ようこそクズヒモ男の教室へ 作:妄想癖のメアリー
後半はほぼ初の試みで三人称です。お試しで書いてみてどんなもんか試します。
優待者試験3日目。途中に挟まれる1日のインターバルに、オレと平田は紡から指示された通り行動していた。
「それにしても、紡君はやっぱり凄いよね」
「オレも驚いた。確かに一番のリスクを減らせるという点では良いと思うが、まさか
虎、蛇グループの生徒をそれぞれ一人ずつ呼び出し、
今は解散となり、部屋には平田と2人きりだ。
「堀北さんと喧嘩してたんだよね? だから1人裏で行動してたのかな?」
「あの喧嘩は嘘だ。龍園を油断させるためのブラフだな」
これ以上隠す必要は無いため真実を打ち明ける。平田なら周りに言いふらしたりはしないだろう。
「! ……なるほどね。やっぱり凄いよあの2人は。前の試験でも、僕は世話になりっぱなしだね」
「あの2人は秘密主義だからな。クラスメイトとの間に立ってくれている平田は凄くありがたい存在だと思うぞ」
「そっか……ありがとう綾小路君」
平田は苦笑いをしていたが、実際の所慰めでも何でもないんだがな。
本人が気が付いているかは分からないが、紡はあまり他人を信用しない人間だ。作戦が破綻するリスクを抑えるために、多少反感を買っても皆には言わずに一人でこなす。印象や性格に似つかず、龍園のような成果で黙らせるタイプだ。
「綾小路君はいつその話を聞いていたんだい?」
「二日目……正確には三回目の試験の後からだ。龍園が優待者の法則を見つけ出すために、一之瀬や堀北に交渉した時があっただろ? その話のすぐ後だ」
「信頼されてるんだね。少し羨ましいかも」
取引が上手くいったにも関わらず、平田の様子はあまり芳しくない。
「軽井沢が心配なのか?」
「何でもお見通しだね。それもあの2人の助言?」
「ま、そんな感じだ。本人から連絡はあったのか?」
「うん。『もう大丈夫。暴力的な方法も取らないから心配しないで』って気まで使われちゃった」
それだけ心の余裕が出来たということだろう……全く、味方ながら末恐ろしい男だ。一体どうすればあそこまで懐柔できるのか。
夜中の4時頃に『またやっちまった』というチャットが来たときは心底呆れたがな。軽井沢の過去を聞いて放っておけなかったらしい。お前それ何回やるんだよ……ライバルが増えて、堀北にピリつかれるのは勘弁してほしいんだが。
「それにしても、よくあの作戦に協力してくれたな。オレが言うのも何だが、平田はそういう事は嫌がると思っていたが」
「……ちゃんと条件も飲んでもらえたし、感謝こそすれ嫌がるなんてありえないよ」
そう。軽井沢が平田と喧嘩し、それを紡が慰めると言うのは仕組まれた流れだ。
平田が提示した条件は1つ。『軽井沢が暴力的な手段でトラブルを解決させようとしていること』これが確定した時点で、平田にはあえて突き放すような発言をしてもらったのだ。
「まぁ、軽井沢に関しては心配しなくても大丈夫だ。何せあの紡が相手してるんだからな。あれほど対人関係が上手い人間を俺は知らない」
「あはは、そうだね。僕は自分でやれることを頑張るよ。クラスの皆にはどう説明すればいいのかな?」
「この作戦は紡が考案したものだと伝えてくれ。Dクラスの脅威は紡だけと思わせておきたい」
紡と堀北の喧嘩が演技だとバレるのにそう時間はかからないと思うが、やるだけやって損はないだろう。
「分かった。綾小路君はこれからどうするの?」
「特に何も。オレがやれることはこれ以上ないからな」
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「一体何の用かな? 龍園君。わざわざ呼び出すなんて君らしくもないんじゃない?」
5つのグループが同時に試験終了となった事を告げたメールが来てから1時間ほど。一之瀬は龍園に呼び出されて会議室へと赴いていた。
昨日一昨日とディスカッションで使われた部屋だが、今日の試験は行われない為フリーとなっている。扉も分厚く盗聴を許さないため、秘密の協定には打ってつけだ。
「ククク……良いから座れよ一之瀬。まだ役者はそろってないぜ?」
上機嫌に笑う龍園の言葉に渋々従う一之瀬。
それから程なくして、もう一度部屋の扉が開いた。
「……!」
「おい、早く座れ」
その姿を見て、一之瀬驚が驚いたように目を見開いた。
「おはよう一之瀬さん。突然ごめんね」
部屋へと入ってきたのは斎藤紡。この場に居ることにショックを隠せない一之瀬だったが、龍園の反応を見て手違いが無いことを把握する。この切り替えの早さは、一之瀬の優秀さを物語っていた。
そんな一之瀬の向かい側、つまり龍園の隣に斎藤が腰掛ける。
「おいおい、顔が青くなってるぜ一之瀬。そんなにこのヒモ野郎が裏切ったのがショックだったのか?」
