レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~ 作:武藤勇城
じゃく、くいいん、はあと。
3人の仲間を加え、僕たちは意気揚々とアリアハンの城下町を後にした。
ようやく始まる冒険の日々。
初めて見る外の景色に、みんな大はしゃぎだ。
特に、じゃくは手に持った棍棒をブンブン振り回しながら、ピョンピョン飛び跳ねるように歩いていた。
「初めての冒険だから、まずはここ、アリアハンの周りを歩くだけですよ?」
「おいおい、4人もいるんだ、さっさと次の町を目指そうぜ!」
「そうよ~、何しろ私たち~・・・」
「「「 アリアハン道化団! 」」」
「・・・なんだから~」
「声を揃えて言ってもダメです。遠出する前にレベルを上げないと。あと、僕はそのアリアハン道化団に入っていませんからね?」
「ギャハハ! そうだったのかよ! でもよ、アリアハンの周りにゃ弱いモンスターしかいねえって聞くぜ」
「そうよね~」
「ぁのっ、ぁたしは、ゆぅきが言ぅ通りぃ、弱ぃモンスターを倒してぇ、レベルぁげるのがぃぃと思ぅょ」
「大丈夫だって! アリアハンの衛兵たちが、定期的にモンスター退治してるって話だからよ。マジクソザコナメクジしかいねえって!」
「まずは近場で経験を積むのが一番です」
「おぅ、そうか。しょうがねえ、ここはアリアハン道化団リーダーのゆうきに従うぜ」
「ちょっと待って。僕はリーダーじゃないし、そもそもアリアハン道化団に入った覚えも・・・」
「こまけえ事はいいんだよ!」
「ぁのぁのっ! ぁそこ! 何かぃるょ!」
じゃくが能天気に騒ぎ、僕がたしなめる。
そんなやり取りを繰り返す間に、城下町からだいぶ北の方まで来ていた。
北西の川に架かる橋の手前だ。
はあとの上げた悲鳴に近い警告に、僕たちアリアハン道化団は身構えた。
・・・ん?
違う、僕はアリアハン道化団じゃないってば!
目の前に現れたのは、スライムと呼ばれる最弱のモンスターが3匹。
その横には、何か動物のシャレコウベに乗っかった、大ガラスも1匹いる。
最底辺のモンスターが、計4匹である。
「数は互角です。やるぞ!」
「おぅ!」
「僕とじゃくが、まず大ガラスを仕留めます。その間、数的不利ですが、くいいん、はあとの2人でスライムを抑えて下さい!」
「任せて~」
「はぁぃ」
「大ガラスを倒したら、すぐに救援に行きます!」
「アリアハン道化団の初陣だぜ!」
こうして僕たちアリアハン道化団は、初めての遭遇戦に突入した。
・・・うん、もうアリアハン道化団でいいです・・・。
僕とじゃくの攻撃により、大ガラスを仕留める事に成功。
しかし、倒す間にじゃくが大ガラスと、背後からのスライムの奇襲を受けてしまい、手傷を負う。
それからくいいんとはあととも合流し、残るスライムの群れを討伐。
少し時間がかかったものの、僕たちは誰一人欠ける事なく勝利を収めた。
「はぁ、はぁ。何とか退治できましたね」
「ねえ~大丈夫~?」
「クッソ痛えぜ。骨が折れてるかも知れねえ」
「見せて下さい」
「おぅ、ここだ・・・折れてねえか?」
「全然。平気みたぃだょ?」
「そうか。だがもう戦えねえ。アリアハンに戻ろうぜ」
「そうですね。じゃくが一番酷いみたいですが、全員負傷していますし、一度僕の家に戻って休みましょう」
「おぅ、そうしてくれ・・・」
ステータスを確認すると、じゃくのHPは残り3だった。
HP3!?
最底辺のモンスターと一度戦っただけで、もう瀕死じゃないか!
