ウマ娘しっとりほのぼの激重短編集   作:わさべ。

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思ってた以上に文字数増えてきたので分割しますね……

オリウマ娘が登場しますので、苦手な方はブラウザバックをよろしくお願いします。



バクシンオーと故郷の幼なじみが一緒にファン感謝祭を巡るお話【前編】

 

 

ファン感謝祭が1週間後に迫り、準備に向けて慌ただしくなっている中、とあるウマ娘に一通の手紙が届く。

 

『行ける都合がついたから、貴方に案内してもらいたい。』

 

差出人は故郷の親友。

 

しかし、人一倍責任感が強い彼女は悩みに悩んでいた。

 

「…わざわざ来てくれる彼女の希望に応えたいっ!!私も一緒に周りたいっ!!」

 

「うぐぐ…!!ですが私は学級委員長!!仕事を放り投げては学級委員長ではなくなってしまいます……!!」

 

彼女はサクラバクシンオー。全生徒の模範と言える(彼女談)学級委員長として、全力でバクシンする最高のスプリンターとも言われるウマ娘。

 

「どうしたんバクシンオー?」

 

「いいんちょが悩むなんて珍しいじゃん?」

 

そんな彼女を気遣って、声をかけるクラスメイトのウマ娘たち。

 

 

「…いえ、私は学級委員長っ…!!私事は持ち込む事は許されません……!!」

 

そうは言ったものの耳はへにゃりと垂れ下がり、頭を抱えている。そんな様子を見て、見過ごす訳にはいかないだろう。

 

「言うだけならタダだって。ほら、言ってみ?いつも学級委員長として頑張ってくれてるからさ私たちだって力になりたいわけよ。」

 

 

 

その言葉を聞いて、身体を震わせた後。

 

「…私はなんと素晴らしい友を持ったのでしょうか!!!!」

 

手を取り、私今、感動していますっ!!!!!!と喜びを全身で表現してる。

 

「いやいや、そのぐらいどーってこと無いって。」

 

「そーそー!!」

 

 

では、お言葉に甘えて。と少し照れながら話す。

 

「私の古い親友が、ファン感謝祭に来てくれると言うのです!!…古いと言っても幼少期の幼なじみですが。」

 

親友、という響きから伝わる感情。それは、クラスメイト達には感じたことの無い想いが詰まっていて。

 

「もう、それはそれは優秀な方でして、彼女が居なければ今の私は無かった!!と言い切っても良いでしょう!!」

 

胸を張り、誇らしげに。何より心からそう思っているのだろう。

 

「じゃあ尚更だよね?」

 

「そうだよいいんちょ!!その人との時間を大切にしなきゃ!!聞いた〜?みんな?」

 

その声に反応して、クラスメイトは次々に便乗する。

 

 

「な、なんと…本当に良いのでしょうか!?……ですが、これでは仕事をほっぽり出した不良ウマ娘になってしまうのでは……!?」

 

頭を抱えて、唸ってしまう。彼女らしさはあるが、彼女らしくはない。

 

 

「いいんちょらしくないぞ〜!!」

 

「学級委員長でしょ〜!!」

 

「バクシンが足りてないぞ〜!!」

 

周りから優しい野次が飛びかう。

 

 

 

「…皆さんにお願いがありますっ!!どうか、私の変わりにバクシンして頂けますか!? 」

 

 

「いいんちょの主命とあらば。」

 

「まかせろー!!」

 

「じゃあうちら学級委員長代理ってことだよね?」

 

「腕章つくっちゃおうか。人数分。」

 

「…いい事思いついた。」

 

 

「ですが!!当日まで私もしっかり役目を務めさせていただきますよ!!!!皆の模範として!!!!!!」

 

 

「話は聞かせて頂きました。バクシンオーさん。」

 

「バクシンオーさんにはいつも迷惑かけちゃってるから、ライスもお手伝いするよ……!!」

 

 

そこに現れたのはミホノブルボンとライスシャワーの2人だった。2人の腕には感謝祭の準備にて使ったであろう端材を沢山抱えていた。

 

「ーっ!!ブルボンさん、ライスさんまで……!!!!!!…くぅーっ!!!!私ッ!!幸せ者ですッ!!!!!!!!」

 

 

 

 

「…ステータス『バクシン』を確認。バクシン、バクシン。」

 

「ええっ!?ブルボンさん!?」

 

「ライスさんもバクシン、しましょう。」

 

「ば、バクシン!!バクシンバクシン!!」

 

