ようこそクズヒモ男の教室へ   作:妄想癖のメアリー

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コロナで学級閉鎖になったので投稿頻度爆上がりします。

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多分これからは返事ちゃんとします!


確認

 

 

 

 明らかに表情を変えて食いついた葛城君を笑い、龍園君は俺の顔を一瞥し、Dクラスの方を向いて言い放った。

 

「ククク……そりゃ気になるよな? じゃあ教えてやるよ。結論から言うが、俺はその犯人をD()()()()()()()()()()()()()()

 

 マジか。何で気づいたんだ? 

 

「どうして今私たちの名前がそこで出てくるのかしら?」

 

「そうだね。君の話は余りにも荒唐無稽じゃないかな龍園君」

 

 急に犯人だと疑われて黙る生徒はここにはいないだろう。鈴音ちゃんに続き洋介君も抗議する。

 

「各クラスのポイントを踏まえて計算したが、どうも辻褄が合わねぇんだよ。この試験を全員で乗り切るのに必要となるポイントはおおよそ120前後。多少の誤差はあれど、Bクラスが140ポイントになるには、AかDのどちらかのリーダーを当てなきゃならねぇ」

 

 龍園君は事態を静観していたBクラスの方へと視線を向けた。さらっとCクラスがBクラスのリーダーを当てた事実をぶっちゃける辺り本気度が伺える。

 

「金田から聞いたぜ? Aクラスのキーカードがお前らのベースキャンプに落ちていたと。だが本気で夜の間に飛んで行ったと思ってんのか?」

 

「それ以外ないだろ。第一、戸塚がリーダーだと分かるはずもないのにどうやって盗むんだ」

 

 そう。龍園君が言っている『キーカードが盗まれた』という話が本当だとしたら誰が、どうやって盗んだという疑問が出てくる。

 略奪行為は判明次第即失格となるのだ。そんな博打に出る生徒なんてほとんどいないだろう。俺や綾小路君、そして龍園君の他には。

 

「あり得ねえな。俺の記憶が正しければ、あの日は雨こそ降っていたが風はそこまで強くなかった。キーカードが森の中に落ちたとして、それがBクラスのベースキャンプまで飛んでいくはずがない」

 

「だから盗まれたと?」

 

 ずっとだんまりしているのも逆に変なため、龍園君の説明に割り込むように話す。

 

「ああそうさ。そして盗んだ奴がBクラスのベースキャンプに置いておけば完成ってわけだ。そして『何故かDクラスはAクラスのリーダーを知っていた』」

 

 ……なるほど、いい所を突いて来るもんだ。

 判明している分で考えると、各クラスの素点(リーダー当て、スポットボーナス無しのポイント)は以下の通り。

 

 Aクラス:165ポイント

 Bクラス:190ポイント

 Cクラス:0ポイント

 Dクラス:240ポイント以下

 

 そして最終的なポイントは。

 

 Aクラス:15ポイント(ー150)

 Bクラス:190ポイント(±0)

 Cクラス:50ポイント(+50)

 Dクラス:355ポイント(+125)

 

 Aクラスは3クラスから当てられる。

 BクラスはAリーダー当てとCから当てられることで相殺。

 CはA、Bのリーダーを当てDから当てられる。

 Dクラスは2クラスのリーダー当てとスポットボーナス。

 

 俺たちがこのポイントになるためには、Cクラスの他にもう1クラス当てなければならない。

 そしてBクラスのポイントから、Dクラスが当てたのはAクラスのリーダーだと、龍園君は確定させたというわけだ。

 

「俺はAクラスのリーダーを当てたぜ? スパイの金田にキーカードを確認させたからな。だがDクラスがそれを知る機会は無いはずだ。そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よな? 下着泥棒の冤罪を掛けられ、一人寂しくサバイバルをしていたそこのヒモ野郎だよ」

 

「それは……」

 

 ……参ったな。普通なら戸塚君が苦し紛れに嘘をついたと思うのだろうが、状況や結果から俺が盗んだという可能性を導き出した。

 周りからの注目が集まる。冷静に考えれば完全に言いがかりだが、今の龍園君にはそれを押し通すだけの自信と説得力があった。

 しかしそんな嫌な空気を壊すように、一人の生徒が声を上げた。

 

