Lycoris Recoil  花守のうた   作:RoLeRuLiRA

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J「オリジナル展開はしないと約束したな?」

AG「そ、そうだ大佐!」

J「あれはウソだ。」

AG「ウワアアアアアァァァァァ」

GW「あいつはどうしたの?」

J「放してやった。」


Inter Mission 01
幕間01 Night and Day


 

 クルミがリコリコに居を構えたその夜、安喜の電話は鳴りっぱなしだった。DAのトップである楠木からは高速道路の騒ぎの愚痴、今回支援を頼んだAIのタナトスからは恩着せがましいお礼の催促、そしてCAに所属するリリベル二人の上司からの世間話。一遍に来るなと叫びたい衝動を抑えて安喜は店の地下にある射撃訓練場で電話に張りつく羽目になった。途中で愚図る千束を先に帰らせる時に手を噛まれた事も安喜の心労を一層強くしていた。未だに手が痛い。あいつは犬猫か何かか。

 そんな安喜の心労を知る由もない3人目の電話相手は安喜との会話を愉しむような口調だ。

『二人はどうだ?使えそうか?』

 

「優秀な人材をもらえるのはありがたいが事前に言ってくれ。人が来た後になってから略歴書を送られても困る。」

なんでこう事後通達が多いんだこの業界はと愚痴る安喜にCAの男はくつくつと愉快そうに笑ってすまんなと謝辞を示した。ちっともすまないとは思ってない声だった。

『そっち向きの人員となると限られるんでな、選ぶのにちょっと時間がかかった。2人はそっちの嬢ちゃんたちとも歳が近いしやりやすいだろ?』

 

「まあな。だが、こっちにはともかく本人たちにも情報が渡り切ってないぞ。俺に師事するよう言ったのはあんたか?レオーネ。」

レオーネと呼ばれたCAの男は安喜の質問にYesと即答して肯定する。

『私の選んだ新しい花守家の人間だ。お前の下が適任だと思ったのでな。言っておくが下の名前は生来のものだ、俺が決めたわけじゃないぞ。』

 

「そんなこと気にしてない。たしかに聞いた時は面喰ったが。まったく、俺より優れた教師などいくらでもいるだろう。」

 

『ミラーのようにか?』

かつての仲間の名前を出されて安喜は渋面を浮かべた。

「生きてる人間の話をしてる」

私もそのつもりだ、とレオーネが言う。

『死人の顔を思い浮かべていたのはお前の方だろ?まあ言った通りだ。やりたくないなら別に何も教えなくてもいい、ただ一緒に仕事をするだけでも勝手に色々と学ぶだろう。京輔はそういうやつだ。』

 

「俺から学ぶことがあるとは思えないがな。」

なぜわざわざ俺なんだと安喜が思ったままを口にすると

『本気で言ってのるのか?お前さんとこの嬢ちゃん達を見るにそんなこと無さそうだが。』

おかしそうに言うレオーネの口調にいつものニヤついた表情が目に浮かぶようで安喜はため息をつく。

「・・・わかった、やってはみるよ。また何かあれば電話する。」

 

『是非頼む。明日には二人の装備品を届ける予定だ。他にも何か必要なものがあればいつでも電話してくれ。ではな、スネ――――』

ガチャン

 最後まで聞かずに安喜は電話を切った。その呼ばれ方は好きじゃないんだという彼なりの意思表示だったが相手には微塵も効いていないだろう。安喜の今の反応を予期した上で言って今頃笑っている可能性すらある。本当にイヤなやつだと安喜は思った。

 電話を終えた安喜が上階へと上がると店内はもう片付けがされておりミカがカウンター席で安喜を待っていた。カウンターには安喜のために淹れてくれたのだろう一杯のコーヒーが置いてある。

 

「すまないな、対応を任せてしまって。」

謝るミカに安喜は笑って気にしてないと言うように手を振る。

「そもそも俺あての電話でしたし、ミカさんには店の片付けがあったでしょ?」

そう言ってカウンターのコーヒーを手に取り一口飲んだ。

「美味いですね。」

それを聞いてミカが穏やかに笑うのを見た安喜はふと店内に漂う匂いを感じた。

「タバコ吸ったんですか?」

そう聞かれたミカがごまかすように自嘲する。見てみれば彼の手元にはまだ灰皿があった。

 

「店を閉めてからいくらか手持ち無沙汰だったのでな。」

そうは言うがミカは元来タバコが好きなわけでもない。大方今回の仕事で千束たちが危険に晒されたことに自責の念があるのだろう。

「それで喫煙?前も言いましたけど店内は勘弁して下さい。真っ先に疑われるのは俺なんですよ。」

そう言って安喜は懐から自分のタバコを出して咥えると火を点けた。

「お前も吸ってるじゃないか」

背後からクルミの声、見ると何やら空の丼ぶりを持っている。ミカに作ってもらったのだろう。

「内緒だぞ。家じゃ中々吸えないもんでな。」

そう言って紫煙を吐きだして安喜は言った。

「まあいいけど。あ、これ美味かった。」

クルミは言って丼をカウンターに置いた。自分で洗わないのかと思った安喜だがミカは気にした風もなくそれを取って厨房へと歩いていった。すっかり父親の雰囲気が板についているミカの背中を見送って安喜は再びタバコを口にする。そりゃ男女問わずモテるわけだ。

