ようこそクズヒモ男の教室へ 作:妄想癖のメアリー
どれだけ忙しくても週一なら安定して投稿できるかな……?
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「相談?」
やっぱり裏があった。予想していたとはいえ、落胆の感情が無かったとは言えない。
しかしよくよく考えればオレも紡や堀北、そして目の前の平田にはかなり助けられているため、相談に乗るくらいなら拒否するほどのことじゃないだろう。
「こんな形になってごめんね。でも、どうしても綾小路君じゃなきゃいけなくて」
「そ、そうか」
そんな言い方をされたら断るなんて選択肢はなくなる。流石紡と双璧をなすDクラスの人気者。人たらしの才は目を見張るものがあるな。
「相談者として適さないオレに声をかけるってことは、ピンポイントな内容か?」
オレは伏し目がちに謝る平田に問いかけた。
「……軽井沢さんのことで」
平田は一度左右に目を配った後小さく語った。よほど他クラスの生徒に聞かれたくない話なんだろう。
「軽井沢さんの下着が盗まれた話になるんだけど、結果的に伊吹さんが犯人だったってことで落ち着いたよね?」
「ああ。Cクラスが裏で暗躍していたことが一之瀬によって証明されたからな。また何か問題か?」
同じくBクラスに紛れ込んだ生徒がスパイだったことが判明し、『伊吹がDクラスを混乱させることを目的に、軽井沢の下着を盗んだ』という結論に落ち着いたのだ。
「いや、事件の方はもう大丈夫なんだけど……その時の軽井沢さんの態度に反感を持っている人たちが結構多いみたいで」
「あー……」
なるほど、事件の方ではなくそっちで来たか。
確かに当時の軽井沢の態度に問題が無かったかと聞かれたら、オレも首を横に振るだろう。それも普段からヘイトを貯めやすい立ち振る舞いをしていた軽井沢だ。文句の一つぐらいは出て当然といえる。
「確かに不満は出るだろうが、何で平田はオレに相談を? こういうのはクラスに影響力を持つ紡や櫛田、最近だったら堀北とかの方が適していると思うぞ」
「……でも櫛田さんはともかく、紡君や堀北さんに直接頼むのは良くないと思って。だから、こういう状況だってサラッとでいいから伝えて欲しいんだ」
下着泥棒の犯人として疑われた紡と、それを擁護して軽井沢と口論になった堀北。そりゃ本人に直接言うのは気が引けるか。
「なるほどな。オレから伝えてもいいが、それが直接的な解決法になるとはいえないと思うぞ。まずは軽井沢本人に、日ごろの態度を改めるよう伝えるのが先じゃないか?」
もし話を聞いた堀北や紡が騒ぎを収めたとして、それは臭い物に蓋をすることと何ら変わりない。根本的な原因が軽井沢にある以上、それを直させるのが先だろう。
「そう、だね。綾小路くんの言う通りだ。少し焦りすぎていたのかもしれないね」
自分の判断ミスをすぐに認める素直で柔軟な対応。これもまた平田の魅力だろう。
しかし、今の反応的にまだ軽井沢に現状を伝えていないのだろうか? 付き合っている間柄にしては、平田からは積極性が感じられない。それとも、付き合っているからこそのデリケートな問題なのだろうか。
「慣れない環境でのストレスが尾を引いているだけかもしれないぞ。試験が終わってまだ3日しか経っていないからな」
「そっか……ありがとう綾小路君。相談乗ってもらって。さ、食べようか」
気持ちを切り替えたのか、少しして到着した食事を二人で食べ始めた。だがすぐ、平田は誰かが近づいてくるのに気づいたようで、戸惑ったような様子でオレに目配せしてきた。
「あー、やっぱりここにいたんだ、平田くんっ。一緒にご飯食べよっ」
嬉しそうな声をデッキに響かせながら、軽井沢がやって来た。いつも数名の女子生徒と一緒に居るはずだが、その姿は見当たらない。
「えーっと……軽井沢さん、さっき電話で断りを入れたと思うんだけど……?」
困った様子の平田を余所に、軽井沢は平田の隣の席に座ろうとする。
「えー。いいじゃん
そう言って平田の腕に寄りかかる軽井沢。これは空気を読んで退出すべきだろう。
「オレは失礼するぞ平田。また機会があったら一緒に食べよう」
昔のオレなら無言で退散していただろうが、平田と2人で話す時間は中々新鮮だったため、勇気を振り絞って声を上げた。
「あっ……ごめんね綾小路君。また今度」
平田は心底申し訳なさそうな顔を浮かべながら言った。名残惜しそうな様子がオレの勘違いでないことを祈りながら、自分の食べ物を手に取って立ち上がる。
仲良くなることに重点を置いたことで生じる数少ない欠点だな。自分の時間が他人のために割かれて一人で過ごす時間を満足に取れない。個人的な悩みを持ったとしても、その元である軽井沢には相談できないから胸の内で抱えることになる。
昼食を終えた後、オレは船内を散策していた。部屋に戻って4週目の本を読んでもいいが、先ほど廊下で高円寺とすれ違った為、今部屋に戻ったら彼と2人きり。気まずいったらありゃしない。
