レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~ 作:武藤勇城
ナジミの塔で『まほうのたま』を手に入れた僕たちアリアハン道化団。
初めての探検は、これを以って無事終了。
嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるじゃくを先頭に、意気揚々とアリアハンへ帰還した。
勇者の凱旋である。
自宅に戻ると、母親はいつもより少しだけ豪華な食事を用意してくれた。
祖父も母も、特に何も言わなかったが、どうやら僕たちの功績を喜んでくれているらしい。
和気藹々と、僕たちは食卓を囲み、夜は更けていった。
「おぅ! この魚美味いな! はあとも野菜じゃなくて、これ食えよ」
「ぁたし、野菜の方が好きだしぃ。この人参のきんぴら絶品だょ?」
「祖父が裏の畑で育てているんです」
「へ~、そうなの~? この白菜も~そうかしら~」
「はい。肥料に秘密があるらしくて・・・」
迎えた再出発の朝。
僕たちは手に入れた盗賊の鍵を使って、今まで入れなかったあちこちの扉を開けて回った。
宝箱があればかっぱらい、他人の家であれば隅々まで家探しする。
「そう、僕たちは・・・」
「「「「 アリアハン盗賊団! 」」」」
ビシッとカッコ良くポーズを決めた。
そりゃまあ、盗賊の鍵だし?
勇者ってのは、家に入ってあちこち調べ回った挙句、何かを見付けたら勝手に貰っても良いものなんだ。(※ダメです)
他の国は知らないが、少なくともアリアハンでは、それで勇者が牢屋に入れられたり、処刑される心配はない。
アリアハンのお城の内部、鍵を開けた扉の先にナジミの塔へと続く階段を発見し、再探索。
塔の中にも鍵の掛かった扉があり、宝箱の中に『すばやさのたね』があったので、僕自身が使う事にした。
素早さの種というのは、食べた人の素早さが少しだけ上昇するもの。
他のメンバーは、いずれ捨てるのだから、素早さの種を使うのは勿体ない。
カリ、カリ・・・齧ってみると、甘いような、苦いような、しょっぱいような、酸っぱいような?
いや、無味無臭だな、これ。
美味しくも何ともなかったけど、ステータスを確認すると、素早さが「2」上昇していた。
ナジミの塔の探索を終え、レーベの村に立ち寄って僕たちは、貯まっていたゴールドで新品の鎖鎌とターバンを購入。
鎖鎌は僕の次に攻撃力の高い、じゃくが装備した。
持ち手の部分を握ってブンブン振り回すので、危ないからと注意すると、今度は鎖の部分を持ってみたり、大きく口を開けてカマの部分を口の中に入れようとするので、慌てて止めなければいけなかった。
じゃくに持たせて大丈夫だろうか?
不安は拭えない。
ターバンの方は、前から3番目に位置するくいいんが。
くいいんの被っていた皮の帽子は、じゃくが装備した。
(※ここまでが前回末尾のステータスです)
「ゆうき、見てくれ! この皮の帽子も悪くねえな! 気に入ったぜ」
「似合いますね」
「おぅ、そうだろ? これで俺もモテモテになっちまうぜ」
「その前に、ちょっと斜めになってますよ。ほら、直しますから・・・これでよし、っと」
「ふぇ!? くぃぃん、何ゃってるのぉ!?」
「ねえ~ゆうき~、見て見て~。ミイラ~」
「ブッ!」
くいいんは上半身裸になって、買ったばかりのターバンを巻き付けただけの姿になっていた。
体のラインがくっきり浮き出て、豊満な胸が強調されて・・・
「・・・ゆうきにはまだ早えって。おぅ? 起きたみたいだぜ」
「ごめんなさいね~ちょっと刺激が~強すぎたみたい~」
「あれ・・・ここは?」
「武器屋の中にぁるベッドだょ。ゆうきぃ、急に倒れちゃったからぁ」
「そうでしたか。それはご迷惑を」
「気にすんなって! それより面白いもん見っけたぜ」
「これ~『とげのむち』~。ね~ゆうき~、これで今夜~遊ばない~?」
「ギャハハ! くいいん、ゆうきがまたぶっ倒れちまうぜ?」
「そんなの買いませんよ」
ああ、棘の鞭ね、それ売ってるのは知ってた。
絶対何か言い出すと思って、見ないようにしてたんだけど、見付かっちゃったか。
でも変な事に使うだけだから、絶対に買わないぞ。
武器屋の店主に、お世話になりましたと一声掛けてから、店を出る。
次はレーベの村の東北にある、鍵のかかった家にコッソリ潜入だ。
屋内に誰もいなかったので、何か使える物はないかと一階を家探しするも、何も発見できず。
そのまま二階へ。
誰もいないと思っていた家の中には、物音も、気配もなく、身動ぎ一つせず、ただじっと座っている老人がいた。
「はなしは すでに きいておる。
「さあ この まほうのたまで
ふういんを とくがよい!
