ようこそクズヒモ男の教室へ   作:妄想癖のメアリー

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さあ、ここから面白くなりますよ。


ようこそ、実力至上主義の世界へ

 

 

 

「zzz……」

 

 朝。高度育成高等学校、その学生寮の一室で、斎藤紡は睡眠をとっていた。締め切ったカーテンの隙間から漏れた淡い光が、フローリングの床を照らしている。

 そんな中、ベット横のテーブルに置かれたスマホが振動し始めた。

 

「ん……あー。寝みぃ……」

 

 けたたましく鳴り続けるスマホの画面には『AM6:30』と表示されている。

 備え付けられた寮から校舎まで、そう時間の掛からないこの学校では、彼ほど早起きする生徒は珍しい。

 

「んー……っはぁ」

 

 眠気を覚ますかのように伸びをした斎藤は、そのまま浴槽へと向かいシャワーを浴びる。これが、彼が起きてからのルーティンだった。

 上裸のまま、まだ水気が残る髪の毛を拭き、そのタオルを首にかける。そして歯を磨いた後、斎藤は備え付けられている冷蔵庫の扉を開けた。1人暮らしにしては贅沢な150Lの冷蔵庫を、フルに活用しているのは彼を含めてもそう多くは無いだろう。

 

「マジか。卵切らしてんじゃん……」

 

 そうボヤキながらも、頭の中で朝食と献立を考えている紡。()1()()()()適当に済ませることもできたのだが、生憎とそうもいかない。

 その時、ピンポンと呼び鈴が鳴る。斎藤が時計を確認すると、時刻は7時ピッタリ。相変わらずきっちりしていると苦笑いを浮かべながら、ドアを開ける斎藤。

 

「……前にも言いましたよね? 部屋で上を脱いだまま生活するのはやめた方が良いと。私以外の人がみたら驚きますよ」

 

「いや、この時間に俺の部屋来る奴なんて有栖ちゃんしかいないでしょ。ほら、とりあえず入って」

 

「……まあいいでしょう」

 

 呆れたようにため息を吐きながら、来客────坂柳有栖は部屋に入る。まず最初に目に入るのは、玄関にきれいに並べられた二足の靴。片方はラフなサンダルで、もう片方はそこそこ値の張る小奇麗なスニーカーだった。その隣のロッカーには何も入っていない。

 

「相変わらず生活感のない部屋ですね」

 

「だって有栖ちゃん、散らかってるの嫌いでしょ?」

 

 自分を優先してくれたと言わんばかりの言葉に、一瞬胸の高鳴りを感じた坂柳。しかし、それとこれとはまた別の話である。

 

「……そうですが、流石にこれは限度がありますよ」

 

 そう呟いた後、坂柳は臆することなく部屋の奥へと入っていく。

 そこにあったのはクッションを置いてソファ代わりにしたベッドと、そこそこ大きなダイニングテーブル。そして学校から配られた教科書等が置いてある小さな本棚だけだった。

 因みに、備え付けの学習机と椅子は分解されてクローゼットの中に入っている。

 

「別にテレビも見ないし、本は最近専ら電子書籍だから不便はしてないんだけどね。ほら、卵切らしちゃったから今日は和食だよ」

 

 いつの間にかシャツを着た斎藤が不貞腐れたように呟き、料理の乗った皿を運んできた。白い米にみそ汁、味付き海苔と焼シャケという、質素であるがThe・朝食といったメニューだ。

 2人分を横に並べた後、隣に座る斎藤。これがいつも通りなのか、特に坂柳が声を上げることはない。

 

「「いただきます」」

 

 しっかりと両手を合わせ、食事を始める2人。入学して一か月ほど、これも斎藤のルーティンだった。

 

 

 

『これから毎日、朝七時に紡君の部屋に行くので、朝食の準備をお願いします。材料費は私が持ちますので』

 

『……いや、別に半分でいいけどさ。面倒くさくないの?』

 

『紡君の料理は逸品ですから。これくらいの手間は惜しみませんよ』

 

