反逆の翼   作:タルト・タタン

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第六R 不穏なレース

PFC関東予選当日

 

ナレ『さぁ始まります、小学生ウマ娘日本一を決める大会『プリティーフロンティアカップ』関東予選!地方予選とは違いA・B・Cのブロックに別れてもらい、八名づつ出走してもらいます!今回は各ブロックの上位三名のみが次の最終予選に出場権が与えられます!』

 

シルヴァー「……よし、行くか!」

アナウンス「選手の皆さんは各ブロックに別れていただくためクジ引きをおこないます!」

 

テイオー「だって、行こう!」

シルヴァー「あぁ、なるべくお前やメテオさんと当たらない方がいいな…」

テイオー「そーだねー闘うなら決勝で闘いたいし」

シルヴァー(テイオーはともかく、メテオさんの実力は地方予選の時より遥かに上昇している…あの周りを焼き尽くさんとするオーラ、俺やテイオーでも勝てるか……)

テイオー「シル!シル!」

シルヴァー「ん?どうした」

テイオー「この前2人で買ったシューズ、コーティングしてきたんだ!今日のレースで使おうよ!はい、シルのシューズ」

シルヴァー「お、サンキューテイオー!」

テイオー「ふふん♪」

 

司会「では今からクジを引いてもらいます!引いた方は番号を見せてからこちらへ!」

シルヴァー「よし俺が1番だな……俺の番号は……B-5だな」

テイオー「どれにしよっかなー…これ!C-2だ!」

メテオ「私はA-1だ」

カモン「アタシはB-2!」

アヴェ「私はC-4ですね」

シルヴァー(綺麗に別れたな、一緒なのは前走4着のコトリカモン、そこまでマークしておく必要は無さそうだな)

 

司会「次々お願いしますよー!」

???「は〜い」ズッ

 

シルヴァー(うおっ!なんだこの…)

テイオー「うわーおっきい子。やっぱ6年生かな?」

???「いえ、5年生です〜」

テイオー&シルヴァー(えっ……?聞こえてた!)

司会「はい『ヤマノイタダキ』さんですね」

ヤマノ「は〜いC-8です〜」

テイオー「ボクと一緒!?うわー1番の壁だぁ」

シルヴァー「心配すんな、何のためのタイヤ特訓だったんだ!こういう時に特訓の成果が活かされるんだ!」

テイオー「そ、そっか!じゃあ一緒に頑張ろう!」

シルヴァー「おうよ」

司会「はい、これで全員引けましたね?それでは各選手ブロック別の控え室に移動してくださーい」

 

Aブロックはエターナルメテオの圧倒的な威圧感の前に地方を勝ち進んだと言えどまだまだ小学生、萎縮して2着とは大差だった。

次は俺だマークすべきはヤマノイタダキと同じ出の『コヤマムスビ』だ。

コイツもデカイ…150cmはあるぞ?

ちなみに俺は134cmだ

コヤ「よろしくねー」

シルヴァー「あぁ、負けないぜ?」

コヤ「それはこっちのセリフだよー」

レース開始まであと少しだ。

コヤ「ねぇ君」

シルヴァー「ん?どうした?」

 

コヤ「レース中のボクには気をつけなよ?」

シルヴァー「……なに?」

 

実況『各ウマ娘一斉にスタートします!まず最初に飛び出したのはコトリカモン!そのすぐ後ろにコヤマムスビ、そして1番人気シルヴァーソニックは最後方中団ではミドリノバンチョーが他のウマ娘にプレッシャーをかけて前に出さないようにしています!』

 

シルヴァー(あの野郎……どういう意味だ?激突に気をつけろってことか?)

 

実況『ここで先頭集団に変化あり!コトリカモンが徐々にペースを上げていきます!これはレース展開に大きな変化があるかもしれませんね!しかし後続も遅れずについていきます!さぁどうなるか!最初のコーナーに差し掛かります!さぁ誰が仕掛けるのか!?おっとコヤマムスビがコトリカモンに近づいた!コヤマムスビがどんどん伸びていく!』

 

シルヴァー(いや違う、コトリカモンが落ちてきてるんだ!何をしやがった?

だが俺も仕掛けさせてもらうぞッ!!)

 

加速する!

 

シルヴァー(まだだ!もっと早く!もっと速く!)

 

さらに加速する!

 

シルヴァー(もうちょいだ!もう少しで抜ける!)

 

コトリ「……」

 

シルヴァー(よし抜けた!あとひと……)

コヤマ「調子に乗ってんじゃねぇぞチビが……

 

シルヴァー「ッ!?」ゾワッ‼︎(なんだ今の殺気は!やばい!このままだと……)

 

 

コヤマ「邪魔だ……消え失せろ……!」

 

 

シルヴァー「くっ……間に合えぇ!!」

 

ゴッ

シルヴァー「ぐぅ……ッ!」

 

実況『あーっとシルヴァーレヴェル勢いがつき過ぎたのか前を走るコヤマムスビに接触してしまったー!しかしまだ加速を続けています!一体どこにこんなパワーがあるんだー!?』

 

コヤマ「チッ……転倒は避けたか、運のいい奴だぜ」

シルヴァー「それが…アンタの本性…か」

 

コヤマ「ザコが俺様と競り合うにはちと小さすぎんだよ。だから簡単に吹き飛ぶ、ゴミが吹き飛ぶ様を見るのは心地いいぜ…」

 

???「ふざけんなやぁ!」

コヤマ・シルヴァー「「!?」」

 

実況『残り400mに差し掛かる!ここでミドリノバンチョーが先頭に並びかけてきたー!!』

 

コヤマ「な、なんだアイツは!」

シルヴァー(まさか……)

コヤマ「おいテメェ!なんのつもりだ!そこをどけやぁ!」

ミドリノ「暴力振るって勝つのは選手としてクズだ!名家で特訓したパワー見せちゃらぁ!!」

 

実況『さぁスリートップが並んだ!一番にゴール板をくぐるのは誰だー!?』

 

コヤマ「クソがぁぁぁぁぁぁ!!」

シルヴァー「……ッもう…一踏ん張りだ、とどけぇ……」

ミドリノ「ぬぁぁぁぁ!!!」

 

ドサッ

 

実況『シルヴァーレヴェルだーー!!シルヴァーレヴェル倒れ込んでゴールイン!!1着は1番人気『シルヴァーレヴェル』だ!!』

 

救護員「担架だ!急げ!!」

 

チクショウ……ギリギリ勝ちか

もっと……がん……ば………

 

ワーワー

シル~シッカリシテヨーシナナイデーウワーン

 

コヤマ「……チッ」

ミドリノ「ぬぅ、負傷者に負けたか…万全の状態なら完敗だったろうなッ」ギロッ

コヤマ「そんな顔で見ないでよー、ボクこわーい」

ミドリノ「………女狐めが」

 

実況『さてアクシデントはありましたが次に進みます!Cブロックの選手はパドックへどうぞ!』

 

「テメェはアイツの二の舞にならなきゃいいけどなぁトウカイテイオー……」

 


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