転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
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『さぁ、行くぜ!』
俺は2人を信じ、駆け出す。白服への最短距離を進む。だが、それを黙って見ている奴ではない。
『エンジェル』
『ライトニング』
「死になさいッ!!」
メモリの2本同時使用。しかも、どちらも高エネルギー攻撃を放つ能力で、俺を近づけさせない意思を感じた。
だが、関係あるか! このまま突っ込むだけだ!
ーーギィィィンッーー
『全く世話の焼けるっ!』
『さんきゅー、霧彦!』
『行け! 黒井くん!』
攻撃を剣で裂いて、俺の進む道を切り開くのは『ナスカ』。
「っ、なら、これです!!」
『ヤング』
『ナイトメア』
概念系の能力が襲い来る。それでも進む。
『ごらぁぁっ!!』
『ヤング』と『ナイトメア』を受け止めたのは『イービル』。本来ならば、彼女の肉体は『ヤング』によって幼くなり、『ナイトメア』によって醒めない悪夢を見るはず。一瞬、足を止めかけてーー
『『イービル』! 雫ちゃん!』
『行けっ! 秀平ッ!』
「進んでっ! 秀平さんっ!!」
『っ』
ーーまた踏み出す。奴を倒せば能力は解けるはず! だから、彼女が俺を信じてくれたように、彼女を信じるんだ。
「くっ!? 止まりなさいっ」
『うるせぇっ!』
2人が切り開いてくれた道だ。止まれる訳がない。
白服との距離はあと5mちょい。このままの勢いで、奴の正面に!
「止まれ止まれ止まれぇぇ、黒井秀平ぃぃぃ!!」
『止まる訳ねぇだろうがぁぁ!!』
いくら奴が吠えようと、俺は止まらない。手を伸ばして、奴に触れてーー
『ゾーン』
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そこからはとても容易いものでした。
『ゾーン』で所有するすべてのガイアメモリを集約させて放つ一撃にて、一方的に蹂躙する私。今はあの女も、園崎霧彦も地に伏しています。そして、勿論、黒井秀平も。
「あんなにイキっておいて、この様とは……本当に無様としか言いようがありませんねぇ」
ーーグリグリーー
「ぐっ……」
再びメモリを拾おうとする黒井秀平の手を踏みつける。
そもそも『マスカレイド』などというゴミメモリで、『王』たる私に歯向かおうというのが間違いなのです。
……さて。
「本来ならば、丁寧に取り除くのがいいのでしょうが……」
『ドクター』
「散々焦らされたのです。少々乱暴にはなりますが、構わないでしょう?」
『ドクター』メモリの能力によって、まずは彼の腹を開く。勿論、麻酔は使いません。抵抗した彼が悪いのですから、多少の罰は与えなくてはなりませんよね。
「まぁ、どうせ死にますし、痛みくらい我慢しなさい」
『ジュエル』
生きたまま彼の肋骨を『ジュエル』の硬質宝石で砕いていきます。あばらを破壊する度に、叫び声をあげるのは非常に不快ではありますが……。今、感じている高揚感があれば、それも我慢できるというものです。
「さて、見えました。心臓です」
『ソード』
最後は『ソード』によって、彼とその心臓を繋ぐ血管を瞬時に切っていきます。鮮度が命、ですから。
やがて、心臓は私の手の内に。それを私はーー
「いただきます」
飲み込んだ。
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「モがっ!?」
『よう。旨いかよ、俺の拳は』
奴が口に咥えた拳を俺は振り抜いた。白服は吹き飛び、地面を転がる。それはそれは、いい転がりっぷりであった。
「な、なじぇ!? わたひは、勝っていたはずでふ!?」
『あぁ、勝ってただろうよ。メモリの数が違げぇからな』
「なら、なじぇ!?」
『……お前は手の内を見せすぎた』
ーーキュィィーー
高音と共に、俺の頭部が熱くなる。同時に『マスカレイド』の外見が変化した。とはいっても、骨の部分の色が銀色から涅色に変わっただけだけどな。
「見たべが、変わったがらなんだというのでーー」
『ふんっ!』
ーーゴンッーー
「ひ、ひぃっ!?」
言葉を遮るように腕を振った瞬間、俺の腕が巨大になり、地を叩いた。これは『ジャイアント』メモリの能力。そして、
ーーキュィィーー
今度は赤色に変わる。その能力は、
『ここは南極だ』
「っ、さ、さぶい!? これは『ライアー』!?」
『ご名答』
