仮面ライダーアテランテ   作:湊戸アサギリ

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Act.15 駆け引きできないものは、

 「……僕達は大事なものを全部奪われたんだ、それを取り戻す道を阻むなら誰であろうと容赦しない!」

イザナは叫び、ダイゴに銃口を向ける。

――大事なものを全部? ただの人探しじゃないのか?

ダイゴは少し引っ掛かる。

そうしていると、クラーケンが呻く声がする。クラーケンにミキヤが苦戦しているのを見る。

「やべえ!」

ダイゴは一旦クラーケンに向かって走り、ミキヤに加勢する。

「ダイゴ!? あのバッタと黒い仮面ライダーはいいのか!?」

「今はこっち! こいつのが危害出てるでしょ!」

ダイゴはクラーケンに飛び乗ってハープーンで刺す。

「ミキヤさん、離れててください!」

ミキヤはダイゴに言われクラーケンから離れる。ダイゴはベルトに刺さったアーカイブを裏返しに刺し直す。

『アテランテ・ファイナルアタック!!』

ダイゴはクラーケンから大きくジャンプする。その時ハープーンに灯る火が大きくなる。

『リトルファイアー・スラッシュ!』

「これで決まれっっー!!」

ダイゴはハープーンを大きく振りかざしクラーケンを斬るように叩く。

――ズッシュッ!!

「ぶじゃあああっ!」

クラーケンは爆破するように倒されて跡形もなく無くなった。ダイゴはスタン、と着地する。

「よしっと!」

「ありがとう、助かった」

ミキヤはダイゴに礼を言う。

「いいっすよ!」

そういいながらダイゴはイザナのほうを見る。

イザナはバッタ・アンロッカーとまだ戦っていた。しかし、バッタ・アンロッカーは逃げ出した。

「――……」

イザナは逃がしたのを悔しがり、変身を解除する。そこに自動操縦のバイクが走ってくる。

「お、おい待て!」

イザナはバイクに乗ってそのままどこかに走っていった。

「……あれが君の言っていた、イザナという子か?」

「そっす……」

イザナを初めて見たミキヤにダイゴは頷く。

 

 ※

 

 「大型のクラーケンにモンスターキーの怪物、てんてこまいだったみたいだな」

ゴンドラステーションに戻りダイゴとミキヤはスズキに報告する。

「モンスターキーの怪物がよくわからないんだよな。怪物、アンロッカーになった連中は全員意識不明か意識戻ってもどこで手に入れたかも言わない」

スズキは現状を語る。

「クストーデ本部はなんと仰っていますか?」

ミキヤがスズキに問う。

「本部に俺も問い合わせしまくっているが、クラーケンもアンロッカーもネオマリーナでしか確認されないから若干舐めてるみたいだ。俺達と猟師衆でなんとかしろとしか連絡が来ない」

「なんすかそれ!」

スズキの答えにダイゴが反応する。

「……ここは外の連中から見たら、どうでもいい奴らの街らしい。昔からそうだ」

「?」

スズキは溜息をつく。どうでもいい奴らの街らしい。ダイゴにはその言葉の意味がわからなかった。

 

 ※

 

