反逆の翼   作:パオン・セブ・ガロウズ

5 / 9
第五R 父と友人の愛

シルヴァー「……ただいま」

シル父「地方予選、見せてもらったぞ」

シルヴァー「…ッ!」

 

やっぱりか…いやURAの職員なんだ、知ってて当然か

 

シル父「2着だったな、トウカイテイオーくんに負けて…」

シルヴァー「……」

シル父「…」スッ

 

親父の手が伸びてくる

ああ、またいつものか…もう嫌だなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父「よーしよしよしよしよし!頑張ったなー!さすが私の愛娘だ!!」グシャグシャ

シルヴァー「………」アタマグワングワン

頭を撫でられるのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。

ただ元おっさんだった俺がおっさんに撫でられて頬擦りされるんだぜ……?

優しい親の愛情だ、受け止めy…やっぱキツい

シル父「よくやったぞレヴェル!!お前はやればできる子だって信じていたぞ!!!」

シルヴァー「……ッ!……ぅ……ッ!」

 

前世ではこんな風に褒められたことなんてなかったし、そもそも父親が酒クズのタバコ野郎で母さんと俺に暴力振るって豚箱行きになったクズだったからな

この世界に転生してからも、ウマ娘としての生活は楽しかったが、やはりどこか

満たされない部分があったのかもしれない。だから、こうやって褒めてくれるだけで涙が出そうになるくらい嬉しいんだ。

 

シル父「どうした?嬉しくないか?」

シルヴァー「ううん……違うの!……ありがとうお父さん……!」ギュー

シル父「おぉ!おおお!可愛い奴め!」ナデナデ

 

俺は今、幸せだ ーーーーーー

 

1時間抱き合った後父さんがカルボナーラを作ってくれた

 

シルヴァー「いただきます!」モグモグ

シル父「うまいか?レヴェル」

シルヴァー「はい!とっても美味しいです!」

シル父「そうかそうか!いっぱい食べろよー!」

 

本当にいい父親を持ったもんだよ……

ご飯を食べ終えると、自室に戻りベッドに寝転がる

 

シルヴァー「はぁ〜……」

 

今日は疲れたな……早くねよう……

俺の意識は闇へと消えていった 翌朝目が覚めると体がダルかった

 

シルヴァー(あちゃー……昨日のアレが原因かな?)

 

確か昨日は風呂上がったあと髪も乾かさずに薄着で寝たからな…

俺はウマ娘になってから風邪をひいたことがない。

それどころか怪我すらしないのだ。

ウマ娘の体には人間の体の常識は通用せず交通事故の際も車側が大破するなんて漫画みたいなことも起こる

だがウイルスへの耐性や抗体はヒトとそこまで変わらんらしい

 

シルヴァー「ま、今日は学校休みだしゆっくりするか……」

 

そして、二度寝に入ったその時だった。

ピンポーン 家のチャイムが鳴った。

 

シルヴァー「誰だよ……ったく」

 

玄関に向かい扉を開けるとそこには……

 

「おはよ!シルちゃん!」

シルヴァー「……えっ!?」

 

そこには隣の席の子がいた

そ言えばあの時言ってなかったけど、この子の名前は『席隣子(せきりんこ)』

元気いっぱいで優しい子だ。

 

シルヴァー「ど、どうしてここに……?」

席「お母さんから聞いたんだけど、シルちゃんが風邪引いたって聞いて心配になってきちゃってさ!ほら、これあげるから飲んでみて!」

シルヴァー「これは……薬?」

席「うん!私が作ったの!効くと思うから試してみて欲しいなって思って!」

シルヴァー「作ったぁ!?」

 

科学者の娘だけに理科の化学実験とかすげー手際よくできてると思ったら、風邪薬開発する程とは…

まぁ一応貰っておこう、酷くなった時に最終手段として使おうか…

 

シルヴァー「ありがとう、助かるよ」

席「いえいえ!じゃあお大事にね!」

シルヴァー「ああ、わざわざありがとな」

席「うん!また明日学校で会えるといいな!」

シルヴァー「そうだな、またな!」

 