 

「二人のことは?」

京輔とデイビッドのことだ。内緒で調べてもらったのだ。

「見せてもらった資料と矛盾点は見られない。大丈夫だろ。」

 

「そうか。」

 

「ひとつ聞いてもいいか?」

いきなりのクルミの問いかけに安喜はタバコを咥えたままどうぞと頷いた。

「花守家とは何だ?」

タバコを口から離して紫煙をゆっくりと吐き出して彼は答える。

「DA絡みの、ある役目を負う一族だ。詳しくはいずれ話す。少し待て。」

納得していない様子のクルミに安喜が一枚の紙を差し出す。

受け取ったクルミが渋い顔をした。

「あの日DAのAIを攻撃したのがお前さんなのはDAも掴んでる。店で知ってるのはまだ俺とミカさんだけだ。他は知らないし上層部に報告する予定もない、今のところはな。」

クルミに見せたのは先日ハルトから受け取った書類の一部、ウォールナットについてのものだった。あの日書類は千束にも見せたがウォールナットの部分だけは見せなかった。今日の仕事を予期していたわけじゃないがウォールナットの排除ではなく協力が欲しかったというのは安喜とミカの間で一致していたのでそうしたのが結果的にプラスに働いた。尤も千束は書類については一瞥して終わったので読んでいても忘れたかもしれない。彼女にとって大事なのは安喜とミカが隠し事をしてるか否かだからだ。実際の所たくさんあるが。

 

「脅しじゃないか。」

クルミはげんなりした顔で紙を安喜に返す。

「取引しようって言ってるんだ。待ってくれればお前の質問には答えるし、お前の安全は保障する。そっちの得のが多いだろ。」

不本意そうだがクルミは納得したようで分かったとだけ言って座敷部屋へと足を向ける。

「言っとくが京輔に聞くのもナシだぞ?といってもあいつは殆ど何も知らないだろうが。」

クルミは今度こそ不機嫌そうに振り返る。

「分かってる。ボクは約束は守る。だからおまえも守れよ!」

そう言って座敷部屋に入っていくの見送って安喜は先ほどの紙をちぎって纏めると灰皿に置いて火を点ける。紙の焦げる匂いが広がりミカが怪訝な顔をして厨房から戻ってきた。

「クルミは納得してくれましたよ。」

「そうか。」

それで察したらしいミカは黒コゲになり炭化した紙をみやると灰皿を取りそのまま奥へと引っ込む。

「今日はもう帰れ。千束が待ってるだろ?」

振り返らずそう言ったミカに安喜が困った顔をする。

「ここ数年、もう殆ど毎日俺の家にいるんですがね、ミカさんからも言って下さいよ。」

父親代わりでしょ?と暗に伝えたがミカは振り返らずに答える。

「いたら、嫌なのか?」

予想外の返答に一瞬詰まる安喜。答えに窮した安喜にミカのフッと笑ったような息遣いが聞こえた。こういう場合の沈黙は肯定と同じだ。

「・・・なら、私から言う事は無い。」

そう言って厨房へと入って行った。

 何とも言えない気まずさの中で安喜は店を出て家へと歩く。いくらかまだ寒さの抜けない夜の風が千束に噛まれた手に少ししみるように安喜には感じられた。

 

 リコリコから戻った千束はいつも通りに安喜の部屋に帰って来ていた。思えば安喜の部屋に入り浸るようになって2年余り、今では住んでいるという方が正しい。

 最初のきっかけは盗み聞きした安喜とミカの会話だった。しっかりとは聞き取れなかったが、2人は何かを隠している。そう思って安喜の部屋へと入りこんだのがはじまり。探偵よろしく何か隠してないか物的な証拠を掴もうと思っていたのだ。たしかに映画の見過ぎかもしれないと千束は思う。結局何も見つけられず、帰ってきた安喜と鉢合わせした。

 その時に見た彼を今でも千束は覚えている。シャワーに入る所だったのだろう半裸の姿、適度に引き締まった身体は運動が日課のどこにでもいる青年らしかったが、それ以上にインパクトの強い体中に残る古傷の痕が目を引いた。背中、胸元、腹部、脚、肩、至るところに大小多種多様な傷痕があった。過去の仕事で負った傷なのだろうが出会ってから10年近く経ったその時初めて千束は安喜の本当の姿を垣間見た気がした。

