レトロゲームプレイ日記 特別編 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ ~ルイーダの酒場で待っていたのは3人の遊び人だった~ 作:武藤勇城
苦労の末、ロマリアに到着した僕たちアリアハン道化団。
更なる強化の必要性を感じ、ロマリアを拠点に自宅との往復を繰り返した。
「じゃく、これを。絶対に手放さないで、昼夜を問わず大切に持っていてくださいね」
「お、おう・・・」
「絶対に、絶対ですよ?」
「それはフリか? 押すなよ、押すなよ?」
「ち! が! い! ま! す!」
「じゃあ、なんだよ?」
ロマリアの武器屋で売っていた、750ゴールドの『てつのやり』。
どれほどの性能か調べるため、一本だけ購入してみた。
鎖鎌と比べて、値段も攻撃力も、そこまでの差はない。
もしこれが良品であれば、よだれを垂らし荒い息で見ている、くいいんと、オロオロしている、はあとの二人にも買い与えるところなのだが・・・
・・・なぜ肌身離さず持っているように言ったのかは、説明するまでもあるまい。
新品の鉄の槍を、じゃくの胸元にしっかり抱かせる。
鍵の付いた宝箱があれば、その中にでも入れておきたいほどだ。
ロマリアの周辺のモンスターは、そこまで強力ではない。
朝一から狩りを始めて、陽が沈む頃になっても、まだ余裕がある。
そして陽が落ちてくると、昼間とは違うモンスターも出現した。
背中に蝙蝠の羽根を持った『こうもりおとこ』だ。
この敵は『マホトーン』を使ってくる以外、大した能力はない。
マホトーンは、こちらの呪文を封じる呪文だが、僕たちアリアハン道化団には無意味と言って良い。
攻撃も防御も、他のモンスターと大差ないか、むしろ弱い。
それなのに経験は多めなので、なるべく蝙蝠男を狙おうと決めた。
その他、昼間に出会う彷徨う鎧は、『ホイミスライム』という回復呪文を使う仲間を呼ぶので、昼はこのホイミスライムを狩って経験を稼ぐのも美味しかった。
そんな日々を過ごすうち、僕のレベルが11になり、『ギラ』の呪文を覚えた。
敵1グループを炎熱で包み込む呪文だが、MPが少ない僕は試しに一度使っただけで、もう使う機会はなさそう。
それから程なくして、みんなのレベルも13に上昇した。
「なあ、ゆうき。もうちょっと違う場所にも行ってみねえか?」
「違う場所ですか」
「おぅ、経験値稼ぎはいいけどよ、少し飽きちまっ・・・」
僕が一瞬、鋭い眼光をして「ここでお別れですね」と口にする気配を察したか、じゃくは慌てて前言を打ち消す。
「・・・じゃねえ、なんていうか、そのな」
「ピクニック~、みたいで楽しそうね~」
「ぁたしはぁ、このままぉ城の周りをゥロゥロしてぃるだけでぇ、楽しぃょ?」
「う~ん」
「ほら、この辺りのモンスターなら問題ねえだろ? ちょっとだけ! な!?」
「そうよ~。先っぽだけ~、先っぽだけだから~」
「ギャハハ! くいいん、それは男が言うセリフだぜ!」
「でもぉ、ぁたし、潮風も好きだしぃ」
「あら~奇遇ね~。私も~潮は大好きよ~? ビクンビクンしちゃったりして~」
「ふぇ!?」
「ギャハハ! くいいん、それは潮違いだぜ? で、潮を吹く方と吹かせる方、どっちだ?」
「どっちも~好きよ~。ねえ~ゆうき~、今夜どう~?」
「・・・はぁ、分かりました。では少しだけロマリアを離れて、違う景色も見てみましょうか」
「おぅ! やったぜ! どっちに行くんだ? 北か東か西か」
「取り敢えず北ですかね」
「やったわ~。ゆうきが~、とうとうOKし・・・」
「してません! そっちの話じゃないです!」
「あら~、新しい景色を~教えてあげようと思ったのに~」
「結構ですっ!」
ロマリアの城は岬の南端からやや北側にある。
南は海だから、一度、北の方角へ向かい、それからどちらへ進むか考えた。
西側は大きな川と険しい山に囲まれ、進めそうにない。
東はやや広くなっていて、森と平野が広がっている。
北は険しい山の合間に、細い獣道が続いている。
「山間はモンスターに出会いやすい場所です。そこを避けて、東へ向かってみましょうか」
「おぅ、ゆうきに任せるぜ!」
「ピクニックの~お弁当も作ったのよ~」
「ぁのっ・・・」
「はあとも~、一緒に作ったのよね~?」
「ぅん」
「では、少し休憩しましょう」
女性二人の手作りお弁当。
好天の中、やや広くなった場所に布を敷いて、みんなで手作り弁当を楽しんだ。
母親から教わったという直伝おにぎりの具は、僕の大好きな魚介類。
僕にとっては食べ慣れた味だが、じゃくは初めてだったらしく、大きな大きなおにぎりを、それ以上に大きな口を開けて頬張る。
その様子を見て、僕は自分の口元を指さしながら言う。
「じゃく、ここ、ここです」
