レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~ 作:武藤勇城
僕たちアリアハン道化団は、最初の戦闘で瀕死になっていたあの頃から、慎重に、確実に、順調にレベルアップを続けていた。
じゃく、くいいん、はあと、3人がLV7になったところで、僕は決断した。
「僕たちも強くなりました。そろそろ先へ進みたいと思います」
「おぅ! リーダーのゆうきが、いつそう言い出すかと、ずっと待ってたぜ」
「ぁのぁのっ、準備をね・・・ぇっと・・・」
「分かってます。僕のホイミはありますが、MPには限りがありますし、念のため薬草を買っておきましょう。はあと、それで良いですか?」
「ぅん、そぅだね。ぁとね・・・ぅぅん、やっぱ、何でもなぃ」
「あまり無理はせず、自宅とナジミの塔の間を何度か往復しながら、少しずつ攻略していきましょう」
「おぅ!」
「分かったわ~」
心配性のはあとは、まだ何か言いたげにモジモジしている。
だけど、はあとが何か言うのを待っていては陽が暮れてしまう。
アリアハンの道具屋で薬草を2つ買い、はあととくいいんに一つずつ手渡すと、町を出た。
ナジミの塔へ向かうルートのうち、僕たちは南の洞窟を選択。
何かあった時すぐ帰れるように、最初は洞窟の入り口付近でモンスターの強さを調べる。
暫く歩き回って調査した結果、出現するモンスターは、大アリクイ、一角兎、大ガラス、スライムで、外のモンスターと全く変わらなかった。
それより問題なのは、3人の遊び人が覚えた新スキルである。
くいいんが戦闘中に、突然『にっこり ほほえんだ!』のだ。
スライムの目の前に顔を突き出し、ニコ~ッと。
もちろん、微笑んだってスライムには何の効果もない。
くいいんは顔面に手痛い一撃を喰らっていた。
一体、何をやっているのだ・・・?
と思っていたら、それを見たじゃくが真似をして、大アリクイの目の前で微笑むし、はあとまで微笑みだした。
僕が攻撃するように指示をしても、3人とも面白がって微笑んでばかりいる。
3人のうち1人だけならまだしも、僕だけが戦って、3人とも遊んでいる時など、もうどうすればいいのか分からない。
「真面目に戦ってください!」
「でもよ~、スライムや一角兎と戦うのは飽ちまったぜ」
「そぅだょ? もっと楽しぃ事したぃかなぁ」
「なんか~拍子抜けしちゃった~」
「余裕を持って戦う、安全第一です。命は一つしかないんですから」
「おぅ、知らねえのか? 死んだら教会で生き返らせてくれんぜ」
「そうそう~、だから~安心していいのよ~」
「いえ、ターバン聖水です。決して気を緩めないように」
「それを言ぅならぁ、油断大敵だょ?」
「ギャハハ! はあとに突っ込まれちゃ終いだぜ、ゆうき」
「ぇー、ヒドぉぃ」
「ね~あれ見て~。何かしら~?」
何を言っても、もう飽きた、遊びたい、楽しい事をしたいと、ワガママを言い始める3人。
やはり遊び人はダメだ。
早く捨てよう。
僕は再び、心に誓った。
洞窟の中のモンスターに警戒しながら、探索を続けていると、上へ続く階段の手前で、くいいんが宝箱を発見。
なぜ、こんな所に、これ見よがしに置いてあるのだろうか?
