最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう   作:勝てなくても努力して勝つのが好き

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なんでこんなに連続投稿できるかというと仕事が今週はクソ暇だったから業務中に書いてるから初投稿です。

てかGE小説全然なくないですか!?もっとみんな書いてよ~~!

あと感想評価ここ好きありがとうございます~!!

P.S.感想に対する返信を間違えましたので一部修正した方が居ます、予約投稿の弊害やね。
申しわけない。
あとあと!日刊ランキング200代だけど戻ってきた!ありがとう!承認欲求満たされまくりです!感謝!


2-11

 鳥人型中型アラガミ シユウ神族接触禁忌種・セクメト。

 確か旧時代のエジプト方面の神話の女神から名付けられたんだったか。通常シユウは青みがかった男体だが、セクメトは赤色の女体。頭部が金獅子を模している。

 第3部隊のMs.ジーナが頭部のみを結合崩壊した状態で戦闘を引き継いだが、想像以上に苛烈な攻勢だ。

 地に両手をついて放たれる全方位の円形に放たれる衝撃波。そこから前後左右の十字方向にまで衝撃が飛ぶ。

 

 腰溜めから放たれる巨大な炎球と小型の炎弾連射は全力疾走しなければ避けられないし、近接では遠間からセクメトの攻撃の起こりを潰す形でモルター弾を撃っても、通常種のシユウだったら怯む攻撃すら意に返さず拳翼を振るってくる。

 

 耐久面が段違いなのもあるが、一番戦ってて苦しいのはセクメトから発せられる熱によって起きている蜃気楼だ。これのせいで狙ったところ(弱点部位)にバレットが当たらない。大型アラガミ及び中型の堕天種以降から感じる生物的な圧迫感(プレッシャー)も狙いを狂わせる原因だろう。

 Ms.ジーナはよくコレを一人で相手し頭部の結合崩壊が叶うまで貫通バレットを当てれたものだ。正直なところ、絶対に口には出さないがとても怖い。生物としての格が違うと錯覚する、いや神機使いと言え人間なのだから文字通り格は違うか。

 ニーナくんやソーマ、雨宮兄弟を見ていると錯覚しそうになるが、アラガミとの闘いは命がけだ。回復錠を始めとした超常的な回復アイテムはあるけれど、そもそも当たり所が悪ければ神機使いは一撃で死んでしまう。

非常に危ない綱渡りを身体能力(フィジカル)とアラガミに対する知識、経験を積んだ末のカンコツで無理やり安定させる必要がある。

 

 安定のさせ方は3種類あると思っている。

1.ニーナくんのように綱を走り抜けることで落ちる前にわたり切る方法

2.ソーマのように綱の揺れを読んで堅実にわたり、落ちそうになっても綱が掴めるようにしておく方法

3.雨宮兄弟のようにそもそも綱を揺れさせないように綱自体を補強する方法

 

 ソーマのやり方は実戦では耐える時間と、一撃で仕留めるだけの火力を本人が出せないと不可能なので論外として、現実的なのは雨宮兄弟のやり方だろう。長年の経験をしっかりカンコツとして落とし込む必要があるため時間はかかるだろうけど、ボクの中で最も華麗に戦っている理想像は彼らだ。

 だが、現実問題としてボクは今強くなる必要がある。ニーナくんに置いて行かれないように懸命にこの2年間走ってきたつもりだし、ニーナくんからの期待を裏切っていない自負がある。自負があるが、なおニーナくんに追いつくには足りていない。ニーナ君がヘリで言った未知や初見への対応。それが出来てこそ真のゴッドイーターだろうエリック!教科書通りじゃエリナ(愛妹)心から胸が張れない!ソーマ(親友)の隣に並べない!ニーナくん(敬愛する隊長)を支えれない!

 

 そんな未知と初見の敵を相手にチマチマと安牌のモルターで削ってもしょうがないだろう。セクメトの体力よりボクの集中力が先に切れる可能性もあるし、今は良くても次はセクメトを倒すのにかけれる時間は5分もないかもしれない。

 先にニーナくんにも言われた通り、命は大事にかつ、敵の討伐速度向上。これはボクが今後やっていくにあたりマストだ。

 

機雷バレット(試作品)を試してみようか」

 

 モルター(爆発性)バレットでは当てれる回数から火力不足。放射バレットでは前が見えづらくなるから撃つのは危険。

 だからこその機雷バレットの採択。

 

 これは最近僕が開発したバレットで、射撃後自身の目の前に1つのエネルギー球が浮遊、追従し、アラガミに接触すると爆ぜる。

 ただそれだけだが、これなら近距離戦で当てたいところに直接当てれるし、なにより、至近距離で別のバレットを射撃すればその分も追加でぶち込める。これならセクメトの攻撃を見て回避する無駄な時間を攻撃準備に転用できるはずだ。

