ようこそクズヒモ男の教室へ   作:妄想癖のメアリー

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諸事情によりパソコンが使えないので、スマホで執筆&投稿しています。
多分パソコン使えるようになったら修正します。それもあって短いですがご理解頂けると幸いです。


問題

 

 

 

 コントラプンクトという言葉を知っているだろうか? 

 別名対位法とも呼ばれる音楽理論の1つだが、近年は転じて映画の表現技法として使われることが多い。そして俺が話すのは後者についてだ。

 一体どう言うものか簡単に説明すると、サイコパスとか、シリアルキラーとかが殺人を行っている様子などの残酷なシーンに、クラシック等のリラックスするような曲が流れてるのを見たことあるだろう? アレだ。

 緊張した場面に、あえて緩和を差し込むことで、より緊張が増すという効果がある。有名な例だとエヴァとかでも使われていたな。

 

 話は変わるが、今俺の中にはバッハのカンタータが流れている。1度YouTubeか何かで調べて見てくれ、誰もが1度は聞いたことがあるはずだ。一昔前にCMでも使われていたからな。

 さて、聡明な諸君なら、ここまでの流れから一体俺がどういう状況にあるか、想像がつくんじゃないだろうか? 

 

 長々とした現実逃避から戻ると、目の前には有栖ちゃんが冷たい瞳でこちらを見つめていた。

 

「────最期に何か言い残すことはありますか? 紡君?」

 

 

 

 これは持論だが、どんなシリアルキラーよりも女の修羅場の方が何倍も怖いぞ。

 

 

 

 

 

「ええっと……有栖ちゃん?」

 

「何でしょうか? まだ部屋を出る時間ではありませんよ?」

 

「いや……そうじゃなくて」

 

 朝食を終え、いつもなら談笑しているはずの俺たちだったが、ここ数分でかれこれ3回ほど同じ様な会話を繰り返している。

 

「何かあるならはっきり仰ってはいかがでしょう? 私から話すことは特にありませんよ」

 

 そして再び流れる沈黙……さて、どうしたものか。

 実際誰が原因なのかと言われたら100:0で俺が悪いんだけどね。

 

 あの後普通に床で寝てたんだが、色々ありすぎて、朝有栖ちゃんが来ることを完全に忘れていた。

 そして合鍵で部屋に入ってきた有栖ちゃんだが、そりゃもう荒れに荒れてた。まず俺の覚醒が杖による殴打だったからな。喉と股間の2点セットだ。

 そしてその騒ぎで堀北さんが起きて、問題はここからだった。

 

『……朝から騒々しいわね』

 

『堀北さん! ごめん、俺の幼馴染が勘違いしてるっぽくてさ、何もしてないって証言してくれない?』

 

『勘違い? 男女が同じ部屋で寝泊まりするのに一体どんな勘違いがあるのでしょうか? それとも彼女には襲うような魅力もないと?』

 

 とまぁ、こんなやり取りがありまして。解決に向かうかと思いきや、その言葉にムッとした堀北さんがこう言い返した。

 

『……確かに襲われはしなかったけど、斎藤くんは私と子供を作りたいと呟いていたわよ』

 

 そんな消火するどころか、ガソリンをぶちまけるような堀北さんの発言に、更に修羅場はヒートアップ。どちらとも口汚く相手を罵るタイプならまだマシだったが、実際はその反対で、逆に気まずすぎて酷かった。

 

『もし俺が堀北さんを抱いたとして、床で寝てるのはおかしいし、制服だって普通着ないでしょ? そうだったら俺のパジャマ貸してるよ』

 

 最後に正論をかましたことにより、事態は収束した。

 しかし、朝からそんな激重のやり取りをした堀北さんは、俺の静止も一切聞かず部屋を出ていってしまった。

 そして残ったのがブチ切れ有栖ちゃんと。どうしよう、口聞いて貰えなくなったら死ねる自信がある。

 そんなことを思っていると、さっきからずっとだんまりを決め込んでいた有栖ちゃんが、ポツポツと語り出した。

 

「……正直、私は紡くんが彼女を襲っただなんて思っていませんでしたよ。部屋に入った時は驚きましたが」

 

「ごめん……」

 

 襲うっていう表現に物申したい気持ちはあるが、完全に俺が悪いので口を塞いでおく。

 

「ただあの発言は見過ごせません。一体何を言ったらあんな勘違いするんでしょうか?」

 

 あー……多分最後の方に似たこと言った記憶がある。しかし、あれは幼い子供のようだった堀北さんが微笑ましかったためであり、他に意図は無い。

 その旨を伝えると、目線を目の前のテーブルに戻してため息をつく有栖ちゃん。

 

「呆れました。本当に女の敵なんですね。紡君って」

 

「すみません……」

 

 もう謝罪の言葉しか出ない。

 

「……この学校の性質上、今すぐ潰すのは不可能でしょうね」

 

「ん? なんか言った?」

 

「いいえ、何でもありません」

 

 とりあえず堀北さんにも謝んないとなぁ……憂鬱だ。

 

 

 

 

 

「……紡、少しいいか?」

 

「ん、どしたの? 綾小路君」

 

 朝の気まずさもあってか、少し早めに教室に着いた俺に話しかけてきたのは、勉強会でお世話になった綾小路君だった。昨日の勉強会の面子は、まだ誰一人として来ていない。

 こいつも中々大変だよな。何せ櫛田さんを含めメンバー全員を集めたのに、一日でバラバラになったんだから。

 

「櫛田についてなんだが────」

 

「……マジ?」

 

 綾小路君が語ってくれたのは以下の通りだ。俺が帰った後、残った堀北さんと櫛田さんで口論になったそうだ。その時の状況なんてだいたい想像がつく。どうせ態度を指摘された堀北さんが怒ったんだろう。

 怒って帰ってしまった櫛田さんに、謝りに行った綾小路くんが見たものは、痛烈に堀北さんの悪口を言っていた櫛田さんだった。

 皆の前で見せる博愛主義者の櫛田桔梗はただの仮面で、その裏側は口汚く他者を罵る性悪女だったってことか。

 

「────そしてそれを見ていたのがバレて、そのまま口外するなって脅されたと」

 

「ああ、そんな感じだ」

 

 意外だな。綾小路君なら誰にも話さないと思っていたんだが。

 

「……早速バラしてるけど大丈夫そ?」

 

「……ああ。お前に話すデメリットよりも、櫛田と同等の影響力を持つお前を仲間にした方が、メリットが大きいと判断した」

 

 いや、これは綾小路君本人もよくわかっていないタイプだな。一見合理的な判断に思えるが、リスクを考えると黙っていた方が良いにきまっている。となると……

 

「信用してくれたの? ありがとう綾小路君」

 

「ああ。くれぐれもバレないように頼むぞ」

 

 ()()()()()()()ということだろう。俺を信頼したいという気持ちはあるが、それに値する人物かどうか分からないから試す。そして俺が裏切った時の保険もあると仮定した方が自然だ。

 ……そう言えばそんな話をこの前した気がする。

 

『綾小路君。もしもう一度茶柱先生に脅されたり、女の子と揉めることがあったらすぐに録画、最低録音するんだよ? 痴漢冤罪とかもそうだけど、基本的に証拠がない限り男が負けるから』

 

『そ、そうなのか……分かった。肝に銘じておく』

 

 ……ちゃんと録音できたんだね、綾小路君。

 

 

 

ぶっちゃけ原作(小説・アニメ・漫画)見てます? 見てない方多かったら、試験の説明詳しく書きます

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