最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
原作主人公君はスラム(外部居住区)出身。ニーナと同じだね!
今回はそんな原作主人公神薙ユウ(ほぼオリキャラ)視点です。彼はこれくらい図太いという認識がある。
フェンリル極東支部 第1部隊こと討伐班。それが自分が配属された部隊だった。所謂花形、エリート部隊とも呼ばれてるらしい。
エリート部隊なんていうから、高慢ちきな人ばかりかと思ってたけど、
親父がゴッドイーターはクソどもの集まりだ! なんて言ってたから心配してたけど、意外と話がわかる人は多いし、第2部隊の防衛班の人と少し話しをした時は、本当に外部居住区含めてこの極東を守ろうとしてるのが感じられた。思った以上に良い人達が多い。全員じゃないのは、まあしょうがないことだろう。
いけない。連日任務に出てるからちょっとばかりホームシックになってるのかもしれない。確か今日は第1部隊の最後の人との顔合わせだったかな。
「ユウさん、おはようございます!」
「おはようございます、ヒバリさん! 今日はなんかソーマ? って人との任務らしいんですが、聞いてますか?」
「はい、聞いてますよ。
ですが、ソーマさんは先に別の任務をやってからの合流になるので、鉄塔の森の方へ向かってください。これからヘリで向かえばちょうどあちらの任務もかたがつくと思います」
「了解です! じゃあ行ってきますね!」
「お気を付けて!」
眩しい笑顔のヒバリさんの指示の元、ヘリに向かう。にしてもソーマって人は凄いんだな。何かわからないけど1個任務を終えてから自分への付き添いか。ありがたいやら、申し訳ないやらって感じだ。怒らせないように精一杯頑張らなきゃな。
鉄塔の森はアナグラからそこそこ近い位置にあるらしい。
ヘリで大体30分、操縦士の人と仲良く談笑……というか、自分から話しかけて相手をしてもらっていれば、あっという間に着いてしまった。
操縦士の人は元々軍属で、今はフェンリルでパイロットをしてるらしい。娘さんが狼谷学園っていう神機やらアラガミやらのことを専門に学ぶ学園に通ってて、そこそこ優秀な成績らしい。鼻が高いけど神機使いになるとか言い出したら心配で寝れないとかなんとか。命懸けの仕事だし心配するのはよく分かる。
自分も入隊を決意したのは
「じゃあ俺はここまでだ! 帰りは別のやつだろうからな、また会おう! 生きて帰れよ若いの!」
「ありがとうございます! またお話しましょう! 行ってきまーす!」
オペレーターに指定されたポイント目掛けて飛び降りれば、少し離れたところに2人の男性が立っているのが見える。どうやら話し込んでるらしい。
青いコートのフードを着た
話し込んでるというより、ブラスト使いの人が一方的に喋ってるようにも見える。
まずは挨拶だな。新人は挨拶が基本だ! って、ゲンさんやツバキさんも言ってたし!
「こんにちは! 第1部隊の新兵神薙ユウです! ソーマさんと今日は連携訓練の名目で派兵されました! どっちがソーマさんですか?」
「おお! 君が例の新人クンかい?」
「僕はエリック」
「『エリック・デア=フォーゲルヴァイデ』」
彼のこのセリフを聞いたことがある様な、明確な既視感。それと、どこかからナニカに見られている嫌な予感。
「『君もせいぜい僕を見習って、人類の為に華麗に戦ってくれたまえよ』」
「ッ! エリック、上だ!」
エリックさんの近くの鉄塔、その上からバスターブレード使いが言うと同時に飛びかかってくるナニカ。
反射的にその場を飛び退くことができたのは教官の訓練の賜物だ。
そして、エリックさんは飛びかかられたナニカ──小型アラガミのオウガテイルにその頭を喰われる……ことはなかった。
「気づいているよソーマ」
素早く地面に転がりながらオレを背に庇うように体制を整え、引き金を引く。ブラストから射出された弾、もとい玉は銃口の前に3つ浮遊し壁となり、オウガテイルが接触と同時に起爆した。
