転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
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「ごらぁ! 福島元! 出てこいやぁ!」
『出てこいごらぁ!!』
風都大学のとある研究室に、俺と『イービル』で殴り込む。犯人は分かってるし、恐らく証拠も揃ってる。あとはシバいて終わりだ。何人かの研究員が何事かと固まり、こちらを見るなか、福島は……いた!
「な、なんだよ、あんたら」
「ちょいと面を貸してもらおうか」
『表出ろぉ!』
俺たちはそのまま福島を拉致していく。後から冷静になって考えると中々にヤバい2人組である。お似合いとか言うな。
大学構内のベンチに福島を座らせ、俺と『イービル』で囲む。
「……な、なんなんだよ」
「『ナイトメア』メモリ持ってるだろ!」
「っ」
単刀直入に問い詰める。この様子、ビンゴだ!
「『イービル』! こいつ脱がせろ!」
『おう、任せろ!』
『イービル』と共に福島の服を手をかけようとして、
ーーガシッーー
誰かに腕を掴まれる。何をするとその人物に伝えると、
「これ以上は止めておけ。強制わいせつ罪で現行犯になるぞ」
「そうだぜ、それにレディにそんなことをやらせるもんじゃねぇ。なぁ、黒井」
「照井竜に、左翔太郎……っ」
なんてタイミングで来やがる。
「何があったかは知らねぇが、こっから先は俺達に任せとけよ」
「という訳だ。福島元、ガイアメモリ所持の疑いで任意同行させてもらおう」
「く、くそぅ!!」
「待ちやがれっ!!」
福島はその場から逃走し、照井と翔太郎もそれを追っていった。取り残された俺と『イービル』。
『あいつら、何者だ?』
「んあー、『仮面ライダー』。正体バレたら終わり」
『ま、まじか』
流石の『イービル』も少々怯んだようである。
どの道、警察が出てきた以上、これ以上は深追いもできないだろう。それに『ナイトメア』は夢の中だけで力を発揮するメモリだ。きっとあの2人がいれば、現実世界で負けることはない。
「俺達の役目は終わりだな。どうする、『イービル』」
『あー、大人しく家にでも帰って引っ込むわ。今回は非常事態だったからよ』
それがいいだろう。俺もそれに同意して、帰路に着いた。
今回の件、雫ちゃんに被害が及んだのは最悪だったが、ひとつ分かったこともあった。『イービル』は決して雫ちゃんに敵対しているわけではない。いや、むしろ雫ちゃんを守るように動いた。
怪我の功名ってやつだな、うんうん。
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その晩、俺は霧彦が作ったキッシュとオニオンスープを食べていた時のことである。
ーープルルルルーー
俺のスマホが鳴った。相手は、雫ちゃんだ。恐らく『イービル』に渡した書き置きを見て、電話をくれたのだろう。
「食事中だが、すなんな。愛しの彼女からのラブコールに応えない訳にいかないだろ?」
「……ご勝手に」
素っ気なくそう言う霧彦。
ふっ、クールな奴め。心の中では羨ましくて堪らないだろうに。まぁ、いい。今は雫ちゃんに早く声を聞かせてやらなくちゃな。
そう思った俺はひとつ咳払いをして、美声に調整してから通話ボタンを押した。
「やぁ、ハニーかい?」
『おい! 気色悪い声を出すな! イマドコだ、ボケぇ!』
デジャヴ、であった。
「……お前、『イービル』か!? なんで戻ってねぇんだよ!」
『それはこっちの台詞だっ! 雫の意識が戻らねぇ、まだ眠ったままで起きる気配もねぇんだよっ』
「なに!?」
知り合いが眠らされてしまった。
事情は左翔太郎に伝えてあったため、福島元は逮捕され、『ナイトメア』も破壊されたことは聞いていた。
だが、雫ちゃんが目覚めてない……ということは?
「『ナイトメア』……じゃないのか?」
『お前の話通り、こいつは寝てる。『ナイトメア』ってのの能力と同じ状態だと思うぜ』
「……なら」
答えはひとつだ。
『ナイトメア』はもう1本ある。
原作にはない展開。俺では手に余る。
「霧彦……すまん、また協力してもらってもいいか」
「愚問だね。言っただろう、君たちが危機に陥れば私が助けると」
「……助かる」
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霧彦の言う通りだった。思慮が浅かったのだ。
福島元の犯行ではないのに、雫ちゃんの額に『H』があった意味も。それを『残せた』理由も。
俺はもっとよく考えるべきだった。
この時点ではもっと未来の話にはなるが。
もしそうしていれば、俺はきっと『ーーーー』を失うことはなかったのだろう。
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楽しくなって参りました!
16日中にもう一話は更新したいです。
お気に入り登録も650人を超えてるという……過去最高の数値に感謝しかありません。
感想&コメント&過去作品まで見ていただいて感謝感謝です!
今後もごゆるりとお付き合いください。
彼女にするとしたら……。
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雫ちゃん(おどおど系清楚黒髪ロング)
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イービル(オラオラ系白髪えっちお姉さん)