転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
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あれから1年が経って。
なんと、わたし、風都署の刑事になりました。
まだまだ新人ではありますが、幹夫さんと同じ超常犯罪捜査課の一員です。
勿論、今まではただのOLだったわたしが刑事になったのは、異例の人事です。今の上司である照井警視が『仮面ライダー』としてのわたしをスカウトしたのが事の発端なのですが……。
「ゆぅるぅしぃまぁせぇんんんん!!」
わたしが刑事になることを最後まで反対していたのは、秀平くんでした。まるで狂犬のように、霧彦さんや照井警視にまで噛みついていた姿は中々、その……すごかったです。
そんな秀平くんも、
「大丈夫ってところを見せたいんです。ね? 秀平くん」
「うぅあぁおおおぁぁっ!?!? いいい、いいよぉいやだぁぁいいよぉぉぉ!!!」
わたしの意志を伝えたら、快く納得してくれました。流石はわたしの彼氏さんですよね。
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あとは、お姉ちゃんのお墓に、『貴女』がつけてたドライバーを入れたんです。本当はメモリを入れたかったんだけど、それはダメだと照井警視に却下されちゃって。
今ごろはお姉ちゃんと会えてるかな?
会えてたら、いいな。
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あ、それからね。
やっと秀平くんと、ちゃんとした同棲を始められたんです。
それまでに彼の就職問題とか、他にもまたガイアメモリ関係の事件に巻き込まれたこともあったけれど、どうにか2人で笑って過ごせています。
そして、今日わたしはねーー。
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ーーぎぃっーー
わたしの目の前で大きな扉が音を立てて、開きました。
今のわたしは、普段まったく着ないような慣れない格好で。だけど、練習通りに、どうにか一歩前へ進みます。
建物の中に入ると、幹夫さんが優しげな微笑みを浮かべながら、わたしのことを待っていてくれました。目にはうっすらと涙。腕を組んで、歩く。
「おめでとう、雫」
「……ありがとう、お父さん」
「ッ」
2人にしか聞こえない会話。言葉を交わした幹夫さんは、なぜか上を向きながらも、わたしの歩幅に合わせて歩いてくれます。やがて、祭壇の前で、幹夫さんの腕をわたしは離しました。
「よろしく、頼むよ」
「……はい」
カッチリと決めた彼が、幹夫さんの言葉に頷く。
2人が正面を向く。自然と讃美歌が聞こえ始めて、牧師さんが聖書の一節を朗読してくれます。そしてーー
「新郎、秀平さん」
「貴方は新婦・雫さんを妻とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も」
「これを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
誓います、と言ってくれた秀平くんは、わたしに視線を向けて、微笑んでくれる。次は、わたしの番。
「新婦、雫さん」
「貴女は新郎・秀平さんを夫とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も」
「これを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
秀平くんとまた目が合う。笑い合う。
「指輪の交換を」
お揃いの指輪をそれぞれの左手の人差し指へ。
…………うん、ちゃんとはめられた。
「それでは、誓いのキスを」
いよいよです。
彼がわたしたちの間にあるベールを上げてくれます。
緊張で固くなった彼の表情を見ながら、わたしはくすりと笑ってから、口づけを交わしたのでした。
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もう、わたしは大丈夫。
だから、安心して見守っていてね。
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これにて、Vシネ『仮面ライダーエコー / イービル』完結になります。
ここまでお付き合いくださった読者の方々、本当にありがとうございました。満足いくものが書けたのも、一重に作品を読んでくださった皆様のおかげです。ご感想等いただけたら、泣いて喜びますのでぜひ……。
Vシネを経て、劇場版についての初期構想もずいぶん変わりそうです。時間を空けて更新できたらと考えておりますので、気長にお待ちいただけたら幸いです。
では、また。