レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~ 作:武藤勇城
死ぬほど怖い夢を見た僕は、今まで以上に慎重な行動を心掛けた。
「おぅ、ゆうき、早く先に進もうぜ!」
「ダメです。嫌な予感がするんです。この先に進むのは危険だと」
「ぁたしも、そぅ思ぅょ?」
「けどよ、もう飽きちまったぜ」
「もう少しレベルを上げましょう」
「それがぃぃと思ぅょ」
「いつまで続けんだよ?」
「そうですね、僕のレベルが10になるまで、外か洞窟入り口付近で経験を積みましょう」
「いやいや、もう十分だろ」
「分かりました。では、じゃくとはここでお別れですね。今までご苦労様でした、サヨナ・・・」
「さっ! はあと、くいいん、さっさと準備しろ! 今日も元気に狩りに行くぜ! 楽しいレベル上げ、レベル上げっ!」
問題は、誘いの洞窟の内と外、どちらが効率よく経験値を稼げるかという点だ。
モンスターの強さは洞窟内の方が上で、一度の戦闘で得られる経験値も間違いなく多い。
その分HPの減りが早くなるので、何往復もする必要がある。
移動時間も考慮すれば、一度の戦闘経験値が減っても外で狩りをする方が良さそうだ。
アリアハンから誘いの洞窟まで、歩いて行くだけで陽が傾き始めるから、野宿の準備も必要になる。
家を出る前、これからは毎日帰れなくなるかも知れないと告げると、母親は一瞬、寂しそうな表情を浮かべてから、そうなのね、と一言だけ呟いた。
「いや、毎日は無理でも、なるべく帰って来るよ」
「おぅ、ゆうきのかーちゃん! 任せてくれ。俺らが付いてんだ、大船に乗ったつもりでいてくれや」
「そうよ~、ゆうきに悪い虫が付かないように~、私が見張っておくわ~」
「ギャハハ! 悪い虫はオメーだろ、くいいん」
「なによ~それ~」
「そぉやってぇ、すぐ脱線するのぉ、良くなぃと思ぅょ」
「そうです、今は毎日帰って来れるかどうかの話をですね・・・」
「こまけえ事はいいんだよ!」
「とにかく! 僕のルーラがあるから、MPに余裕があれば家に戻るようにする。でもMPに余裕がなくなって、外で泊まる日も出てくると思う。だからあまり心配しないで。毎晩、家の前で待ってなくていいからね」
こうして、僕たちアリアハン道化団の、レベル上げの日々が始まった。
お金には余裕があったので、初日の行きがけにレーベの村に立ち寄り、はあとのための鎖鎌を購入。
聖なるナイフを売った分も合わせれば、まだお金には余裕があった。
じゃくが欲しそうにしている『ぶどうぎ』を試着させると、ものすごく着心地が良いらしい。
ステータスも旅人の服より上昇した。
僕は装備できないので、はあと、くいいんの分も合わせて3着購入した。
くいいんが食い入るように棘の鞭を見ているのを、引きずるようにレーベを離れると、もう二度と近寄らないぞと心に誓った。
MPが切れてルーラが使えなくなった時も、レーベの宿屋には立ち寄らず、疲れた体と腹ペコのままアリアハンの自宅まで歩いて帰るのだった。
食料も水も多めに用意して、2日~3日に一度家に戻る。
そんなルーティーンを繰り返すと、僕のレベルが9になり、暫くしてみんなのレベルは11になった。
お金は貯まる一方だが、棘の鞭を含め、買うべき装備品はない。
宿代もかからないので、必要になるのはバブルスライムに毒攻撃を受けた際の毒消し草代くらいなもの。
貯金残高を殖やしながら、ただひたすらモンスターを倒し続けた。
一ヶ月、二ヶ月・・・。
どれだけの月日が経っただろうか。
僕のレベルが遂に、目標だった10に到達。
誘いの洞窟内での戦闘も、以前より楽になり、先へ進むのに十分だと思えた。
それをみんなに告げると、じゃくなど特に大はしゃぎして、すぐに行こう、今日行こうと、ベッドに腰掛ける僕の手を引く。
せめて一晩ぐらい、ゆっくり休ませてくれ・・・。
―――パチ、パチン。
頬に微かな痛み。
耳元で音が鳴る。
「おぅ、ゆうき! 早く起きろよ!」
「・・・ん・・・もう朝ですか?」
「おぅ! さあ行くぜ!」
「・・・朝食もまだじゃないですか・・・」
まだ陽も昇らぬ早朝。
じゃくは誰より早く起きると、ぐっすり眠っていた僕を叩き起こした。
続いてくいいん、はあとの枕元に立つと、大きな音を立てて頬を叩いた。
甘美な声を上げるくいいん、泣きそうなはあとをベッドから引きずり出し、寝巻のまま手を引いて家を出ようとするじゃくを、何とか制止しなければいけなかった。
・・・子供かっ!
