エスポワールに変身したエマはダイゴとイザナに割り込む。
「どわ! いきなり!」
ダイゴはエマを警戒しイザナとの打ち合いをやめて離れる。そしてエマとの打ち合いになる。弓で殴りかかる。
「まだ持ってるんでしょアンタ!」
エマはダイゴから奪ったアーカイブ、ジュエルバードを取り出し、それをマスク越しにキスする。そして自分のベルトに差し込む。
『アーカイブ・ジュエルバード!』
エマの、エスポワールの上半身は水色になり、両手はボクシンググローブの形になる。
「わあ! すごいキラキラ! 私にぴったり!」
エマは関心しながら、ダイゴに殴りかかる。
「どわ! あぶねえ!」
ダイゴはそれを避けたり受け止めたりする。
「なんだあの女!」
「リーダーの邪魔しやがって!」
離れて見ているヘータとサトルは突然現れたエマに驚く。
「あいつもアーカイブを持っていたのか。それももらおう」
エマに戸惑いつつもイザナはブラッドシューズのアーカイブを出し、ベルトにスキャンする。
『アーカイブ・ブラッドシューズ!』
イザナ、マークイスの下半身は赤に染まる。
「きゃあぁ! それも素敵!」
エマはそれを見て関心し、そちらに気を取られイザナに向かっていく。イザナは蹴り、エマは殴る。
ヘータとサトルはダイゴのほうを見る。
「リーダーにはああ言われたが、俺らも」
「おう! 金魚野郎はがら空きだぜ!」
ヘータとサトルもベルトとフロッピーディスクを出し、変身する。
「「変身!」」
ヘータはジキルに、サトルはハイドになる。
「げ! お前らもかよ!」
向かってくるヘータとサトルにダイゴは驚く。
――ドスッ! ガッ!!
サトルの蹴りとヘータの拳を同時に受け止める。
「おりゃぁ!!」
「怪我したくねえなら大人しく渡しな!」
サトルとヘータは蹴りと殴りをやめない。
「うげ! 元気過ぎだろ。とりあえずあの魔女からジュエルバードを取り返さないと! お前らどけ!」
ダイゴはリトルファイアーのアーカイブを出す。
『アーカイブ・リトルファイアー!』
ダイゴはそれをベルトに差し込むと上半身が黄色に変わり、ハープーンが炎の剣のようになる。
ダイゴは思いっきりハープーンを振り、ヘータとサトルを振り払う。
「ぐ!!」
「どわぁっ!!」
ヘータとサトルは火を浴びて勢いで地面に叩きつけられるように転ぶ。ダイゴはそのまま、イザナとエマのほうに走る。
「あ! やっぱもうひとつあったじゃん!」
エマはダイゴに気付き、それに釣られてダイゴに向かっていく。
「こっちを先にもらうわよ!」
エマはジュエルバードのアーカイブを取り、身を軽くするとダイゴのベルトに手を伸ばす。それはダイゴもだった。
「返せ!」
「え?」
エマの取り出したジュエルバードをダイゴは取る。
「おっし!」
「ああちょっと!」
ダイゴは素早くエマから離れる。
「何をしているんだアイツらは?」
一連を見たイザナは何となく呆れる。
「返しなさいよ!」
「お前が先に奪ったんだろ!」
ダイゴがエマから離れようとすると、エマは弓で彼を撃つ。ダイゴはそれを避ける。しかし、そこに入ってきたのが一人。
――ドスンッ!