それまではミカと同じ恩人の一人で、タバコ臭い兄貴分に近い存在だったのがその日から、徐々に変化していった。彼と過ごすうちに色々と知った。身体の古傷、毎晩何かの夢にうなされていること、何らかの理由で自分同様に先が長くないことも。

 そこから彼のことをもっと知りたいと思うようになるまでそう時間はかからず、いつの間にか彼女はこの安喜の部屋に住み着くようになっていた。安喜は嫌がりつつもそれを許している。文句を言っても最後には約束したからと言って彼が折れる。

約束。安喜がよく云う「約束」が何なのか、誰とのものなのか千束は知らない。知りたいとは思う。それでも今はまだ知らなくてもいいとも思えた。今はただ、彼と、皆と一緒にあの場所(リコリコ)にいたいと思うから。でも今日は少し心配した。銃声と爆発音の中で連絡が途絶えて、駆けつけてみれば安喜と一緒にいる見知らぬ少女。千束は初対面ではあったがカナンの名前は知っていた。以前安喜がした昔の話で彼女の名前を聞いたからだ、まさか自分と同じくらいの少女とまでは思っていなかったが。

安喜には、安喜の生きてきた世界がある。自分の知らない世界の話だ。仕方の無いことだがそれが千束には、どうしようもなく寂しく思える。安喜は時折、自分を通して他の誰かを見ていることがある。その時必ず彼から出る言葉、「約束」その相手を見ているのだろうと千束は思った。その度に千束は安喜がいつか突然いなくなるような不安に襲われる。

彼が自分といるのは約束のため、それを果たしたら彼は消えてしまうのではないか。そんな風に思ってしまうのだ。彼の部屋に居着くようになったのはそれも理由だろう。

 ふと、自分の髪に手がいく。今日のカナンを見て真似てみたショートポニー。安喜について大抵のことは知る千束だが異性の好みを聞いたことはない。が、今日の反応を見るになんとなくこういうことではないのだろうとは思った。安喜の女性遍歴など知らないが、安喜は何気にモテるのを千束は知っていた。仕事に出ればいつのまにか女性の知り合いが増えているし、昔の知り合いだという相手の半分以上は同い年か年下の若い女性が多い。今回にしてもそうだ。人の気も知らずにあの男は!なんて言える立場じゃないのは百も承知で千束は無性にモヤモヤしてしまう。

 自分のこの感情がなんなのかはさすがに千束にも分かっていたが、それを確かめる気にはなれなかった。恐らくこの想いが成就することはないとわかっているから。それを確かめようとしたら、なにかが変わってしまう。今の日常が変わってしまうような気がする。それを千束は恐れていた。

 色々悶々としている内に、眠気が襲ってくる。見れば時計は日を跨いでいた。安喜が帰ってくる様子はないが連絡する気も起きずに千束はソファーに寝そべって眠気に身を委ねた。

 

 

 リコリコから戻った安喜が見たのは寝間着姿でソファを占領する千束だった。安喜を待ち疲れたのか、ソファに座ったまま寝てしまって居たようで安喜が帰ってきたのに気付いているのかいないのか反応が薄い。

 

「おかえり~」

 

眠そうな声というか殆ど寝ぼけた声をあげる千束に安喜は困ったように頭を掻いた。

 

「風邪ひくぞ。寝るならベッドに行け」

 

「う〜ん」

そう言ったきり動きはない。しょうがないと諦めて着替えた安喜は千束をベッドに運ぼうとソファで寝ていた千束を両腕で抱き抱える。

意外と重い、などと感想を云えば怒りで目を覚ますかなと思ったが、それはさすがにまずいと思い黙っておくことにした。寝室でベットに千束を降ろそうとした安喜の首に彼女の腕がまとわりつき彼に抱きついた姿勢になる。突然のことにバランスを崩した安喜は千束の道連れよろしく二人揃ってベッドに倒れ込んだ。

 

お互いに向き合う形でベッドに寝そべる格好になった2人。衝撃で少し目が覚めたのか千束は安喜を見つめた。

 

「今日は……心配したよ。」

 そう言って安喜の胸元に顔を埋める千束の頭を安喜はそっと両腕で抱く。千束が後ろで結んだままにしていた髪が彼の腕を優しく撫でた。それが何故だか彼の気分を落ち着かせる。

 

「ああ……すまん」

不安にさせたことを詫びると今度は安喜の顔をジト目で見上げる

 

「本気でそう思ってる? ていうかあのカナンって娘……ほんとに仕事仲間?」

何を心配してるかと思えば……と安喜は呆れたような安心したような気持ちで言う。

「昔の知り合いだ。それだけだよ。」

そう言って千束の頭に手を置く。昔、こうすると千束は喜ぶとミカに言われやったことを思い出す。あの頃から時が経って彼女が成長した今もそれは変わっていない。

「・・・タバコ吸ったでしょ」

リコリコでシャワーを浴びればよかったなと安喜は思ったが今更どうにもならない。

「すまんな。」

クルミに内緒にさせた意味を失った安喜は具合が悪そうに目を逸らした。胸元に再び千束が顔を寄せてくるのを感じる。

「いいよ....今日は許してあげる。」

そう言って千束はそれっきり喋らず、程なくして寝息をたてだす。

「おやすみ」

そう一言言って彼女に布団を被せて安喜も瞼を閉じた。

 

