レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~   作:武藤勇城

12 / 13
12週目 遊び人は賢者に転職した!

 ポルトガ王の勅命を受け、新天地を目指す僕たちアリアハン道化団。

 

 みんながレベル19になったところで、更なる問題が発生した。

 じゃくが戦闘中、敵の目の前で両腕を大きく広げて跪いたのだ。

 えっ?

 何やってんの、じゃく?

 無条件降伏?

 もちろんモンスターには通じない。

 軽く目を瞑ったじゃくは、顔面に強烈な一撃を叩き込まれ、鼻血を出しながら笑っている。

 それを見たくいいんが、今度は敵の前で頭を垂れて 顔の前で両掌を合わせて「てんに いのった!」のだ。

 そしてまた、痛打を浴びる・・・。

 

「二人とも。何をしているんですか」

「え? いやあ、何ってよ」

「神様に~、勝利を祈願しただけよ~」

「死にたいんですか」

「ギャハハ! ゆうき、冗談きついぜ!」

「冗談はそっちでしょう!?」

「そうよ~、遊んでばかりだと~、はあとがどうなっても~知らないわよ~」

「そう! はあとの身に危・・・」

「そりゃいけねえな! ちゃんと戦えよ、くいいん!」

「・・・」

 

 ダメだ。

 情が沸いてしまって、ここまで一緒に来たけど。

 もう無理、もう嫌、もう我慢の限界だ!

 これ以上は付き合いきれない!

 もし今度、遊んでばかりで誰かが死ぬような事態になれば、それっきり、きっぱり別れよう。

 そして頼りになりそうな、戦士や魔法使いや僧侶を仲間にして、やり直そう。

 僕は魔王を倒さなくちゃいけないんだ!

 再び心に誓った。

 

 洞窟を抜けた先を慎重に進んでいく。

 洞窟の北には、小さな宿屋が一軒あるだけだった。

 となると南だ。

 全体攻撃をしてくるハンターフライ、数で圧してくるデスジャッカルに苦戦しつつ、山林を抜け、砂漠を超えた先に、町が見えてきた。

 ここがポルトガ王に頼まれていた黒胡椒の産地、バハラタであった。

 

「きたのやまおくには

 てんしょくをおこなう

 ダーマのしんでんああるそうだ。

 

 町を歩いていると、気になる会話が耳に入った。

 てんしょく・・・転職・・・だと?

 転職ってあれか?

 職業を変える転職か?

 もしかして、全くの役立たずである遊び人も、別の職業になれたりするのか!?

 

「皆さん、聞きました?」

「何の話だよ?」

「転職の神殿って今」

「ぅん、ぁたしも聞ぃたょ」

「ダーマ神殿~って言ってたかしら~」

「この町の北にあるそうです」

「転職?」

「そうです、転職できるんですって」

「転職~。そうね~悪くないわね~」

「オメーには遊び人がお似合いだぜ、くいいん!」

「あら~、じゃくこそ~遊び人が天職でしょ~」

「ギャハハ! 転職じゃなく天職ってか!」

「いや冗談じゃなく! 真面目に、もっと良い職業を目指しませんか」

「ぁのねっ、ぁたしはねっ、もっと強くなってぇ、ゆぅきの役に立ちたぃょ?」

「おう! 俺だってやぶさかじゃねえ!」

「そうよね~強くなって~はあとを守ってあげないとね~」

「俺でもよ、はあとを守ってやれんのかな?」

「じゃくは! じゃくはね、ぃつも守ってくれてるょ?」

「けど、俺はもっと強くなりてえ! そんで、ちゃんと守ってやんよ」

「あら~ラブラブね~」

「やめろよ! そんなんじゃねえって!」

「じゃあ~、ゆうきは~私が守るからね~。パフパスやっとく~?」

「それは結構です」

 

 みんなも、やる気を出してくれたみたいだ。

 正直、別れるのは忍びないと思っていた。

 だけど断腸の思いで、みんなとの別離を決意したばかり。

 ところが転職によって、もしかしたらこれからも、みんなと旅を続けられるかも知れない。

 そんな光明が見えたんだ!

 

 ところで、ポルトガ王からの依頼、黒胡椒の件はどうなったかと言うと。

 町の入り口近くにある黒胡椒のお店が、開いていなかった。

 店主の老人は町の南、海の見える広場で、息子グプタと何やら口論をしている。

 話を聞いていると、タニアという婚約者が攫われたのだとか。

 暫く口論した後、グプタは、

「僕が恋人を助ける! キリッ!」

 と一声叫んで、町の外へと走り去ってしまった。

 黒胡椒は、この問題を解決しなければ入手できなさそう。

 仕方がない、グプタを追おう。

 