すっかりテンションが上がったじゃくは、ぴょんぴょん飛び跳ねながら誘いの洞窟へ向かう。
モンスターを前にしても飛び跳ねているので、どちらが一角兎か分からない。
洞窟内に入ってもテンションは落ち着かず、通路のあちこちに空いている穴を飛び越えようとして、何度も落下。
その都度、入り口付近の階段から昇らなければいけないので、逆に洞窟攻略に時間がかかったように思う。
MP温存のため、幾つかの薬草を消費。
思ったより楽に誘いの洞窟の最深部に到達した。
盗賊の鍵を使って開けた扉の先に、白と青に渦巻く空間があった。
ワープホールである。
この先に何があるか分からないからと、僕が注意する間もなく飛び込む、じゃく。
しょうがないわねと肩をすくめる、くいいんと顔を見合わせる。
不安そうな顔で尻込みする、はあとの背中を押すように、僕たちも渦の中へ飛び込んだ。
長いトンネルを抜けると、目の前には海が広がっていた。
三方を海に囲まれた岬の先。
じゃくは茂みの向こうにお城が見えると言う。
自慢の跳躍力でジャンプしたら見えたらしい。
「ようこそ ロマリアのおしろに!
敵に出会う事なく、すぐ目的地に到着。
城門脇の衛兵に声を掛けると、ここはロマリアというお城のようだ。
真っ直ぐ進めば城内。
その道の左右には、お店や宿屋が立ち並んでいる。
「この先、誘いの洞窟より更に強い敵も出てくるでしょう。このお城の基本的な武器・防具を調べてみましょう」
「賛成ぃ」
「おぅ、おもしれーモンがあるかも知れねえしな」
「そうね~、夜のおもちゃがあると良いのだけれど~」
「エッ!? 夜のおもちゃ?」
「ギャハハ! くいいん、お前はそれしかねえのか」
「ぁのぁのっ・・・」
「だって~男女のウ・フ・フは~、人類にとって一番大切なのよ~」
「ギャハハ! 違げえねえ!」
「でしょ~? だからゆうき~・・・」
「お断りしますっ!」
「まだ何も~言ってないのに~」
くいいんの話を聞く必要はない。
どうせロクな事を言わないのだから。
くいいんを半ば無視するように、武器屋の軒先に並んでいる武器を物色する。
やはり、アリアハンより品揃えが良い。
武器が高品質なのは、需要があるからだ。
つまりアリアハンより強い敵が多いのだろう。
お金はたっぷり貯まっているので、まず一番高品質そうな『はがねのつるぎ』を自分用に購入。
お値段は1500ゴールドと、鎖鎌の3倍ほどするが、攻撃力は9も上昇した。
「これは良さそうですね。じゃくもどうですか?」
「う~ん・・・イマイチだな」
「ねぇ~、こっちの『てつのやり』なんてどう~?」
「どうって聞かれても」
「長くて~太くて~、これ~・・・はぁ~っ・・・はぁ~」
くいいんは、おかしな目つきで鉄の槍を手に取っている。
何を妄想して頬を上気させているのか知らないけど、くいいんに渡すのは危険な気がするぞ。
防具の方では『くさりかたびら』と『せいどうのたて』が最も良い品のようだ。
自分用にこれらを購入し、装備してみると、今までの皮の鎧、皮の盾より防御力は10以上も上がった。
他のメンバーに薦めるも、みな首を横に振る。
どうやら好みではないようだ。
自分の装備品が整っただけで満足しよう。
道具屋も軽く覗いた後、階段を昇って玉座の間へ。
そこにいた大臣からも、何やら頼み事があると言われた。
そのまま王様との謁見に臨む。
「どうか わがおうの たのみを
ききとどけてくだされ!
「よくぞ きた!
ゆうしゃオルテガの うわさは
ききおよんでおるぞよ。
「では たのみが ある!
カンダタというものが
このしろから きんのかんむりを
うばってにげたのじゃ。
「それを とりもどせたなら
そなたを ゆうしゃとみとめよう!
さあ ゆけ ゆうきよ!
いや、別に勇者として認められなくても構わないが?
まあ困っているというなら、力になろうじゃないか。
という事で、次なる目的はカンダタ退治と、『きんのかんむり』の奪還だ。
でもロマリアに来るだけで死ぬ思いをした僕たちが、この城の最新鋭の装備を持った衛兵たちでも相手できない、カンダタなる者に勝てるだろうか?
