転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
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『下がってな、雫ちゃん』
「はいっ」
雫ちゃんを背に隠すように、俺は『エラー』と対峙する。これ以上、彼女には手を出させないという意志の現れだ。
『世界の『欠陥』が調子にーー』
『おらぁぁっ!!』
ーーバギィィッーー
先手必勝! 奴が言い終わる前に、顔面をぶん殴る。自分で思ったよりも速い。シルバーメモリの『マスカレイド』よりも圧倒的に。
『……浅い!』
ーーブンッーー
『っと!?』
破壊力にはやや難あり。いや、『エラー』の防御力が高いのか、『エラー』は殴られたのも構わず、巨剣を振るってきた。それをギリギリで躱して、
ーーベシンッーー
今度は重心を落とし、足払い。狙い通りに、奴の体勢が崩れる。
『この程度で崩したと思うなッ』
ーーザクッーー
ーーブンッーー
剣を軸に崩れた体勢を戻し、蹴りへと転じてくる『エラー』。咄嗟に両腕を上げ、攻撃に備える。だが、それがブラフだと分かるのは、奴が俺の腕を足場に飛び上がってからだった。そして、
『エラー マキシマムドライブ』
巨剣の柄にあるスロットに『エラー』を装填して放つマキシマム。メモリの力が目に見える形で剣に集まっていく。これはやべぇっ! 単純な防御は厳しい。だからといって、避けたら近くにいる雫ちゃんも巻き込んじまう。なら、やることは1つしかねぇよな!
『真っ向勝負といこうぜっ!!』
『マスカレイド マキシマムドライブ』
『『欠陥』風情がッ! メモリの格が違うッ!!』
激昂した奴が巨剣を振るうのに合わせ、俺も拳を振り抜いた。その瞬間、衝撃がーー
ーーグニャリーー
『!?』
ーー反転する。
この『マスカレイド』はシルバーランクのそれと同じ。メモリ能力を付け替えながら攻撃できる。その種類は俺が今まで体内に取り込んだメモリの数と同じ。その上、マキシマムの音声自体は『マスカレイド』のまま。
不意打ち。騙し討ち。まさに俺のためのメモリじゃねぇか!
『狙いはてめぇじゃねぇよ!!』
『リバース』の能力で反転した衝撃波は、奴の後ろの『エクスビッカー』へ流れ、剣先に当たり破損した。全壊とまではいかないが、それでもこれで光線は打てないだろう。
『格が違う? そうだなぁ。流石じゃねぇか、メモリのパワーで最終兵器が壊れちまったぜ』
『~~~~ッ!! 『欠陥』風情がッ!!』
『語彙がそれしかねぇのか! ああっ!!』
ーーバギィィッーー
ーーバギィィッーー
『『ぐうっ!?』』
お互いの拳が腹に入る。だが、ここで怯んだら終わりだ。
『エラー マキシマムドライブ』
『修正されろっ、黒井秀平ッ!』
『
『うるせぇ! てめぇは足元のぬるぬるローションで滑ってろ!』
ーーつるんっーー
不意を突いた『ライアー』の嘘。そのせいでマキシマムを透かした『エラー』はバランスを崩す。この好機は逃さねぇ! 俺は奴の上へ飛び上がり、三度スロットを叩いた。
『
『
『
大きくて固くてビリビリする拳で、ぶん殴る。
『ぐぅぅうっ!?』
『らぁぁぁっ!!』
ーーバギバギバギッーー
拳を振り抜き、奴が地面に叩きつけられた。『ライアー』の効力はもう切れており、ダメージはもろに入ったようだ。ゆっくりと立ち上がる奴に、立て直す時間は与えない。
『
ーードクンッーー
『お前の希望吸い尽くして、終わりだ!』
奴に接触し、『ユートピア』で奴の精神力を吸う。
『舐めるなッ』
『エラー マキシマムドライブ』
『!』
密着した状態で奴の左足にエネルギーが溜まっていく。そして、俺の右横から蹴りを放ってきた。一瞬反応が遅れ、防御が遅れる。骨が折れる感覚。それでも『ユートピア』で力を吸っていたからか、だいぶマシだな。
『放すかよ……ここで終わらせるっ』
『何故……何故、倒れないっ!? お前、お前たちはこの世界にとって『欠陥』そのものでしかない。この世界にとって、お前たちが『
『フィクション? 『欠陥』? そんなもん知らねぇな。俺はただ、面白おかしく、大切な人たちがいるこの世界で生きてくんだよ』
『戯言をッ』
『エラー マキシマムドライブ』
今回の件で再認識できた。
誰になんと言われようが、俺はこの世界で生きていく。ここが俺の居場所だ。それを奪おうって言うならば、俺はそれを許さない。この悪感情を全部目の前の鬱陶しい奴にぶつけてやるよ。
『
黒い稲妻は俺の右脚へ。飛び上がり、奴の巨剣に蹴りを放った。
『『らぁぁぁぁぁ!!』』
メモリの力はこちらの方が下。だが、
ーーバギィッーー
『なっ!?』
俺の感情は性能を越える。巨剣を打ち砕いた俺のキック。そのすべてのエネルギーが『エラー』の胸部へ叩き込まれた。
『何故、何故ッ』
『価値観が違えんだ。言っても分からねぇだろ、永遠にな』
膨れ上がっていく奴に背を向け、俺は一言だけ告げる。
『俺の居場所は俺が守る。消えろ、棚上げ野郎』
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次回、エピローグと……。
可能性の話ですが、見たい主人公は……。
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黒井(暗い方)
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霧彦
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風華
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モブ顔三人衆
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白服