仮面ライダーアテランテ   作:湊戸アサギリ

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更新ペースを上げたいです。現状月二回くらいしかできてねえや……


Act.14 夢が始まる時

 「お兄ちゃーん! もう乗っていい?」

「おう乗れ乗れ!」

小学校が終わった小学生達をダイゴは自分のゴンドラに乗せて、運河を行く。今回は少なく少年が二人、少女が二人だ。

「――なあ、お前達。お前達の学校に変わった腕輪してる子はいないか?」

ある程度進むと小学生達にダイゴは問う。サトルに問われた事が気になっていて彼の探す『革紐のブレスレットをした子供』を自分の客達が見ていないかを探ってみる。

「革紐で出来てるんだけどよ」

「えー、知らない」

「見た事ないー」

小学生達は何も知らなかった。

「やっぱいないかー」

停留所に到着するとダイゴは小学生達を降ろす。それと入れ替わるように、ぼさぼさの長髪にラフな格好の男が乗ってきた。ダイゴは彼に見覚えがあった。

「ぃよう、ダイゴ!」

「あ! テツロウ!」

テツロウ・ワニオカ。ダイゴが高校時代まで一緒だった幼馴染である。

「久しぶりぃ。Rエリア停留所まで行って」

「おうよ! ちょうどお前に聞きたい事があったんだよ!」

「なんだぁ?」

「情報屋のお前にギガメガ頼みたいことがあるんだ」

テツロウは情報屋だ。ニュースにも報道されていない事件や、ネットにも上がらない口コミも多く所持している。現在行方不明になっている人物の情報も。

ダイゴはテツロウを乗せたゴンドラを漕ぎながら運河を行く。

「最近俺の客に人探ししてる奴がいてよ。ソイツと会って情報くれてやることはできないか?」

「えー? おれの情報提供代は高いよ?」

「頼むよ、困ってるみたいなんだ」

「ていうかそれ、ダイゴは頼まれてやってるの?」

「え?」

ダイゴはテツロウに聞き返される。

「別に頼まれたわけじゃねえよ。俺が勝手にできることないかって、やってるだけだよ」

「ほー、ダイゴがその客気に入ってるってか?」

「うるせえ。一応贔屓してくれてっからサービスだよサービス! 客が海に落とし物したら拾うのもゴンドラ乗りの仕事なんだぞ」

ダイゴは思わず照れる。

「ダイゴはやっぱ気になる事があると黙ってられないなぁ」

「だからうるせえっての!」

テツロウはずっとくすくす笑っているのであった。

 

 ※

 

 (イザナは同い年の女を、くせっ毛の奴は小学生くらいの子供?、あとロン毛の奴も誰か探してるんだよな??)

運河をゴンドラで進みながらダイゴはイザナ達三人について考える。ロングヘアの男、ヘータのことが一番わからずにいた。

(変身してる時に思い切り殴ってきたのもアイツだよな……あのパンチギガメガ強かったぜ)

