転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
まさか2日続けて3話更新すると思わないよね。
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その日、俺はるんるん気分であった。
なぜなら、あの視聴者参加型歌謡番組『フーティック・アイドル』の公開収録に当選したからである。三週勝ち抜けば無条件でCDデビューができるという番組で、なかなかロマンがあると視聴者からは好評なようだ。
ともかく俺は嬉しい! 転生前は考えたこともなかったが、もし『仮面ライダーW』の世界に転生できたらなんて質問が来たら、俺は迷わず答えただろうな。
ジミー中田に会いたい!!
そう。
何を隠そう、俺はジミー中田のファンなのだ。
あの歌声は本当にいい。7連勤で疲れた身体にじーんと染みたんだよなぁ。
当選した公開収録には2人までOKということで、雫ちゃんか霧彦どちらを連れてこようか悩んだ結果ーー
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「あ、あの、黒井さんっ、今日は……誘っていただいて、ありがとうございます」
結局、俺は雫ちゃんを誘っていた。霧彦にも声はかけたのだが、なぜか青い顔で断られてしまった。なんだろう、昨日の割引品にあたったか? まぁ、そもそもあいつは指名手配中ではあるから仕方がない。
というわけで、雫ちゃんを誘うと、二つ返事でOKをもらえた。チャッピーは霧彦が面倒をみるということで、今朝うちに来たときに預けて、今に至る。
「わたし、仕事とチャッピーの散歩以外では、ほとんど外に出なくて……テレビの収録なんて初めてです」
「そうか。それはよかった」
「は、はい。ありがとうございますっ」
「いいや、お礼なんて言わなくていいさ」
笑いかけると、彼女は下を向いてしまう。
ふむ、本心だったんだがな。そうさ、お礼なんていらない。今日は彼女に知ってほしかっただけなのだ。
「君に知ってほしかったから」
「え……っ」
「俺の好き(なジミー中田)を、さ」
「っ!?」
「さぁ、行こう」
そう言って、彼女の手を引く。後から思えば、仲良くなったとはいえ女性の手を引くなんて少し強引だったな。反省だ。
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「ジミーっ!!!」
「…………」
会場にて。
俺は歓喜の涙を流しながら、彼の名を呼んでいた。
やはり生で聞いて実感した。ジミー中田、彼は紛れもない天才だ!
「なぁ、雫ちゃん! 君もそう思うだろう!!」
「っ、は……!」
どうやら雫ちゃんは彼の歌声に聞き惚れていたのか、俺の呼びかけで我に返っていたようだ。まったくこんな可愛い女の子も魅了しちまうとは……罪な男だぜ。
観客は「ふざけんな」と彼の歌の素晴らしさに嫉妬の声をあげ、審査員たちは口々に「彼は天才だ」と絶賛する。うんうん、流石はプロだ。分かっているな。
……そういや生きている時には、この回はちょうど繁忙期が重なってちょくちょく意識を失ってたから、あまり覚えていないんだよな。覚えているのは、魂に響くジミーの歌だけだ。
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「ジミー中田、まだかなぁ」
「……はぁぁ」
公開収録終了後、俺と雫ちゃんはテレビ局の裏手にいた。勿論、出待ちである。ジミー中田に花束を渡すんだぁ! 受け取ってくれるかなぁ!!
「って、どうかしたか、雫ちゃん?」
さっきからため息ばかりの彼女に訊ねると、
「…………なんでもありませんっ」
「?」
なぜか少々不機嫌なようで、プイッとそっぽを向かれてしまった。あんなに素晴らしい歌を聞いたというのに……うーむ、女の子の心は分からねぇなぁ。
あとで何か美味しいものでもご馳走しよう。そう思って、再びテレビ局の出入り口に視線を戻したその時だった。
ーードンッーー
「「!?」」
突如として『彼ら』は現れた。
一体は知っている。赤い『仮面ライダー』、あの照井竜が変身する『仮面ライダーアクセル』だ。
もう一体は『ドーパント』……強そうな外見ではない。人間と変わらないフォルムで、唯一特徴的なのは身体から何本か生えている棘くらいだ。あいつは知らない。何者だ?
「黒井さんっ」
「あぁ、逃げよう、雫ちゃん!」
今回、あの『ドーパント』の意識は一切こちらに向いておらず、その上『アクセル』が応戦している。ジミーに会えないことは残念だが、ここは彼女の身の安全を最優先だ。
俺達はその場を逃げ出した。
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感想&メモリアイディアありがとうございます。
本当に励みになります。
完全趣味で楽しく更新しているため、色々願望がすごいです。
オリジナルメモリも出したい。
雫ちゃんもイラスト化してほしい……あ、黒井くんは別にいいです。
追記
感想でのアイディア募集はNGのようでした。
申し訳ありません。