 

 翌朝、リコリコの射撃訓練場には安喜、京輔、デイビッドの姿があった。店が休みの今日が丁度良いと思い安喜が新入り二人にリコリコの仕事で使う道具を渡して使い方を教えることにしたのだ。

「これはボララップを基に作ったワイヤーガンだ。ワイヤーを射出して相手を拘束出来る。スパイダーマンの糸みたいなもんだと思ってくれればいい。大体8mくらいまで届くがまあ実際にはもっと至近距離用だ。」

そう言って安喜が手渡したのはスタンガンのような形状をした長方形の道具で持ち手のグリップ部分にトリガ―機能があり先端にレーザーポインターが内臓され暗所での使用にも適した作りになっている。受け取った二人は外観を見てある程度察したのか安喜の用意したマネキンにそれを向けて、発射。一瞬でマネキンにケブラ―素材のワイヤーが絡みつき両足と胴体部に絡みつく。二人は感心したように手元のそれを見て何度か試す。

「これは便利だな。CAに戻っても使える。」

デイビッドがそう言ってワイヤーガンを懐にしまう。

「アメリカで見たやつは火薬を使ってたがこれは違うのか?」

京輔の質問に安喜は「そうだ」と肯定した。

「銃声みたいな音がしたら困るからな、詳しい構造は作ったやつに聞かんと分からんが。」

ある学園組織で武器の整備とカスタムを担当する関西弁女を思い浮かべて安喜は言った。二人の感想を聞いたら彼女も機嫌を良くするだろう。武器の修理を頼む時に使えるなというしょうもない考えを忘れることにして安喜は射場設備の説明に入った。

 

 二人にワイヤーガンと銃を隠し持つ為の携行具を渡し、安喜たちは店へと上がった。店内では仕事から戻った千束とたきなが休憩中なのかカウンターでコーヒーを飲んでいる。

「あ、安喜の方終わったの?」

聞いてくる千束にああ、と返して安喜は京輔とデイビッドに店の合い鍵を渡す。

「持っとけ」

二人は受け取るとそれぞれのキーケースに入れた。

「そういえばおまえらの荷物が来てるそうだ。」

安喜がそう言うとデイビッドが嬉しそうに言った。

「早かったな」

 

「ここにじゃない。取りに行く必要がある。」

 

「どこで受け取りだ?」

安喜が京輔にメモを手渡す。

「近いな。」

驚く京輔にデイビッドが言う。

「悪いが今日は行けない。京輔行けるか?」

恐らくクルミの手伝いだろう。護衛兼助手としてデイビッドはクルミに付くこととなり寝泊まりもこの店でしている。バディ解消に近い状態となるが任務は任務だ。

 

「わかった。安喜さん車借りれます?」

京輔の頼みに安喜は車の鍵を取り出す。

「近いんだろ?送ってやる。丁度配達があるしな。」

そう言って安喜は配達する品をまとめ始めた。

 

「出来れば、もう一人運搬に欲しいんですが。」

京輔が言うとカウンターから千束が言う。

「私行こうか?」

がしかし

「千束は今日警察署に用事あったろ?」

彼女の予定は埋まっていた。そうだったー!という叫びを背に安喜がデイビッドに聞いた。

「そんなにあるのか?」

 

「まあ、2人か3人いればいけると思うが。」

ふと周りを見渡して、たきなと目が合う。

「?」

頭に疑問符を浮かべてそうな彼女に安喜が言う。

「よし、井ノ上も行くか」

たきなのえ?という彼女らしくない間抜けな声がした。

 

 

「なんでわたしまで...って言いたそうな顔だな。」

安喜の車で荷物の場所まで行く間、たきなは渋面を浮かべていた。ニヤついた安喜の表情が彼女の渋面を一層濃くする。

「・・・思ってません。」

「顔に書いてある。」

「書いてません。」

まだ出会って日は浅いが、たきなは意外と顔に出やすい。それは安喜だけでなくリコリコのメンバー全員が思っていたが面白いので本人には言っていない。

「すまないな、俺たちのために。」

そう言って助手席の京輔がたきなに言う。

「いえ、協力してもらう以上は必要なことですから。」

言葉と裏腹に不本意な響きの返答に京輔は苦笑してしまう。生真面目で優秀ながら嘘がつけず不器用なタイプ。ずる賢い人間との出会いが多かった京輔の人生では割と新鮮だった。

「なんです?」

笑ったのが聞かれたのかたきなが聞いてくる。少し声が不機嫌だがそれがまた京輔には面白い。

 

