転生したらミュージアムの下っ端だった件(完)   作:藍沢カナリヤ

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第29話 悪夢のR / 誤解

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「ごらぁ! 福島元! 出てこいやぁ!」

『出てこいごらぁ!!』

 

 

風都大学のとある研究室に、俺と『イービル』で殴り込む。犯人は分かってるし、恐らく証拠も揃ってる。あとはシバいて終わりだ。何人かの研究員が何事かと固まり、こちらを見るなか、福島は……いた!

 

 

「な、なんだよ、あんたら」

 

「ちょいと面を貸してもらおうか」

『表出ろぉ!』

 

 

俺たちはそのまま福島を拉致していく。後から冷静になって考えると中々にヤバい2人組である。お似合いとか言うな。

大学構内のベンチに福島を座らせ、俺と『イービル』で囲む。

 

 

「……な、なんなんだよ」

 

「『ナイトメア』メモリ持ってるだろ!」

 

「っ」

 

 

単刀直入に問い詰める。この様子、ビンゴだ!

 

 

「『イービル』! こいつ脱がせろ!」

 

『おう、任せろ!』

 

 

『イービル』と共に福島の服を手をかけようとして、

 

 

ーーガシッーー

 

 

誰かに腕を掴まれる。何をするとその人物に伝えると、

 

 

「これ以上は止めておけ。強制わいせつ罪で現行犯になるぞ」

 

「そうだぜ、それにレディにそんなことをやらせるもんじゃねぇ。なぁ、黒井」

 

「照井竜に、左翔太郎……っ」

 

 

なんてタイミングで来やがる。

 

 

「何があったかは知らねぇが、こっから先は俺達に任せとけよ」

 

「という訳だ。福島元、ガイアメモリ所持の疑いで任意同行させてもらおう」

 

「く、くそぅ!!」

 

「待ちやがれっ!!」

 

 

福島はその場から逃走し、照井と翔太郎もそれを追っていった。取り残された俺と『イービル』。

 

 

『あいつら、何者だ?』

 

「んあー、『仮面ライダー』。正体バレたら終わり」

 

『ま、まじか』

 

 

流石の『イービル』も少々怯んだようである。

どの道、警察が出てきた以上、これ以上は深追いもできないだろう。それに『ナイトメア』は夢の中だけで力を発揮するメモリだ。きっとあの2人がいれば、現実世界で負けることはない。

 

 

「俺達の役目は終わりだな。どうする、『イービル』」

 

『あー、大人しく家にでも帰って引っ込むわ。今回は非常事態だったからよ』

 

 

それがいいだろう。俺もそれに同意して、帰路に着いた。

今回の件、雫ちゃんに被害が及んだのは最悪だったが、ひとつ分かったこともあった。『イービル』は決して雫ちゃんに敵対しているわけではない。いや、むしろ雫ちゃんを守るように動いた。

怪我の功名ってやつだな、うんうん。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

その晩、俺は霧彦が作ったキッシュとオニオンスープを食べていた時のことである。

 

 

ーープルルルルーー

 

 

俺のスマホが鳴った。相手は、雫ちゃんだ。恐らく『イービル』に渡した書き置きを見て、電話をくれたのだろう。

 

 

「食事中だが、すなんな。愛しの彼女からのラブコールに応えない訳にいかないだろ?」

 

「……ご勝手に」

 

 

素っ気なくそう言う霧彦。

ふっ、クールな奴め。心の中では羨ましくて堪らないだろうに。まぁ、いい。今は雫ちゃんに早く声を聞かせてやらなくちゃな。

そう思った俺はひとつ咳払いをして、美声に調整してから通話ボタンを押した。

 

 

「やぁ、ハニーかい?」

 

『おい! 気色悪い声を出すな! イマドコだ、ボケぇ!』

 

 

デジャヴ、であった。

 

 

「……お前、『イービル』か!? なんで戻ってねぇんだよ!」

 

『それはこっちの台詞だっ! 雫の意識が戻らねぇ、まだ眠ったままで起きる気配もねぇんだよっ』

 

「なに!?」

 

 

知り合いが眠らされてしまった。

事情は左翔太郎に伝えてあったため、福島元は逮捕され、『ナイトメア』も破壊されたことは聞いていた。

だが、雫ちゃんが目覚めてない……ということは?

 

 

「『ナイトメア』……じゃないのか?」

 

『お前の話通り、こいつは寝てる。『ナイトメア』ってのの能力と同じ状態だと思うぜ』

 

「……なら」

 

 

答えはひとつだ。

『ナイトメア』はもう1本ある。

原作にはない展開。俺では手に余る。

 

「霧彦……すまん、また協力してもらってもいいか」

 

「愚問だね。言っただろう、君たちが危機に陥れば私が助けると」

 

「……助かる」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

霧彦の言う通りだった。思慮が浅かったのだ。

福島元の犯行ではないのに、雫ちゃんの額に『H』があった意味も。それを『残せた』理由も。

俺はもっとよく考えるべきだった。

 

この時点ではもっと未来の話にはなるが。

もしそうしていれば、俺はきっと『ーーーー』を失うことはなかったのだろう。

 

 

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楽しくなって参りました!
16日中にもう一話は更新したいです。

お気に入り登録も650人を超えてるという……過去最高の数値に感謝しかありません。
感想&コメント&過去作品まで見ていただいて感謝感謝です!
今後もごゆるりとお付き合いください。

彼女にするとしたら……。

  • 雫ちゃん(おどおど系清楚黒髪ロング)
  • イービル(オラオラ系白髪えっちお姉さん)
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