「これはまた暫く、レベルを上げないと進めないかも知れませんね」
「えぇ・・・ゆうきよお、さっさと先に進もうぜ?」
「分かりました。ではじゃく、今まで有難・・・」
「よし! そうと決まれば早速レベル上げだ! 行くぞ、くいいん! はあと!」
満場一致で異論も出ず、レベル上げに勤しむ運びとなった。
取り敢えず、ロマリア周辺のモンスターの調査を行う。
あまり城から離れないように注意しながら、出現モンスターを調べると、今まで出会ったモンスターとしてはアルミラージ、魔法使い、キャタピラーが。
出会った事がないモンスターとしては、『ポイズントード』『アニマルゾンビ』『さまようよろい』の3種類が出現すると判明した。
ポイズントードは、見た目はフロッガーに似ているが、その名の通り毒攻撃をしてくる。
しかもバブルスライムより高確率で毒を受けるので厄介だ。
アニマルゾンビは腐った犬の死体だ。
素早さを下げる『ボミオス』という呪文を使ってくる。
彷徨う鎧は、特殊で厄介な技能は使って来ないものの、とにかく攻撃力と防御力が高い。
頑丈な盾で弾かれると、新品の鋼の剣でも折れてしまいそうなほどだ。
「おぅ、ゆうき。経験稼ぎはいいけどよ、ロマリアを拠点にした方が良くねえか?」
「なるべく家に帰る、母親とそう約束しましたので」
「けどよ、アリアハンまで往復するとMP消費するだろ。その分、狩りの効率落ちねえか?」
「分かっています。それでも、です」
「宿屋泊まったって大した金額じゃねえぜ」
「往復すると~、ホイミ一回しか~使えなくなっちゃうわね~」
「ゆうき、僅か12ゴールドをケチって効率悪くなったら意味ねえだろ」
「ぁのね、小さなメダルまた会ぉぅ、って言ぅからね、ぁのっ」
「え? なんて?」
「ギャハハ! はあと、それを言うなら塵も積もれば山となる、だろ!」
「ふぇ!? そぅ言ったょ!」
「小さなメダルまた会おう・・・塵も積もれば山となる・・・これを翻訳できる、じゃくも大したものです」
「おぅ、長い付き合いだからよ」
「とにかく、効率は悪くても家に戻って休みましょう。異論は認めません」
何はともあれ、強力な新モンスターを前にして、僕たちは更なるレベルアップの必要性を感じていたのだった。
なまえ :ゆうき
そうび :はがねのつるぎ くさりかたびら せいどうのたて かわのぼうし
呪文 :メラ ホイミ ニフラム ルーラ
レベル :10
30:ちから
22:すばやさ
32:たいりょく
15:かしこさ
9:うんのよさ
65:さいだいHP
20:さいだいMP
63:こうげき力
40:しゅび力
3443:EX
なまえ :じゃく
そうび :くさりがま けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :12
14:ちから
27:すばやさ
31:たいりょく
20:かしこさ
116:うんのよさ
59:さいだいHP
0:さいだいMP
38:こうげき力
35:しゅび力
3443:EX
なまえ :くいいん
そうび :くさりがま けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :12
11:ちから
22:すばやさ
29:たいりょく
18:かしこさ
120:うんのよさ
61:さいだいHP
0:さいだいMP
35:こうげき力
33:しゅび力
3443:EX
なまえ :はあと
そうび :くさりがま けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :12
11:ちから
23:すばやさ
32:たいりょく
19:かしこさ
116:うんのよさ
66:さいだいHP
0:さいだいMP
35:こうげき力
33:しゅび力
3443:EX
所持金:2092ゴールド
死亡回数:ゆうき1回
プレイ時間 (執筆時間を含む):約520分
累計プレイ時間:約2250分
※今回のプレイ日記のように、僅かな宿代でも浮かせて装備やアイテム購入に充てたい場合に、少しだけ得をする裏技。ロマリアの王様に会った後、ルーラでアリアハンに戻り自宅で休んでから(王様に会ってセーブするのではなく)ルイーダの酒場でセーブします。リセットしてロードすると、アリアハンではなくロマリア(最後に会った王様の前)から再出発になります。MPもルーラ1回分お得!
なかがき (次回の更新時期について)
こちらの「特別編」第6話部分、ロマリアに到着するまでの様子を、ノベルアッププラスで公開中の「通常版」でも纏める作業がありますので、また次週も休載になる可能性があります。また、同じノベプラの方で、この機に新しいイベント用短編も描くかも知れませんので、その場合はほぼ確実に一週間空いてしまうと思います。
というわけで、来週30日の更新については未定です。次話更新まで、暫くお待ちください
m(_ _)m
11月にはワールドカップが始まるので、更に更新が遅くなりそうな・・・(小声)