 タニアが連れ去られ、グプタが救出に向かった洞窟は、バハラタを出るとすぐ北東にあった。

 川を渡り、森の中を約半刻歩いた先。

 洞窟に着くまで間、バハラタ周辺で新たに出会ったモンスターは『マージマタンゴ』『げんじゅつし』『アントベア』の3種類。

 マージマタンゴは、キノコ型のモンスターで、ヒャドとホイミを使ってくる魔法系の敵だ。

 幻術士も同じく魔法系で、マヌーサと『メダパニ』を使ってくる。

 メダパニというのは『こんらん』状態になって、敵ではなく味方を攻撃、同士討ちしてしまう厄介な呪文。

 アントベアは大アリクイ系統のモンスターで、後列が集中的に狙われやすいという以外、さしたる能力はない。

 

 また、洞窟内に入って、新たに出会ったのは、『キャットバット』と『さつじんき』。

 キャットバットはキャットフライの同系統モンスターで、不思議な踊りを踊る。

 殺人鬼はカンダタに似た、プロレスラーのような格好をしたパワー系の敵だ。

 

 これらのモンスターと戦いながら、左手を壁につけて時計回りに探索を進める。

 暗くてよく分からないが、少し進んだところで、何か妙な感触があった。

 これは・・・岩肌ではない。

 金属?

 体当たりをしてみたり、手探りで何かないか探ったが、特に怪しいところはない。

 気のせいか。

 と思ってもう少し進むと、やはり同じような感触。

 いや、さっきよりはっきり分かる・・・これは金属製の扉だ!

 丹念に探ると、鍵穴を発見。

 魔法の鍵がピッタリ合った。

 扉を開け、更に進むと、下へ降りる階段。

 そして洞窟の岩肌とは違う、明らかに人工的な、家の中のような造りに変わった。

 

「なんだ おめえらは?

 オレたちのなかまに なりてえのか?

 

 はい

→いいえ

 

「じゃあ とおすわけには

 いかねえな やっちまえ!

 

 中にいたのは、重装備に身を包んだ4人の『カンダタこぶん』だった。

 カンダタ?

 またあいつか!?

 これは懲らしめてやらなければなりませんね。

 助さん、格さん。

 やっておしまいなさい!

 

 カンダタ子分を軽く一蹴。

 部屋の奥へと進んでいくと・・・

 

「たすけて ゆうしゃさん!

 あたし バハラタのまちから

 さらわれた タニアです。

 

 小部屋に閉じ込められていたのは、一人の女性。

 救出すべき、目的の女性だ。

 更に向かい側の部屋に軟禁されていた男性が、

「突き当りのテーブルに仕掛けがある」

 と教えてくれた。

 この男性は・・・バハラタの町で見掛けたグプタじゃないか。

 言われた通り、壁際にスイッチがあったので、それをポチッとな。

 こうして二人の救出に成功した。

「帰れるのね」

「帰ったら結婚しよう」

 そういうのは、安全な場所に行ってからやってくれ。

 家に帰るまでが遠足だよ!

 ・・・ってほら、言わんこっちゃない。

 出口でカンダタに摑まっちゃったよ。

 しょうがない、飛猿、風車の弥七、お新!

 あと、うっかり八兵衛・・・いや、お前はいいや。

 みなさん、懲らしめてやりなさい!

 

 って、カンダタ強くないか!?

 前より遥かにパワーアップしている!

 周りは軽く片付けたが、カンダタ本人はいくら攻撃しても倒れない。

 MPも枯渇し、あと一撃で死にそうな仲間が出てきた。

 この総攻撃で倒せなかったらヤバいかも!

 

「参った! これっきりで心を入れ替えるから許してくれよ! な!」

 

→はい

 いいえ

 

 危なかった・・・ギリギリの戦いだった。

 カンダタよ、お前のその力を良い方向に使えば、きっと世のため人のためになるぞ。

 改心するのだ。

 部屋の奥にあった宝箱から、各種の種を回収。

 祈りの指輪でMPを回復し、リレミトとルーラでバハラタに戻った。

 

タニア「わたしたち

 おじいちゃんから おみせを

 ゆずってもらったんです。

 

グプタ「いらっしゃい。

 ここは こしょうのみせです。

「やや! あなたがたは!?

「ぼくです。グプタです!

 たすけていただいて

 ありがとうございました。

「こしょうを おもとめですか?

 

→はい

 いいえ

 

「では さしあげましょう!

 おかねなど とんでもない!

 

 僕たちは重要アイテム『くろこしょう』を入手した!

 

 二人が幸せそうで何より。

 なお、カンダタの部屋で見付けた種は、僕が美味しく頂きました。

 

 ポルトガに戻り、王様に大好物の黒胡椒を渡す。

「約束通り船を与えよう。表に出てみると良い」

 なんと!

 無料で手に入れた黒胡椒ひと袋が、新造船に変わった!

 船モン、ゲットだぜ!

 アリアハン盗賊団、海賊団になるってよ!

 海賊王に!!! おれはなるっ!!!!

 

 それから僕たちはバハラタで聞いた気になる情報。

 転職の神殿を探すため、北を目指した。

 道中で出会った敵は、『ごうけつぐま』『マッドオックス』『キラーエイプ』『メタルスライム』。

 豪傑熊はパワー型のモンスター。

 マッドオックスは角を生やした四つ足のモンスターで、ギラを使ってくる。

 キラーエイプは暴れ猿と同系統のモンスター。

 メタルスライムはとにかく硬くて、すぐ逃げてしまう臆病なやつだ。

 運良く倒せたら、経験値をいっぱいくれる。

 

 これらのモンスターと戦いながら進む間に、僕はLV18になり、マホトーンの呪文を覚えた。

 そして北の山の中、僕たちは遂にダーマの神殿に辿り着いた!