これはレベルが上がるまで、付近のモンスターと戦って経験を積むしかなさそうだ。
「だから言ったじゃないですか。暫くはアリアハン周辺でレベル上げですって」
「そぅだょぉ? ィォ・ギラ・ァーメンって言ぅもん」
「・・・? 何ですか、それ?」
「ギャハハ! それを言うなら急がば回れ、だろ!」
「はあとはね~ちょっとオツムが残念な子なの~。でもそこが可愛い~と・こ・ろ~」
「急がば回れ・・・イオギラアーメン・・・どう間違って覚えるとそうなるのか分かりません」
「ギャハハ! 俺にも分かんねえよ!」
「でもでもぉ、じゃくは、ぁたしの言葉、ぃつも分かってくれるょね」
「長い付き合いだからな!」
「ねえ~あれ見て~。ヤバくな~い?」
アリアハンまで、大した距離ではなかったのに。
よほど僕たちは運が悪いのだろう。
町に戻る途中で、再びモンスターの群れに遭遇してしまったのだ!
「マズイ! 逃げましょうか?」
「いや、俺はもう走れねえし、逃げる間に襲われたら助からねえ! もし逃げるなら、俺を置いて行ってくれ」
「えぇ~・・・じゃく~、本気で言ってる~?」
「ぁのっ! ぁの・・・」
「そんな事はしませんし、出来ませんよ! みんな、戦いましょう! 戦って切り抜けます!」
「おぅ。だがすまねえ、俺は戦うのは無理だ。ここで『ぼうぎょ』して、せめて敵の攻撃を引き付けておくから、その間に残りをやっちまってくれ」
「分かりました。 じゃく、絶対死なないでくださいね!」
「おぅ、努力はするぜ・・・」
スライムが4匹。
僕の次に攻撃力の高い、じゃくを欠いての戦闘。
無我夢中で銅の剣を振るった。
向こう側では、くいいんとはあとも必死に棒きれを振り回し、スライムを抑えている。
まともにスライムにダメージを与えられるのは、僕しかいない。
1匹、2匹、3匹・・・とにかく倒しまくった。
最後のスライムを、くいいんとはあとが2人がかりで倒した時、じゃくのHPはギリギリ、1だけ残っていた。
「さあ、肩を貸します。歩けますか? アリアハンはすぐそこです。頑張って下さい」
「おぅ・・・もうダメかと思ったぜ・・・ありがとよ」
「顔、真っ青だょぉ」
「おぅ・・・」
息も絶え絶えになった、じゃくを抱きかかえるようにアリアハンの町に戻る。
僕が家に帰ると、母親も祖父も、パーティーの仲間を暖かく迎え入れた。
温かい食事を摂り、ベッドで横になる。
食欲もなく、いつもの元気な無駄口も叩けない、そんなじゃくは、夜のうちに衰弱死してしまうのではないか・・・?
「おぅ! 起きたか、ゆうき!」
「ぉはょぉ」
「遅かったわね~。先に朝食~頂いちゃってるわ~」
「さあ今日もモンスター狩りに行こうぜ! ・・・行くんだろ? ゆうき?」
夜も眠れなかった僕の不安は、ただの杞憂でしかなかった。
昨日の死にそうな様子は、一体何だったのか?
じゃくは一晩で、すっかり元気を取り戻していた。
「もう体は大丈夫なんですか?」
「おぅ! この通りピンピンしてるぜ」
「そうですか。それは良かった。モンスターと戦うのは良いですが、アリアハンの周囲だけですよ?」
「おぅ! そりゃ当然だな!」
「早く次の町に行きたいとかは・・・?」
「ギャハハ! 初心者同然の俺らアリアハン道化団が、隣町まで歩いて行こうなんてのは無茶な話だぜ? 冗談は顔だけにしとけよ、ゆうき!」
「・・・」
・・・まあ、分かってくれたのなら、もはや何も言うまい。
初日の失敗を繰り返さないよう、それから僕たちは1日1回、もしくは2回の戦闘を行ってから、すぐ家に戻って休む、という戦闘スタイルを確立した。
とても連戦して経験を積むなんて無理。
安全第一だ。
稀に、なかなか敵に出会わない日もあって、日が暮れ始める時がある。
夜になると、この周辺でも少しモンスターが強くなるという。
だから夜の戦闘は避けよう。
なんて作戦会議で話をしても、結局、夜になる前には2回の戦闘を終えて、家で休む羽目になるのだった。
そんな日々を3~4日ほど過ごすうち、じゃく、くいいん、はあとの3人はレベルが2になった。
更に数日後には、僕もレベルが2になり、ほぼ同時にみんなのレベルは3になった。
僕はメラの呪文を覚えたので、試しに大ガラスにメラを放ってみると、銅の剣で切るよりもやや多くのダメージを与えられるようだ。
みんな、そこまで劇的な能力的な向上は見られないが、毎日の戦闘は少し楽になっただろうか。
経験値と同時に溜まっていくのがゴールドだ。
僕の自宅で寝泊まりをしているので、宿代がかからない。
この人数で毎日寝泊まりをするのだから、母親には食事代などで負担をかけてしまうが、どうやら父の遺産があるらしく、金銭的な支払いなどは求められなかった。
もっと余裕が出来れば、僕が稼いだお金で母親に楽をさせてあげられるのだが。
今はバラモスを倒し、世界を救うのが最優先だ。
16歳にもなって、何を甘ったれた事を言っているのかと思われるかも知れないが、これは世界を救うためなんだ!