「話になりませんね。どんな推理を披露していただけると思ったら龍園君。あなたが今話したのはただの言いがかりです」

 

 そう語ったのは有栖ちゃん。俺の方を一瞥した後、呆れたようにため息を吐いて続けた。

 

「そもそも戸塚君の話自体、信じている人はAクラスの中でも誰もいません。本当に盗まれた、または強奪されたのならば犯人の特徴位覚えているはずなのに、彼は錯乱するばかりで一切話そうとしませんでした。そんな話のどこを信じろと?」

 

「庇いたくなる気持ちは分かるが、お前が言ったらますます怪しく感じるぜ?」

 

 そんな煽りマシマシの龍園君の言葉にも、有栖ちゃんはひるむことなく突き返した。

 

「庇う? 私はこの下らない話を早く終わらせたいだけです。先ほど自由に行動できる紡君が犯人だと言っていましたが、それはあなたにも言える事じゃないでしょうか?」

 

 龍園君が一週間ずっと潜伏していたのは生徒全員に知れ渡っている事実だ。今までの行動的にも、同じ条件なら疑われるのは龍園君となる。

 

「クックック……そうだな。それを言われたら何も言い返せねぇ」

 

 最終的に言い負けた龍園君だったが、その表情に曇りはない。心底愉快だと言う雰囲気を醸し出している。

 龍園君が意外と素直に引き下がったため、話を補足するために俺は葛城君の方を向いて話す。

 

「あー……一応言っておくけど。俺がAクラスのリーダーを知ってたのは、初日に君たちがスポットである洞窟から出てきたのを見てた人が居たからだよ。その時の君たち二人の様子から、まあ戸塚君がリーダーかなって思ってね」

 

「……そうか。疑って済まなかった」

 

 どんな様子だったかは濁していったが、葛城君には伝わってくれたらしい。

 

「いいや。俺も最初に言っておけばよかったね……おっと、もう一時間経っちゃった。今日の所はこれで解散かな」

 

 時間を見ると2時5分。指定された時間を5分ほど超えてしまっている。本当はもっと話したいことがあったのだが、こればっかりはしょうがない。有栖ちゃんに感謝しないとね。

 そんな俺の言葉を皮切りに、全員が解散となった。

 

 

 

 

 

「────という感じで。ちょっとイレギュラーはあったけど何とか切り抜けたよ」

 

 時刻は午後3時。話し合いが終了して一時間ほどが経ち、俺と清隆君、鈴音ちゃんのいつもの面子が揃っている。

 その場にいなかった清隆君に状況を説明すると、彼は苦い顔をしながら顎に手を当てていた。

 

「……やはり厄介だな。龍園は」

 

「そうね。内容は言いがかり同然でも、あそこまで説得力を持たせられるのは今回の試験で脅威になるでしょうね」

 

 そう話した鈴音ちゃんだが、恐らく清隆君が苦い顔をしている理由はそこではないはずだ。

 

「それももちろんある。だが、オレが言いたいのはそこじゃない」

 

「……? どういう事かしら」

 

 いまいち要領を得ないと言った様子の鈴音ちゃんに、清隆君は説明を続ける。

 

()()()()()()()()()()()()。普通の人間なら、戸塚が苦し紛れの言い訳をしているとしか思わないだろうが、龍園はそうじゃない。もし仮に戸塚の言うことが真実だった場合を想定して、犯人をDクラスの誰か。そして紡にまで絞り込んだ」

 

「それは……既に分かっている事でしょ? 正直言って彼は異常よ」

 

「ああ。でも龍園はその『異常な発想』を自分だけのものだと思っていないんだ。勿論紡にこっぴどくやられたことも要因だろうが、他人が自らと同じ土俵に上がれることを疑っていない。そのタイプの暴君は攻めだけじゃなく守りも上手いんだ」

 

 そう。戸塚君を襲ってキーカードを盗むだなんて、普通は思っても実行なんてしないだろう。

 しかし、その普通を疑って相手を見くびらない彼の警戒心を、俺は前回の試験で育ててしまった。

 

「……確かにその通りだわ。今回の試験で一番の脅威になるのは、やはり龍園君かしら?」

 

「だろうな。龍園ならクラス全員のスマホを強制的に確認するなんてこともやりかねない」

 