いかにも何かありそうな、怪しい宝箱である。
「これは罠でしょうね」
「おぅ、罠だな」
「そうね~、罠かも~」
「ぁのっ、ぁのね・・・」
「という事で、ゆうき、思い切って開けてくれや!」
「なんでですか!?」
「ギャハハ! 面白そうだからに決まってんだろ!」
「面白そうって・・・僕が罠にかかって死んだらどうするんです?」
「だから教会で生き返らせてやるって!」
「そうよ~、生き返ったら~パフパフ~サービスするから~」
「あのですね、回復魔法を使えるのは僕だけですよ? 3人でアリアハンまで帰れますか?」
「おぅ、何とかするって!」
「それにですね・・・フガッ」
「ゆうき~ほら~。パフパフ~、パフパフ~」
「ギャハハ! くいいん、お前、死ぬ前、生き返る前からサービスしてんじゃねえか!」
「いいのよ~、これは前払いだから~パフパフ~」
「ぁのっ、中にこんなのがぁったょ」
くいいんの二つの膨らみが両頬を挟み込んで、僕が身動き出来なくなっている間に、待ちくたびれたはあとが宝箱を開けてしまっていた。
凶悪な膨らみの間を命からがら脱出すると、はあとからアイテムを受け取る。
中に入っていたのは旅人の服だった。
「何の変哲もない、旅人の服ですね」
「おぅ! だから言ったろ、早く開けろってよ!」
「その前に、これは罠だって言いませんでした?」
「さあ? 覚えてねえなあ」
「私も~知らな~い~」
「ゆうきが聞き間違えたんだろ?」
「いやいや、確かに言いましたよ。罠だって。それで、罠にかかって僕が死んだらどうするのかって話を・・・」
「こまけえ事はいいんだよ!」
「一応、これだけは言っておきます。僕は死んでも、生き返るつもりはないですからね」
「ふぇ!?」
「おぅ? どうしてだ?」
「だって、一度死んで蘇るって、それは最早アンデッドじゃないですか。ゾンビですよ、ゾンビ。下手すれば腐った死体ですよ」
「お、おう・・・」
「死んでぇ、腐る前なら平気だょ?」
「いや、腐った死体になるのは最悪の場合で、腐ってなくても動く死体です」
「ゆうき~、考え過ぎよ~。そんな事より~パフパフでもして落ち着きしょ~。ほら~パフパフ~」
「ぼぢづぎばっ! ブハッ、落ち着きませんから! むしろ窒息死します」
僕はゾンビになるなんて、まっぴらだ。
そんな事をしてまで生き永らえるなんて、それじゃ魔王軍に入るのと何が違うんだろう?
だったら潔く死を選ぶ。
だけどアリアハン道化団のメンバーに、それを理解して貰うのは難しそうだ。
僕は説明を諦めて、とにかく教会で復活させるのはやめてくれ、と繰り返した。
この話は、後で母親と祖父にに伝えておく必要があるだろう。
それと同時に、パーティーの誰かが死んだ場合、または僕を残して全滅した場合は、絶対に復活させないぞ、と心に誓った。
探索を続けると、むき出しの岩肌だった暗い洞窟から、陽の光が差し込む綺麗な石畳の床に変わった。
ナジミの塔の内部に入ったらしい。
下手に進まず、ここでまた少し周囲のモンスターを調査した。
すると、今まで出会ったモンスターの他に、『フロッガー』という巨大なカエルの化け物と、『じんめんちょう』という巨大な蛾が出現すると判明した。
フロッガーの方は、一角兎や大アリクイを、更に一回り強化したような相手で、そこまで苦戦せずに倒せた。
人面蝶の方は、攻撃力も防御力も低いが、『マヌーサ』という呪文を使ってくるのが厄介だ。
人面蝶だけ数匹出るのであれば、特に気にする必要はない。
全員で殴り掛かれば、余裕を持って倒せる。
ところが、フロッガーなど他のモンスターと一緒に出現する時があって、倒す前にマヌーサをかけられると面倒だ。
マヌーサというのは、僕たちのパーティー全員が幻に包まれてしまう呪文だ。
運よく抵抗できればいいが、幻術にかかると攻撃の狙いが定まらず、ミスばかりになる。
そうでなくても、僕以外のパーティー全員が揃いも揃って、モンスターの前で微笑んでいる時があるわけで。
僕が幻に包まれてミス、他全員が微笑む、という形で何も出来ずに敵の攻撃だけ受けてしまう、なんて事態も。
お前ら・・・真面目にやれ!
敵にとってのボーナスステージじゃないか。
といった辺りで、HP・MPも危険水域になったので、一旦アリアハンの自宅に戻った。
翌日は、レーべの村近くの入り口から、ナジミの塔1階部分を探索していくと、塔の内部にテーブルとイスが並んだ部屋を発見。
見慣れぬオジサンがいるので、話し掛けると、旅人の宿屋だという。
こんな危険な場所で?
しかも値段は良心的!
僅か8ゴールド!
仕事熱心な人もいるものだと、みんな感心しきりであった。
「なあゆうき、家に戻るより、ここに泊まった方が効率よくね?」
「そぉだょ。8ゴールドだったら一回戦ぅだけで稼げるょ」
「そうよね~」
「いいえ、母親が毎日、家の前で僕の帰りを待っています。心配させないよう毎日帰ろうと、心に決めているので」
「おぅ! 母親を心配させないのが一番大事だぜ」
「ぁたしも帰った方が良ぃと思ってたょ」
「自宅が一番よね~。さあゆうき~ママの胸にいらっしゃい~、パフパフ~」
掌くるっくる。
明日にも手首が捻じ切れるのではないだろうか。
そうこうする間に、パーティーのみんなはLVが8になった。
目標額だった550ゴールドのお金も貯まったので、レーベの村で鎖鎌を購入。
攻撃力が一気に跳ね上がり、戦闘がぐっと楽になった。
ナジミの塔の探索も捗り、僕のLVも7に上昇、ここで『ルーラ』の呪文を覚えた!
