主人公視点です。
はーいこんにちは!
都市の方のでっかい銀行を襲撃してちょっとお勉強してきたけど、やっぱり訓練された人相手の多数戦は難しいね!何回か銃弾が掠りそうになってヒヤッとしたよね!
いや〜でも本当に勉強になった!まだまだお姉ちゃんのいる機関に一人で立ち向かうには力不足だろうけど、自分のPSIの新しい使い方も分かったし僥倖僥倖。
いやね、その新しい使い方っていうのが、ちょっと説明が難しいんですけど、電気になれたんですよ。
電気になれたってどういう事っていう質問に今から回答致しますけどね、こう、本当に強い人ばかりで、囲まれて逃げ場なく撃たれそうになったんだよ。で、相手にPSIを放とうにも多分未来予知とかそういう人がいた感じで当たらないんだ。そしてそのまま銃口を幾つもこっちに向けられてまずいもう死ぬ!って時にね。
なんか、こう、瞬間移動じゃないんだけど、ばちっ!っとね。音を立てて一瞬で包囲網の裏まで抜けられたんだよね。あれは流石にびっくりした。
いや、今考えると範囲攻撃すれば相手は避けられなかっただろとか、俺本体に雷撃を直撃させれば吹っ飛んで逃げられたんじゃないとか、色々他にやりようはあったんだけど、焦っちゃって……。
でまぁそのままの流れで後ろから不意打ちして皆殺しにしたんだけど、なんか服は一緒に電気になれなかったっぽくて脱げちゃってたから凄い恥ずかしかった。全裸電気女は流石に美少女でも意味分かんないからね。
その後は服を着て、お金はそんなに要らないからお土産代わりに途中で盗んできた袋二つにいっぱい押し込んで、遅れて来た異能課をすれ違いざまに殺しながら逃げてきたって次第なんだ。
で、案の定戻ってくると弱めのお仲間さん達が物欲しそうに見てきたからお土産をその場に置いてあげた。嬉しそうに近寄ってきたけど、多分彼らって次になんか組織で悪い事をする時、使い捨てられて死んじゃうんだよな。可哀想に。
でも、この人たち無法者なのにお金に有難みを感じるのって何でなんだろう。欲しい物とかあっても、お金で買わないんじゃないの?
「欲しいなら奪えば良いのに」
やべっ。ちょっと新しいPSIの使い方に慣れなくて疲れちゃったみたいで、独り言が出やすくなってる。
疲れた時はやっぱりあの場所だよね〜。なんか俺以外誰も使わないし、もしかして気遣って譲ってくれてるのかな。落書きの姉の方を撫でる楽しさを皆にも共有したいんだけど。
楽しくお姉ちゃん撫で撫でしてたら、
「…その金、どうするつもりなの」
傍らに置いてある麻袋の事だ。呼波ちゃんが可愛くてついつい笑みが零れてしまったけれど、お金の事を言われて恥ずかしくなって目を逸らす。
実はあんま考えてなかった。そうだよね、美味しい物を食べるのには明らかに多すぎるよねこの額。もう今更恥ずかしすぎて嘘をつく事も出来ないので、正直に当初の予定をそのまま話すことにする。
「バウムクーヘンとか、食べる」
何年分食えるんだよこの額。あー!また呼波ちゃんのお小言が始まる〜!
「……もう、落ち着いた?」
あれ?今日思ったより優しいよこの子!?……でも落ち着いたって一体……。
あれか、お姉ちゃんが好きすぎた結果の電気お漏らしの件か。なんか今日俺恥ずかしいことしすぎじゃない?組織の皆に申し訳なさすぎる…。
「壁、穴開けて、ごめん」
言葉もたどたどしくなりますわ。もう情けないのなんのって。
「私に謝っても意味は無い。それより周りにいた奴に謝るべき。私が庇わなかったら、みんな死んでたんだから」
返答も正論だし。そうだよね、もう仰る通りです。ごめんなさい!組織の皆本当にごめん!よっしゃ!今度PSIを使って壁にでっかく『ごめん』って穴開けよう。
そういえば昔お姉ちゃんにも怒られたよな……。炎見せて見せてって言い過ぎたんだっけ。あれは可愛かった。……いや、このまま思い出に浸りたいけどなんか弁明しないとダメだよな。
「ごめん……でも、え、嬉し、くって……え、えへ、お姉ちゃんに会えるって思うと、も、もう耐えられなくて、えへ、えへへ」
やべっ。お姉ちゃんの怒り顔思い出してたら笑いが止まらなくなっちゃった。反省の意思を!見せないと!ほんとごめん!呼波ちゃん!
結局怒り顔の魅力に負けてトリップしてしまっていると、急に呼波ちゃんに抱き締められた。びっくりしたけど、温かくて素晴らしいので放置する事にしますね。もう少しだけトリップさせて。
で、一通りトリップし終わって気がついたら深夜2:00。呼波ちゃんは俺に抱き着いたまま寝ちゃったっぽい。寝込みを襲われたら一瞬で殺されるのに無防備だよね。
でも、こうして見ると呼波ちゃんは妹みたいで可愛いな。いや、20歳相手に何言ってるんだって話だししっかり者の呼波ちゃんの方が姉気質なのはわかるんだけど、こう、なんというか、庇護欲というか、甘やかしたいというか、泣かせたいいや、可愛いなと。
まぁそんな事は置いておいて。実はちょっと今からとある布石が達成されているかを確認しにいくんだよね。
いや、お姉ちゃんに会いたいけど会えないんだったら、せめてお姉ちゃんに俺の存在をもう一度思い出させたいと思ってさ。銀行強盗ついでにちょっと仕込みをしてきたんだよね。
いや別にほんと大したことじゃないんだけど、昔俺がお姉ちゃんに買ってもらった玩具の指輪と同じものをね、道中で盗んで銀行のちょうど目立つ現場に置いてきたんですよ。
お姉ちゃんのいる機関は『育成途中の異能課強化版』みたいなやつで、つまり大きなPSI関連の事件を起こせば遅れてでも現場に来るはずなんだ。
だから荒れ果てて焦げた銀行の中で、もう一度過去を思い出して欲しいと思ってさ。
で、今からそれがなくなっているか確認するのよ!あれだけ不自然に置いたんだし、証拠として集められていてもおかしくない!無根拠だけど!
という事で、行ってきます!
次回姉視点です。
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