 「ダイゴー!」

「え?」

ゴンドラステーション内から出ると外にいた見覚えのある女、エマ・タカハシがいた。

「うわ! お前かよ!」

ダイゴは厄介なものを見る目でエマを見る。

「何しに来たんだ?」

「当たり前じゃない、仕事の邪魔してほしくないからアーカイブ渡しなさい」

「げっ」

ダイゴの予想通りエマはアーカイブを求めてやってきたのだ。

「邪魔してた自覚あるのかよ、やっぱギガメガ質がワリィ!」

「当たり前じゃない。欲しいんだもん」

「お前に構ってる場合じゃないのに!」

二人が言い争っていると、そこにスズキが現れた。

「お客様、あなたコイツのブラックリストに名前入っていますよ?」

スズキはダイゴを庇う。

「ゴンドラ乗るんだったら私かミキヤで、アーカイブはこちらも仕事で必要なので渡せません」

「え……」

スズキは淡々と話す。丁寧だが威圧的にも見えるそれに内心エマは圧倒される。

「は、はあ……」

冷静に対応され逆に肩透かしをしてしまう。

「おお! さすが支部長!」

ダイゴはそれを見てはしゃぐ。しかしエマは諦めなかった。

「危ない目に遭いたくないなら、大人しく渡しなさい!」

エマは自分のベルトとディスクを出す。

「げ! ギガメガしつこい!」

ダイゴはスズキより前に出る。

「ダイゴ! 相手にするな!」

「こういう奴は一回ぶっとばさないとダメっすよ!」

ダイゴも自分のベルトとディスクを出す。

「そうこなくちゃ、変身!」

「変身!」

エマとダイゴはそれぞれエスポワールとアテランテに変身する。

「さぁ! 渡しなさい!」

弓矢片手にエマはダイゴに向かって走りダイゴはそれを避ける。

「あんまやりたかねえけど、一回ぶっとばさねえとな!」

ダイゴはハープーンでエマに向かって走り、エマは弓矢で打ち合いになる。

「欲しかったら本気で来な!」

「え!? ちょっと!?」

――ザプンッ!

ダイゴは運河の水中に勢いよく入る。エマもそれを追うように飛び込む。

――ザブンッ!

「ダイゴ! 逃げ切れー!」

スズキはそれらを見てダイゴに声援を送る。

ダイゴは水中を泳ぎ、エマから逃げる。ダイゴは本気で泳ぎ続ける。

「待ちなさーい!」

エマは諦めずに泳いで追う。二人のライダースーツは水中を自由に泳げるように出来ている。それとダイゴの泳ぎが加わるとスーツの性能を超えた速さを見せる。

「うー、さすが海育ち。やっぱ速いや。でも追いかけるだけよ!」

エマはしつこく追う。

「ギガメガしつこいな!」

ダイゴは呆れながら泳ぎ続ける。

「欲しいと思ったお宝はぜーーーったいっ! 手に入れるのが私の主義よ!」

「げっ!」

エマの泳ぎは決して速くはないが、金銭や宝が絡む事となれば話は変わり通常以上の体力を見せる。

「追いついた!」

「ギガメガしつこい!」

迫ってくるエマにダイゴは一瞬戸惑う。ダイゴは高く飛び、水上に出る。

――ザブゥッ!!

ダイゴが水面に出るとちょうど足場になる運河沿いの歩道が見え、彼はそこに着地する。

それを追ってエマも出てくる。

「! やっぱこれで行くぜ!」

「あっ! それよそれ!」

ダイゴはエマが求めるアーカイブ、リトルファイアーを出しいつもとは裏返しでベルトに差し込む。

『リトルファイアスプラッシュ!』

ダイゴの足は炎を纏い、彼は高く上に飛ぶ。

「しつこい奴にはこれだぜ!」

「へ?」

ダイゴはエマに向かって落ちるようなキックをする。

――ドシャアアアッ!!

「どわああああああ!」

炎を纏った右足のキックは叫ぶエマに命中する。ダイゴは着地する。

「やったか? ていうか生きてるよな?」

ダイゴは変身を解除しながらエマに近付く。エマの変身は解除され全身黒こげで仰向けに倒れていた。

「ううう……おたからがぁ~」

「思っていたより大丈夫だな。もう俺らの仕事邪魔するなよ!」

エマの意識を確認するとダイゴはその場を立ち去って自分の仕事に戻るのであった。

 

 ※

 

 「お邪魔します」

そう言ってイザナ達のガレージに現れたのはシズクだった。イザナとヘータとサトルはちょうど三人でいた。

「シズクさんか」

椅子に座り込むイザナにシズクは近付き、タブレットを見せる。

「明日、日本本土からアーカイブのひとつを持った方が来ます……」

シズクはイザナにアンデルセン・アーカイブのひとつを持った人物の情報を渡すのであった。

 

続く

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