『……まぁ、そういう事なら』

 

 

 

(なんだかんだ懐いてくれてるよなぁ……)

 

 目の前で行儀よく食事を勧めている坂柳を見て、微笑ましそうにその小さな頭を撫でる斎藤。

 

「……食事中ですよ」

 

「ああ、ごめんごめん」

 

 前世を含めると、半分以下の年の子供に叱られる彼の気持ちは一体如何なるものなのか。それを理解するすべはここには無かった。

 食事を終え、いつもより少し早い時間帯に登校する2人。決まった時間に登校してる彼らだが、今日登校を早めたのには理由がある。

 

「そう言えばもう5月に入ったけど、どうだった? 有栖ちゃん。今月振り込まれたポイントは?」

 

 そう、今日の日付は5月1日。学校の説明が正しければ、今日は10万ポイントが振り込まれる日だ。最も、この一か月の間で様々な調査を行った2人は、そうならないことを知っているのだが。

 

「9万4千ポイントでした。紡君の方はどうですか?」

 

()()()。さて、俺らの読み通りだけど……随分楽しそうだね? 有栖ちゃん」

 

 斎藤の言葉を聞いて、上機嫌に笑う坂柳。

 

「ええ。この()()()()()()()()()が、私に一体何をもたらしてくれるのか……とても、とても楽しみです」

 

「学費かからず楽して暮らせるから来たのに……何でこうなったんだよ」

 

 そんな斎藤の不満に答えをくれる人物はいなかった。

 

 

 

 ────────────────

 

 

 

 5月最初の学校開始を告げる始業チャイムが鳴った。程なくして、手にポスターの筒を持った茶柱先生がやって来る。いつも険しい顔をしているが、今回はそれ以上だな。

 

「せんせー、ひょっとして生理でも止まりましたー?」

 

 相変わらず終わってるな、池君は。

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか? 気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」 

 

 茶柱先生は池君のセクハラに一切構わず、そんなことを言った。生徒たちからの質問があることを確信しているかのような口ぶりだ。実際、数人の生徒がすぐさま挙手した。

 何と言うか、ここまで出来レースだとつい笑ってしまいそうになる。

 

「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか? 今朝ジュース買えなくて焦りましたよ」

 

「本堂、前に説明しただろ、その通りだ。ポイントは毎月1日に振り込まれる。今月も問題なく振り込まれたことは確認されている」

 

「え、でも……。振り込まれてなかったよな?」

 

 まあ、勘の良い生徒ならこの辺りで俺が初日に言っていた事を思い出しただろうな。ただ、0ポイントという現実を受け入れられるかどうかの話にはなるが。

 

「……お前らは本当に愚かな生徒たちだな」

 

「愚か? っすか?」

 

 呆けたように聞き返す本堂君に、茶柱先生は鋭い眼光を向ける。

 

「座れ、本堂。二度は言わん」

 

 突然の豹変に本堂君は腰が引け、そのままズルっと椅子に収まった。

 

「ポイントは振り込まれた。これは間違いない。このクラスだけ忘れられた、などという幻想、可能性もない。わかったか? 一か月前に私に質問した生徒が居たはずだが、まさか忘れただなんて言うまいな?」

 

 ここで俺の話になるのかよ。面倒くさいな。

 

「お前ならポイントが支給されなかった原因に当たりが付いているんじゃないか? 斎藤」

 

 そこでクラス中の視線が俺に向けられる。さて、なんて答えようか。

 一番あり得ないのは、もともと知っていたという話。これは論外だ。理由としては何故教えてくれなかったと騒ぎ立てるやつが居るからだ。

 となると今考えて知ったという様な体にしないといけない。

 

「……支給されたポイントが0になった……とか?」

 

「何だ、今気が付いたのか? ……まあいい、これだけヒントを与えて気が付いたのが数人とは、嘆かわしいことだ」

 

「……先生、質問いいですか? 腑に落ちないことがあります」

 