話は聞いている・・・だと・・・?
誰に?
よく分からない謎の老人だ。
僕たちは顔を見合わせると、口元に人差し指を当てて、階下で泥棒の真似事をしていたのは内密に、と合図をし頷き合った。
そんな僕たちの不審な動きなど気にも留めない様子で、老人が僕たちに手渡したのは、黒くて真ん丸な謎の物体。
僕たちは重要アイテム、『まほうのたま』を手に入れた!
レーベの村を出た僕たちは、大陸の東の果てを目指した。
ナジミの塔の最上階と同じようなモンスターと、『まほうつかい』が出現する、厳しい山間に踏み入っていく。
こんな辺鄙な場所に、ポツンとひとつ祠がある。
中にいた老人は、先に進むためには魔法の玉が必要だと言う。
老人の教えに従って北へ向かうと、小さな湖のほとりに地下道を発見。
ここで僕のLVが8になったので、一度家に戻って休んでから、レーベの村でターバンを購入。
じゃくに装備させると、改めて地下道に足を踏み入れた。
「ここが いざないのどうくつじゃ。
じゃが かいだんは
いしかべで ふうじられておる。
地下道の先にいた男に話し掛けると、この先は通れないようだ。
だけど僕たちには魔法の玉がある。
この真っ黒な玉は、どうやって使えばいいんだ?
迷う僕の手から、じゃくが魔法の玉を奪い取ると、徐に壁にある松明の火に向かってかざす。
「何をやっているんです?」
「おぅ! これな、昔見た事あんだよ」
「そうなんですか!?」
「ここに出っ張りがあんだろ? 『どーかせん』って言ってな、火に近付けっと・・・」
バチバチバチッ!
魔法の玉の出っ張り部分が、小さな火花を放った。
「ゆうき、ボサッとすんな! 危ねえぞ、伏せろ!」
「ふぇぇぇ!?」
「な~に~よ~」
「いいから頭下げろ!」
ドゴォン!
じゃくがみんなの頭を押さえて倒れ込むのと同時だった。
ものすごい轟音と共に、地面が大きく揺れ、砂塵が舞い上がった。
壁の先の階段を降りると、そこは手入れのされていない、ボロボロに崩れた通路だった。
ずっと壁に塞がれていたので誰も立ち入らなかったのだろう。
通路の各所に穴が開き、真っ暗な口を開けている。
モンスターの気配があったので調査を行うと、新しく『アルミラージ』『おばけありくい』『キャタピラー』が出現すると分かった。
お化けアリクイは大アリクイを強化したモンスターで、そこまで強力ではない。
アルミラージは一角兎を強化したモンスターで、『ラリホー』を使ってくるのが厄介だ。
新種のキャタピラーは大きな芋虫のモンスターである。
とにかく硬くて、まともにダメージが通らない。
どのモンスターも手強く、洞窟を少し探索するだけでHPとMPが削られ、すぐに自宅に戻って休まなければいけなかった。
その分、経験値とお金は稼げる。
何日か洞窟の探索を続けると、みんなのLVは10になり、くいいん用の鎖鎌も購入できた。
くいいんは、どうしても棘の鞭が欲しいとねだったが、嫌な予感しかしないので、その要求は毅然として突っぱねた。
「今日も誘いの洞窟攻略に向かいましょう」
「おぅ!」
「入り口から地下一階部分の探索は概ね終了しています。今日は先日発見した階段を降りて地下二階の探索を行いましょう」
「ぁのね・・・ぇっと・・・」
「僕たちのレベルなら大丈夫です。何も問題はありませんよ」
「ぅん・・・」
目の前に現れたのは4体の魔道士。
みんな、総攻撃だ!