「いや、前の職場にはいなかったタイプだなと思ってな。他意は無いよ。」

京輔の言葉にそうですかとだけ返したたきなは車の窓から見える街並みに視線を向けてそれきり到着まで喋らなかった。

 

 

 安喜たちが到着したのは都内のビジネスホテルだった。ここの一室に荷物が置かれているらしい。駐車場があるので丁度いいがこんな受け渡し方法でいいのかと安喜は疑念の目で京輔を見たが彼曰くこのホテルはCAの拠点の一つでよく利用するらしい。

チェックインをせず事前に聞いた番号の部屋へと入ると二つの黒いスーツケース。丁度クルミが持っているのと同じくらいのサイズだ。

「思ったより少ないな。」

デイビッドが言っていたほどの量ではない。

「海外と違って日本じゃ強力な武器は必要ないからな。」

なるほど、かさばる銃器類が無くてこれなら普段はそれなりの量なのだろう。

「運びましょう」

そう言ってたきながスーツケースの一つを手に取ったが京輔がそれに待ったをかけた。

 

「中身の確認をしてからだ。」

京輔はそう言ってスーツケースの取っ手口に付いている番号入力キ―を叩く。4ケタの数字を京輔が入力するとスーツケースが開いた。もうひとつも同じようにして開けると中には彼らの装備品がぎっしり詰まっている。

 

「えらい色々とあるな。・・・スタンガンに警棒?」

安喜が驚いたとばかりに呟く。

「殺しが御法度と聞いたので、色々頼んだんですよ。」

一通りさらっと流して見た後に京輔がスーツケースを閉じる。

「問題なさそうだ。後は店でデイビッドと確認します。」

京輔がスーツケースを持って立ち上がる。もう一つはたきなが持った。

 

 駐車場の車に荷物を押しこむ傍らで安喜がふと尋ねた。

「そういえばお前らのバイクはどうなったんだ?」

今回送られて来た荷物には入っていなかったがあれば便利だろうに

「回収されてますよ。ただ高速道路で派手にやったのでしばらくは使わせてもらえないでしょう、あれは目立ちますから。」

 

そう言われてみればそうかと安喜も納得して乗車すると配達するから付き合うよう言って車を出した。

 出発して数分、車内で終始無言のたきなを安喜はちらりと見る。

「千束とはどうだ?」

唐突に聞かれてたきなは質問の意図を図りかねたが正直に言った。

「千束さんに不満はないです・・・。」

後ろに「でも」が続くような、言外に今の仕事への不満が感じられる応えだった。今の仕事にたきなが満足していないことは安喜もわかっていたが正直居てもらう方が千束にとっても店にとってもありがたいというのが本音だった。

「まあ、今の仕事を重ねていけば目指す場所も見えてくるさ。千束は井ノ上が一緒にいると楽しいと言ってたぞ。」

 

たきなは何度か口を開こうとして

「私は・・・千束さんといるのが嫌なわけではないです。でも、戻りたいです。やっぱり。」

とだけ小声で言ってそこからは何か言いたげな顔のまま何も言わなかったが、安喜は「そっか」とだけ静かに言って会話を切った。

助手席の京輔が気まずげに安喜に聞いた。

 

「詳しい事情は知らないんですけど、もしかしてあの店って・・・左せ――」

「違うぞ。」

そこで安喜が即座に否定する。建前上はどうあれ、支部なので別に左遷というわけじゃない。そもそも人が来ないのも千束と仕事の出来る人間がファーストの一部に限られるからだ。その点セカンドのたきなは良くやっていると言える。何より自己判断出来る能力と度胸があることはミカと安喜の一致した分析だった。たきな本人には悪いが店にとってはありがたい増員なのだ。

「千束の相棒は誰にでも務まるようなもんじゃない。そこは自信を持ってくれ井ノ上。」

静かに、しかし強く放たれた言葉にたきなは窓の方を向いたまま

「・・・はい」

とだけ答えた。今はその返事だけでも十分だと、安喜は思った。

 

 

 配達先の会社に着くと安喜は二人に車内で待つよう言ってどこから出したのか缶コーヒーを渡した。

「すぐ戻るからそれ飲んで待っててくれ。」

そう言うと建物へと荷物片手に歩いて行った。

 

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

 

車内に2人分の沈黙が漂う。先ほどから感じていた気まずさがここへ来て二人きりになった事でネクストレベルに達した京輔はちらりと後ろのたきなを見る。彼女は何事も無いように無表情でまだ窓の外を見ていた。とりあえず受け取ったコーヒーを開けるとカシュッという音が車内に響く。それに続くように後ろから缶コーヒーの開く音がした。ふと後ろを見ると、たきなと目が合う。感情の読み取りづらい表情・・・に見えたが彼女も手持無沙汰か緊張からか、気まずさか何となく感じられて京輔の中にあった彼女を苦手と思う感情が消えていく。

 