 

 ニーナくんの普段の交戦距離が近すぎて彼女と戦うときに使わないので、実際に彼女に見せるのは初めてだから後で講評を貰おう。

 

 氷結機雷を神機に装填、セクメトの炎を纏った滑空を地を這うように前転して躱し、機雷を射撃。

 振り向きながら氷結モルターを再装填。拳翼を合わせてこちら炎球を放って来るのを斜行で無視。

 攻撃の後隙の横合いから翼めがけて機雷をぶつける。着弾と同時にモルターも放ち、効果確認のために距離を取る。

 セクメトが苦悶の声を上げるのを見るに結合崩壊……まではいかないけれど効いてはいるらしい。イケるね。

 

「これが効くならセクメト()の底は知れた。あとは死ぬまでボクと華麗に踊ってくれたまえよ」

 

 その後約8分の激闘──というには些か一方的だが──の末にセクメトは沈黙。

 残っていた拳、両翼の結合崩壊も済ませたし、ボク自身には擦り傷位で大きなケガはない。中々大変だったけれど、初めて戦うアラガミ相手にしては完璧と言っても差し支えないんじゃないだろうか。

 

「ナ~イスじゃん! 流石エリック君! 私が育てただけはあるね!」

 

 息を整えていたボクに背後からとびかかってくる隊長。距離感が近くて非常にハラハラさせられる時も多いが、最近は慣れてきた気もする。

 幼い頃から受けてきた教育が無ければコロッと惚れていた可能性があるくらいには、彼女の距離感は危うい。仕事の区切りがしっかりしてるので戦闘中はなんでもないんだがね。

 

「おっと、ありがとうニーナくん。コアの捕喰を頼めるかい?」

 

 彼女は勿論! と軽いノリでボクの背中から飛び降りると、意気揚々とセクメトの残骸まで行き、手に持つ神機でコアを捕喰し抜き取った。

 

 特徴的な赤髪と、ボクに負けず劣らない端正な顔立ちが一瞬喜色に染まり、すぐに元のあどけない顔に戻る。

 この2年の間に多重人格を何度か疑ったが、周囲やペイラー博士の話を聞く限り、そういう兆候はないらしい。単純に神機との適合率が高い人間に起きる戦闘時の高揚の一種のようだ。──まぁカノンくんをみればニーナくんは幾分かマシに思えたが。──

 

「第3部隊の方はどうだい?」

 

「ついさっき終わったみたいだよ。シュン君が群れのコアの回収終わったら一緒に帰ることになると思うよ」

 

「じゃあ作戦は完了というわけだね。ボクの華麗な戦闘はどうだったかな」

 

「放射を使わなかったのは良かったね、モルターだけで様子見して、動きを見極めてから機雷バレット?を採用しだしたのも良し。

 私には関係ないから気にしたことなかったけど、蜃気楼で狙いがずれるから機雷の交戦距離まで近づく判断も最高だね。タイマンで戦う分にはほぼ文句ないよ! 

 

 今後の成長点としては、複数戦しないといけなくなる時が絶対に来るから、もう少し遠間からの攻撃の入れ込みが上手くなると、複数戦でも余裕が出てくると思うのと、攻撃を差し込めるのに逃した箇所が7回あったからそこを全部チャンスと捉えて見逃さないようにしよう! 

 

 総評85点の優ってところだね!」

 

「それならなによりだ。近接型のニーナくんに聞くのもおかしな話だが、ボクが機雷バレットは実戦で使うのを見るのは初めてだったと思うが、何か思ったことはあるかい?」

 

「エネルギー体が目の前に浮遊することの優位性は認めるけど、火力不足かな。若干OPの消費重くして一撃の火力高めた方がOPとダメージの交換効率上がると思うよ。エネルギー球の数を増やす方針が丸いんじゃないかな視界の確保的な意味で」

 

「なるほど、射撃コストに対するパフォーマンス面だね。有意な意見をありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 言われた内容を忘れないうちに腕輪の電子メモに簡易的に内容を記しておく。

 にしても彼女はこの年齢でここまでの知識をどうやって蓄えているんだろうか。最近開発中の新型神機……遠近切り替え型の神機の操作者にでもなる気なのか? ニーナくんなら不思議と使いこなせそうなのが怖いところだが、流石に新型はコアが大型種の神機でないと機能不足だからということで、既存の神機使いをコンバートするのは現段階では難しいという話だったはずだけど。

 

「にしても、毎度のことながら相変わらずの知識量だね。フェンリルでの経験はボクと1年しか違わないはずなのに、未だに出会った2年前の君に追いつけている気がしない」

 

「アハハ、そりゃまぁ、これでもフェンリル史上最速の出世をしてる女だからね。でも、エリック君も来週には軍曹かそれに近い階級に昇進してるとおもうよ? 