戦闘の際、ヘータに強く殴られたのを覚えていた。変身で強化されていたとは言えかなり強力だった。

「ダイゴ」

「え? あ、お前かよ」

ダイゴを呼んだのは歩道にいるイザナだった。呼ばれたダイゴはゴンドラを止める。じっと見られてしまい内心戸惑う。

「お前達の探してる人は見つかったか?」

「まだだよ。手がかりも何もない」

「お前の探してる幼馴染ってどんな人だよ? 名前は? 特徴は?」

「なんでそこまで聞くんだ?」

ダイゴに問われて今度はイザナが戸惑う。

「客の探し物を手伝うのも俺らの仕事なんだよ」

「随分手間のかかる営業をするな」

客へのサービスにしては大げさでは? とイザナは思ってしまう。

「……気持ちはありがたいが、君にそこまでする理由はないだろ? こないだのも、そんなつもりで言ったわけじゃない」

「え?」

「僕の、いや僕達の問題だ。気になるかもしれないが触れないでくれ。君には関係の無い話だ」

キッパリとイザナは幼馴染を探す手伝いを拒否する。

「余計な話をしてすまなかった」

イザナは立ち去ろうとする。しかしダイゴは怯まなかった。

「お、おい待てって! 待ってくれ!」

ダイゴはゴンドラから降りて柵を跨ぎ歩道に立ちイザナを追う。

「待ってくれよイザナ!」

「!」

ダイゴはイザナに追いつく。そして、小さいメモを渡す。イザナは受け取る。

「なんだこれ?」

「俺のダチに情報屋してる奴がいて、そいつの連絡先だよ。コイツなら何か知ってるかもしれねえ。俺の名前出して頼んでみろ」

「??」

突然メモを渡されてイザナは立ち止まる。

「じゃあな! がんばれよ!」

ダイゴは自分のゴンドラに戻っていく。

「……やけにお節介だな。普通渡すなら自分のだろ」

イザナはメモをポケットに仕舞うのだった。

 

 ※

 

 黒いスーツの男はネオマリーナシティ内の古いビル街のどこかにいた。男はスーツを着た中年の目の前でケースに入った複数の鍵、モンスターキーを見せる。

「よく御覧下さい。ひとつしか現状渡せませんので……私の提示する指示に従ってくれるなら、無料提供しますよ」

黒いスーツの男はモンスターキーを中年に見せる。

「これで私の事業が成功するのですか?」

「成功? それ以上のものが見ることができますよ。楽園のような心地よさとかね……」

黒いスーツの男は中年にモンスターキーのひとつを渡す。その男の手には大きな傷があった。

 

 ※

 

 イザナには定期的に通う場所があった。プロの臨床心理士が開いている未成年向けのカウンセリングルームだ。マツザキに勧められて臨床心理士の老いた女性、ヨウコと会う日を作っている。

「――時々幼馴染の夢を見るんだ。ずっと昔に住んでた街を一緒にただ歩いている夢を。歩いていたら、地震と津波が来て幼馴染の名前を叫んだら目を覚ますんだ……」

イザナは椅子に座り、夢の話をヨウコにする。ヨウコは茶を出しながら聞いていた。

「その時のことが忘れられないみたいだね」

「ああ。幼馴染も僕の名前を呼んでて……その声が今でも忘れられないんだ」

「……」

イザナは茶を飲みながら夢の内容を思い出して苦い顔を浮かべる。それをだたヨウコは見ていた。イザナはダイゴに渡されたメモを見てみる。ダイゴのではなく情報屋のテツロウのを。

(渡すなら自分のを渡せよ)

イザナはメモをポケットにしまう。

――リリリン! リリン!

それと同時にイザナの、シズクに渡されたスマートフォンが鳴る。アンロッカーが現れた合図だ。

「もう今日は帰る」

「あらそう」

イザナはアンロッカーのいる現場に向かって走っていく。

 

 ※

 

 「ミキヤさんは人探ししてる客を乗せたことあります?」

「え? 特にないが、それがどうした?」

ゴンドラステーションでの待機時のミキヤにもダイゴは尋ねる。

「俺の客に人探ししてる奴がいるんすよ。それで俺に何ができるのかって……」

「お客さんに頼まれたのか?」

「そうじゃねえっすけど、俺どうしても気になっちまったんで」

そう話していると、サイレンとアナウンスが鳴った。

『Nエリア12に大型のクラーケン出現! 出動可能の仮面ライダーは現場に向かってください!』

「なんだよっ! 人がギガメガ忙しい時に!」

「行くかダイゴ」

ダイゴとミキヤはステーションを出る。運河の水の中からバイクの走る専用の車道が現れる。そこをバイクが二台自動で走ってきた。ダイゴとミキヤはそれに跨り現場に向かって走る。

 

 ※

 

 「わあぁ!」

「逃げろー!」

Nエリアの住人達は大型のクラーケンを見て逃げ出す。クラーケンは周囲の建物を無差別に破壊していく。Nエリア内には運河は無い。海にいるクラーケンがどうやって来たのかはわからない。

