9話以降はpixivFANBOXで先行公開します(後日ハーメルンで更新します)
少しでも早く最新話見たい人はFANBOXもよろしくお願いします!
ネオマリーナシティは星下区。運河の入り組むシティならではの街並みの運河をゴンドラで移動するのはダイゴ・レガシーだった。
「午前の予約分は今ので完了っと!」
先程客を降ろしたダイゴはゴンドラステーションに一旦戻る途中だった。しかしシティの運河には付き物がある。波の揺れが自然ではないものだと気付く。
「! あ、まさか」
――ブシュウッ!!
中型のクラーケンが水面から現れた。
「ブギャアアア!」
「ああ! やべえ!」
クラーケンはよじ登り歩道に入ろうとする。クラーケンは人を喰らったり怪我をさせるゆえに駆除対象である。駆除の権利のある仮面ライダーであるダイゴはベルトを出す。
「それ以上入るんじゃねえぞ!」
そう言ってダイゴは変身しようとする。その時だった。
――バンッ!
「え?」
クラーケンはどこかから飛んできたレーザーに撃たれて動きを止めて海に落ちた。動かなくなったクラーケンは水面に浮く。
「大丈夫ですか!?」
「う、うっす……もしかして猟師衆の……?」
一人の黒と灰色のミリタリー服を着てレーザーの出る猟銃を持った男が歩道を歩いてダイゴのゴンドラに近づく。彼はダイゴが見覚えのある人物だった。
「オオツカさん!」
「おー! ダイゴじゃないか! 久しぶりだな!」
ヨシキ・オオツカ。クラーケン等海の害獣を駆除する特殊部隊『猟師衆』の第一隊の隊長だ。年は四十を過ぎているが、高い身体能力と鋭い勘でクラーケンの駆除に貢献している。
ダイゴはゴンドラを歩道沿いに寄せて自分もオオツカに近寄る。
「あざっす! 助かりました!」
「それは良かった!」
旧知の間柄である二人は再会を喜ぶ。
「オオツカさんやっぱギガメガすげえっすよ! 俺は変身で時間かかっちまうから……」
「なあに、お前の本職はゴンドラ漕ぎだ。お前達の仕事を専念させるために俺達がいる」
反省するダイゴをオオツカは役割を語る。
「本来なら全て俺達の部隊が対処するのがいいが、クラーケンの数が多くお前にも戦ってもらわらないといけないのがな……」
オオツカは猟師衆の現状を語る。
「それは心配ないっすよ! 仮面ライダーとして戦うのも、ゴンドラ漕ぐのと同じくらい大事ですから!」
ダイゴは笑顔で答える。
「そうだったな。それならいい」
オオツカは少し安心する。
「スズキは元気か?」
「元気っす! 今日は一日中予約入ってて人気で。相変わらずギガメガ厳しいですけど」
二人は笑い合う。
「相変わらずだな。……久々に歌ってくれないか? お代は後でステーションに出す」
「オオツカさんにならタダでいいっす!」
「良い歌聴かせてくれ!」
オオツカに言われダイゴは歌い出す。
――空の星のように 街灯(まちあかり)は光る 船は馬のように 海を走っていく 灯台の灯(ひ)は 月に負けじと輝く
ダイゴの明るい歌声は周囲に響く。雄々しくも澄んだそれは少し遠くにいる人々にも届く。
――海の底からじゃ見えない人が生きる世界 世界が沈んでも 人の思いは光る 海と空が近づいても 星に手は届かない
――見上げた海の上に あなたはいるの?
離れた場所にいた人々はダイゴの歌に聞き惚れる。
「あのゴンドリエーレの歌、相変わらずいいなぁ」
「本当に、まるで人魚みたいね」
人魚のような歌声はネオマリーナシティの人々には馴染みありつつも、いつ聴いても魅惑的に思われるのだった。
続く