 

「ここは てんしょくの しんでん。

 しょくぎょうを かえたいものが

 くるところじゃ。

「てんしょくを ごきぼうかな?

 

→はい

 いいえ

 

「どなたの しょくぎょうを

 かえたいのかな?

 

→ゆうき

 はあと

 くいいん

 じゃく

 

「おろかものめ!

 ゆうしゃを やめたいというか?

 それだけは ならんっ!

 

 怒られちった。

 ゆうき、勇者やめられないってよ。

 じゃあ他のみんなはどうだろう?

 

 ゆうき

 はあと

 くいいん

→じゃく

 

「なんと じゃくは まだ

 いちにんまえのあそびにんに

 なってないというに……。

「みじゅくものの ぶんざいで

 もう しょくを かえたいとは

 なにごとじゃ!

 

 じゃく、遊び人やめられないってよ。

 一人前になってから出直せとな?

 ・・・一人前の遊び人とは?

 よく分からないが、とにかくレベルを上げるしかない。

 ダーマの神殿の周辺で数日間、経験値を稼ぐと、みんなLV20になった。

 前とあまり変わっていないけど、もう一度、神殿に寄ってみる。

 すると・・・

 

「じゃくが なりたいのは

 どの しょくぎょう じゃな?

 

 今度は一人前と認めてくれたぞ!

 どの職業が良いか、じゃくに選ばせると・・・

 

 せんし

 そうりょ

 まほうつかい

 ぶとうか

 しょうにん

→けんじゃ

 

「じゃくは けんじゃに

 なりたいともうすか?

 

→はい

 いいえ

 

「いちど レベル1に もどり

 しゅぎょうを しなおすかくごも

 おありじゃな?

 

→はい

 いいえ

 

「よろしい。 では おぬしに

 かつをいれて しんぜよう。

「かーーーーっ

 

 じゃくは悟りを開いて賢者になった!

 くいいんは悟りを開いて賢者になった!

 はあとは悟りを開いて賢者になった!

 

 ・・・って、みんな揃って賢者かよ!

 お前ら仲良いな!

 こうして生まれ変わった後のステータスは、以下の通り。

 

 

 

なまえ  :ゆうき

そうび  :はがねのつるぎ はがねのよろい てつのたて きんのかんむり ほしふるうでわ

呪文   :メラ ホイミ ニフラム アストロン ギラ ルーラ マホトーン ラリホー リレミト

レベル  :18

   64:ちから

   96:すばやさ

   80:たいりょく

   35:かしこさ

   26:うんのよさ

  159:さいだいHP

   44:さいだいMP

   97:こうげき力

   98:しゅび力

31318:EX

 

 

なまえ  :じゃく

そうび  :なし

レベル  :1

   11:ちから

   16:すばやさ

   25:たいりょく

   13:かしこさ

   76:うんのよさ

   49:さいだいHP

    0:さいだいMP

   11:こうげき力

    8:しゅび力

    0:EX

 

 

なまえ  :くいいん

そうび  :なし

レベル  :1

    9:ちから

   13:すばやさ

   27:たいりょく

   12:かしこさ

   83:うんのよさ

   54:さいだいHP

    0:さいだいMP

    9:こうげき力

    6:しゅび力

    0:EX

 

 

なまえ  :はあと

そうび  :なし

レベル  :1

    9:ちから

   14:すばやさ

   27:たいりょく

   13:かしこさ

   76:うんのよさ

   55:さいだいHP

    0:さいだいMP

    9:こうげき力

    7:しゅび力

    0:EX

 

 

 職業を賢者に変更した後、使えなくなった装備品を処分して、新調した。

 武器は僕自身も含め、全員お揃いの鋼の剣。

 青銅の盾と鉄兜を3人分と、はあとに武闘着を購入して、ステータスはこうなった。

 

 

じゃく :はがねのつるぎ みかわしのふく せいどうのたて てつかぶと

攻撃力 :44

守備力 :51

 

くいいん:はがねのつるぎ みかわしのふく せいどうのたて てつかぶと

攻撃力 :42

守備力 :49

 

はあと :はがねのつるぎ ぶとうぎ せいどうのたて てつかぶと

攻撃力 :42

守備力 :53

 

 

 

所持金:25138ゴールド

死亡回数:ゆうき1回 はあと9回 くいいん2回 じゃく3回

プレイ時間 (執筆時間を含む):約390分

累計プレイ時間:約5260分




なかがき

遂に目的地『ダーマ神殿』まで辿り着き、賢者への転職を果たしました。目標を達成し、物語はこれで終わり・・・ではありません。もう1話だけ続きますので、どうぞ最後までお付き合いください & 最後まで楽しんで頂けたら幸いです!
 m(_ _)m

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。