ガチャリ

シルヴァー「ふぅ……」

まさかあの子が見舞いに来るなんてな……

まぁもう一年近い付き合いになるわけだし。来年も同じクラスがいいな…そんなことを考えながら再び眠りについた。

ーーーーーー 翌日、体調が良くなったので登校すると……

 

席「おはよう!シルちゃん!」ニコッ

シルヴァー「ああ、おはよう」

 

席「大丈夫だった?」

シルヴァー「もう治ったから平気だぞ」

席「良かった……でも無理しちゃダメだからね!」ナデナデ

シルヴァー「……ッ!……うん///」

(隣子の手あったかいな……それになんか落ち着くかも……)

先生「ういーすお前らー席につけぇー。さもなくば俺の失恋エピソードPart24を聞かせるぞー」

「「「「」」」」ガタッ ガタッ ガタッ ガタッ

 

先生「…そんなに嫌か?先生泣いちゃうよ?」

シルヴァー(誰だっておっさんの失恋エピソードとか聞きたくねぇよ。つか、たまに普通の会話に混ぜて話してくるから厄介なんだよ)

 

ーーーーーー 放課後

 

シルヴァー「……よし、帰るか!」

席「シルちゃん!」

シルヴァー「ん?どうした?」

席「一緒に帰ろう!」

シルヴァー「(テイオーとの待ち合わせには時間あるしな)いいぜ!」

帰り道

シルヴァー「そういえば、昨日はありがとうな」

席「いいよ別に!友達なんだしさ!」

シルヴァー「……そうか」

席「……ねえシルちゃん」

シルヴァー「なに?」

席「……その、シルちゃんは好きな人っているの?」

シルヴァー「えっ……!?」

席「いや!変なこと聞いちゃってごめんね!ただちょっと気になっちゃって……」

シルヴァー(好きか……正直なところ俺にはまだ恋愛感情というものがよく分からない。前世ではそういうのとは無縁の人生を送ってきたからな……)

シルヴァー「……俺は……まだいないかな。そもそも恋ってどんな感じなのかも良く分かってないし」

席「そっか……なら、私が……いや、なんでもない!///」プイッ

 

 

 

 

シルヴァー(聞こえてますけどぉぉぉ!?え?なに?私が?うそ、隣子の奴まさか

いや、真実を確かめねば………)

「なぁ隣子は好きな子いるのか?」

 

席「へぇあ!?」

シルヴァー「おい、声裏返ってるぞ……」

席「べ、べつにシルちゃんのことが好きとかじゃないんだからね!?」

シルヴァー「」

席「あっ……ち、違うの!今のはその……えっと……!」

シルヴァー「……ぷっ……くくく」

席「……えっ」

シルヴァー「冗談だよ。隣子慌てると面白い反応するからついからかっただけだ」

席「……そ、そうなの?」

シルヴァー「ああ、そうだ」

席「……そっか……良かったぁ……」ホッ

シルヴァー「……隣子、一つ聞いてもいいか?」

席「……な、何?」

シルヴァー「俺が将来中央トレセンに行くって言ったお前は俺を見送ってくれるか?」

席「……ちょっと寂しいけどそれがシルちゃんの夢なら応援するよ!」

シルヴァー「………そっか、ありがとな///」

席(……この気持ち……胸の奥がきゅってなる感覚。やっぱり私、シルちゃんのコトがスキなんだ…)

シルヴァー(……隣子、俺はお前の思いには……)

 

ーーーーーー テイオーとの集合場所にて

 

シルヴァー(やべぇ、なんか心のモヤが晴れねぇ……どうしちまったんだ俺ェ)

 

テイオー「シル?元気ないねー?」ヒョコ

シルヴァー(こいつ、たまに突然現れるよな。)

シルヴァー「なぁテイオー。もし、もしもだ。俺がトレセンに行ったら……ずっと側にいてくれるか?」

テイオー「もちろん!だってボクもトレセン目指してるからね!トゥインクルシリーズで活躍しまくって皆んなに無敵のテイオー様って呼ばれるんだ!」

 

シルヴァー(……そうか、こいつは夢に向かって頑張っている。それに比べて俺は…………決めた。もう迷わない。俺は……

ウマ娘として、選手として生きていく)

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。