僕の号令一下、全員で斬り掛かる。
しかし敵もさるもの、最後尾にいるじゃくが集中砲火を浴びる。
じゃくのHPは33。
メラは防御力を無視して、10前後のダメージを受ける。
もし11のダメージを3回受ければ、死の可能性もある。
厄介な事に、魔道士は知恵が働くので、こちらのパーティーの誰か一人を集中攻撃してくるのだ。
3発のメラがじゃくを襲った。
HPが削り取られ、一気に4まで減少。
僕はホイミで回復すべきか、残り2体にまで討ち減らした魔道士を叩くか、迷ったが、ここは総攻撃で先に倒してしまうべきだと判断。
魔道士がメラの準備をしている間に、辛うじてやっつける事に成功した。
ホイミでじゃくの傷を回復し、出口を目指した僕たちの目の前に現れたのは、またしても魔道士の群れ。
残りMPはルーラ1回分のみ。
魔法を温存しなければいけなかったので、僕のHPは31に減ったままだった。
総攻撃の指示をしたのに、みんな従わず。
魔法を唱える魔道士の目の前で、ニコニコ笑っている。
僕の一撃で魔道士を1体倒したものの、残る3体の魔道士のターゲットは僕だった。
メラの炎が僕の皮の鎧を焼き、焼け焦げた匂いが漂う。
靴やズボンにも火が点き、僕は地面を転がって火を消した。
2発のメラと魔道士の攻撃により、僕のHPは一桁になった。
止むを得ず、僅かなMPをホイミに回そうと詠唱を行っている僕に向かって、メラの炎が・・・
熱い・・・苦しい・・・
猛烈な痛みと絶望感。
僕はそのまま意識を失った・・・
「・・・ゆうき、起きなさい。今日は誘いの洞窟へ向かう日でしょう」
「・・・ん、おはよう」
「おぅ、遅えぞゆうき!」
あれ?
僕は確か、みんなと誘いの洞窟を探索していた筈では?
「今日は誘ぃの洞窟のぉ、初探索だょね」
「初・・・探索・・・?」
「そぉ言ってぃなかったぁ?」
「そうでしたね」
「どんなモンスターが出るか、確かめながら進むんだろ?」
「ああ・・・」
「おぅ、まだ寝ぼけてんのか? シャキッとしろよ」
「一角兎と大アリクイの強いやつが出るんです」
「ふぇ!?」
「なんで~知ってるの~?」
そうだ、今日は誘いの洞窟の本格探検を始める日だ。
なんでだろう、僕はずっと誘いの洞窟を歩き回っていたような気がする。
出てくるモンスターも、直感的に分かるぞ。
そして僕のカンは当たっていた。
僕が出現モンスターを言い当てた事に、みんな目を丸くして驚いた。
何故かと問われても、何とも答えようがない。
行った事もないし。
そんな気がしただけだ。
「夢のお告げよ!」
右の親指を顔の横で突き立てて、僕は自信満々に言っておいた。
魔道士の炎に包まれて焼き殺されたような気がしたけど、あれは悪い夢を見ていたんだ!
宝箱の中にあった『せいなるナイフ』を、はあとに手渡しながら、僕はそんな事を考えていた。
なまえ :ゆうき
そうび :くさりがま、かわのよろい、かわのたて、かわのぼうし
呪文 :メラ、ホイミ、ニフラム、ルーラ
レベル :8
23:ちから
18:すばやさ
24:たいりょく
13:かしこさ
8:うんのよさ
49:さいだいHP
18:さいだいMP
47:こうげき力
27:しゅび力
1720:EX
なまえ :じゃく
そうび :くさりがま、たびびとのふく、ターバン
レベル :10
12:ちから
25:すばやさ
23:たいりょく
19:かしこさ
101:うんのよさ
40:さいだいHP
0:さいだいMP
36:こうげき力
28:しゅび力
1720:EX
なまえ :くいいん
そうび :くさりがま、たびびとのふく、かわのたて、ターバン
レベル :10
9:ちから
20:すばやさ
25:たいりょく
16:かしこさ
109:うんのよさ
53:さいだいHP
0:さいだいMP
33:こうげき力
30:しゅび力
1720:EX
なまえ :はあと
そうび :せいなるナイフ、たびびとのふく、かわのたて、ターバン
レベル :10
10:ちから
21:すばやさ
23:たいりょく
18:かしこさ
106:うんのよさ
47:さいだいHP
0:さいだいMP
24:こうげき力
30:しゅび力
1720:EX
所持金:648ゴールド
死亡回数:ゆうき×1回
プレイ時間 (執筆時間を含む):約480分
累計プレイ時間:約1730分
※今回は誘いの洞窟で、ゆうきが死んてしまいました。前話で描いたように、ゆうきの強い希望により、教会で『いきかえらせる』は選択しません。誰かが死んだ時点でゲームオーバー、以前のセーブ地点からやり直します。その時の出来事は、まるで夢だったかのように薄っすらと記憶の片隅にあるものとして進行していきます。
なかがき (次回の更新時期について)
ここまで毎週日曜日の更新を行ってきましたが、次話「6週目」は更新できない可能性が高いと思います。ここハーメルンではなく他サイトで、10月12日~14日にかけて、2本(もしかしたら3本)の短編を新規公開する予定です。そちらの執筆と確認作業に時間を取られてしまいますので、本作の更新は間に合わないと思います。もし間に合えば次週10月16日も公開しますが、一応、次回更新は10月23日(日)の予定です。
ここまでお読み頂き、有難うございました。次回更新まで間が空きますが、楽しみにお待ち頂ければ幸いです
m(_ _)m