「おぅ?」
「ほらぁ、じぃっとしてぃてねぇ」
「な、なんだよっ」
「ぅふふっ、取れたょぉ」
じゃくの唇の下に白いご飯粒が付いていたのを、はあとが人差し指で取ると、そのまま自分の口に放り込んだ。
柄にもなく照れるじゃく。
う~ん、この二人、良い雰囲気じゃないか。
くいいんがそれを真似て、唇にわざとご飯粒を付け、「ゆうき~、ん~」などと目を瞑りながら迫って来るので、鞘に入ったまま鋼の剣で思いっきり殴り付けておいた。
きゅう~、と目を回して倒れたが、ホイミをかける必要はないだろう。
一休みした後、僕たちは更に東へと向かった。
南側には深い森、北側には険しい山々。
森の先には大きな川と、そこに架かる一本の橋も見えた。
川を渡ったら、強い敵が出そうだ。
相談の結果、橋は渡らず、その手前を散策するに留めた。
今までと同じ敵しか出ないだろうと思っていたら、予想に反して全く新しい敵が出現。
雲の形をした『ギズモ』と、大きな猿のモンスター『あばれザル』の二種類だ。
ギズモの方は、魔道士の上位互換で、メラを使ってくる以外大した事はない。
問題は暴れ猿の方だ。
やたら攻撃力が高く、一撃で20ポイント前後もHPを持って行かれる。
これが3体まとめて襲って来たのだ!
「みんな、暴れ猿です」
「おぅ!」
「あの巨体から繰り出す攻撃に注意ですよ!」
「分かったわ~」
全員攻撃で3匹のうち1匹の息の根を止めた。
その間に、はあとが狙われ、HPは残り30余りに。
あと2撃で死にかねない危険水域だ。
防御を固めるべきか?
一瞬迷ったが、残り2匹のうち1匹を先に仕留めれば、危険はなくなる。
総攻撃だ!
だけど、この判断は失敗だった。
巨体に見合わぬ素早さで、暴れ猿が強烈な一撃を放つ。
はあとの顔面に暴れ猿の拳が食い込んだ。
続いてもう一匹の暴れ猿が体当たりをすると、はあとの体は大きく跳ね飛ばされ、無機物のように地面に転がった・・・
「・・・おぅ、ゆうき。起きたか!」
「ぉはょ、朝ご飯用意してぁるょ」
「今日は~ピクニックに行くのよね~。お弁当~作ったわ~」
「くぃぃんとぉ、二人でぇ、ねっ」
「ね~」
「そう言えばそうでしたね」
「寝ぼけてんのか?」
「ちょっと悪い夢を見ていたみたいです」
「じゃあ~私が~、慰めてあげよっか~」
「いえっ! 結構です!」
「あら残念~。でも~気が変わったら~、いつでも言ってね~」
「それより、今日の予定を変更しましょう。ロマリアの東を見に行く予定でしたけど、何だか嫌な予感がします。今日は北の山に向かいます」
「おぅ、そうか。どっちでも構わねえぜ、ゆうきに任せる」
こうして僕たちは北の山へ向かった。
険しい山道の手前でお弁当を広げる。
僕の大好きな、巨大おにぎりをパクつくと、じゃくの口元にご飯粒が・・・何だか既視感。
楽しい昼食を終え、山道を進むと、新しく『キラービー』と『ぐんたいガニ』が出現するようになった。
キラービーの方は、さそり蜂と同系統のモンスターで、攻撃を受けると時折マヒしてしまう。
遊び人三人衆は、元から攻撃の指示に従わず遊んでばかりなので、マヒしていてもさほど影響はない。
問題は僕自身がマヒしてしまった時だ。
戦力的に、他の3人だけでは厳しい戦いになる。
軍隊蟹の方はと言えば、堅固な殻に覆われていて、ダメージがほとんど通らない。
まともにダメージを与えられるのは、鋼の剣を持った僕だけ。
しかも仲間を呼ぶ習性があるので面倒だ。
ただ経験値は多いので、ロマリア周辺からやや北側に狩場を移し、レベルアップに励んだ。
それと前後して、山中で村を発見。
カザーブという名の集落だった。
辺鄙な場所にある小さな村なのに、武器屋を覗くと良品が揃っている。
中でも『てつのよろい』と『てつのたて』は、ロマリアで購入したばかりの鎖帷子、青銅の盾の上位互換だ。
じゃくに装備したいか尋ねると、こんなの面白くないから嫌だそうだ。
はあと、くいいんも首を横に振るので、自分用に買い揃え、今までの装備は売り払った。
僕の防御力は更に10ほど上昇。
周囲での狩りは少し楽になった。
山道でモンスターを倒し、陽が落ちたので一休みのためカザーブを訪れた、ある日の夕暮れ。
どこのお店も既に閉まっていた。
いつもの道具屋の前を通ると、店はすっかり寝静まって、カウンターには誰もいなかった。
いつも店を覗いた時に、店主が大事そうに品物を入れていた宝箱が2つ、置きっ放しである。
「おぅ、ゆうき。見ろよ」
「見えてます」
「あの宝箱さ、何が入ってんだろな?」
「さあ?」
「店主が寝ている今なら、こっそり入って貰っても良いんだよな?」
「ふぇ!?」
「ぐっへっへ」
「あら~、悪い顔~」
「そう! 僕たちは・・・」
「「「「 アリアハン盗賊団! 」」」」
ポーズも決まった!