「プッハハハ」

思わず笑い声が漏れてたきなが驚いた顔をする。

「なっ、なんで笑うんです!?」

心外だと言いたげな彼女に京輔は慌てて謝った。

「ごめんごめん。いやなんかもっと近寄りがたいっていうか、何考えてるのかわからない人だと思ってたから。思ったより顔に出るんだなと思ってさ。」

言外に分かりやすい人間だと言われたことにたきなは思わず言い返す。

「なっ!?そんな人を単純だとか脳筋みたいに、千束さんといい安喜さんといいあなたといい、皆さん私のことなんだと思ってるんですか?」

たきなはショックを受けたようで恨めしそうに京輔を睨んだ。

あまり恐くないなと京輔は思ったがこれ以上機嫌を損ねるのもまずい。

「いや脳筋とまでは言ってないって、寧ろ親しみが感じられるっていうか…」

なんとか機嫌を直させようと京輔はフォローしようとしたが

「いや言ってました!安喜さんが」

どうもフォローしきれそうになかった。

「言ったのかよ、あの人…。」

実際には面と向かっては言われたわけではないが京輔が知るところではない。彼の中で安喜の株が若干下がった瞬間だった。

 

「まあいいだろ根暗とか言われるよりはまだ。」

そう言ってもたきなは納得していないようだった。本当に顔に出やすいんだなと京輔は思ってコーヒーを一口飲む。

「そういう問題じゃ…ん?」

突然たきなの携帯が鳴った。見てみると千束の名前が表示されている。

「はい、たきなです。どうしたんです?今ですか?配達先の会社の前です。そうです、お猿商事さん。」

そんなふざけた名前の会社だったのかと京輔は思わず会社の方を見ると安喜が入り口で誰かと話しているのが見えた。すぐ戻るからと言いつつ世間話が長引いているようだ。意識を車内に戻せばたきなの携帯からなにやら千束のわめくような声がする。何かあったのかと京輔がいぶかしんでいるとたきながため息をついて携帯を切った。

「なんだって?」

たきなが疲れたように言った。

「ひったくりの現場に出くわして今追いかけてるらしいんですけど、この辺まで来てるらしくて、丁度いいから手伝ってほしいそうです。」

 

「この辺までって・・・見たって分かんないだろそんなの。外見とかは?」

せめてそれぐらい無いと見ても分からない可能性もある。そこでまた携帯の着信音、今度は京輔の方だった。見れば画面にはデイビッドの番号。

「どうした?」

何となく用件は分かるが一応確認した京輔の耳にデイビッドが話しかけてくる。

『京輔、お前の方にひったくりの逃走犯が向かってるそうだが』

 

「らしいな、人相とか格好とかわかるか?」

 

『写真と映像を回す。男性、30代くらいの中肉中背、服は茶色いコート、メット無しでバイクで逃走中だ。今クルミがドローンで追ってる。』

そこまでやってるなら俺らは本当にいるのかと京輔は思ったが今暇なのでやらない理由はたしかに無い。

「移動手段はあるけど安喜さんの車だからな。」

さっさと呼び戻すべきかと京輔はもう一回外を見る。まだ社員らしき黒人と話している。

『運転免許はあるだろ。』

CAのリリベルは海外での活動に辺り国籍も免許などの身分証も持っている。そこは国内のDAに属するリリベルとの違いだった。

「左車線の国は久々でな。」

 

『荷物の中にボードなかったか?』

そう言われて京輔は自分が受け取った装備の中にあったモノを思い出す。

「あれか。使っていいのか?」

以前使った時は2回目で壊した。

『壊すなよ。』

案の定釘を刺される京輔は気休めにもならない返事をした。

「努力する。」

京輔の携帯にドローンからの映像と逃走者の写真が来た。電話を切って京輔は車を降りるとトランクを開けて回収したスーツケースの一つから長方形の板を取り出す。折りたたまれていたそれを広げるとスケートボードのような外観の道具が現れる。車輪の無いスケボーというのがしっくりくる形だった。

「なんですそれ?」

後ろからたきなが聞いてくる。恐らく見たのは初めてだろう。海外でもまだそこまで一般的じゃない

「井ノ上さん、スケボー乗ったことある?」

答えも聞かずにもう一つのボードも出した京輔にたきなは当然首を横に振った。

「ないですけど。まさか・・・」

 

「ストンプボードって言うんだけど、まあ、車輪の無いスケボーかな。ついてくるならこれ貸すし、ここで待ってくれてもいいけど。」

そう言ってボードを渡す。たきなは受け取りその上に乗った。

「行きます。相棒からお願いと言われたので。」

たきなの頭には、先ほど千束から言われた言葉と安喜の言葉があった。今はあの人の相棒だ。いずれ本部に戻るためにも今は目の前のことをしたかった。第一誰かが行くのに自分は行かないと言うのはたきなの性には合わない行動だった。

