ようこそクズヒモ男の教室へ 作:妄想癖のメアリー
Windowsの変換何とかならないかなぁ…
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多分これからは返事ちゃんとします!
前半が綾小路視点
後半は紡視点です
「中々大胆なアイデアだけど、それって現実的な話とは思えないな。そもそも、龍園君がCクラスの優待者を把握したって言うのは本当なの?」
「信用できないのは当然だ。だったら今回に限り誓約書でも作ればいい。Aクラスに3人いる優待者を分け合うって話でな。これでAを除く3つのクラスが上に迫れる」
ここにいる生徒達は、協力する三者の集まりと言うことだろうか。
「誓約書を書いたとしても、誰がどう裏切ったか分からない以上無意味よ。Cクラスが裏切って終わりね」
堀北がそう一蹴するのは自然の流れだった。前回の試験で、協力したクラスにも躊躇なく牙をむいてくることが分かったからだ。契約の穴を突いて何をされるか分かったものじゃない。
「堀北さんの言うことも正論だけど、龍園くんのように優待者の把握が出来てないと無理な提案だよ」
「白を切ったって意味がないだろ。おまえがクラスの実態を把握してないわけがない」
二人の表情こそ笑顔だったが、空気がピリッと変わる。肌を小さく刺す気配だ。
「買いかぶり過ぎだよ。思いつきもしないことだったし、私にはそんな信頼もないよ。それに、ハイリスクローリターンだよ。とても承諾できないかな」
「秘密主義もいいが、手を打てる時に打っておくべきだぜ」
「あなたにしてみればそうでしょうね。強引に情報を収集している今、投網でかっさらえばBクラスに上がることも夢じゃないもの」
「無理もねえさ。鈴音には賛成したくても出来ない理由があるんだからな」
「……どういう意味かしら」
「おまえも分かってるだろ? この作戦は自分のクラスの詳細を完璧に把握していなきゃならないんだ。ヒモ野郎なら喜んで飲むと思うぜ? あいつは利益を得るなら手段を選ばないからな」
またも空気の流れが変わる。今度は濁ったような重い空間だ。
「だがクラスを支配する俺と絶大なる人気を持った一之瀬になら出来る案だ。今俺は3クラスでの共闘案を出したが、これは
DクラスとAクラスの優待者を仲良く2つのクラスで分け合う。そんな提案だった。
「買いかぶりなんだけどなあ」
「買いかぶり? 随分と自己評価が低いんだな一之瀬。隣を見てみろよ。Dの連中も、はたまたAの連中も、トップ張ってる生徒ですらロクに足並み合わせてねぇんだよ。葛城と坂柳。鈴音と斎藤もな」
だからこそ統率が完璧にとれているCとBで組もうと言う話か。これは最初から一之瀬を狙った提案だったのかもしれない。
Dクラスのリーダー格3名が居る中で、堂々とBクラスに協力を申し出る龍園の姿は、最早不気味とも言える。
「……呆れた。本当にその話が成立すると信じてるなら能天気で羨ましいわね」
堀北の姿勢が気になるところだったが、どうやらオレと同じ考えに帰着してくれたらしい。
「もしBクラスとCクラスが手を組むなんてことになったら、今度はAクラスとDクラスが手を組むわよ。 今はDクラスもまとまりを欠いてるけど、負けることが確定したら結束すると思わないのかしら?」
「紡とAクラスの坂柳は幼少からの関係だ。お前らが組むことが確定した後、クラスのリーダー格である2人が手を組むのにそう時間はかからないぞ」
一応そう補足しておく。正直あの2人の信頼関係を崩すのは無理がある。紡に関しては他の何よりも坂柳を優先している節があるし、程度の差があれど坂柳も同じようなものだ。
「この話し合いには未来がないわね。最終的に相手を潰しあうしかなくなるわ」
「どういう意味だ鈴音」
「もしこれ以上、ここで談合のような話し合いをするつもりならこちらも『そうである』ことを前提に動くしかなくなる。それだけのことよ」