『ライアー』メモリを解除してやる。奴に近づいたのも、油断している白服に『ライアー』で認識を阻害するためだった。
つまりは、これが様々なメモリを起動するだけで使える上に強いメモリを複数本持っている奴への唯一の対抗策。俺の切り札は『マスカレイド』を使った瞬間に、頭に流れ込んできたこの真の能力だった。
「ま、まさが……そんな、ありえないッ」
『あぁ、俺もよくわかってねぇけどな。この『マスカレイド』は他のメモリ能力を再現できるみてぇだ』
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『マスカレイド』。
『仮面舞踏会』の記憶を内包したガイアメモリ。
ミュージアム製の物は、肉体能力を向上させるというだけの低価格かつ量産型、それに加えて自爆装置を付けられたまさに粗悪品である。しかし、その本質……本当の能力は、様々なメモリを再現できるというものだった。
多種多様なメモリ能力という『仮面』を付け替えて舞うそれは、まさに『仮面舞踏会』に相応しい。
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「知らない! 知りまぜん、ぞんなもの!?」
『奇遇だな。俺もだ』
叫び続ける白服の言葉に同意し、俺はさっき白服が落としたメモリを拾う。そして、起動する。
『ゾーン』
「な、か、かえしなざいっ!」
『メモリの数が違う、だったか。そうだな、その通りだ』
俺は『ゾーン』を首に差す。同時に、装甲が白に変化して、他のメモリを呼び寄せた。
「あ、あぁぁぁ……わ、わだしの……力がぁぁ……」
『来い、メモリ共!』
「イヤだァァ、イヤだァァァァ!!」
宙を舞うメモリはすべて、俺の身体へと差し込まれていく。『ゾーン』を含めて、24本が集う。力が増大していくのが分かった。
……って、ん、24本……?
『黒井くん! まだ彼はメモリを握っているぞ!』
『!!』
見れば、確かに白服は1本のメモリを握り締めていた。『ゾーン』でも呼び寄せられなかった白いメモリ……まさか!?
「ハ、ハハハハハ……この土壇場で認めたのです! 『ゾーン』でもこの『エターナル』は呼び寄せられず、私の元にある! 他のメモリなど、もうどうでもいい!」
「これ1本で、この状況などひっくり返すことすらできるのですから!!」
『チッ!?』
走り出す。だが、間に合わない。
高笑いをしながら、奴はメモリを起動した。
『イミテーション』
「……………………は?」
想定外。奴が握り締めていたのは『エターナル』ではなく、『イミテーション』。模造品のメモリだった。
「な、なぜ……『エターナル』は……『王』のメモリは……?」
『まぁ、選ばれなかったってことだろ』
「~~~~~~ッ!! ふざけるなァァァァ!!」
ふざけるな、ね。
そりゃこっちの台詞だよ。全身ホワイト眼鏡野郎。
自分勝手な欲望で、大勢の他人の人生をぶち壊しやがって。特に、愛しの雫ちゃんの家族を酷い目に合わせた罪は重い。
『おい、覚悟はいいな』
「ひ、ひぃぃぃぃ!?!?」
『イミテーション』
苦し紛れに『イミテーション』を使う白服。そんな奴に向けて、俺はーー
『終わりだ、三下』
ーーーーーー『マスカレイド』ーーーーーー
取り込んだ全てのメモリのエネルギーを集めて、放った。
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そうして、『黒井秀平』の悲願は果たされたのだった。
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次回、エピローグ。
特報! 本編完結後に、劇場版&Vシネ……?
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見たい!
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ネット版を頼む
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R指定の話、忘れてないからな?
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全部書けばいいじゃん?
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本編のみでいい。それで満足だ。