 

2人に釣られて、段々とバクシンコールが広がっていく。暫くコールが続くとバクシンオーが身震いする。

 

 

「こうしてはいられません!!!!皆さん!!最高の感謝祭にするためにバクシンしましょう!!!!!!」

 

「私が居なくても、バクシンできるように!!!!!!いざ!!バクシィィィイイン!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

「…あっ、いいんちょ行っちゃった。」

 

「でも、元のバクシンオーに戻ったね。やっぱりバクシンしてもらわないと調子が狂うっちゃうよ。」

 

「すっかりバクシンに毒されてんじゃん。…ま、その気持ちわかるけど。」

 

 

───バクシンバクシーン!!

 

どどどどど、とけたたましい足音とバクシンという声がドップラー効果となって聞こえてくる。

 

───騒がしいぞバクシンオー!!!!

 

───ちょわああああ!?

 

 

「……エアグルーヴ先輩に怒られてる。」

 

「あははー…」

 

 

 

 

ファン感謝祭当日。

 

ギリギリまでバクシンオーは活動を続け、クラスメイトに時間を聞かれて飛び出してきたところだった。

 

「もうそろそろ、到着すると連絡は来ましたが……道に迷っていないでしょうか?……そもそも、無事に来ることができるのでしょうか…?」

 

ソワソワと落ち着きがない。……落ち着きがないのはいつもの事だが、それにしても落ち着きがない。

 

 

「き、きっと大丈夫だよバクシンオーさん!!」

 

「…距離から考えると到着予定まであと2分ほどです。何かあれば私も手伝います。」

 

頼もしい2人に改めて胸を打たれている。

 

「ふたりともありがとうございますっ!!…ここまでして貰うなんて、私─────」

 

「…?」

 

ふと、バクシンオーの背後に人影が居るのに、ライスシャワーとミホノブルボンは気が付く。

 

 

「バクちゃん!!」

 

「ちょわ!?」

 

「久しぶり!!」

 

ゆっくりと思考を巡らせて、理解するまで数秒。

 

「ローズさん!!!!!!!!」

 

きぃんと響く声に米食いてー顔で慣れた対応をする。きっと彼女は慣れてしまっているのだろう。

 

そんな彼女に構わずギュッと抱き着くバクシンオー。無邪気な笑顔で出迎えた。

 

「わーお変わらずいつも通り。……うん、元気そうで何より。」

 

 

「私の場所がよくわかりましたね?……校門付近としか伝えていないはずでは……!?ここは後者の入口ですよ……!?」

 

「いや、だって全然変わってないんだもん。すぐにわかったよ。」

 

「はいっ!!私は今も昔も変わらないサクラバクシンオーです!!…そういう貴方こそ……?」

 

少し考える素振りを見せたあと、ちょわ!!と声をあげる。

 

「足の方はもう大丈夫なんですか!?ま、松葉杖は!?車椅子は!?」

 

彼女の周りをぐるぐると回って身体を確認するバクシンオーに驚きながらも、どこか懐かしさを感じていた。

 

「ふふ、驚かせたくてずっと内緒にしてたんだよ!!」

 

彼女は軽くステップを踏んで、足の丈夫さを証明して見せた。

 

「びっくりした?」

 

「っ!!それはもちろんですっ!!ほんっっっっとうに良かったです!!!!!!!!!!!!」

 

さらに強く抱きしめていく。鍛えられているウマ娘の筋力は、流石に一般ウマ娘にも響くものがある。

 

「あばばばば強い、強いっててああああああ!!」

 

しかし、抱きしめられる彼女は満更でもないようで。幸せそうに振り回されていた。

 

 

 

その幸せは、周りにも振りまかれていて。

 

「…バクシンオーさん、すごく嬉しそう。」

 

「ステータス『ほっこり』を確認。私も嬉しくなってしまいました。」

 

「本当に大切な人なんだね。ライスもその気持ち、よくわかるから。」

 

「こっそり離れましょう。積もる話があるはずです。その間に私たちも準備しましょう。」

 

「うん、ライス、頑張って練習してきたから。ブルボンさんも頑張ろうね。おー!!」

 

 

 

 

 

「ライスさーん!!ブルボンさーん!!……おや?おふたりはどちらに…?貴方のことを紹介しようと思ったのですが……?」

 

目の上に手をかざして周辺を見渡す。

 

「多分、私たちをふたりっきりにしてくれたんだよ。後でお礼を言いに行こうね。」

 