「助かる。設定して板に固定したから、よほどバランスを崩さない限りそうそう落ちない。機動も俺のにリンクさせるから、操るっていうか上手く乗っかる気持ちでいて。」

そう言うと京輔が何やら腕に着いた端末で操作する。思えばデイビッドも同じものを持っていた。CAの標準装備なのだろうとたきなは思った。

京輔が入力を終えると板が浮いた。地面から凡そ10cmほどだが、浮いている。本当に大丈夫だろうかという不安をよそに京輔がこちらに向かってくる安喜に言った。

「仕事が入ったんで出ます。先に戻って下さい。」

 

「なんだって?」

寝耳に水な安喜をそのままに京輔のボードが推進する。

「それじゃ!」

そう言って京輔のボードが前に出た次の瞬間、予想以上の加速がたきなを襲う。

「へっ?」

 

京輔のボードは車道を走る車に近いくらいの速度で進み大通りに出た。たきなはその京輔のボードに引っ張られるように同じ軌道をなぞって追従していく。最初は驚きに悲鳴を上げたたきなだが、すぐに思った以上に身体がボードの上で安定していることに気が付く。スケートボードに人が乗っている時の様に少し中腰の姿勢を取るとより安定してくる、前の京輔を見ると某有名少年探偵よろしくボードを操り街中で人と車の合間を縫うように進んでいく。目立つのはいやだがしょうがない。大通りから路地に入り住宅街の真っただ中を進む。人通りが減って感じていた視線が無くなったのを知覚したたきなに京輔から声がかかる。

 

「そろそろ接触するはずだ。撃つなよ?」

京輔の言葉に頷いてたきなは前方を見る。上空にはクルミのドローン、目標はすぐそこだ。

「いました!」

目の前にはバイクに乗った茶色いコートの男。追ってきた二人を見て男は速度を上げた。追いつけるスピードにも限度があると判断した京輔はまっすぐ追うのを止めて市街地のマップからルートを割り出して先回りをすることにした。突然の方向転換にたきながボードの上で軽くよろめく。

 

「道を変えるなら言ってください!」

 

「すまん!また変えるぞ!」

 

「え?うわっ!」

また方向を変えたボードの上でなんとかたきなは耐えた。

「もう少し丁寧に出来ないんですか!?」

 

「善処するよ」

京輔の気休めにもならない返事に腹を立てる暇もなく二人は路地を抜けて駐車場へと出た。駐車場に入ってきた逃走犯の男が驚いた顔でこちらをみてきた道を戻ろうと反転したが京輔が先回りして脱出を阻んだ。京輔はワイヤーガンを構えて男を止めようとしたが一発目が外れる。遠すぎた!と京輔が歯噛みして近付こうとする中、たきなが前にでる。いつの間にか京輔の追従から外れていたらしい。なんで!?と思った京輔が手元の端末を見るとたきなのボードがセーフティを外している、追跡中にどこかで誤操作してしまったらしい。だが結果的にたきなはボードを乗りこなしたようだった。バイクの前進ルート上に回り込んで立ちふさがるようにしてワイヤーガンを構える。が、男は止まらない。たきなが放ったワイヤーが男とバイクに絡まったがバイクは止まらず、たきなに突っ込んでくる。たきなは背中の鞄を前に出してエアバッグで受け止めようとしたが、浮いた状態ではその効果も期待できない。一か八かとバイクを睨んだたきなを衝撃が襲う、ボードから足が離れて体が宙に浮く感覚がして受け身を取ろうとして体が丸まった一瞬、「たきな!」と名前を呼ぶ声がしたと思うと横合いから出てきた両腕に抱き抱えられたのを感じてたきなが見上げるとすぐそこに安堵の表情を浮かべた京輔の顔があった。

 

「無茶をする、怪我ないか?」

そう聞いてくる京輔にたきなは一瞬呆けていたがすぐに自分の状況を思い出す。肩と腰をしっかりと京輔の両腕に抱えられていた。所謂お姫様抱っこの格好だ。そう自覚した瞬間に未知の感覚に襲われてたきなは驚きを精一杯隠して下ろすように言った。

「あの……下ろして……下さい」

そう言われて京輔も初めて気がついたようで戸惑いを見せながらも応じる。

 

「?……あ、ああそうだな、すまん」

京輔はボードの浮遊を解いて少しかがむとゆっくりたきなを下ろした。

「いえ…ありがとうございます、助けてくれて……行きましょう。」

お互い気まずさを残しつつも次の行動に移るが京輔の手に残った感触がしばらくの間、彼の頭に疚しい感覚を抱かせていた

 

.

