ケンジがまともにクラーケンを生で見たのはその時が初めてだった。ニュースで見るような怪物が確かにそこにいた。それも鮫に近い個体だ。目撃した人々は危険性を理解していたので一目散に逃げていく。
「坊や! 君も逃げろ!」
「そ、そうだ……」
立ち止まるケンジを見た大人は彼に向かって叫びながら走る。ケンジはそれに反応し、足を動かした走る。しかし、クラーケンはケンジに追い付いた。
「ズジャアアア!」
「うわぁああ!!」
クラーケンはケンジを食べようと口を大きく開けた。
「――変身!」
『システムコード・アテランテ!』
――ズギィン!!
「ブァァァ!!」
聞き覚えのある声でそう言った人物はクラーケンを蹴り倒し、ケンジから離した。
「!?」
その人物はアテランテ、ダイゴだ。
「今のって……ダイゴ?!」
ケンジはアテランテがダイゴだとは知らないが、すぐに察した。
「ケンジ大丈夫か!?」
「ああうん! えっと、ダイゴだよね?」
「おう!」
ケンジが確認すると確かにダイゴだった。
「――やっぱり君には早めに来てもらったほうが良いと思うんだよね……」
「!?」
クラーケンを蹴飛ばしたダイゴの目の前にいたのは探していた矢沢孝元だった。
「矢沢!」
「やっぱり先にアンデルセンアーカイブだけは頂いておくよ」
矢沢はベルトとモンスターキーを取り出し、その二つを使い、レオン・アンロッカーの姿に変わる。
『アンロック、レオン』
ライオンのような怪物が、レオン・アンロッカーがそこにいた。矢沢はダイゴに大きな爪を向ける。ダイゴはハープーンでそれを受け打ち合う。
ーードシャン!!
「……何故クラーケンが現れるか、考えた事あるか?」
「?」
矢沢がくちすざむように言った。
「現れるって、クラーケンは海底に昔から生きているだろっ? 生き物がそこにいるのはソイツの『天命』だろ!」
「そういう事じゃなくて、海底にいる奴らが何故わざわざこの街に上がってくるかだ」
ダイゴの返答に矢沢は少し訂正する。
「連中が何に引き寄せられてこの街に来るか……」
矢沢は、あるものを取り出した。
「!」
青色のミニディスク、否アンデルセンアーカイブだ。矢沢は自分のベルトに差し込む。
矢沢の両手は爪から、大きな植物のツタに一瞬で姿を変える。
「!?」
矢沢は大きく伸びたツタをムチのように振り回しダイゴに向ける。
「どわ!!」
ダイゴはダメージを受けながらも避ける。ツタはダイゴを殴るのをやめない。徐々にダメージが貯まる。ダイゴは仰向けに打ちつくように倒れる。
ーーバダンッ!
「ダイゴ!」
ケンジは倒れるダイゴを見て戸惑う。倒れるダイゴに対し自分はどうしたらいいか、ケンジはわからなかったが……彼は叫んだ。
「ーーた、立って! 仮面ライダーーーっ!!」
ダイゴはケンジに呼ばれたと思い、勢いよく起き上がった。
続く