最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう   作:勝てなくても努力して勝つのが好き

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もしなんかココチガウデ!ってところあったら小声で教えてくれると嬉しいです......。

プロットは一応ありますが書いていくうちにガバも出ると思うので、読みたい人だけ読んでってください。


新兵
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 たしか2050年に製薬会社フェンリルが、なんでも捕喰し進化する性質を持つ【オラクル細胞】の集合体【アラガミ】を発見したらしい。

 その6年後、アラガミを討伐するために【神機】のプロトタイプが作られ【ゴッドイーター】が登用されだした。

 そこからなんやかんやあって2071年、原作開始ともいえるゲームのプレイアブル、主人公が新型神機に適合する。

 

 しかし、今はまだ2067年だ。原作が始まるのはだいぶ先になる。まずそこまで生きていられるかも怪しい世界ではあるが、そんなことを考えても仕方ないだろうし、何とか足掻くとしよう。

 

 さて、こんなことを口に出したら、文字通りの気狂いとしてアラガミ防壁の外に投げ出されそうなので、今まで誰かに喋ったことは無いが、私こと加納 (かのう)ニーナは転生者である。なんならTS転生者である。

 前世ではそこそこ真面目に生きていて、同棲していた彼女に振られてショックで夜道を歩いていたら、車に轢かれそうになった所までは覚えているので、恐らくそこで死んだんだろう。

 

 転生先が青ざめた血を求める(Bloodborne)世界や不死人として彷徨う(DARKSOULS)世界を始めとしたフロム世界じゃないのは嬉しいが、何年経っても死の危険が付きまとう(GODEATER)世界なのは正直クソだと思う。

 

 この世界はシナリオがどこまで進もうと、ナンバリングをいくつ進もうと、一般人がアラガミの脅威に晒される可能性が無くならないのだ。

 改めて思う、クソだ。

 

 しかし、こんなクソったれな世界ではあるが、いくつか恵まれたものもある。

 まず私自身の容姿だ。

 ニーナ、という名からわかる通り日本......じゃない、極東からみて外国人の血が半分入ってると分かる整った顔立ち。

 前世基準ではろくでもない生活なので杜撰な手入れにもかかわらず艶のある赤髪に色白な黄色肌。

 声も他人から聞いた感覚は知らないが、高音から低音まで綺麗に出せて地声はアルト位の心地いい声だと我ながら思う。

 

 次に私が前世でこのGOD EATERの世界を結構やり込んでいたということ。

 やっていたのはGOD EATER2までではあるが、大体の任務は

 ソロでアイテム使用無く無傷(パーフェクト判定)を実践出来ていた。

 この世界でアラガミがゲーム通りの挙動をするとは思わないが、身体の可動域がある以上一定レベルの参考にはなる筈だ。

 

 最後に、家族。

 私にニーナ()なんて名前を与えてくるくらいには、私のことを愛してくれた両親。

 そして、最愛の妹 加納 アリアの存在だ。

 前述した通り、私は今世の自身の容姿にかなり自信を持っている。

 水商売なんてする気はないが、最悪そうなってもかなりの額をこの世界でも稼げそうなレベルだ。

 だが、最愛の妹 アリアと比べたら、私なんて神が左手で適当に創作しました。なんて言われても納得してしまうだろう。

 

 可愛い。本当に可愛い妹なのだ。

 未だ3歳ながら将来の成功を約束された容姿をしている。

 クリクリの目にぷにぷにの頬、むにむにの手足なんて何時までだって触っていれる。

 神はアラガミとかいうクソったれな世界だが、天使は間違いなくアリアだろう。

 今は外部居住区でアリアと両親と私の4人で生活している。

 父と母が稼ぎに行って私が家事と育児をやっている。

 

 だが、最近はこんな世界で何を言ってるんだという話だが、不況のレベルが段違いなようだ。食卓に並ぶ品数は当然減り、量も減り、使える水の量も減る。マジでやばい。なんて言葉しか出てこないレベルでやばいのだ。

 原因は今いるフェンリル極東支部の付近でアラガミが大量発生しているらしく、ゴッドイーターの皆さんも頑張ってるが、それ以上に被害も多いらしい。

 

 そこで、フェンリル極東支部は大々的にゴッドイーターの配備を増やすことを宣言。外部居住区も内部居住区の者も関係なく適合検査に合格すればゴッドイーターになれるということらしく、また手当も仕事柄厚いとのこと。

 

 今の生活事情ではアリアの健やかな成長の妨げになってしまう。

 なによりゴッドイーターの手当の1つに、家族を比較的安全な内部よりに移すことも出来る権利があるらしい。

 その思いを込めて両親にフェンリルへの就職、もといゴッドイーターになる。と話をしたら「16の女が何を考えてるんだ!」「命懸けなんだよ!?」と猛反対されたが、アリアに対する愛を熱弁したら最後には泣きながら送り出してくれた。

 

 まぁ、適合検査に受かるかどうかは神のみぞ知ると言ったところであるけども。

 

 思い立ったが吉日ということで両親の説得を済ませた翌朝、フェンリル極東支部ゴッドイーターの拠点ことアナグラにゴッドイーターになるための申請、というか就職面接に来た。

 適合検査は、アルコールパッチテストのようなものと銘打ってはいるものの、実態を知っている身からすれば正直身震いモノだ。

 適合、できるだろうか。

 そんな不安が顔に出ていたのか、軽い面接と書く書類の受理をしてくれた担当の女性に、心配をかけてしまったのが少し申し訳ない。

 志望動機や書類に問題は見られなかったらしく、そのまま適合検査の部屋へと移された。

 

 ゲームで見たアレと同じだ。

 手首用のギロチンみたいな見た目をしている。服が脱ぎにくくなると思うので、予め腕周りがダボッとした服を着てきたのはやはり正解だったっぽい。

 

 機械的に、各種バイタルデータの正常を読み上げるエンジニアの声を聞いて、別の男性がスピーカーから私に右手をギロチン、もとい神機適合の為の腕輪を取り付ける台座に置くように指示する。

 

 あの主人公ですらもがき苦しむレベルで痛いらしいし、相当痛いんだろうなぁ。

 考えていても仕方ないので、溜息を1つついて覚悟を決めた。

 台座にある神機の持ち手を握った直後に上下から手首を挟まれた。

 痛みは思ったより無いけど圧迫感が強いかな? 

