うぞ!?」
瞠目しながら、迫るドロタボウに距離を置く。その異様な気配に、少なかった通行人も嫌な感覚を覚えており、既に避難している所だ。
「ドロタボウの特性は、猛毒の泥と、音撃鼓以外の攻撃では子供を生み出すこと…! アカネタカ、京介さんに!」
『ピィイ――!』
まず最初にやるべきことは、連絡だ。懐から取り出した音叉でディスクへ特殊な音波を当てると、それは鳥型に変形し、緑谷の命令に従って飛び去っていく。
これこそがディスクアニマル。“猛士”から支給されるサポートアイテムであり、捜索連絡録画に録音など、様々な機能を備えている心強い味方だ。
それを見送るや、再び出久は音叉を腕の前で鳴らす。変身音叉の音波を浴びた出久の体は変化を迎える。
深緑の炎に包まれ、逞しい筋肉の鎧と金縁の顔が顕になる。
「―――ハッ!」
腕で炎を振り払い、そこに立っていたのは、ただ一人の“鬼”であった。
「とりあえずっ、やるしかない!」
体色と同じ緑色の鬼石が備わった音撃棒を抜き放ち、ドロタボウへと打ち込んでゆく。
ドロタボウは鈍重だが、強力な魔化魍だ。それこそ、かつて確認されたドロタボウは、生半可な魔化魍ならば一撃で倒してしまうほどの威力を誇る響鬼の鬼棒術『烈火弾』の直撃にも耐えるほどだ。
京介によって知識を脳に詰められたが、それが今まさに役に立っている。この場で倒すに越したことはないが、出久はそれを選ばなかった。
未熟な自分が対処するよりも、ここでドロタボウを抑えて京介の到着を待つ。それが最も賢い選択だ。
これが他の魔化魍であれば違った選択肢もあり得ただろうが、こと相手がドロタボウであるなら最善だ。付かず、離れず。ドロタボウの敵意を一心に受け、鼓の音撃であるため子供も増えない。
「このまま耐えれば…!」
何とか攻撃を回避しながら、注意を惹き付ける。するとドロタボウはわなわなと身動ぎし、猛毒の泥を飛ばしてくる。
「危なっ!?」
横転し、避ける。泥の当たった箇所を見てみると、舗装された道路だというのに見事に溶けてしまっている。人を簡単に溶かす猛毒だ。流石に鬼の体なら大丈夫だとは思うけど、それでもダメージにはなる。
そのことに恐々としながらも、相手を見やるが、様子が可笑しい。
ドロタボウに生えた草や蔦が急速に成長し、紫の毒々しい実を幾つもつけ始める。その様子に並々ならぬ不気味さを感じていると、後方から複数人の足音がする。
「通報を受けて来た!」
「お前が
「そこの彼! 相手の情報は?」
顔を向ければ、何人ものヒーローがこちらへ向かってきている。その中には、当然遠距離攻撃を持つヒーローもいて……
「駄目です! 攻撃しちゃ――!!」
時既に遅し。ドロタボウに襲いかかる岩石やエネルギー。直撃したそれを、ドロタボウは体でしかと受け止めた。けれど、全く応えた様子はない。
「…っ、タフなやつだ。ならもう一度――」
「だからっ、今すぐ攻撃をやめてください!」
再び攻撃を開始しようとしたヒーローの腕に掴みかかり、その照準をずらす。その妨害に驚きこちらを見るヒーローだが、文句を言う前に変化が訪れる。
「おい、何か出てきたぞ!?」
「あれは……10年前の…」
「インベスだ!」
他のヒーローの呼びかけに咄嗟に前を向くと、ドロタボウの背中の瘤が膨れ上がり、攻撃された分だけの初級インベスが出現する。
この街で活動するだけあり、存在を知っている者もいるらしい。そこで、流石にヒーロー達も異変に気づいたらしい。
けれど、当の出久とて困惑していた。
「ドロタボウの子じゃない…!??」
明らかに異常事態だ。魔化魍であるドロタボウからインベスが生まれるとは何の冗談だ。
「おいアンタ、あいつについて何か知ってるのか? 普通の
「…はい。詳しくは省きますが、あいつは魔化魍の一種です」
「魔化魍…!? あの、オロチ事件のか!?」
「そうです。相手の名前はドロタボウ。本来なら僕たちの持つある攻撃手段以外では際限なく新たなドロタボウの子供を生み出す能力を持っています」
「…そう、か。俺たちが余計な手出しをしたから…。すまねえ」
「いえ、大丈夫です。お陰で、相手の異常性も分かりました。どういうわけか、あいつは子供の代わりにインベスを生み出す能力を得ている。……すみませんが、インベスの相手は頼みます。この中で安全にドロタボウを抑えられるのは僕だけなので」
「了解した。尻拭いくらい自分たちでやるさ」
出久の言葉に耳を傾けていた彼らは、真剣にそれを聞き取り増えたインベスに向かっていく。だがしかし、その意気に反して、インベスたちはドロタボウへと向かっていく。
「何?」
「仲間じゃないのか?」
彼らもその姿に困惑し、動きを止めてしまう。やがて最初の初級インベスがドロタボウにたどり着くと、
「…マズイ! あれを妨害してください!」
言うが早いか、出久も音撃管でインベスの体を撃ち抜いていく。だが、それでも何匹かのインベス達はその果実を口に含む。
『グァァアアア!!』『オオォォォォ!!』『シャァアア!!』
「嘘だろ…」
ドロタボウの果実を口にした初級インベスたちはみるみるうちにその体が変化していき、最終的にずんぐりむっくりとした灰色の体から、ヤギ、シカ、ライオン、カミキリムシの姿をした姿へと変えていく。
彼らこそが、初級インベスが新たな姿に至った『上級インベス』。その力は、仮面ライダーとて侮っていいものではない。
正直言いますと、今の出久では上級インベスと一対一でも厳しいです
これからのヒーロー達(出久やライダーも含む)の難易度は?
-
Hard 難しい
-
Easy 簡単
-
Intermediate 中級
-
Standard 標準
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Excite 宝生永夢ゥ!
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Impossible 不可能
-
↑頭文字を取って……