 この試験において自クラスの優待者を完璧に把握できれば、それは大きなアドバンテージとなる。そこから法則性を見つけることもできるし、他クラスと交渉することだってできる。

 

「清隆君のグループはどうだった? やっぱり一之瀬さんがまとめてる感じ?」

 

「そうだ。オレ的に気になるのはAクラスの体制だな。前回と同様リスクを取らない選択をすると思ったが、どうやら坂柳の攻勢を支持する生徒ばかりだった」

 

「もう塗り替えて来てるのか。流石だねホント」

 

 やはり無人島試験での戸塚君の失敗やその後の雰囲気、試験結果等から葛城君を支持する声はほとんどなくなったらしい。というか、さっきの話し合いで戸塚君が先走ったからリーダー当てられたってバラしちゃったんだよな。まあ事実だししょうがないけど。

 というか、俺と2人きりだと小学生の時から変わんないのにな有栖ちゃん……何時からそんなおっかない女になったんだ? 

 

「となると、まとまりがないのはDクラスだけかしら……」

 

「そうでもないと思うぞ。伊吹という要素がありながら、龍園との勝負に勝ったお前ら2人の支持は圧倒的だ。結局Cクラスに払う150ポイントも無くなったしな」

 

「……能天気よね。誰も払わなくていい事に疑問を抱いていないんだもの」

 

「それだから操りやすいんだ。一部の懸念事項と言えば……やはり櫛田と軽井沢だろうか」

 

 ん? 櫛田さんは良いとして、どうして軽井沢さんなんだろうか? 

 そう思っていたのは俺だけじゃなかったらしく、鈴音ちゃんも不思議そうにしている。

 

「……そうか。紡も平田の様にクラス全体に関心を持っている訳じゃないんだったな。軽井沢が今どんな状態にあるか分かるか?」

 

「どんな状態って……今まで通り普通にしてるんじゃないの? って、そんな状態なら話に出さないか」

 

 ため息を吐いた綾小路君は、「これは平田から聞いた話なんだが」と前置きして話し出す。

 

「どうやら今まで軽井沢へと溜まっていたヘイトが、無人島試験でお前らと対立したことにより表に出てきているらしい。そのストレスが原因かは分からないが、さっきもCクラスの生徒と問題を起こしそうになった」

 

「うわぁ……」

 

 いつかはそうなると思っていたが、まさかこのタイミングで来るとは。

 下着泥棒の件は女子からの同情があるだろし、まず遺恨を残すことは無いと思ってたけど……思いのほか俺と鈴音ちゃんは人気者だったらしい。

 まぁ……鈴音ちゃん可愛いからね。撫でるとムッとするけど手を離すと寂しそうにする所とか、遊びに行くときはちゃんとおめかしする癖に指摘すると恥ずかしそうにする所とか。

 

「……それは問題ね。今でこそストレスない環境だからいいけど、それが無くなったらいつ爆発してもおかしくないわ」

 

 うんうん。しっかりクラス全体の事を見れているね。成長を感じるよ鈴音ちゃん。

 

「正直軽井沢の件に関しては、オレより紡の方が適性だろう。状況は逐一報告するから、何とかしてくれ」

 

「そんな投げやりな……」

 

 けど肩の力が抜けたようで安心したよ。無人島試験での清隆君は少しピリピリしてたからね。

 

「まあいいや。……よし! じゃあ俺は俺でやることがあるから。2人とも頑張って!」

 

 そう言って2人の肩を叩いてその場を後にする。さて……まずは一度会ってみないといけないね。

 

 

 

「兄貴……」

「馬鹿言わないで綾小路君。彼はどちらかと言えば父親の質よ」

「……お前までボケに回らないでくれ」

 

 

 

 





紡君に父性を感じる堀北ちゃんでした。かわいいね~

前書きでも言いましたが、コロナで学級閉鎖になったので投稿頻度爆上がりします。
モチベ=投稿頻度なので、もし続きが見たいって思って頂けたなら高評価や乾燥してくれると超嬉しいです!

軽井沢さんどうしよう

  • ヒモのヒロイン(ドロドロに依存される)
  • 綾小路のヒロイン(原作より健全な仲)
  • 作者に任せる
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