 洋介君が手を上げる。彼のことだ、自分のポイント欲しさではなく、クラスの不安を解消するための挙手だろう。実際無駄使いしてる印象無かったからな。

 

「振り込まれなかった理由を教えてください。でなければ僕たちは納得出来ません」

 

 確かに、何故ポイントが振り込まれなかったのか、その詳細が一切不明だ。

 

「遅刻欠席、合わせて80回。授業中の私語や携帯を触った回数380回。ひと月で随分とやらかしたもんだ。この学校では、クラスの成績がポイントに反映される。その結果お前たちは振り込まれるはずだった10万ポイント全てを吐き出した。それだけのことだ。 入学式の日に直接説明したはずだ。この学校は実力で生徒を測ると。そして今回、お前たちは0という評価を受けた。それだけに過ぎない」

 

 派手にやったな。俺が質問をした分、少しは減ったのかもしれないが、下がるって確信が付かない限りはそう変わらないよな。

 

「はぁ!? ポイント減るのっていじめ問題とか、暴力行為とかしたヤツだけじゃねえのかよ!?」

 

 ほら来た。一応分かってはいたのだろうが、遅刻欠席や私語スマホ等で減らされるとは思わなかったらしい。

 

「茶柱先生。僕らはそんな話、説明を受けた覚えはありません……」

 

「なんだ。お前らは説明されなければ理解出来ないのか」

 

「当たり前です。振り込まれるポイントが減るなんて話は聞かされてなんていませんでした。説明さえして貰えていたら、皆遅刻や私語なんかしなかったはずです」

 

「それは不思議な話だな平田。確かに私は振り込まれるポイントがどのようなルールで決められているかを説明した覚えはない。しかし、お前らは学校に遅刻するな、授業中に私語をするなと、小学校、中学校で教わってこなかったのか?」

 

「それは……」

 

「身に覚えがあるだろう。そう、義務教育の9年間、嫌と言うほど聞かされてきたはずだ。遅刻や私語は悪だと。そのお前らが、言うにことかいて説明されてなかったから納得できない? 通らないな、その理屈は。当たり前のことを当たり前にこなしていたなら、少なくともポイントが0になることはなかった。全部お前らの自己責任だ。わざわざ違和感に気が付いて質問をした生徒もいたようだが、クラス全体がこのざまなら世話ないだろうな」

 

 ちょくちょく俺を引き合いに出してくるのは一体何故なんだ? 正直胃痛がしてくるからやめて欲しいんだが。嫌だぞ、阿鼻地獄と化したクラスをなだめるのは。

 

「高校一年に上がったばかりのお前らが、何の制約もなく毎月10万も使わせてもらえると本気で思っていたのか? 日本政府が作った優秀な人材教育を目的とするこの学校で? ありえないだろ、常識で考えて。なぜ疑問を疑問のまま放置しておく?」

 

「では、せめてポイント増減の詳細を教えて下さい……。今後の参考にします」

 

「それはできない相談だな。人事考課、つまり詳細な査定の内容は、この学校の決まりで教えられないことになっている。社会も同じだ。お前が社会に出て、企業に入ったとして詳しい人事の査定内容を教えるか否かは、企業が決めることだ。しかし、そうだな……。私も憎くてお前たちに冷たく接しているわけじゃない。あまりに悲惨な状況だ、一つだけいい事を教えてやろう」

 

 今日初めての薄ら笑いを見せた茶柱先生……いや、絶対いい事ではないだろ。

 

「遅刻や私語を改め……仮に今月マイナスを0に抑えたとしても、ポイントは減らないが増えることはない。つまり来月も振り込まれるポイントは0ということだ。裏を返せば、どれだけ遅刻や欠席をしても関係ない、という話。どうだ、覚えておいて損はないぞ?」

 

 うわ、分かってたけどエグいな。失意の中、生徒にそれを投げかけるだなんて。

 話の途中だがチャイムが鳴り、ホームルームの時間が終わりを告げる。

 

「どうやら無駄話が過ぎたようだ。大体理解出来ただろ。そろそろ本題に移ろう」

 