そう自分に言い聞かせて、親のすねをかじって、今しばらくはこの生活を続けるとしよう。
そんなすねかじり生活のおかげで、レベル上げの合間に貯まったお金が100ゴールドに到達した。
アリアハンの武器屋で売っている『どうのつるぎ』が100ゴールドである。
「じゃく、この銅の剣を」
「おぅ! じゃあ俺が使っていた棍棒は、はあとにお下がりだな」
「ぅん。ぁりがと。今までのヒノキの棒ょり、すっごく太くてぇ硬ぃょ」
「太くて~、硬いの~?」
「くぃぃん、妙な言ぃ回しはゃめてょぉ?」
「あら~、自分で言ったんじゃない~」
「ぁたし、そんな事言ってなぃょ?」
「ギャハハ! 言ってたぜ、はあと! 太くてぇ、硬いよぉ、ってな」
「もぉ、ゃめてょぉ」
何はともあれ、これでパーティーの攻撃力は一気に増加した。
僕も、じゃくも、ほぼ一撃で大ガラスを撃破できるようになった。
棍棒を装備したはあとも、くいいんと2人がかりならスライム1匹を確実に屠れるし、戦闘の効率は一気に上がった。
一日1~2回の戦闘しかできなかったのが、今では3~4回の戦闘をこなせるようになり、HPに余裕があるうちに陽が落ちて、家に帰る日も増えてきた。
更に数日の戦闘をこなし、王様の命を受けてから、ひと月ほど経過しただろうか。
僕はレベルが3になり、他のみんなは4に上がった。
所持金が貯まったところで、順次、くいいん、はあとの武器として、2本目と3本目の銅の剣を購入。
それまで使っていた、スライムの粘液まみれの、きったない棍棒は、道具屋で下取りに出した。
棍棒を中古屋で買うのはやめよう。
僕はそう心に誓った。
なまえ:ゆうき
そうび:どうのつるぎ、たびびとのふく
呪文 :メラ
レベル:3
9:ちから
8:すばやさ
10:たいりょく
9:かしこさ
6:うんのよさ
22:さいだいHP
11:さいだいMP
21:こうげき力
12:しゅび力
105:EX
なまえ:じゃく
そうび:どうのつるぎ、ぬののふく
レベル:4
6:ちから
11:すばやさ
7:たいりょく
11:かしこさ
34:うんのよさ
13:さいだいHP
0:さいだいMP
18:こうげき力
9:しゅび力
105:EX
なまえ:くいいん
そうび:どうのつるぎ、ぬののふく
レベル:4
5:ちから
8:すばやさ
7:たいりょく
7:かしこさ
39:うんのよさ
19:さいだいHP
9:さいだいMP
17:こうげき力
8:しゅび力
105:EX
なまえ:はあと
そうび:どうのつるぎ、たびびとのふく
レベル:4
4:ちから
9:すばやさ
9:たいりょく
7:かしこさ
42:うんのよさ
20:さいだいHP
0:さいだいMP
16:こうげき力
12:しゅび力
105:EX
所持金:14ゴールド
プレイ時間 (執筆時間を含む):約310分
累計プレイ時間:約520分