ウマ娘しっとりほのぼの激重短編集   作:わさべ。

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チケゾーに幼なじみの男の子(意識不明の重体)がいる概念です。

ウマ娘の二次創作であんまり幼なじみ設定のお話って見ないよね…?だいたいトレーナーにぞっこんだよね…?



しっとりチケゾーダービー前日譚

 

「…しつれいしまーす。」

 

しん、と静まり返る病室。独特な薬品の香りと定期的に響く機械の音。

 

薄暗い病室で今日もキミは、変わらず眠ったままだ。

 

備え付けられているパイプ椅子を広げて座る。ここにいる時だけは、不思議と落ち着いていられる。

 

「……こんにちは。また来たよ。」

 

手を握って来たことを伝える。とくりとくりと感じる鼓動の音と肌の温もりに少しだけ安堵した。

 

「前に来たのは……お正月頃…?だっけ。……あんまり来れなくてごめんね。どうしても練習は疎かにできないからさ。」

 

毎日フラフラになるまで練習して、レースに出て。ご飯もしっかり食べて、苦手だけど勉強もして。

 

絶好調で仕上がり万全の状態で迎えた皐月賞は。

 

 

「…皐月賞、負けちゃった。」

 

「タイシンが勝ったんだよ。ハヤヒデと私、まとめて抜き返されちゃったんだ。……すっごく、強かった。それで───」

 

ぐっ、と拳に力が入る。

 

 

「…ダービー走るの、少しだけ怖くなっちゃった。」

 

最後まで競り合っていたはずなのに気がつけばはるか先にいる2人。

 

誰にも伝えてなかった気持ち。私の弱音。

 

「…皐月賞のあの日から、皆に置いてかれたあの日から。私がダービーの舞台で走って、負ける。って思ったら怖くなっちゃったんだ。」

 

「こんな私がダービーを走るなんて、相応しくないんじゃないかって思ったんだ。」

 

「…ハヤヒデとタイシンとさ、私を合わせてBNWって今呼ばれてるんだよ。…皆に期待されてるって事だよね。」

 

「だから、胸を張ることにしたんだ。私があの頃時見たダービーで走った人たちも、誰もが夢を追いかけて走ってきたから。期待を背負って力をぶつけあったから。」

 

 

「私は、そう決めたんだ。だから───」

 

 

「……もうすぐ、ダービーなんだよ。ずっとずっと、夢に見てたダービーで私、走るんだ。走れるんだ。」

 

あの日夢を語った日から、ずっとずっと願っていたこと。焦がれていたこと。

 

キミも知ってるでしょ?私がダービーを目指して走ってきたこと。

 

「…今日はね、キミにお見舞いを持ってきたんだよ。」

 

 

 

「勝利のチケットを君に。…なんて。あはは、なんか恥ずかしいな。」

 

 

 

懐に大切にしまっておいた、手作りの特急券。小学校の工作以来のハンドメイド。それでも、恥ずかしくても、私の気持ちは揺るがない。

 

 

「…さっきは弱音吐いちゃったけど、大丈夫。もう私の思いは揺るがないよ。」

 

「ダービー、絶対に見に来てね。私、絶対に勝つから。」

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおお!!!!!!だああああああびいいいぃぃぃぃいいい!!!!!!」

 

「うっさ。……ま、今日は仕方ないか。」

 

「ふふ、いつも以上に力が溢れてるなチケット。」

 

「だって、だってだって!!ダービーだよ!?うぅ、夢のダービーに出れるんだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛おぉぉぉぉ……」

 

「うわ、忙しいやつ。……ほら、ハンカチ。」

 

「1度しかないダービーの舞台だぞ、シャキッとしないでどうする。」

 

「ぐすっ……あ゛り゛か゛と゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

「…落ち着いたな。これにて万全だ。ふむ、もうそろそろ時間だ。お互い悔いの無いレースにしよう。」

 

「あたりまえ。そっちこそ計算が狂わない様にもっかい見直しておいたら?」

 

「ほう?君たちとはもう長いからな。隅から隅までデータは取れているぞ?…私に勝つと言うのなら予想外なことの1つや2つ起こして貰わないと張り合いがないぞ?」

 

互いに挑発しあう2人。そんな背中がいつもより強大に見えて。

 

…でも。

 

「タイシン!!ハヤヒデ!!」

 

2人が振り向く。闘志を燃やした瞳で私を見つめる。

 

 

「……今日は私が勝つよ。絶対に負けないっ!!!!」

 

 

「…!!」

 

「…純粋に宣戦布告か。……チケットらしい。ならば尚更負ける訳にはいかないな。」

 

「…皐月賞みたいにぶち抜いてやる。ダービーもあたしが貰う…!!」

 

 

 

 

…行くよ。夢の舞台へ。誰も見逃せない伝説の先へ!!

 

 

 










ウイニングチケットはいいぞ。

続きはないです。このぐらいの軽い小話をちょろちょろ投稿していきます。(内容がないよう)

アプリストーリーの焼き増しとは言わせないっ!!言わせんぞ…!!(自覚あり)

(この後、しっかりダービーをとったチケゾーにチケットを握りしめた幼なじみ君が祝いに来てくれるので〜HappyEND〜)

次回はバクシンオーと故郷の幼なじみ(ウマ娘)の子と一緒にファン感謝祭を回るお話の予定です。しっとりバクシンオーをすこれ!!
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