至近距離の爆発に咄嗟に腕で顔を庇い、土煙が晴れる頃には吹き飛んだオウガテイルにバスターブレードが叩き込まれていた。
「この様に華麗なる僕と、バスターブレード使いの彼ソーマの様に華麗な活躍をしてくれたまえよ。期待してるよ新人クン」
バチリとサングラスの奥でキザなウインクを決めたこの人を、恐らくオレは生涯忘れないだろう。
情けない事に口を開けて呆けていれば、バスターブレードのソーマさんがエリックさんの頭をぶん殴った。
鈍器みたいな音がしたけどゴッドイーターの身体って頑丈なんだなぁ。
「イッッッッタいなソーマ! 何をするんだい!」
「新入りの前で舐めたコトしてんじゃねぇ。ツバキとニーナに小言言われんのは御免だ」
「フッ……何を言うかと思えば、そもそもニーナ君からは彼女が戻るまで、僕と新人クンの接触はしないように言われてたからね! 任務の巡り合わせでこうなってしまったが故致し方ない事だが、怒られることは確定してるさ! 何でこれで怒られる必要があるかは僕には全くわからんが、ニーナ君が言うってことは何かしら理由があったハズだが、なにがなにやら」
「チッ……お前もそれ言われてたのかよ。
なんでか知らねぇがニーナの奴は俺にまでお前と新入りを会わせるなとか言ってたんだよ。だからさっさと帰投しろっつったんだろうが」
オレとエリックさんが会うとなんかまずいのか?
訳が分からず、3人で顔を見合わせるが、答えが出ないことを悟ったのか、エリックさんが手を叩いて空気を切り替えてくれた。
「まぁ起きてしまったことはしょうがない!
今から2度に分けて帰投するのもパイロットの負担だし、ココは僕が周辺警戒しておくから2人はさっさと任務を片付けてきたまえよ!」
「はぁ……そういうわけだ。新入り、俺が『ソーマ』だ。別に覚えなくていい。それと、早死したくなかったら俺にはあまり関わるな」
「同じ部隊で関わらないは厳しいですソーマさん!」
「チッ。そのさんってのやめろ気持ちわりぃ。ソーマでいい。さっさと行くぞ。ニーナのことだからな、どうせもうすぐ査問委員会から帰ってくる。アナグラに俺らが先に戻ってりゃなんも言われることも無い」
「ええ! その人査問委員会にかけられてるって何したんですか?」
「お前の使ってる新型神機の無断強化らしい。元々自分で使う気だったみたいだからな」
新型神機の開発者の1人ってわけか……確かにリンドウさんとか実戦を見てくれた人からは出力がすごいって言われたことがあるけど、そんな本部の人に怒られるほどの強化なんだろうか。
オウガテイル位なら、リンドウさんだって簡単に両断出来てたから大袈裟じゃないかな。
スタスタと進んで先に行ってしまうソーマさ……ソーマに置いて行かれないようについていけば、リンドウさん以上の身体能力でバスターブレードを振るってアラガミを殲滅していっている。今のオレじゃ近くで戦うのは危ないから、ソーマを狙う固定砲台──コクーンメイデン──をこちらもアサルトのバレットでハチの巣にしてやる。
こいつら相手なら捕喰して神機解放したっていい気がするけど、榊博士からはしばらく神機解放状態に移行するのは禁止って言われてたしな。確か安全上の都合だとか。適合率が高すぎると神機解放状態になったとき暴走したりする人もいるらしいから、今は通常状態で、慣れてきたら徐々に使ってみる方針のようだ。
「……ツバキの言う通り悪くはねぇ。あとは上手いことそのじゃじゃ馬神機を乗りこなすことだな」
あっという間に目標アラガミを殲滅すれば、ソーマもそう言ってくれる。
ぶっきらぼうってのはその通りだけど、意外と優しいのかもしれない。もしくはオレが結構やる感じかな? ……いけないツバキさんにこの調子乗り癖は怒られたばっかりなんだった。
「ありがとうございます! 頑張ります!」
「……敬語もいらねぇ。俺なんかにそんな態度とってると、グチグチ言う奴もいるからな」
「グチグチ……? じゃあため口でいいってこと?」
「言っとくが、仲よくしようっていうワケじゃねぇ。勘違いすんなよ」
「イマイチ難しいな……ソーマってツンデレなの?」
「殺すぞ」