ルーラというのは、一度行った事がある町まで一瞬で移動できる呪文である。
これほど便利な魔法は他にない。
消費MPが8も必要なので、ルーラのためのMPを残そうと思うと、残りはホイミ2回分程度しかない。
ただ、探索の途中で引き返す時、結局MPに余裕を持って帰らなければいけないわけで、ルーラ1回分だけあれば良いというのは計算しやすくて助かる。
ナジミの塔を上層まで登ると、出現するモンスターも変わった。
空を飛ぶモンスター『さそりばち』は、なかなか高い攻撃力を持っているし、尾にある大きな針で刺されると、稀にマヒして暫く動けなくなってしまうらしい。
僕たちが塔を攻略する間、運良くマヒする事はなかったが、要注意だろう。
そこまで強力なモンスターではないが、『バブルスライム』というモンスターは、『どく』攻撃をしてくる。
バブルスライムの群れに襲われ、はあとが酷い毒を受けてフラフラになってしまった。
僅かな距離を歩くだけで、じわじわHPが削られる。
早く治療しなければならないが、僕たちのパーティーには僧侶がいない。
「はあと、大丈夫ですか?」
「ぅん・・・もぉダメかもぉ」
「ここまで来ましたが、一度アリアハンに戻りましょう」
「おぅ! こんな事なら、はあとの言う通り『どくけしそう』を買っておくべきだったな」
「そんな事~言ってたかしら~?」
「今それどころではありません。はあとの症状は一刻を争います」
僕たちはナジミの塔、3階ほどの高さの窓から飛び降りると、覚えたての『ルーラ』でアリアハンへ。
自宅でひと晩、ゆっくり休ませたが、はあとの症状は回復しなかった。
毒の治療には、毒消し草を買って投与するか、教会で治療をお願いするしかない。
金額的には大差ないが、僅かでも安い教会へ行き、『どくのちりょう』をお願いした。
青黒く変色していた、はあとの傷跡は、みるみる回復し、すぐに体調も良くなった。
ナジミの塔の攻略に、毒消し草は必須だろう。
そう話し合って、道具屋で3つほど買い込み、じゃく、はあと、くいいんに一つずつ持たせた。
それからも、傷付き疲れれば自宅へ戻り、毒消し草を使えば買い直し、ナジミの塔を少しずつ、牛歩で進んでいく。
その間にみんなのレベルは9に上昇。
塔の内部で発見した皮の帽子は、じゃくが装備。
そして遂に僕たちはナジミの塔の最上階へと到達した。
そこにいたのは、一人の老人である。
こんな危険な場所で、僕たちを待っていたと言う。
その老人から手渡された物。
僕たちは重要アイテム、『とうぞくのカギ』を手に入れた!
なまえ :ゆうき
そうび :くさりがま、かわのよろい、かわのたて、かわのぼうし
呪文 :メラ、ホイミ、ニフラム、ルーラ
レベル :7
21:ちから
17:すばやさ
21:たいりょく
12:かしこさ
8:うんのよさ
42:さいだいHP
17:さいだいMP
45:こうげき力
26:しゅび力
1141:EX
なまえ :じゃく
そうび :くさりがま、たびびとのふく、かわのぼうし
レベル :9
11:ちから
23:すばやさ
19:たいりょく
18:かしこさ
89:うんのよさ
30:さいだいHP
0:さいだいMP
35:こうげき力
21:しゅび力
1141:EX
なまえ :くいいん
そうび :どうのつるぎ、たびびとのふく、かわのたて、ターバン
レベル :9
8:ちから
17:すばやさ
22:たいりょく
15:かしこさ
94:うんのよさ
45:さいだいHP
0:さいだいMP
20:こうげき力
28:しゅび力
1141:EX
なまえ :はあと
そうび :どうのつるぎ、たびびとのふく、かわのたて、ターバン
レベル :9
9:ちから
19:すばやさ
20:たいりょく
17:かしこさ
95:うんのよさ
40:さいだいHP
0:さいだいMP
21:こうげき力
29:しゅび力
1141:EX
所持金:67ゴールド
プレイ時間 (執筆時間を含む):360分
累計プレイ時間:1250分