 なんて思ってたら、神機から伸びてきた黒い管が、腕輪に触れた途端に激痛がきた。

 

「っぐぎぎ」

 

 絶叫は何となくみっともないので食いしばって我慢したら、欠片も可愛くない呻きになってしまった。

 痛みのあまりに台座を蹴りつけると同時に、手首を挟んでいた台座が開く。

 勢い余って神機ごと引き抜けばそこにはゲームでも見た事のある初期装備ショートソードの【ナイフ】とバックラーである【対貫通バックラー】がくっついていた。年代的に分かっていたがやはり旧型らしい。

 年齢から配慮されたのか、軽めの装備なのがありがたい。肩で息をしながらそんなことを考えていると、スピーカーから先程の男性の声がした。

 

「適合おめでとう。身体になにか不調は無いかな?」

 

 言われて改めて自分の身体を見ておかしくなさそうと思い、スピーカー付属のカメラの方を見るために、意識を体の外へ向けた。

 

 すると、自身のいる適合検査場を囲う形である上層に31人の人間がモニターをチェックしてる様子が何故かわかった。

 

 はて? こんな描写はゲームでは無かった筈だが、五感の情報というより、何となくそこに居るなと分かる感じ第六感と言うにしてはあまりに確信的だ。もしかしたらスキルの【ユーバーセンス】なのか? 

 

「えっと、なんか目に見えてないところのことがわかるようになりました? そこに今31人位人居ますよね? なんでか分からないですけど分かります」

 

「っ! ......そうか。5分ほどその場で待ってくれるかな。そのような症状が現れた例は今まで余り居なくてね。君のメディカルチェックの担当者をそのまま其方に送るから」

 

 はぁ。と生返事で返すと、適合検査場外で慌ただしく人が動いてるのがわかる。

 にしても、なんか視界と脳内での情報が違うから気持ち悪い感じがすごい。端的に言って酔いそうだ。

 それにこんな凄い能力あると、副作用がとんでもなくなりそうで不安だ。

 暇だったので神機を軽く振り回して遊んでみて分かったが、身体が軽い。ショートブレードのモーション再現でもしてみようか、なんて考えていたら部屋に看護師さんと主治医っぽい人、それと狐目の胡散臭い人が入ってきた。

 あ、この人ペイラー榊博士では? 

 

「君がユーバーセンスの発現者かい? いやぁ、実に若いね。いいデータがとれそうだよ。まず聞きたいんだが君のユーバーセンスはどれくらいの事が分かるのかな? 範囲は? 状態は? ああ、名乗るのが遅れてしまったね。私はペイラー榊。極東支部技術開発統括責任者を任されている」

 

 す、すごい早口だ。ユーバーセンスやスキルの研究は時代的にまだ進んでないからだろうか。にしても近い。もう目と鼻の先だ。

 

「か、加納ニーナです。すいません、少し離れていただけると.....」

 

「ああ、年頃の子だったね! 実に失敬。好奇心が刺激されると前のめりになってしまう悪癖がまだ治らないんだ。許してくれると嬉しいな」

 

 はぁ。と生返事を返してるうちに看護師さんが押してきた簡易的なベッドに座らせられ、淡々と脈拍や血液のデータの採取が行われる。

 榊博士の質問にわかる範囲で答えれば、主治医っぽい人が端末になにかを打ちこむ。数分ほどそれの繰り返していると無性にお腹がへってきた。

 

「なるほど、生命体の位置と大凡の地形は分かる。生命体の状態については今は健常者しかいないから比較のしようがないか。範囲はこの閉所だから狭いのか、外に行けば広がるのかは不明だけれど、現状ざっと半径300m前後と言ったところだね、改めて聞くけどどこか不調は見られないかな?」

 

「さっきも言った酔いそうな事以外なら、その、恥ずかしい話なんですけどお腹が空いたくらいです」

 

 キラリと榊博士の眼鏡が光る。

 

「実に興味深い、今日はご飯は食べてきたかな?」

 

「はい。干し芋と麦粥をいつも通り食べてきました」

 

「普段から健啖家なのかな?」

 

「いや、人並み程度だと思います」

 

「なるほど」

 

 榊博士は主治医っぽい人から端末をひったくると、オラクル細胞の捕喰性質が云々と言いながら、去っていってしまった。

 ポカンとしてその後ろ姿を眺めていると主治医っぽい人にチョコレートを渡されながら謝られた。

 貴方が悪い訳では無いだろうに。あ、チョコ美味しい。今度アリアに買って行ってあげよう。

 

 曰く榊博士は時々【ああいう風に】なってしまうらしい。原作通りなのは良いが実際に振り回される人達の苦労が多少なりともわかった気がする。

 

 チョコを食べながら主治医っぽい人のメディカルチェックを受け終えると、異常は無い様なので、そのまま配属先の発表らしく上司の元に案内されることになった。

 

 ゲームでは衛生、偵察、強襲、防衛と様々な部隊があったけれど、現実ではどんな役割をしてるんだろうか?

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