現状協力関係とは言わずとも、無理して敵対関係になる必要は無い。堀北はそう伝えたかったのだろう。
「ごめんね龍園くん。Bクラスの中には君の行動で傷つけられた人がいる。ポイントを貰えるかもって理由だけでは簡単には手を組めないよ」
「そうか。そりゃ残念だな」
少しも残念そうではない。最初から成立などしない前提で動いているからだ。
龍園は立ち上がると部屋を出ようとオレたちとすれ違う。 去り際、龍園がもう一度だけオレを見た。
「……まさかな」
ギリギリ、耳を澄ませていて聞き取れた言葉に当然オレは反応を示さない。
龍園は軽く首を左右に振り立ち去っていった。
「それじゃあ、私は部屋に戻るから」
全員で竜部屋を出た後、すぐに解散となり堀北は自室に戻って行く。
その途中、待っていたと思われる浜口が合流してきた。
一之瀬は堀北の後ろ姿を見送った後、こちらを向いてこう切り出した。
「もしよかったら、少しだけ付き合ってくれないかな」
「ああ、それは構わないが」
オレの周りには一之瀬含むBクラスの生徒が3人。少し肩身が狭い。
それから神崎と別れ、兎グループのみがその場に残った。
「堀北さんはああいってたけど、私は協力できる余地はあると思っているの」
「協力できる余地?」
「うん。Aクラスが私たちから距離を取ったことには驚いたけど、チャンスはあると思う。そのためには全てをさらけ出すことが必要なんじゃないかなって」
「全てを……?」
いまいち要領を得ないオレに対して、一之瀬は指を立てながら説明を続ける。
「この試験はつまるところ、優待者を見つけ出すって課題でしょ。だったら、そうじゃない人物を一人でも多く作って確率を高めていくのが定石だと思う。だから言うけど……私は優待者じゃない。そして、優待者を見つけ出してグループの勝ちに持ち込むつもり」
ハッキリと、こちらの目を見て一之瀬は言った。更にこう付け加える。
「もし私が優待者だったなら、存在を隠し通していたと思う。綾小路くんに聞かれていたとしても……。理由は単純、私はBクラスのために全力を尽くしているから」
「……そうか」
その言葉が予想外だった。自らのスタンスをここで表明するメリットはあまりないと思ったんだが……どうやら一之瀬には一之瀬なりの考えがあるらしい。
「……おかしい、かな?」
「いいや、余りに素直に話すから驚いただけだ。……その意見自体は尊重するが、周りの状況を見る限りそう上手くいくとは思えないぞ」
「そっ……か。ちなみに、理由を教えてもらうことってできる?」
あからさまに気落ちした一之瀬の様子に罪悪感を覚えながら、オレは他の誰でもない一之瀬の為に心を鬼にして説明する。
「例えばオレ達のグループのみで協力関係を維持する。これに関しては賛成だし、現実的でもあると思う。だが無人島試験の様にクラス全体で協力するのは難しいと思うぞ。さっき龍園が言った通りの方法にしてもそうじゃないにしてもだ」
「それは……クラス同士のポイントも関係してくるのかな?」
「ああ。無人島試験の前と後では大分状況が変わってくるはずだ。今回の特別試験でDクラスは450ものクラスポイントを入手した。依然として上のクラスとは差がついているが、CクラスはもちろんAクラスも目を光らせてるだろう」
事実、Cクラスには特別試験で紡の実力を知った龍園。Aクラスには坂柳が居る。その点において一之瀬たちBクラスは、紡の事を少し頭の切れるお人好しぐらいにしか思っていないだろう。
しかし実際の所、紡の実力があればホワイトルームでも問題なく過ごすことが可能だ。唯一の懸念点としては、お人好しゆえの精神の脆弱さといったところか。
「……」
そんな思考を続けていると、一之瀬達がこちらを呆気にとられた様子で見つめている事に気が付いた。
「どうかしたか?」
「え、いや。なんていうか……凄いね綾小路君。いつもと全然雰囲気違く見えるよ?」