「…おや?ライスさんとブルボンをご存知で?」

 

「そりゃテレビとかニュースとか逆に見たことない方が凄いぐらい有名だよ。…もちろんバクちゃんもね?地元の盛り上がり方凄いんだから。」

 

「母上から聞かされてはいましたが、改めて聞くと恥ずかしいですね…」

 

 

「あ、そうそう……はいこれお土産。」

 

「…っ!!これはもしや……!?」

 

「そう!!バクちゃんママの桜餅!!」

 

 

 

 

 

あの後、桜餅を1つ平らげたバクシンオーと共に外の売店をぐるりと回っていると、凛々しいウマ娘が生徒に指示を出しているのが見えた。

 

「…ふむ、わかった。……引き続き頼むぞ。それと、休憩は必ず取るようにな。大事な時期なのだろう?」

 

「はい、エアグルーヴ先輩!!ちゃんとさっき焼きそば食べてきました!!!!」

 

「ふふ、そうか。……ということはゴールドシップはまだ大人しいままだな?情報感謝する。」

 

「それでは、引き続き励んでまいります!!」

 

「無理はするなよ。」

 

かなり慕われているようで、話し相手のウマ娘は終始嬉しそうにしていた。

 

「おや!!エアグルーヴさん!!」

 

「…バクシンオーか。……ほう、隣の子が前の騒ぎの原因か?」

 

「先日は失礼しました!!こちらが私の親友、ローズリーフです!!」

 

「こんにちは。ウチのバクシンオーがご迷惑をおかけしたようで……」

 

「母上のような立ち振る舞い!?……いや、そもそも迷惑などかけている筈がございません!!なんて言ったって学級委員長ですよ!?そうですよねエアグルーヴさん!?」

 

身振り手振りで自分の無実を証明しようとするバクシンオー。

 

「…まぁ、なんだ。いつも助かっているとだけ言っておこう。やる時はやる学級委員長だからな。」

 

「!!」

 

「…喜ぶのは良いが、あまり羽目を外すなよ?もう一度説教してやっても良いのだぞ?」

 

耳がピコピコと忙しなく暴れているバクシンオーを優しい目で見つめるローズ。きっと彼女は遠い地でも変わらないバクシンオーに安心しているのだろう。

 

「さてバクシンオー。お前が業務を任せてまで付き添いたかったのだろう?お前の役目をしっかり果たすんだぞ?」

 

「勿論です!!クラスの皆にも背中を押されてしまった故に、私は学級委員長を皆におまかせしたのですから……!!」

 

胸を張って誇らしげに。それが私と言わんばかりだ。

 

「いつもの私は最高学級委員長で、今日の私はローズさんの最高の付き添いです!!……それでは、行きましょうかローズさん!!まずはどこに行きましょうか!?行きますよ……!!」

 

「…ちょっと、落ち着いてバクちゃん!?…エアグルーヴさん、失礼しました。バクちゃんのことよろしくお願いします。……えっとね、とりあえず…………」

 

 

 

エアグルーヴは数日前の事を思い出していた。

 

 

───エアグルーヴ先輩!!私たちからもお願いします!!

 

───いいんちょが委員長をほっぽり出してまで選んだ事なんです!!いいんちょの変わりは私たちが行います!!

 

「…ふっ、それが慕われているということだぞバクシンオー。借りはいつか返さないとな。」

 

「…だがな。」

 

 

 

 

「なぜクラス全員でバクシンオーの真似をしているのだ…!!」

 

どこにいても響き渡るバクシンという声に悩まされるエアグルーヴだった。

 

サクラバクシンオーのクラスの出し物は『委員長喫茶バクシン』。皆が皆サクラバクシンオーの勝負服を着て、委員長の役割をしっかり果たしていた。

 

…喧しい点も含めて。

 

「ステータス『疲労』を確認、エアグルーヴさん、少し休憩をとりましょう。バクシン的休息です。バクシン。」

 

「バクシン、バクシン……バクシンシーン……」

 

バクシンオーの勝負服を着たふたりはいつもより楽しげだった。

 

「ブルボン、ライス、お前たちもか……」

 

「一応、予備の衣装あるけど……エアグルーヴさんも着ますか…?」

 

 

「…私は着ないぞ!?……そんな期待した目で見るな!!」

 

 

 

 











後編はまた近々……うまくまとめれるかな……(震え声)

バクシンしてるブルボンとライス見たい…見たくない?
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