「ん?」
どうやって平田達が戻るまで時間を潰そうか考えていると、ポケットの携帯が振動した。
取り出して確認すると、数少ないチャットの友達である少女からの呼び出しだった。好都合と言うべきか、時間つぶしの予定が入ったってことだ。拒否する事情はひとつもないので快く承諾した。
「はあっ……はぁ───っ……はあああ───っ……」
メール差出人である佐倉の下に近づいていくと悩み深そうなため息が繰り返されていた。
「どうしたんだ?」
「わあ! あ、綾小路くんっ!」
そんなに驚かれるような声のかけかたをした覚えはなかったが、佐倉には不意打ちだったようでいつも丸めている背筋をピンと張って慌てふためいた。
「驚かせて悪いな」
「う、ううんっ。私がちょっと、変に緊張してただけだから」
友達との待ち合わせくらいで緊張しているようだと、まだまだ私生活は大変そうだな。
「綾小路くんって、同室の人は平田くんと高円寺くん、幸村くん……なんだよね?」
「オレか? ああそうだけど、それがどうかしたのか?」
そんなことを聞いてくるとは意外だった。
「実は、その……私、同じ部屋の人とのことで、ちょっと悩んでて」
ルームメイトとの関係が良好ではないってことだろう。人付き合いの苦手な佐倉らしい。それが深刻な悩みなのは表情を見ていればよくわかる。
「人間関係で相談するのか? 自慢じゃないが、オレが友達と言えるのは紡や堀北、池たち3バカに佐倉……意外と多いかもな」
知らぬ間にオレは陽キャの第一歩を踏み出しているのかもしれない。
「いいなぁ……友達だって自信持って言える人多くて羨ましいかも」
「これも紡の受け売りだけどな」
オレは何時ぞやか紡に言われたことを思い出す。
『一緒に居て楽しいと思えるなら、それはもう友達だと思うよ?』
……このレベルに達してようやく陽キャと言えるのだろうか? だとしたら百年たっても無理な気がしてきたぞ。
というより、どうやら佐倉もオレの事をしっかり友達だと思ってくれていたらしい。これで『えっ……友達? 綾小路君が?』とか言われたら、デッキに走って行って飛び降りる所だっただろう。
「人と話すの得意じゃないってこの前言ってたから、どうやってるのかなって……綾小路君なら、何かアドバイスくれるかもと思って」
「か、勝手に頼ろうとしてごめんね。綾小路くんも忙しいのにね」
「別にいいさ。相談されたからって困ることはないし。ただ、助けになってやれるかって話はまた別だけどな」
思い返してみれば、俺自身同室の高円寺や平田、幸村と仲がいいかと聞かれたら首を横に振る……さっきまでの発言が急に恥ずかしくなってきた。
そんな恥ずかしさをかき消そうと考え込んでいたら、客室の扉が開いた。
「あれ? 綾小路くんと佐倉さん。こんなところで何してるの?」
客室からひょっこりと姿を現したのは、櫛田だった。 佐倉の明るかった表情は途端に雲間に消え、居心地悪そうな雰囲気に変わる。自分の感情をコントロールするのが苦手なのだろうが……。流石にここまで露骨なのは良くないだろう。
しかし、櫛田はまったく気にした様子もなく話を続けた。
「あ、邪魔するつもりはないよ? 友達と合流することになってるだけだから」
「……私、部屋に戻るね」
櫛田が慌てて引きとめようとするも、佐倉は船内へと駆け足で戻っていった。
「うー……ごめんね。バッドタイミングだったね。声かけないほうがよかったかな」
手を合わせて謝る櫛田。別に謝るようなことは何もしていない。そう言おうとした時、俺と櫛田の携帯が同時に鳴った。
「この音って……」
キーンと言う高い音。それは学校からの指示であったり、行事の変更などがあった際に送られてくるメールの受信音だった。マナーモード中であっても音が強制的に出ることから、重要性の高さが窺える。
話の途中であったが、オレと櫛田は一度目を合わせた後、携帯を開く。
「────特別試験?」
……これは、また面倒なことになりそうだな。
────────────────
特別試験で居られなかった時間を取り戻すかのように、俺と有栖ちゃんは2人で船内のあらゆる場所を巡っていた。お互い注目を浴びる立場だと言う自覚はあるが、正直いって関係を隠す方が面倒なため、堂々と彼女の隣を歩く。
時刻は5時過ぎ。夕食をどの店で済ませようか考えている中、突如として携帯にメールが届いた。
『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れの無いようお願いいたします』
「だってさ有栖ちゃん。どこか座って確認しよう」
「そうですね。重要度の高い通知に、船内アナウンスですか。一体どんな内容なのでしょう」
デート中に興ざめする内容のアナウンスだったが、有栖ちゃんの認識は真逆と言っていいだろう。
携帯を操作してメールを開くと、そこには何とも不吉な『特別試験』の文字があった。