……しくじった。他人のためにアドバイスするなんて、オレらしくもないのにな。
「過ぎた事を言ったな。忘れてくれ」
「ううん! 凄いありがたかった! こうして他クラスの人の考え聞く機会ってなかなか無いし」
いつも通り金魚の糞モードに戻ろうとしたが、一之瀬から向けられる尊敬のまなざしが逸れることは無かった。
「そ、そうか。ならよかった」
……そこまで直球で感謝されると恥ずかしいな。
こうしてみると、一之瀬と紡はどこか似ているのかもしれないな。ただ紡の場合、価値観の中最上位として坂柳がいて、一之瀬はそれが
「……じゃあ、オレはこの辺で」
「うん! またね、綾小路君」
────だが、その心の在り方は余りにも不安定だ。
────────────────
時刻は7時過ぎ。約束通り、俺と有栖ちゃんは船内にある店で夜ご飯を食べていた。
「ん、美味しいですねこれ。神室さんは私の好みをよく分かっているみたいです」
「そう。ならよかった」
そう言って上品にパスタを口に運ぶ有栖ちゃん。うん、やっぱり美少女は食べてる姿も様になるね。
「そっちも一口頂いてよろしいでしょうか?」
「ん? いいよ」
「ありがとうございます」
お互いの料理が入った皿を交換し、一口ずつ食べる。お、こっちも美味しいな。
「それにしても、試験中なのに大丈夫なの?」
「ええ。自由行動が許されている時間まで拘束される理由はないですよ?」
「そりゃそうだけどさ……」
ほんと余裕だなこの子。
それから取り留めのない会話を何度か繰り返す。小さな体に料理を詰め込んだ有栖ちゃんは、デザートまで食べるようだ。
「紡くん、これ二人で食べませんか?」
「ん? どれどれ……って、マジで言ってる?」
有栖ちゃんご指名のメニューを見ると、そこにはあり得ない程デカいパフェがあった。
そもそもとして有栖ちゃんはかなりの小食である。恐らく1割食べられたら御の字といったところだろう。
「……ダメ、ですか?」
「いいよ。残しても全部俺が食べるから」
「ふふっ。ありがとうございます」
気が付いたら承諾していた。上目遣いは反則だろ上目遣いはっ。
「いつからそんなあざとい女になったんだ……」
「紡君こそ、どうしてあんなに
色素の薄いピンク唇に人差し指を当てながら笑う有栖ちゃん。何とも色っぽい雰囲気だ。
「……ノーコメントで」
「あら、秘密主義も魅力的ですが、過ぎると浮気してると思われちゃいますよ?」
にこやかに語っているが、先ほどから何故か足の小指が悲鳴を上げている。見るとまたもや銀色の杖が俺のスニーカーにめり込んでいた。『そもそも付き合ってないじゃん』とか言おうものなら、こいつがどうなるか分からない。
因みにテーブルに座る有栖ちゃんだが、床に足が付いておらずプラプラしている。幼女じゃん。
「ミ゛ッ゛」
「今失礼な事考えましたね?」
杖先端の少ない面積で小指を的確にぐりぐりされている。いや、幼女体形でも魅力的だから勘弁して……
「昔は大して差は無かったはずなのに……背丈だけ成長しては世話がないと思いませんか?」
懐かしいな。昔はよくおんぶしてあげてたっけ。今だったら2人くらいは余裕で抱えられると思う……っていうか。
「まるで中身が成長してないみたいな言い方しないでよ」
「……昔から、ずっと変わらないじゃないですか。大体「お待たせいたしました。ジャンボパフェになります」っ……」
何か言いたげだった有栖ちゃんだが、丁度いいタイミングでパフェが届けられる。有栖ちゃんの顔2つ分ほどの高さがあるそれを食べ切るのは大変そうだ。
「でっかぁ……写真撮って清隆君に自慢しよ。ほら、有栖ちゃん取るよー」
「……珍しいですね。あまり写真とかSNSとかしないタイプでしたよね?」
前世で学生やってた頃はTwitterとかが出始めたぐらいだししょうがないじゃん。
最近は清隆君と鈴音ちゃんの為に、写真とかを残そうと頑張っているんだぜ。偉くない俺?