 

 ほら、接触禁忌種を一応単騎討伐してるし。ソーマ君に追いつけそうだね?」

 

 こちらの顔を下から覗くその顔は悪戯が成功したような無邪気さだった。これで既に階級が少尉なのだから末恐ろしい。アナグラの他の男性神機使いの面々からは彼女との仲を揶揄われたこともあるが、とてもじゃないが手を出せそうにない。

 

 ソーマの視線が鋭いのもあるが、なによりも彼女からは破滅の匂い、のようなものがする。

 手を出したが最後、底知れぬ闇に堕とされそうな妖しい色香がある。それもまた彼女の魅力だけれど、これでもボクはフォーゲルヴァイデの跡取りとしてアナグラに来る前に様々なことを学んできた。人を見る目もその一つだ。

 

 話せば話すほど、信用が出来る言動を繰り返し続けられる彼女はあまりにも完璧すぎる。信用も信頼もしているけれど、背中を預けてはいるけれど、お互いに腹の内を明かさない。

 そういう政治じみた関係性をこの2年続けている。今回のセクメトを任せてくれたのも、財閥の息子が神機使いとしてうつつを抜かしている、と捉えられかねないボクの立場を考慮してくれた結果の箔付けも込みなんだろう。

 

 他の支部ではヴァジュラ一匹単騎討伐すれば英雄だが、それが極東なら接触禁忌種を一人で倒せたらそれもまた十分英雄に近しい活躍だから。

 ありがたいと感じる。だがそれが誘導されたモノだとしたら? と理性が警告をしてくる。

 

 ファム・ファタール(魔性の女)を体現する彼女の下で、ボクは働き続けているわけだが

 

セクメト(彼女)に綺麗な華は咲かせてあげた? エリック」

 

 ぬるりと、思考の間隙を縫うようにいつの間にか背後に立っていたMs.ジーナに肩をつかまれる。

 本当に存在感を消すのが上手い女性だ。ニーナくんがニヤついているのをみるにボクの反応を見るために黙っていたな? 

 

「やぁMs.君から引き継いだのだから当然さ。ボクの華麗な活躍を見せれなかったのは少し残念だが……あまり脅かさないでくれよ貴女のように美しい女性からの声掛けは、心臓に悪いからね」

 

「あら、ごめんなさいね?でもホントは私がセクメト(彼女)に華を咲かせたかったんだけれど……カレルとシュンが心配だったからね。お礼を言わなきゃと思ったのよ、ありがとう」

 

「気にしないでくれ、ボクでなくニーナくんが倒していれば本来そちらも手伝えただろうからね」

 

「駄目よ。彼らの倒す分が必要以上に減ると拗ねちゃうから」

 

 彼女の言い分にそれはそうだと笑う。討伐報酬が減ることを嫌う守銭奴のカレル。目立ちたがりというか自分の範疇の物を獲られること酷く嫌うシュン。

 

 彼らの分の仕事を取ると後から救援に来たにもかかわらず文句を言われるのが容易く想像できる。

 ニーナくんがセクメト、ボクとMs.ジーナの両方で応援に向かうという判断を下さなかったのはこういうところもあるんだろう。

 

「Ms.ジーナがこちらに来てくれたということは向こうの作業も終わり掛けかな? 帰投ヘリに向かうとしようか」

 

「ええ、話が早いわね。帰投ポイントはこっちよ。ニーナもここにはもう用はないのよね?」

 

「……あ、ないですよ~! え~っとビデオも無事取れてたので大丈夫と。エリック君後でターミナルにグロくないシーンのデータ送るね!」

 

「ああ、ありがとう。よろしくお願いするよ」

 

 3人並んで帰投ポイントに向かえばカレルとシュンがすでに騒ぎながら待っていた。シュンは軽傷と聞いていたが、カレルとのバカ騒ぎを見る限りどうやら無事らしい。日ごろからセコイ戦い方をしてると聞くが、しぶとく生き残れるならアレも正解なんだろう。

 

「エリック君、シュン君の戦い方(アレ)は不正解だからね」

 

「毎度驚くんだが、なぜ女性は男の考えていることが分かるんだい?」

 

「ユーバーセンスかな」

 

「絶対違うのだけはボクでも分かるからね!?」

 

 極東支部の神機使いは全員個性的だが、ニーナくん以上の人はいないだろうな。現に今も僕の方なんて欠片も見ていないのにここまでのコミニュケーションがとれてるんだから、人間びっくり箱だろう。

 

「ところで、さっきから何を見てるんだい?」

 

「ん~?エイジス計画早く完了しないかなぁと思って視てただけだよ」

 

 気にしないで。そう言って笑う彼女はなぜか複雑そうな顔をしていた。

 

 




エリック君超強化。ここまでやれば流石にオウガテイルごときに殺されはしないやろ。知らんけど。
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