「なんでここにクラーケンが出たんだよーっ!」

住人の一人が叫ぶ。

「みんなー! そのまま走って逃げろ!」

ダイゴはバイクに乗ったまま周囲に呼びかける。バイクに乗ったダイゴとミキヤは現場に到着し降りてヘルメットを外し大型クラーケンを見る。

「いつものよりギガメガでっか!」

十五メートルはあるであろうクラーケンを見てダイゴは驚く。

「被害が出る前に対処するぞ」

「おっす!」

ミキヤの冷静な声に従いダイゴは自分のベルトとフロッピーディスクを出す。ミキヤも同じように両方を出す。

「変身!」

「変身」

『システムコード! アテランテ!』

『システムコード! ヒイラギ!』

二人は叫び、それぞれに変身する。

『カラシウスアウラティス! アテランテ!』

『プリンス・オブ・プリンス! ヒイラギ!』

ダイゴはアテランテに、ミキヤはヒイラギに変身しクラーケンに向かっていく。

「ミキヤさん、いきますよ!」

「ああ!」

ダイゴはジャンプで登り近付きハープーンで突き、ミキヤは弓矢で遠距離から撃つ。

「でりゃあ!」

暴れるクラーケンの鞭のような足が当たるがダイゴは怯むことなく避けて更にジャンプし、アーカイブ、リトルファイアーを出し使用する。

『アーカイブ・リトルファイア!』

上半身が黄色になり、ハープーンからは火が出る。

「ブジャアアア!!」

火が当たり熱さを見たクラーケンは暴れる。クラーケンの皮膚の一部は燃える。

「おわ!」

クラーケンは暴れながら広い運河のある方角に水を求めていく。

「よっし。運河のほうが俺達もやりやすいからこのまま……。ミキヤさん、頼みます!」

「ああ!」

ミキヤは銃で誘導弾を出し、クラーケンを運河に向かわせる。それはなかなか難しいが、二人はやめない。しかし、それを止めるものがいた。

――ドシャッ!

「!?」

ダイゴに何かがぶつかってきた。いや殴られたようだった。

「!? アンロッカーか!?」

ダイゴを殴ったのは巨大なバッタのような怪物、バッタ・アンロッカーだった。

「うわ! なんだよこんな時に!」

ダイゴは攻撃してくるバッタ・アンロッカーに対応する。

「ダイゴ!?」

「ミキヤさん! クラーケンは頼みます!」

遠くにいるミキヤにダイゴは叫び、バッタ・アンロッカーに応戦する。

「クラーケンで忙しい時になんだコイツは!」

バッタ・アンロッカーは淡々と攻撃をしてくる。

「邪魔してんじゃねえよ!」

「ぶじゃあああっ」

ダイゴはハープーンを炎の剣にして斬るとバッタ・アンロッカーは吹き飛ぶ。

「先にこっち決めるか」

ダイゴがアーカイブをベルトに差し込もうとすると、

――バジュンッ!

「ブジャッ」

バッタ・アンロッカーは誰かに射撃された。弾の飛んできた方向を見ると『彼』がいた。

「悪いが、そのアンロッカーのモンスターキーもお前の持つアーカイブも全て渡してもらう」

マークイスに変身したイザナだ。イザナはダイゴに近づく。

「まずはお前からだ」

「おわ! いきなり!?」

イザナは銃剣の剣先でダイゴに攻撃する。

ダイゴはハープーンで対応する。

「お、お前の願いは本当にアーカイブが必要なのかよっ!?」

「お前が知る必要のほうがない」

「あるだろ! 人の仕事邪魔しやがって!」

ダイゴはイザナに叫ぶ。

「お前に何がわかる……」

「?」

イザナは小さく呟く。

「……僕達は大事なものを全部奪われたんだ、それを取り戻す道を阻むなら誰であろうと容赦しない!」

イザナは仮面の下でヘータとサトルのことを思い出して憤る。

 

続く




エマやナツメ、ヘータとサトルが別のとこで戦っているのもいつか書きたいです
アンロッカーもクラーケンも色々いるので……
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