ロックマンX SOLID SNAKE   作:赤バンブル

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バスターとCQCの相性悪そうだな。


イレギュラーハンターX?

俺は、『ゼロ』。

 

イレギュラーハンター第17部隊精鋭部隊に所属しているレプリロイドで特A級ハンターとして活動している。

 

俺には一人の後輩・・・いや、戦友がいる。

 

名前は『エックス』。ランクは組織の中でも低めのB級だが戦闘スペックは他のA級や特A級ハンターと比べて低いわけではない。バスターの射撃並びに機動力も申し分ないし、共に活動しているから分かるが寧ろ潜在能力は俺よりも高いと考えている。

 

簡単に言ってしまえばイレギュラーハンターとしては「優しすぎる」と言ったところだ。アイツはどんなに凶悪なイレギュラーであろうと直接急所を狙うのではなく、可能な限り破壊しないように心掛けている。俺たちの間では暴走したイレギュラーは、優先的に「排除=破壊」することを求められている。それが役目だからな。だから、他のハンターたちからしてみればエックスは力はありながら敵を倒すことに躊躇する甘ちゃん、要は「腰抜け」とみなされている。尤も悪いわけではないんだけどな。

 

だが・・・・

 

 

「もう一度忠告するぞ、死にたくないなら投降しろ。」

 

「・・・・」

 

俺は、目の前のイレギュラーに向かって銃口を向けるエックスを見ながら違和感を感じざるを得なかった。

 

前回の負傷からアイツの何かが変わってしまったような気がする。イレギュラーに対して投降を呼びかけるほどの甘さは相変わらずのように感じられるが以前と違って相手に悟られないうちに背後へ回り込んで見たこともない体術を使って相手を無力化するようになった。武装もバスターから腰のホルスターに収納している銃へと切り替え、変形するまで無駄を省くようになった。今回の敵も侵入前に周囲の仲間を気絶させた後に抵抗するリーダー格の奴を例の体術で両腕の関節を外した上で呼びかけている。

 

「ひ、ひぃ・・・」

 

「いずれこうなることも分かっていたんだろう。俺以外のハンターだったら警告もなしに撃ち抜いていた。」

 

「ゆ、許してくれ~~!!」

 

ヘビに睨まれた蛙というべきか、リーダー格は半べそ化しながら動かない両手を上げて降伏の意思を見せる。今まで大勢のイレギュラーを相手にしてきたがこんな情けない姿を見せたのは初めてだ。後から駆け付けた応援に連行されて行く姿を見送りながら俺はそっとエックスに視線を向けた。その目は一切の迷いがなく、見届けると彼は、彼に肩に手を置いて呟く。

 

「ゼロ、後はよろしく頼む。」

 

そう言うとエックスは、ライドチェイサーに乗って現場を後にした。要は後始末を押し付けられたということだが問題はそこではない。

 

「よおっ、ゼロ。今日も大戦果だったな!!」

 

遅れて現場に駆け付けたペンギーゴがご苦労さんとばかりに声をかけてくる。コイツは、第13極地部隊のハンターで本来なら南極で活動しているはずなのだが今は上司であるシグマ隊長の招集でここしばらくこっちで活動している。

 

「いやはや流石だな、今回はイレギュラーの集団を一人で壊滅しちまうとは。シグマ隊長も鼻が高いな。」

 

「あ、あぁ・・・。」

 

現場を見ていなかったこともあるがペンギーゴは、俺の成果と勘違いする。

 

そう、俺とエックス・・・・と言うよりほぼエックス一人で行っているはずの作業が全て俺の手柄だと扱われてしまっているのだ。

 

最初のうちは本当はエックスがやったんだと言っていたのだが奴曰く『あの甘ちゃんがこんなことできるわけないだろう』とか『この場にいないんだからいつもの臆病風で逃げた』などの一言で信じてもらえず、周りのハンターたちも『ゼロが一人で解決した』と結論付けてしまっている。当のエックスも何も言わないどころか終わってからすぐ姿を晦ますため、この事態は現在進行形で継続している。

 

一体どうしたと言うんだ?