「ぐはあ!」
ダイゴは頭を横から強く殴られる。マスクで覆われているが、それが無ければ気絶するくらいに強い。それで動きが鈍る。殴ったのはヘータだった。
「さっきはやってくれたなぁ? 金魚の兄ちゃん」
隙を見てヘータは素早くダイゴの持つジュエルバードのアーカイブを取る。
「オイコラ!」
ダイゴはそれを見てすぐに動く。
「わりぃな、これがないと俺達が困るんでな」
ヘータはダイゴから逃げる。
「! お前ら、一旦引くぞ!」
「はい!」
「うす!」
イザナはヘータとサトルに言い、二人は従う。三人はそれぞれのバイクに乗り込み逃走する。
「ああ! 行っちまう!」
ダイゴが叫ぶ横でエマは、
「待ちなさーーーいっ!!!」
変身したまま走って追いかける。
「……なんだあいつら」
ダイゴは嵐のようなリヴートスターズの三人とエマに圧倒されるのだった。
※
「ああっ~、もう一個のアーカイブ取れなかったぁっー!」
リヴートスターズの三人は変身を解除し、逃げた先のガレージでサトルは叫ぶ。
「ヘータ、大義だったな」
「どうもっす」
イザナはヘータからジュエルバードを受け取る。
「ヘータばっかり褒められてずりぃ!」
「お前役に立ってねえだろ、当たり前だ」
「サトルも大義だった」
「あざっす!」
「リーダー、甘やかさないでください」
そう三人は反省会をしていると、バリンッ! と窓から音がした。
「え?」
三人は窓を見ていると、それは大きく割れていた、いや今も何かで割られている最中だった。
「ああっ! なんか割れてる!?」
「誰だ!?」
サトルとヘータは窓に近づく。すると、
「あ」
「だぁっーーー!? さっきのぉっ!?」
ハンマーで窓を割ってガレージに侵入しようとしたのは変身を解除したエマ・タカハシだった。彼女の姿を見てサトルは叫ぶ。
※
あっという間にエマは捕まり、縄で縛られ椅子に括り付けられ拘束された。
「えーん! ジュエルバードと赤いの持って帰りたかったのにぃ~」
エマはうなる。
「だからって窓割ってくる奴があるか」
イザナ達三人はエマを睨む。
「アーカイブのためならなんだってやるわよ! この賭博には命もプライドも賭けられるわ」
エマも睨み返す。
「文字通りの恥知らずみたいだな」
イザナは呆れる。エマはヘータとサトルのほうを見る。
「その子達あんたに従っているみたいね。まるで道具みたい」
エマは挑発をする。その瞬間、
――パンッッ!!
イザナはエマを睨み、左頬を強く叩いた。その瞳には怒りがあった。
「!?」
サトルとヘータはそれに驚く。
「リーダー何してんだよっ!? アンタが怒ることじゃないでしょ!」
「道具だと思われるような事してるのは俺らですよ」
サトルとヘータはイザナを止める。
「……僕がそれを嫌って言ったら?」
イザナは手を降ろす。今度はヘータとサトルがエマを睨む。
「おい、博打の姉ちゃん。くだらねえ挑発は俺らには効かねえぞ」
「あんま調子こいてんじゃねえよ!」
二人はエマが「道具」と言ったのは挑発だとわかっていた。
「あはは、容赦ないなー。やっぱ一人がきついわね。でも一個だけでもアーカイブはもらうわ」
「!」
エマはスルリ、と縄を抜けるように解き椅子から立ち上がる。そして素早くイザナのジャケットの内側ポケットに手を伸ばすが、サトルが背後から腕を抑える。
「何さらっと取ろうとしてんだ! てかなんでそこなの分かったんだよ!」
「お宝の場所はすぐわかっちゃうのよ!」
イザナはエマの額に銃剣の銃口を向ける。
「おっと」
「あまりふざけた真似はしないでくれ。今すぐ出ていけ」
「……っ」
エマは動きを止める。サトルはそれを見て手を放す。エマは黙ったまま、扉を開けて出ていく。
「べーっだ! 二度と来るな!」
「なんだったんだ? あの女」
エマが出たのを確認したサトルは舌を出し、ヘータは呆れる。
「……」
イザナはジャケットの内側ポケットの二つのアーカイブを確認がてら取り出して見る。
※
「やっぱ人手はいるみたいね! すぐにでも『あいつ』に変身させないと!」
エマはバイクで走りながら叫ぶのだった。
※
「……」
ダイゴは仕事に戻って、運河でゴンドラを漕いでいた。
イザナの言っていた『懐かしい』がどこか引っ掛かっていた。
イザナの願いとその懐かしさは関係があるのか、ダイゴにはわからかった。
続く