 手にしていた筒から白い厚手の紙を取り出し、広げた。それを黒板に貼りつけ、磁石で止める。生徒たちは理解も及ばないまま、戸惑いながら茫然とその紙を眺める。

 

「これは……各クラスの成績、ということ?」

 

 半信半疑ながらも、そう解釈した堀北さん。正解だ。

 そこにはAクラスからDクラスの名前とその横に、最大4桁の数字が表示されていた。

 俺たちDクラスは0。Cクラスが490。そして一番高い数字がAクラスの940。これがポイントのことだとすると、先輩に教えてもらった通り、1000ポイントが10万円に値するのか。流石Aクラスだな。羨ましい。

 

「ねえ、おかしいと思わない?」

 

「ああ……ちょっと綺麗すぎるよな」

 

 目の前では堀北さんと綾小路君が困惑の顔を浮かべている。どうやらこの奇妙な点数に気が付いたようだ。

 

「お前たちはこの1か月、学校で好き勝手な生活をしてきた。学校側はそれを否定するつもりはない。遅刻も私語も、全て最後は自分たちにツケが回って来るだけのこと。ポイントの使用に関してもそうだ。得たものをどう使おうとそれは所有者の自由。その点に関しても制限をかけていなかっただろう」

 

「こんなのあんまりっすよ! これじゃ生活できませんって!」

 

 そんな池の叫び声が聞こえて来る。

 

「よく見ろバカ共。Dクラス以外は、全クラスがポイントを振り込まれている。それも一か月生活するには十分すぎるほどのポイントがな」

 

「何故……ここまでクラスのポイントに差があるんですか」 

 

 洋介君も貼り出された紙の謎に気が付いた。あまりに綺麗にポイント差が開いているのだ。つまりこれが意味するのは……

 

「段々理解してきたか? お前たちが、何故Dクラスに選ばれたのか」

「俺たちがDクラスに選ばれた理由? そんなの適当なんじゃねえの?」

「え? 普通、クラス分けってそんなもんだよね?」

 

 生徒達はそれぞれ顔を見合わせている。それだったらどれだけ良かったことか……

 

「この学校では、優秀な生徒たちの順にクラス分けされるようになっている。最も優秀な生徒はAクラスへ。ダメな生徒はDクラスへ、と。ま、大手集団塾でもよくある制度だな。つまりここDクラスは落ちこぼれが集まる最後の砦というわけだ。つまりお前たちは、最悪の不良品ということだ。実に不良品らしい結果だな」

 

 うーん。入試でもかなり良い点数とれたと思うんだけど……何が理由で落とされたんだ? ママ活か? ……いや、多分それ以外ないだろうな。

 

「しかし1か月ですべてのポイントを吐き出したのは過去のDクラスでもお前たちが初めてだ。よくここまで盛大にやったもんだと、逆に感心した。立派立派」

 

 そして同時に、今まで一つ疑問だったことが解消された。それは、何故()()()()()()()()()()()()()()()()()、だ。実際この学校の倍率を考えると、Aクラスほどではないにせよそこそこのポテンシャルを持った生徒はいくらでもいるだろう。なのに、何故このように圧倒的な実力差をつけたのか。

 答えは簡単だ。たった今彼女が言った『不良品』というところに全てが詰まっている。

 不良品という事は、欠点を除けば良品になる可能性を秘めていると言う事だ。恐らく違うタイプの強みを持った生徒同士を争わせ、その刺激で成長を促すのが目的なのだろう……って事は、俺は女癖が悪いからDクラスに落とされたって事か? 滅茶苦茶嫌なんだけど。

 

「このポイントが0である限り、僕たちはずっと0のままということですね?」

 

「ああ。このポイントは卒業までずっと継続する。だが安心しろ、寮の部屋はタダで使用できるし、食事にも無料のモノがある。死にはしない」

 