ここぞとばかりに煽る龍園。そんな悪意に満ちた彼の文言にも、斎藤が口を挟むことは無かった。
そんなやり取りをして満足したのか、龍園は一之瀬達にこう問いかけた。
「────俺と取引しろ一之瀬。でなければお前らは無残な試験結果で終わることになるぜ?」
「……どういうことかな龍園君。てっきり私は斎藤君と取引したと思ってたんだけど」
一之瀬も馬鹿ではない。日和見主義なところがあるため勘違いされやすいが、彼女の勘の良さや頭の回転の速さは、それこそ目の前で不敵な笑みを浮かべている男にも並ぶレベルのものだ。
「ああそうだ。俺は斎藤と互いの優待者を開示し、お互いに結果3に持ち込むと言う取引をした」
一之瀬の予想に反して、龍園はあっさりと取引内容を教えた。
「……なるほどね。それで
「よく分かってんじゃねえか。単刀直入に俺が求める条件は二つだ。一つが『Bクラスの優待者を全て教えること』。もう一つが『Dクラスに40万、Cクラスに20万pptを卒業まで毎月譲渡すること』。その条件を満たすなら、お前に優待者の法則を教えてやる。それでAクラスの優待者を当ててポイントを相殺すればいい」
数秒ほど沈黙が辺りを占めると、一之瀬は真剣な表情で聞き返した。
「優待者の法則性はどうやって教えてくれるのかな?」
「DクラスとCクラスの優待者を教えてやる。勿論証拠が欲しいならそれもくれてやるよ。後はテメェらが9グループ分の優待者情報を使って法則性を見つければいい」
短い説明だが、一之瀬が理解するのにそう時間はかからなかった。
「……なるほどね。私たちは同価値のプライベートポイントを支払う代わりに、クラスポイントのマイナスを防ぐことが出来るって事だよね」
「そうだよ、一之瀬さん」
斎藤が正解だと告げると、一之瀬は納得するそぶりを見せながらも、強い意志を持った目で次のように語った。
「でもそれって私にメリットあるのかな? 仮に君たちの情報でAクラスの優待者を当てたとしても、その後に君たちに当てられちゃったら、ただの払い損だと思うんだけど?」
「はっ、分かってねぇな一之瀬。俺と取引をしなかった時点でテメェは詰んでるんだよ。半分の優待者情報さえあれば、今日中にでも法則を見つけて全員潰すことだってできるんだぜ?」
「ってことは、まだ
龍園と一之瀬の間にピリッとした空気が蔓延する。
そう。もしも龍園が優待者の法則を暴いたとすれば、こんな取引を持ち込む必要は無いのだ。
黙り込む龍園を追い詰めるように、一之瀬は続けて推理を続ける。
「でもおかしいよね。流石に6グループ分の優待者が分かれば流石に法則の一つや二つ位掴めるもん。これは私の予想なんだけど……
────今日の試験終わった5つのグループって、
1.甲、乙はそれぞれ虎、兎、竜、蛇、馬グループを結果4で終了させる。
2.1の条件が達成でき、なおかつ猿グループの試験結果が3の場合、甲は乙に対し毎月20万プライベートポイントを卒業まで譲渡する。
3.一之瀬帆波が別紙条件を承諾した場合、甲と乙は協議の上時刻を指定する。その時刻同時に甲はBクラスの優待者を1グループ、乙は2グループ的中させる。そして最終的な試験結果が「猿グループ結果3、Dクラス100cpt、Cクラス50cpt」。または「猿グループ結果4、Dクラス50cpt、Cクラス100cpt」でなかった場合、違反した生徒のクラスは毎月60万pptを卒業まで相手に譲渡する。
4.3の契約が遂行されているとき、甲と乙が指定した時刻までに残りグループの試験が1つでも終了した場合3の契約は無効となる。
分かりずら過ぎるやろ。そう書いてて思いました。一応解説を挟みます。
まず第一に、斎藤と龍園はお互いのクラスの優待者が分かってないです。
「〇と×と△のグループに優待者居るから適当に他のクラス指名しといてー」って言ってるだけで、その場合以下の結果になります。
・猿グループ『優待者Cクラス、結果3』
・虎グループ『優待者Cクラス、結果4』
・兎グループ『優待者Dクラス、結果4』
・竜グループ『優待者Dクラス、結果4』
・蛇グループ『優待者Cクラス、結果4』
・馬グループ『優待者Dクラス、結果4』
現在Cクラスー50cpt、Dクラス50cptです。
契約書2は「猿グループで高円寺が当ててる可能性がある分はppt払うから勘弁してや」っていう感じ。
3は「お前抜け駆けしたらシバク、猿グループと総合結果で抜け駆けしたら分かるからな?」って感じ
4はアクシデントのための保険。
一応計算したけど、ミスってる可能性高いから修正するかも。
話の進むテンポについて
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もっとサクサクでもいいよ
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今のままで良いよ