「わわ! ごめんなさい! 早く戻ろう! エリックさんも待ってるし! ね!」
「チッ……クソ生意気な奴が入って来たな」
通信でオペレーターの人に任務達成を報告して、二人そろってエリックさんのいる帰投ポイントに向かう。
弄られ耐性は低めのソーマ、属性はツンデレイケメンか……。なるほどこれはリンドウさんが言う通りグイグイで行けば仲良くなれるかもしれないな。帰投ポイントには何故か正座したエリックさんと、背中まで伸びている綺麗な赤髪を一つにまとめたスタイルの良さが垣間見える女性。神機使いの中では珍しくフェンリル式制服を着てる。後姿だから顔までは分からないけど、つま先で地面をコンコン叩いてる辺り怒ってそうだ。あ、でも肩に乗ってる星の数的に尉官だな……。隊長クラスってことかな。右手にショートブレードを持ってるし、どこの人なんだろう。
「チッ戻ってくるのが早すぎるだろ。査問委員会ならもう半日は帰ってこねぇと思ったんだが……」
ソーマがそう呟いたってことは、この人がニーナさんか。
にしてもなんでこんなに怒ってるんだ。ソーマと揃って自然と息を殺して近づくと、ちょっと会話……というか説教の内容が漏れ聞こえる。
「……んで……しが怒……る? エリ……秀だから、出来るだけ失……さぁ。私の指示が今まで間違ってたり、従わなくていいことあったかなぁ? 今回のことも意味があって指示してるわけ。どうせ偵察任務ついでに大型討伐をしてたら思ったよりも連戦になったから、救援呼んでソーマ君が駆けつけて助かったけど、その後すぐ帰らずに雑談してたとかそんなんでしょ。かれこれ2年も同じ部隊で働いてるからよくわかるよ……なに? 会っちゃいけなかった理由? エリック君と今後ろで聞き耳を立てて私に話しかけていいタイミング、というか説教の終わるタイミングを見計らってるソーマ君が知る必要はないよ。ソーマ君と新兵。さっさと出ておいで。ああ、これ上位官から下士官への『命令』だから。とくに新兵君には怒ったりしないから早く来なさい」
何故悪かったのかを語らず怒ってくる女上司がいるブラック企業があるらしい。
怒られないと言われてる以上、というかオレは何も言われてなかった関係上、一秒でも早く首を垂れるのが正解……! 親父が言ってた、女の人が怒ってるときは素直に言うことを聞くものだ、理由を求めてはいけないって!
「ハイ! 神薙ユウ新兵。参上しました!」
「あっ、新入りテメェ!」
渋々出ていこうとするソーマの脇をダッシュで通り過ぎ、フェンリル式敬礼で止まる。ソーマが何やら言ってるが、エリックさんを含むこの三人の力関係はこのニーナさん? が一番上なのは明白。
エリックさんの隣、すなわちニーナさんの前に来て分かったけど、予想以上に若い。俺と5歳も変わらないんじゃないか? あとかなり可愛い系だ。アナグラの女性は顔採用してるのかというほどだけど、その中でもかなり顔がイイ。さぞモテるんだろうな。
オレの神機を含めてまじまじと全身を見られたかと思えばふわりと笑う。
「はじめまして、神薙ユウ君、捜索・回収班の第4部隊隊長の加納ニーナ少尉です。
他にも肩書があるんだけど、省略させてもらうね。早速で悪いんだけど、新型神機、調子はどうかな? 体調面での異常、神機可動での違和感、なんでもいいよ。あ、エリック君? 君はヘリが来るまで正座だから。悔い改めて?」
しれっと立ち上がろうとしていたエリックさんから声なき悲鳴が聞こえた気がしたが、努めて無視。ソーマも無視して辺りを警戒してるふりをしてる。
「特に異常はないです。身体能力の向上がすごいので、最初の訓練では少し振り回されましたけど……」
「ふぅん? 本当にそれくらいなのか、凄いねぇ。逸材だよ。ちょっと触るね」
帰投用ヘリが来るまで、オレは腕とかお腹とかをぺたぺた触られながらニーナさんの質問に答え続けた。
……なんかこの人距離近くない?
新型神機使いは?小説は読んでないからスマンがナシです
-
漫画版(加賀美リョウ)
-
原作ゲーム版(仮称神薙ユウ)
-
アニメ版(空木レンカ)