「いいからいいから。はいチーズ……お! 良い感じじゃない?」
そんなことを言ったが、俺が開いたのは
撮った写真を見せるようフリをして、スマホの画面を見せる。
「見せてください……! いいですね。後で私にも送ってください」
俺が立ち上げていたのはメモアプリ。白一色の画面に『右斜め後ろの席、盗聴されてるよ』という文字を黒く表示させた。
「よし。写真も撮ったし、早速食べよう……「待ってください」ん?」
俺の意図が伝わったとは思うが、何故か有栖ちゃんはスプーンを取ろうとする俺の手を止めた。
そしてスマホをもう一度立ち上げると、画面の端の方を指さしてこう語った。
「ここ、見切れてますよ。もう一度撮りましょう」
「……いいよ」
……写真撮りたかったんかい。
────────────────
「紡くん。あーんしてください」
「あーん」
「あら、少しくらい動揺してくれた方が可愛げありますよ?」
「え、ディープキスした仲なのに?」
「……あんまり大きな声で言わないでください」
「えっ……マジで言ってんの?」「私に聞かないでよ!」
「有栖ちゃん、口にホイップついてるよ」
「取ってください」
「おっけー。んっ、甘すぎなくて美味しいね」
「……そんなベタな事やります? 普通」
「照れてるー? 可愛い有栖ちゃん……ミ゛ッ゛」
「この高さは狙いやすくて良いですね」
「ヒェ……」
「……なぁ。龍園さんが見たかったのって本当にこれなのか?」「絶対違う」
「お腹いっぱいです。紡君、後は頑張ってください」
「もっと食べた方が成長……ミ゛ッ゛……まだ何も言ってないじゃん!」
「
「上手いこと言わんといて」
「……すんません。ブラックコーヒー1つ「私もほしい」……2つお願いします」
「いやー。それにしても全部無料で食べられるの凄くありがたいよ。有栖ちゃん呼ぶためにポイント使いきっちゃったからさ」
「そう言えばそうでしたね。……そんなに私と離れるのが嫌だったんですか?」
「うん? 当たり前じゃん。有栖ちゃんと2週間会えなかったら俺死んじゃうよ?」
「そうですか……ふふっ、仕方のない人ですね」
「あ、そう言えば夏休み中遊ぶお金ないんだよね。後でポイント貸してくれない? 月初めになったら返すから」
「……分かりました」
「ちゃんとクズじゃねえか……」「……もう帰りたいんだけど」
────────────────
「……はぁ。ちゃんと計画的に使ってくださいね?」
「もちろん。ありがとう有栖ちゃん!」
ありがてぇー。清隆君から金借りるところだったから助かった。
まぁちゃんと借りた金は返すし、貰うにしてもそれ相応の代価は払ってるから許してほしいな。
「それにしても、わざわざ尾行した先での会話があれでは可哀想ですね」
「石崎君と伊吹さんかな? 会計するときにコッソリ見たけどすっごいぐったりしてたよ。健気だねあの2人は」
クラスの代表格2人の密談について行ったら、その実やってることはただのカップルだもんね。そりゃ意気消沈するだろう。
「今頃私たちの愚痴が龍園君に飛んできているでしょうね……さて────やっと話せますね紡君」
その言葉と共に有栖ちゃんの纏う空気が一変する。尾行もされてないみたいだし、周りに人もいない。切り出すにはベストタイミングといえるだろう。
「どんなお話が聞けるのかな?」
ヒリヒリと肌を刺すような空気を感じながらも、『幼馴染』ではなく『Dクラスの斎藤紡』として対話に応じる。
「────、──。──────」
「……へぇ。面白いじゃん。じゃあ俺は準備のために部屋に戻ろうかな。またね有栖ちゃん」
有栖ちゃんの口から出た言葉は、俺の想定しているものと異なるものであった。
しかし、その意図を把握した俺は準備に向けて動き出す。
────時刻は夜の8時半。4回目のディスカッションが、もうすぐ始まろうとしていた。
堂々とディープキスしたとバラされて焦る有栖ちゃんでした。
どうにか紡君をデレさせようと頑張っています。多分もう1回ディープキスするのが正解。
モチベ=投稿頻度なので、もし続きが見たいって思って頂けたなら高評価や感想してくれると超嬉しいです!
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