 

ケインのじーさんの治療を受けて以降、普段の態度こそは変えてはいないが俺からしてみれば別人になったかのようにしか見えない。

 

これが単なる思い違いならいいんだが・・・・。

 

今日の報告書も俺が書くことになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シティ・アーベル近郊に建てられているレプリロイド研究所。

 

任務の後始末をゼロに任せたスネークは、頭を下げる職員たちに軽く礼をしながら研究室の一つに立ち寄り、軽くノックした。

 

『どちら様?』

 

中から女性の声がする。人がいるのが分かるとスネークは口を開く。

 

「俺だ、エイリア。」

 

『エックス?』

 

「あぁ、頼んでいたものができたと聞いたから取りに来た。」

 

『ロックを解除したわ。中に入ってもいいわよ。』

 

「お邪魔させてもらう。」

 

スネークが部屋に入るとそこには研究資料や実験機器があちこちに山積みにされた部屋が広がっていた。部屋の奥では白衣を着た金髪とピンクのアーマーが特徴の女性型レプリロイドがPCを操作している姿が見える。

 

「相変わらず散らかっているな、ここは。」

 

「ここにいる人の部屋はみんなこんな感じよ。」

 

作業がひと段落着くとエイリアは、デスクから腰を上げて彼の方を見る。

 

「お茶でも飲む?」

 

「いや、別にいい。あまり席を外しているとゼロに文句言われそうだからな。っで、頼んでいた例のものは?」

 

彼女は、ロッカーを開けて黒いノーマルアーマーのパーツと下地用のスーツを机の上に出す。

 

「旧世紀に開発されたスニーキングスーツをあなたのアーマーに落とし込んで潜入任務・隠密行動に適したものにしてみたわ。呼び方的には『スニーキングアーマー』と言ったところかしら。」

 

「ほう。」

 

スネークは、早速パーツを手に取って装着してみる。

 

「重さは今着ているものとそう変わらないな。」

 

「確かにそうだけど耐弾性能は通常のアーマーよりも低下しているから敵の攻撃をまともに受けたらひとたまりもないわ。でも、これがあるからその心配はないと思うけど。」

 

エイリアは、ボディパーツの装甲を開いてボタン入力する。するとスネークの姿が一瞬にして消えた。

 

「『ステルス迷彩』か。」

 

「えぇ、100年以上前は赤外線センサーの常備で廃れてしまった技術なんだけど今は、探知されてしまう熱反応対策行えるようになったからよりカモフラージュ率が高くなっているの。貴方のところにいる特A級ハンターのカメリーオとかもこの技術を利用しているのよ。」

 

「奴は、レンジャー部隊きっての実力者だからな。実際に見たことがあるがあれだけ気配を消せるのは見事だった。あの性格でなければ部隊の隊長になれたんだろうな。」

 

スネークは、話を聞きながら煙草を取り出して一服し始める。

 

「ちょっと、ここ禁煙よ?」

 

「大丈夫だ、君しかいない。」

 

「はあ・・・でも、意外だったわ。ケイン氏からまさかの直々の頼みでどんな重大なことかと緊張していたけどこんなフランクな人の装備開発を任されるなんて。」

 

揚げ足を取られたことに呆れながらエイリアは、呟く。

 

事の発端は数週間前のケイン博士からの頼み事から始まる。レプリロイドの生みの親として知られている彼の指名に彼女は、何事かと緊張していたが本人に会うなりスネークのことを紹介され、自分に代わって彼に頼まれた装備品を開発してほしいとのことだった。本来ならケイン自身で行いたいのだがここ最近のイレギュラー事件の対応についての話し合いで手が付けられないため、以前学会であったエイリアに白羽の矢を立てたのだ。

 

「それはお互い様だ。いくら、存在がブラックボックスの塊とはいえ君と初めて会ったときは珍獣のように見られていたからな。人体実験されるかと思った。」

 

「私はそんなことはしないわよ。・・・けど、彼だったら羨ましがるでしょうね。」

 

「彼?」

 

「私の同僚。少し前に辞めたんだけど・・・貴方の存在に興味を持っていたのよ。周りからは変わり者とか危険分子としてよく思われなかったけど。」

 

「・・・そうか。」

 

スネークは、煙を吐きながらザンジバーランドで対峙したドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー博士のことを思い出す。

 

彼もまた科学者でロボット工学、パワード・ギア技術の基礎を築くなど人類の発展に貢献したがアウターヘブンから助けられた後に過激な思想が原因で『狂気な科学者』として学会から疎外され、世間から忘れされて行った。そんな社会へ憎悪を募らせたマッドナー博士は、当時ザンジバーランドで軍事国家を築き上げたBIGBOSSと手を組み、核搭載二足歩行戦車『メタルギア』の開発・改良に着手した。更にバイオテクノロジーの専門家であるキオ・マルフ博士を殺害、救出に来た自分にも襲い掛かってきたが軍人であるスネーク相手には分が悪く返り討ちにされて倒された。