お店の裏側は、鍵の掛かった扉。
盗賊の鍵を使って忍び込む。
店主はスヤスヤと寝息を立てていた。
起こさないよう、物音を立てずに、抜き足、差し足、忍び足・・・そっと宝箱を空けた。
ゆうきは『どくばり』と『こんぼう』を手に入れた!
毒針は、ダメージが1で固定される代わりに、一定確率で急所を突き刺し、即死させる武器だ。
つまり攻撃力の乏しい遊び人たちも、これを使えば戦力になる!
はあとが恐る恐る、といった感じでそっと手を伸ばす。
結論。
怖いから、面白くないから持ちたくない。
だそうだ。
せっかくの武器なのに、誰も装備出来なかったよ・・・。
仕方がないので道具屋に売りに行くと、たったの7ゴールドだと言う。
安売りせず預り所に保管した。
それからも僕たちアリアハン盗賊団は、ロマリアとカザーブの周辺で狩りを続けた。
じゃくが、もっと北に行こうとか、東の方を見に行こうとせっつくので、制止するのが大変だった。
僕たちは弱い。
安全第一だ。
もう1レベル上がるまで我慢するよう、じゃくを説得し、代わりにレベルが上がったら先に進むと約束。
じゃくも何とかモチベーションを保ち、狩りに励んだ。
そして遂に僕のレベルが12に到達、新しく『アストロン』を覚えた。
味方全員が鉄の塊になり、動けなくなる代わりに、一切の攻撃を受け付けなくなる呪文だ。
うん、使わないな!
「おぅ、ゆうき! 約束だぜ、次の場所に行こうぜ!」
「全員レベルが上がってからですよ?」
「こまけえ事はいいんだよ!」
「ぁのっ、ぁの・・・」
「全員のレベルが上がり次第、東の橋を渡って、少し先へ行ってみましょうか」
「そう来なくちゃ!」
橋を渡った先にある森を歩き、ギズモの群れを撃退し、暴れ猿の群れを退治し、『キャットフライ』という魔物の群れに出会ったところで・・・僕はまた意識を失った・・・。
なまえ :ゆうき
そうび :はがねのつるぎ てつのよろい てつのたて かわのぼうし
呪文 :メラ ホイミ ニフラム アストロン ギラ ルーラ
レベル :12
36:ちから
26:すばやさ
41:たいりょく
17:かしこさ
12:うんのよさ
80:さいだいHP
23:さいだいMP
69:こうげき力
52:しゅび力
6969:EX
なまえ :じゃく
そうび :てつのやり けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :14
16:ちから
28:すばやさ
37:たいりょく
21:かしこさ
125:うんのよさ
71:さいだいHP
0:さいだいMP
44:こうげき力
36:しゅび力
6969:EX
なまえ :くいいん
そうび :くさりがま けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :14
13:ちから
23:すばやさ
36:たいりょく
20:かしこさ
129:うんのよさ
75:さいだいHP
0:さいだいMP
37:こうげき力
33:しゅび力
6969:EX
なまえ :はあと
そうび :くさりがま けいこぎ かわのたて ターバン
レベル :14
13:ちから
25:すばやさ
38:たいりょく
20:かしこさ
127:うんのよさ
78:さいだいHP
0:さいだいMP
37:こうげき力
34:しゅび力
6969:EX
所持金:7165ゴールド
死亡回数:ゆうき1回 はあと2回
プレイ時間 (執筆時間を含む):約600分
累計プレイ時間:約2850分
なかがき (次回の更新時期について)
「またか!?」
という感じですが、次回更新についてです。前回(先々週)書いていた、他サイトで公開する通常版の方が出来ませんでした。ちょっと他のイベント作品(謎解き学園)を作っていまして、ほぼ進んでいません。ですので、また一周お休みして、改めて通常版の編纂作業を行う予定です。同時に、前回後書きでも触れたノベプラ企画モノもやろうと思っていますので、次回更新は再来週、20日の予定になります。
その後はサッカーワールドカップを見るので、また少し空いてしまうかも知れません。ここまでお読み頂き、有難うございます。次回更新、その後の更新も気長にお待ち頂けると嬉しいです
m(_ _)m