係員「トウカイテイオーさん、早くして下さい!ほかの選手はもうゲート入り前ですよ!」
テイオー「シル、行ってくるね」
テイオーは負傷し医務室のベッドで眠るシルヴァーレヴェルの頭を撫でてその場を後にした。
係員「あ、そうだテイオーさん、コヤマムスビさんと同じ出のヤマノイタダキさんには気をつけてくださいね?彼女もまたレース中はかなり荒れますから……」
テイオー「…うん、絶対負けない」
実況『先程はアクシデントがありましたが、今度は皆さん無事に走り終えてもらいたいです!Cブロック出走バをご紹介します!まずは1番2番人気のヤマノイタダキ!その巨体はまさに壁!逃げの彼女を追い抜くことができる娘はいるのか!?続いてはアヴェハート!優雅な足運びで勝利を収めるか!?続いて……』
ヤマノ「……」
テイオー(あの子……すごく落ち着いてる。すごくレース慣れしているみたいだ)
ヤマノ「……あの野郎の前で無様を晒すわけにはいかねぇな」ボソッ
実況『そして1番人気!トウカイテイオー!やはり人気はこのウマ娘ですね!今回はどんなレースで魅せてくれるんでしょうか?他にはない末脚で勝利を掴むことができるのか!?まもなく出走です!』
ヤマノ「……」
テイオー「……ふぅ」
アヴェ「ゴクッ……」
実況『各バゲート入りしました!……そしてゲートが開かれ各バ一斉にスタート、ヤマノイタダキが早くも先頭を走っていきます』
ヤマノ「……ンッ!」
テイオー(速い!でも僕だって!)
ヤマノ「……来ましたね」
テイオー「……ッ」
ヤマノ「お先に失礼いたします」ニコッ
テイオー「えっ?」
ヤマノ「フッ!」
ヤマノは一気に加速し、テイオーを突き放した。
ヤマノ「……」
ヤマノは後ろを見ることなく感覚のみで相手の位置を把握していた
そしてあまりのスピードに何が起こったか理解出来なかった者も多い中、テイオーは加速も減速もせず自分のペースを保つことに集中していた
モブ「くそッ!」
実況『おおっとここでモールスブラックが前に出た!』
解説『急加速したヤマノイタダキの影響で掛かってしまったようですね』
ヤマノ「……ッ!」
ヤマノは更にギアを上げていった
実況『ヤマノイタダキが後続を引き離そうとさらにスピードを上げた!まだ第二コーナー前ですが、これは正解でしょうか?』
解説『彼女の脚質やスタミナを考えると良いのかも知れません。しかし彼女を追わなければ逃げ切られ、追えばスタミナを切らしてしまう。さらに前に出ようとすればあの巨体を避けて行かなければなりません。外に回ればさらに体力が削られてしまいます』
実況『彼女だからこそできる作戦というわけですね!』
ヤマノ「……ハァ……ハァ……もう少し……上げるか」
テイオー「……ウソ」
(すごい、ホントに同じウマ娘なの……?)
実況『さぁ第三コーナーに入りましてヤマノイタダキがグングン差を広げていく!』
解説『恐ろしい才能ですね。今後の彼女やトレーニング内容が気になります』
ヤマノ「……まだまだこれからですよ」
テイオー(また加速した…)
実況『さあここで第四コーナーカーブ先頭は変わらずヤマノイタダキ、そして加速を続けていた1番人気トウカイテイオーが先頭を狙っている』
解説『絶えず自分のペースを保ち続けたことで余力を残して二番手に躍り出ましたね。しかし大きなバ体を持ったヤマノイタダキを躱すことが出来ればいいのですが』
ここでヤマノイタダキから発する赤い闘志が赤黒くなったのをメテオは見逃さなかった
メテオ(そうか…このレースに参加した『ヤマノイタダキ』『コヤマムスビ』そして私と走った『アカノセキ』こいつらは全員同じ作戦でカーブの後にオーラが黒くなった……)
???「気づきましたか」
メテオ「あぁ、そして同じように二番手の選手を潰しに来る…!」
ヤマノ「ククッ…さぁ来いよトウカイテイオー……シルヴァーレヴェルの様に病院送りにしてやる…!」
テイオー(あんなの避けれるわけが無い…でも諦めるの?シルは諦めなかった…フラフラになっても、走って1着を取った)
ボクにも
いや、ボクだけの力で
壁をこえる
"最強テイオーステップ"
ヒュッ
ヤマノ「は?」
実況『なんと!トウカイテイオー、ヤマノイタダキを躱し先頭についた!!』
テイオー「これが……ボクの……全力だぁぁぁぁぁぁ!!!!」グォォ!!
実況『トウカイテイオー!今ゴールイン!2着にはヤマノイタダキ!3着にサンダーウルフが入りました!』
「「「……」」」ポカーン
ヤマノ「……ッ」プルプル
テイオー「やったー!勝った!」
ピョン 実況『トウカイテイオー!見事勝利!見事な走りを見せてくれました!』
解説『最後まで諦めなかったことで勝利出来ましたね。しかしヤマノイタダキも素晴らしい逃げを見せてくれました。今後彼女がどう成長するのか楽しみです』
テイオー「う~ん!疲れたけど楽しかった!」
ヤマノ「くそっ……!この私が負けただと!?ふざけやがってぇ……ッ!」
テイオー「ぴぇっ…」
???「情けないねぇー」
ヤマノ「なッ!?」
???「体格、スタミナそしてあの状況…何もかもお前が優勢だったにも関わらず無様に負けた」
ヤマノ「う、うるせぇ!!あんなのナシだっ!俺が負けるわけねぇ……こんな…ガキにッ」
テイオー「えっと、誰……?」
???「お前さんは知らんだろうが私は知ってるさ。『トウカイテイオー』……巷で噂のウマ娘でPFCの優勝候補の一人」
テイオー「ボクってそんなに有名になったの?」
⁇?「あぁ、そして私の大ッ嫌いなヤツの一人さ…」
テイオー「…え?」
???「まぁ今は争うつもりは無いしな、お前はさっさとオトモダチの所にでも行ってきな」
ヤマノ「おい、俺を無視すんな!そもそもてめぇは何しにきやがった『スプリングボイラー』!」
スプリング「無様に負けたあんたにはもうお役御免ってこと言いに来たのさ」
ヤマノ「なッ!?どういう意味だよ!」
スプリング「そのままの意味さ。喧嘩ならやめとけよ?あんたが私に勝てる要素なんてないんだからな」
ヤマノ「なにぃ……!」
テイオー「……なんかよくわからないけど、喧嘩しないでよ!」
ヤマノ「ぐぬぅ……!」
スプリング「ほら、さっさと帰れよヤマノイタダキ」
ヤマノ「覚えてろよ……トウカイテイオー……!」
テイオー「……行っちゃった、あ!そうだ、シルー!」