 

(だが、マッドナーも人の親だった。ザンジバーランドで奇跡的に救出された彼は、学界から完全に身を引いた後に一人娘とも縁を切って罪を償い日々を送るようになった。オタコンが雷電の治療のために訪れた時も彼女にこっそり仕送りをしながら生活をしていたようだが・・・。)

 

「エックス、人の話聞いてる?ねえ?」

 

「ん?あぁ・・・すまない。もう一度頼む。」

 

ひょんなことから昔のことを思い出していたスネークは、エイリアの説明をもう一度聞き直すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ハンターベースに帰還したゼロはようやく始末書をまとめてシグマの元へと提出しに来ていた。

 

「シグマ隊長、これが今日のイレギュラー事件に関する報告書です。」

 

「うむ、ご苦労。」

 

デスクに座っているシグマは、報告書を受け取るとすぐに目を通し始める。黙々と仕事をこなす彼に対してゼロは、このまま今回の件も自分一人でやったことで済まされてしまうのではと思い、意を決して口を開く。

 

「隊長、ここ数週間の事件についてなのですが・・・・」

 

「うん?」

 

「実は・・・・俺ではなく、エックスが解決したんです。信じてもらえないかもしれませんが・・・」

 

「そのことについてか。」

 

「ご存じなのですか?」

 

「ここ最近、様子が変わったという報告があったのでな。」

 

「誰から?ペンギーゴを始めとするほとんどの者が変わっていないと思っているようですが。」

 

「VAVAからだ。」

 

「VAVAから!?」

 

想定外の名前にゼロは、思わず声を上げる。VAVAと言えば組織内でも問題児として扱われている存在でイレギュラーよりも被害を出し、しょっちゅう独房に放り込まれていることで有名だ。そんな彼から報告があるとは想像もしなかった。

 

「まさか・・・奴がそんな報告を。てっきり、相手にもしていないかと。」

 

「確かにVAVAは、我々と違って好戦的な上に執念深い一面があるが時に奴にしか見えないものがある。イレギュラーと紙一重ともいえるからこそエックスの異変に一早く気づいたのだろうな。」

 

「ジジイ・・・・じゃなくて、ケイン博士の修理に不手際があったのでは?」

 

ゼロは、真っ先にケイン博士の修理に問題があったのではと考える。実際、エックスが変わり始めたのはあの時期からだ。だが、生みの親であることを差し引いてシグマは首を横に振って否定する。

 

「いや、Dr.ケインがそんなミスをするはずがない。最初はある程度けじめをつけたと考えていたが・・・あそこまで戦い方が変わったとなるとそんな話で済むものではない。」

 

「まさか・・・・イレギュラー化の兆候?」

 

「可能性は否定できんが今のところは問題ないだろう。これまで確認された個体のほとんどはイレギュラー化してからすぐに破壊活動を開始していた。だが、エックスにはその行動が見られない。もうしばらく様子を見るとしよう。」

 

「・・・上層部へはなんと?」

 

「まだ黙認しておく。業務に支障がなければ向こうも文句を言わないからな。ゼロ、お前は引き続きエックスと行動するようにしてくれ。万が一、イレギュラー化したら・・・・分かっているな?」

 

シグマが言いたいこと。

 

それは『イレギュラー化したエックスの処分』であり、実質戦友を自らの手で撃つと言うことだ。

 

ゼロは、しばらく目を閉じながら無言になるが今のエックスの実力を考えると情けをかければ逆にやられかねない。

 

「はい、もしアイツがイレギュラー化するようなことになったら・・・俺がこの手で処分します。そうならないことを祈りますが。」

 

「私も同意見だ。一応、Dr.ケインにも修理の不手際が本当になかったかどうか私からももう一度確認しよう。この報告書に関してはお前単独ではなく、エックスのサポートがあったということを付け加えておくことにしよう。」

 

ゼロが退室したのを確認するとシグマは、報告書を机の脇に置いて机の中から古びた本を取り出す。

 

「博士の話によればエックスはこの本の存在について聞いたらしい。こんな古い書物のことを聞くとは・・・一体何の関係があるのか・・・・」

 

彼は、そう呟きながら本を読み始める。

 

本の表紙には『シャドーモセスの真実』と言うタイトルが付いていた。

 




マッドナー博士(メタルギアの開発者の一人)って死んだのか生きているのか微妙に分からない。
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