 良かった、貯金しといて。飯代は有栖ちゃんに集ろう。やっとヒモの技術をお披露目する機会が来たと言う事だ。

 ただなー……収入ゼロはキツイんよな。本とか買えないし、流石に季節が変わる頃にはポイントがプラスになると信じたいが、服も買わないといけないし……よし、先輩からお小遣い貰おう。Aクラスだったら毎月莫大な収入あるだろうし、ちょっとだけそれを拝借しよう。

 

「────むぎ、紡?」

 

 どう先輩から集ろうか考えていたら、どうやら話がかなり進んでいたらしい。ハッとして顔を上げると、目の前には綾小路君が居た。

 

「ああ、ごめん。どうしたの? 綾小路君」

 

「いや、この前やった小テストの結果が張り出されてるぞ。凄いな。お前が一位だぞ」

 

「マジ? わお、ホントじゃん」

 

 95点で一位だった。普通に高校生が習う範囲じゃない問題もあったが、前世で大学受験した時の知識がまだ残っていたらしい。というより、有栖ちゃんに無理やり一緒に勉強させられたからかもしれない。そんな暇があるなら体動かしたかったけど、こういうところは感謝しないとな。

 

「それからもう一つ付け加えておこう。国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。それは周知の事実だ。恐らくこのクラスの殆どの者も、目標とする進学先、就職先を持っていることだろう」

 

 それ目的で入学した生徒も多いだろうからな。

 

「が……世の中そんな上手い話はない。お前らのような低レベルな人間がどこにでも進学、就職できるほど世の中は甘くできているわけがないだろう」

 

「つまり希望の就職、進学先が叶う恩恵を受けるためには、Cクラス以上に上がる必要がある……と言うことですね?」

 

「それも違うな平田。この学校に将来の望みを叶えて貰いたければ、Aクラスに上がるしか方法は無い。それ以外の生徒には、この学校は何一つ保証することはないだろう」

 

「そ、そんな……聞いてないですよそんな話! 滅茶苦茶だ!」

 

 立ち上がったのは、幸村君と言うメガネをかけた生徒。普段から知的な印象を醸しており、テストでは高円寺君と並んで同率二位の秀才だ。

 あまり話したことは無いが、多分いい進学先に行きたかったのだろう。良かった、俺の志が低くて。これに関しては何の不満もないわ……将来の夢ヒモだし。

 

「何と言うか……大変なことになってきたな」

 

 隣にいた綾小路君がそう呟いた。その言葉とは裏腹に、特に焦った様子は感じられない。

 

「綾小路君は良いの? 希望の進路とかない感じ?」

 

「まあ……オレは特にこだわりは無いな。ポイントが減るのは嫌だが。というより、大丈夫なのか?」

 

「何の話?」

 

 そんな心配の声を上げる綾小路君。言いたいことは何となくわかるが、一応何のことかと聞いておく。

 

「今絶賛言い争っている幸村だよ。後は池とか、山内とか。何で注意してくれなかったんだって言われるぞ、多分」

 

「いや、俺だってさっき初めて知ったし。普段真面目に過ごしてたし、そんな言われる筋合いないよ」

 

 ごめん、超嘘。ホントはクラス間闘争があることも知ってます。ただ後半に関しては100%の本音である。4月中に俺がいくら注意しても聞かないぞ、こいつらは。

 

「浮かれていた気分は払拭されたようだな。お前らの置かれた状況の過酷さを理解できたのなら、この長ったるいHRにも意味はあったかもな。中間テストまでは後3週間、まぁじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法はあると確信している。出来ることなら、実力者に相応しい振る舞いをもって挑んでくれ」

 

 ちょっと強めに扉を閉めると、茶柱先生は今度こそ教室を後にした。

 

 

 

 




何となく分かって来たとは思いますが、紡君は能力値が低いからヒモになったわけではありません。前世では医学部を卒業した後、医師免許を獲得していました。どの科の医者になったかは後に分かります。

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ぶっちゃけ原作(小説・アニメ・漫画)見てます? 見てない方多かったら、試験の説明詳しく書きます

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