雷・鳴   作:乙女竜

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ちゃお。
主人公視点です。


プロローグ: 雷火

はーいこんにちは!雷火(ライカ)だよ!

 

率直に言います!俺はシスコンだ!お姉ちゃんが大好き!

開幕キモくて申し訳ないけど、拭いようのない事実だから仕方ないよね。

 

いや、でもまぁ当然だと思うんだよ。俺が説明もなく女として生まれ落ちて混乱してる中、傍にいるだけで不安や孤独を払拭してくれたお姉ちゃんの存在は俺の唯一の光、人生の癒しだったんだ。

 

PSIは蒼い炎を出せる力で、小さい頃からそれをよく見せて貰ったんだけどもうめちゃくちゃかっこいいの何のって。俺はお父さんの方の遺伝で電気系のPSIなんだけど、当時はまだ静電気を発生させる程度しかできなくて、掌大の炎を出せるお姉ちゃんはそれも含めて大きな憧れだったんだ。

 

まぁ、PSIなんかより良い所は沢山あるけどね!

 

まずはやっぱり内面だよね。真面目でクールで世話焼きで!でも臆病で、いざという時は全く役に立たない!泣かせたらきっと凄く良い顔をするんだろうなって感じの、最高な性格。

 

次に外見!シュッとした切れ長の目元に黒髪のショートで、俺が可愛い系の顔ならお姉ちゃんはかっこいい系だなって感じだ。これを泣かせたらすごい興奮できそう。

 

うん。もうね、薄々察してると思うんだけど、俺、シスコンとかよりもっとキモい存在なんだ。ごめん、泣かせたい。

 

この世界に転生して十五年。紆余曲折あって今は戸籍なしの犯罪者をやってるんだけど、俺の生き甲斐はお姉ちゃんの泣き顔を見る事のみ。それ以外はもうどうでもいいんだ。

 

で、そんな俺に今日凄い嬉しいことがありまして。

 

なんと、長年探していたお姉ちゃんがね!見つかったんですよ!

 

探していたってどういう事っていう質問に今から回答致しますけどね、七年前、俺がだいたい八歳とかそこらの時にね、家が燃えちゃって、以降お姉ちゃんの居場所が分からないまま成長してきたんですよ。

 

だから今のお姉ちゃんがどうなってるかとか全然分からなくて、知らない内に心の強い女の子になってたらどうしようって不安で眠れない夜もあって。

 

勿論生きている事は知ってたけどね。あの日俺を見捨てて去った事は全部覚えてるから。背中と右腕、左頬の火傷を見せた時どんな反応するんだろうって、そんな楽しみの方が大きかったから実はそれなりに幸せな七年間だったのかも?

 

で、今日俺の所属する犯罪者集団に『警戒すべき新たな国家機関』の情報が回ってきて、適当に見てみればそこにお姉ちゃんが載ってたんだよ!

 

奔火 蒼(はしりび あおい)』。

 

苗字は変わってたけど名前はあのかっこいい名前のままで、何より変わらない顔つきとPSIを見れば一瞬でお姉ちゃんだって分かった!もう嬉しくて嬉しくて、周囲の仲間とか気にせずに電気お漏らしして怒られちゃった!ごめん!

 

あと、多分今も泣かせられる。この顔は間違いない。気は強いけど俺との過去でぶん殴ったら確実に泣く。嬉しい。

 

まぁそれはそれとして、お姉ちゃんは年齢的には学生の筈だけど国家機関に所属しているって事は高校には行ってないのかなとか、苗字が変わってるって事は結婚したのかなとか、あんまり情報が載ってなくて気になる事は多い。

 

でもその機関の本拠地とか目的は載ってたから、会おうと思えばいつでも会いに行けると思う!その時に直接聞けばいいよね!

 

機関の名前は覚えてないけど、場所さえ分かれば大丈夫だし、正直いますぐにでも会いたい。でも勝手に会いに行ったら多分俺が死んじゃうんだよな……。うちの組織が警戒しろって言う時はだいたい俺一人じゃ勝てない敵だし。

 

「どうしよう……」

 

悩んだけど、答えが一向に出なくて壁際で蹲っちゃった。ここ落ち着くんだよね。うちの組織は今廃墟を根城にしてるんだけど、ここの壁は姉妹が描かれた落書きがあって凄い気に入ってる。今も左手の指でついつい姉の方をなぞっちゃてる。これが好きなんだ。

 

あ、でも一人で勝てるようになれば勝手に会いに行けるのか。

 

いきなり天啓を得たので、俺はそこからまた蹲って手強い集団戦の対策法とかを考えたんだけど、実戦が良いという結論が出たので、警備の厚い銀行とかに行こうと思います。

 

全てはお姉ちゃんに会う為、俺は走り続ける!あと今回はお金稼ぎの為にもね!美味しい物食べたいし!

 

 




大丈夫、姉は結婚もしてないし学校にも通っています。
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