転生したらミュージアムの下っ端だった件(完) 作:藍沢カナリヤ
ーーーー1ヶ月後ーーーー
「止めて、止めて……あぁぁぁッ!!」
「……はい。怪我の処置終わりましたよ、秀平くん」
「うん、ありがと……ふぃぃぃ……死ぬかと思ったわぁ」
奴につけられた背中のデカイ怪我。手術後、毎日1回つける薬を雫ちゃんに塗ってもらい終わり、我が家のベッドに身体を預けて、一息ついた。
「副作用、まだ酷そうですね」
「あぁ……『ロストドライバー』での変身だったから大丈夫だと思ったんだけどな」
『マスカレイド』による腹痛は出なかったが、他のメモリの副作用が酷かった。手足の痺れや鼻炎、全身の筋肉痛とすんごい鬱状態。症状として挙げると大したことないんだろうが、一つ一つの程度が重くて、とにかく雫ちゃんにはお世話をしてもらいっぱなしだったのである。
「ありがとな、雫ちゃんや」
「いえいえ。秀平くん、がんばったんですから、このくらいはさせてください」
そう言って、笑う雫ちゃん。あぁ、天使。
フッ、甘やかしてもらえるならメモリを使うのも悪くねぇな。
と、それは半分冗談としても……。
「……白服といい、風華といい、今回の棚上げ野郎といい、なんで『転生者』ってのは録な奴がいないかねぇ……」
事件が終息して一息つける今だから、しみじみそう思う。
今回の『運命のガイアメモリ』の一件で、俺は『NEVER』の偽親玉を撃破した。その後、メモリブレイクされた奴を雫ちゃんが逮捕して、一件落着となったのだ。ちなみに、『仮面ライダー』諸君曰く、霧彦は俺が『エクスビッカー』を破壊したタイミングで洗脳が解けたという。『NEVER』の連中は『W』と大道克己が協力して撃破。その後、いつの間にか大道克己は姿を消したらしい。
原作とは違い、『エターナル』による風都タワーの破壊もなく、こうして、いつも通りの日常が戻ってきたのだ。
けれど、ひとつだけ気になることがあって……。
「……俺がいる限り『転生者』は現れる……ね」
奴は逮捕される間際、そんな気になる発言を残していた。『転生者』が現れる原因として考えられるのは『アナザー』の影響だけど、詳しいことは分からず。
「ごめんなさい。『エラー』の副作用で、彼の記憶は混濁しているようで、残念ながら聞き出せませんでした」
「いや、雫ちゃんが謝ることじゃねぇよ。むしろ俺のせい……いや、止めておこう」
ここ1ヶ月ずっとしていたやりとりだ。結果、今は置いておく。そんな結論に到った。その時のことはその時考えよう。何故なら、俺には助けてもらえる仲間が沢山いるんだから。
ーーなでなでーー
「ん?」
俺の頭を撫でる雫ちゃん。大丈夫です、と言わんばかりに微笑んでいた。
「……んだな」
「はい」
それだけで通じるし、ほっと心が休まって。ここが自分の居場所なのだと、俺はここにいていいのだと思える。
雨降って地固まる。俺にとって、今回の一件はそんな体験になってくれたようだ。
……あぁ、そうだな。きっとこれからも『転生者』は現れる。でも、その度に俺は乗り越えられるはずだ。大切な人と一緒ならな。
「雫ちゃん、これからもよろしくな」
「はい、秀平くん!」
ーーーーーーーー
以上で、『劇場版 転生したらミュージアムの下っ端だった件』完結となります。
愛読・応援してくださった皆様、ありがとうございました。
アンケートにもありましたが、今後も何かエピソードを書いていければいいなと思いますが、一旦これで一区切りです。
また書き始める時は、活動報告等でもご連絡しますので、その時はよろしくお願いいたします。
では、また。
新章として見たいのは……。
-
風都探偵関連(原作進み次第)
-
黒井家の子どもの物語
-
サブキャラのVシネ
-
番外編
-
好きに書いてくれ
-
Rを書けぇぇ!!