「20時40分に201号室に集合……ですか」
「お? 同じ時間だね有栖ちゃん。ほら」
小さく呟いた有栖ちゃん。その内容が引っかかった俺は、自分の携帯の画面を有栖ちゃんに見せた。
「20時40分に204号室……違うのは部屋だけですか」
「とりあえず行ってみないと分からないなー。そっちも忙しいだろうし、今日はここで解散しようか」
「……先の試験の様に、行動を制限されないものだと良いのですが」
不機嫌そうに呟く有栖ちゃん。どうやらデートの時間に水を差されたことにご立腹のようだ。
「まぁまぁ。まだまだ時間はあるんだし、大丈夫だよ」
「……そうですね。楽しいイベントもこれから行われるようですし」
立ち直るのはや~。
そんなことを思っていると、端末にはチャットが届いたことを知らせる通知が来ていた。危ない危ない。音が鳴らないように設定してたから見逃すとこだった。
『今学校からメール届いたか?』
『届いたわ』
『届いたよー』
届いたのは俺、鈴音ちゃん、清隆君の3人のグループだ。アイコンは俺を真ん中に皆で撮った自撮りの写真である。満面の笑みを浮かべている俺の隣で、慣れていないのか、2人とも恥ずかしそうにしているのがポイント高いお気に入りの写真である。
と、話が逸れたが清隆君のチャットに返事をする。
『オレは18時からに指定されていたんだが、そっちは?』
『こっちは20時40分からよ。随分時間が違うみたいね』
『おー。俺も20時40分に204号室だよ。男女違う時間に分けられているってわけじゃなさそうだね』
呼び出された時間に着目したあたり、もしかして清隆君は俺と堀北さん以外の誰かと過ごしてたのかな?
『時間帯が異なるのは気になるわね。試験開始時刻が異なるのであれば、先に問題を知る者とそうでない者とで不公平が生まれそうだけれど』
『今はまだなんとも言えないな』
『俺と鈴音ちゃんは同じ時間だし、とりあえず先に説明受けたら報告よろしくねー』
『わかった』
一区切りついたので、携帯を閉じて隣に座る有栖ちゃんに問いかける。
「今回の試験は、どういうスタンスで行くつもり?」
抽象的な質問だったが、その意を汲み取れない程俺達の付き合いは短くない。
数秒顎に手を置いて考え込んだ有栖ちゃんは、クラスポイントやその推移を表示できるアプリを開いて見せてきた。
「今回は私も参加できるようですし、本気で行こうと思います。まあ、試験の内容が把握できない以上何とも言えませんが」
──第1学年 各クラスポイント──
Aクラス 1004(1019)Pt
Bクラス 663(803)Pt
Cクラス 492(542)Pt
Dクラス 95(450)Pt
と、端末には表示されている。()の中は先の無人島試験での結果を加えた表示。クラスポイントが支給されるのは夏休みが終わってからのため、それを考慮したものだろう。
こうしてみると、初期の絶望的ともいえる差はなくなったように感じるな。特別試験で数百のポイントが動くことが証明されたため、Aクラスの生徒は気が気じゃないだろうね。
「もしかして、結構燃えてる有栖ちゃん?」
「当たり前じゃないですか。私が参加を許された以上、この試験は運動を中心としたものではないはずです。一週間お預けを食らった私に、これ以上何を我慢しろと?」
そりゃそっか。ま、清隆君の在学がひとまず保証されたし、『約束通り』俺もぼちぼち働かないとね。
──第1学年 各クラスポイント──
Aクラス 1004(1019)Pt
Bクラス 663(803)Pt
Cクラス 492(542)Pt
Dクラス 95(450)Pt
()内が正式なポイントですね。原作では夏休みまで87?位だったDクラスのポイントは、紡君の影響で95まで上がっています(本当はキリの良い数字にしたかっただけなんですけど笑)
それにしても今後の展開どうしよう……とりあえず辰グループに紡君と有栖ちゃん入れたかっただけなんだけど、原作でⅮクラスは3人だったから追加すればいいとして、有栖ちゃんは誰と交換しようかな。
原作をなぞっているだけだという自覚はあるんですが、大きく原作から乖離させ、その上で辻褄が合うような展開を考えれるかと言われたら結構疑問でして……
ま、それは後の自分に任せるとして、とりあえず優待者編の流れを考えます!
この後どういう流れになるか妄想してくれてもいいんですよ?笑
軽井沢さんどうしよう
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ヒモのヒロイン(ドロドロに依存される)
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綾小路のヒロイン(原作より健全な仲)
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作者に任せる