 

 少しして安喜と千束が合流し逃走犯はクリーナーに任せて、奪われた物は安喜が呼んだ回収屋に引き渡した。

一仕事終えた帰りの車内では助手席の千束と安喜が世間話に興じる一方で後ろに座る京輔とたきなはまださっきのことが頭にあるのか気まずい雰囲気が残る。

なんとなくそれに気づいて千束が尋ねる

「どしたのお二人さん?なんかあったん?」

 

「「え!?」」 

 

二人揃っての動揺に千束は怪訝な顔をするが安喜は何か察したのか何も言わずにただニヤニヤしていた。京輔にとっては何故か無性にムカついたが今は千束の疑念を躱すのが先決だ。

「いや、さっき犯人を捕まえるときにちょっと危ない目にあわせちゃってな」

言い訳になっていない自覚はあったが嘘は言っていない。なんとかなるかと京輔が思った直後に京輔の横でたきなが爆弾を投下する。

「違うんです、さっき危なかったところを助けてもらって、その時に……その京輔さんに……」

 

「たきな?」

いつものクールな様子とは程遠い彼女に千束もいくらか戸惑う。

と同時に 何かこいつ可愛いな という場違いな感想を抱いていたが無理もない。普段より明らかに紅潮した肌に彼女の初めての感情が見て取れる。色々と邪推した千里がいたずらっぽく笑って京輔を見た。

 

「ははーん、やるね君ぃ?やっぱ男の子だもんねー?でもたきなは私の相棒だから、まだ手出しちゃだめだぞー?」

とんでもない方向に話を持っていこうとしている千束の言葉を恭介は慌てて否定する。

 

「いや手を出したわけじゃない、助けようとしてしょうがなく」

 

「しょうがなく何したのかな~?たきな!何された何された?」

完全に悪ノリしている千束がこんどはたきなに聞くと彼女はボソッと答えた。

 

「・・・その、助けられた時に、お尻を、触られた、だけです。」

 

「へ?」

 

「な゛!?」

 

「ブフッ!」

 

たきなの小さな、しかしはっきりとした呟きに千束、恭介、安喜の三者三葉のリアクションを示す。軽く吹き出した安喜は笑いをこらえて肩を震わせていたが他の二人は驚いて一瞬目を合わせた。

 

「たきな、それ、だけで済ませたらダメなやつ」

と千束は言うが京輔からしたら冤罪だと言いたかった。

「いや待て!たしかに抱き留めた時に体には触れたがそんな、お尻は触ってないぞ。」

 

「いえ!触ってました!」

何故か強めに反論するたきなに京輔も語気が強まる。

「仕方ないだろ!非常時だったんだし、だいいち無意識だったからどこ触ったかなんて覚えてない。」

 

「ついさっき触ってないって言ったのに今度は覚えてないって」

売り言葉に買い言葉でヒートアップしだす二人の会話、そこに今度は京輔が燃料を追加する。

「覚えては無いけど普通に腰かと思ってたよ!硬かったし!」

 

「な゛!?硬っ!?」

 

いつの間にか子供の痴話げんか染みてきた言い合いを眺めてこの会話の発端を作った千束自身もちょっと困り顔だが安喜には二人の年相応な会話が少し心地よかったので止めずにおいた。

 

「しかもあの時さりげなく名前呼び捨てでしたよね?」

 

「気にしてたのかよ!向こうじゃファーストネーム呼びの方が普通だったんだよ!ていうか同い年なんだから別にいいだろ!」

 

「いいですけど!ここは日本ですし急に呼ばれると反応しずらいんです!」

 

「いいのかよ!?ていうか相棒とは下の名前で呼び合ってるんだし今更気にするなよ!」

 

「それとこれとは話が別です!大体硬かったってしっかり感触覚えてるじゃないですか!」

 

 

「なんか、一日で私とより仲良くなってないこの二人?」

二人の会話に挟まるのを止めて聞くに徹していた千束がぼやいた。

「男女と女子同士じゃ仲良しの形も違うさ。」

安喜は軽く笑ってそう返したが

 

「「仲良しじゃない!」です!」

両者息の合った反応に千束が再び、ほらね?とぼやき安喜が笑った。

 

車が店に着くまで二人の言い合いをBGM代わりに安喜は上機嫌に運転を続けた。

 

 

 

 

 





公開可能な情報

・ボララップ
 DA及びリコリコ等で使用されている捕縛目的の対人ワイヤーガンの元になった装備品、アメリカの警察の一部で導入が始まっておりこちらは火薬の力でケブラー繊維のワイヤーを射出し対象を無傷で捕縛することが出来、テイザーガンに代わるものとして期待されている。有効射程は概ね8m。千束が使っているものはこれを発展改良させた独自仕様でワイヤー射出の際の音を抑えることに成功しており使い勝手は非常に良い。


・ストンプボード
 イメージとしては某有名少年探偵の使っているスケボー。
似たような乗り物は市販され出しているが歩く速度でしか進めないものが大半


・お猿商事
 リコリコが品卸している取引先だが元々は安喜の知り合いの会社で、情報や装備品の調達先でもある。アフリカ系の男が経営しており社内には何故か毛の無い猿がいる。

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