最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
普通に短い。
感想、評価、ここすき、誤字報告ありがとうございます!
アナグラのエントランスにて開かれたディアウス・ピターの緊急説明会。
誰がいつどこで遭遇してもおかしくないということで、現時点で判明していることを少ないながら共有するのを目的としている。
書類上だけだと、どうしても理解度に限界が出るから必要な措置だ。
「と言うわけで、マント状の発電機関の結合崩壊は電撃攻撃を凌ぐ為に必須に近いですが、結合崩壊後は刃状の翼、仮称刃翼が展開されそれまで以上の苛烈な攻撃が高速で行われます。
この速度についていけるのは、現状だとぶっちゃけ第1部隊と第4部隊位かな。と言うのがアナグラの神機使いのレベルの大体を知ってる私からの見解ですね。
あと、ついていけると言っても第1部隊のコウタ君、アリサちゃんはどちらかと言うと足手まとい側。ユウ君、サクヤさんがなんとか生き残れるレベル。ちゃんと討伐を目標として据えれるのは私とソーマ、後はギリギリでエリック君位です。
各位自身の神機の強化や訓練を怠らないでください。でないと敵討ちなんて夢のまた夢で、リンドウさんと同じ轍を踏むことになります。くれぐれも実力のない人間が勝手に捜索や遭遇戦闘をするなんてことは控えるように。
コレは尉官である偵察少尉の私から下士官に向けた絶対命令とします。
質疑あれば受け付けますが、何か聞きたいことがある人は?」
特に防衛班辺りの人情家達に釘をさしておく。
第1部隊の面々はなんだかんだ大丈夫だろう、強敵と戦うと言うのはどういうことか。それはアナグラで彼らが一番知ってることだ。
勝つためにやぶれかぶれは良くない、確実にアラガミを殺すためには逃げて隠れる。そういうことの重要性を彼らはリンドウさんからよく聞いてるからね。
質疑がないかと見渡せば、第2部隊隊長タツミさんが挙手をしてきた。
「ニーナ……お前の俺らを思ってくれてのこの説明会、まずはありがとな。病み上がりなのに悪かった。
重傷帰りのお前に聞くことじゃないが正直に教えてくれ、前提としてお前も任務の連戦明けにディアウス・ピターと戦ったんだろ? お前が万全の状態で、
「オイ、コイツを一人で戦わせるつもりか」
「いーよ、ソーマ。静かにしてて」
タツミさんの質問に、壁にもたれかかって話を聞いてたソーマが身を乗り出してくるのを制する。
ぶっちゃけタツミさんの質問は的外れじゃない。
「実際問題、大体の場合私一人で戦った方が強く、安全なのは事実です。私の
それと、ディアウス・ピターの単独討伐ですが、可能か不可能かを言えば可能ですが、流石に一人でやりきるなら、ある程度の『覚悟』はいりますね」
「……そうか、変な質問をして悪かった。俺たちは、ことディアウス・ピター戦では足手まといなんだな」
「言葉を選ばないならそうです。少なくとも今の実力では」
「わかった。誤魔化さずにいてくれてありがとな!」
言葉を噛み締める様にして、飲み込むとタツミさんは切り替えるようにニカッと笑った。
私から視線を逸らし、場にいる皆に目を向ける。
「よし、お前ら聞いたな!
現状の俺たちは足手まといだ! だから俺たちは他の所を、第1、第4部隊がディアウス・ピター戦に集中出来るように、これまで通りアナグラの防衛を全力でやる!
命懸けでリンドウさんの仇を討ってくれる、アイツらの帰る場所を俺たちで死ぬ気で守る! いいな!」
エントランスに集合したメンバーが一斉に返事を返す。空気が揺れた気がするな。にしても、リンドウさんが一番のカリスマかと思ってたけど、こうして見ると弱者の味方のタツミさんが眩しいかな。
こういう人にこそ自発的に方舟に乗ってほしいんだけど、弱者の味方をするのがゴッドイーターらしいから。選民なんて受け入れてくれないだろう、ヨハンさんもこういうところで危惧してたはずだし。やっぱりアーク計画の情報の出し方には工夫がいるね。
防衛班と偵察班の面々が、気持ちを新たに職務に取り組みに戻るのを眺めていれば、人混みの中から小さな天使ことアリアが飛び出してきた。
学校鞄を背負ってるあたり業後に飛んできたらしい。ちゃんと学校にはいってたなんて偉すぎるねぇ。この前見た通知表だと音楽と共用言語、技術家庭科が得意だったけど、歴史が苦手らしい。人の名前や過去の事件辺りが興味が無いから覚えづらいみたい。
以前は神機整備士になると言ってたけど、最近はもっぱら音楽にドハマりしているみたいで、将来は歌手かもしれないね。ああでも、最近はリッカちゃんに預けることが多いからかそっち方面の知識も豊富なんだよなぁ。
なんて考えて入れば、アリアはこともあろうか腕を広げた私目掛けて、肩を入れたタックルをしてきた。
……ショルダープレス何てどこで覚えてきたのかな。
「ねぇねのバカ! 心配した! 危ないコトはしちゃやーだ!」
「心配かけてごめんねアリア〜! でもでも、お姉ちゃんは最強無敵だから大丈夫だよ!」
飛びついてくるアリアを抱きしめながら、折れていた腕で力こぶを作ってみせる。傷跡や内出血の痕跡もなく綺麗に直っている。相変わらずアリアの次に綺麗な身体だな? むんむん。
「そーじゃないもん! 怪我したって聞いたもん!」
「えー! そんな大怪我じゃなかったのに! そんな大嘘誰に聞いたの?」
「エリック君! アリアがねぇねは? って聞いたら怪我して入院したって! 無茶な仕事をしすぎだって怒ってた!」
チッ、余計なこと言いやがってあのクソボンボンが。アリアを泣かせるなんて最低だぞ。今度仕事で忙殺してやる。エリナちゃんに1週間くらい会えなくしてなるぞ……!
いけない。今はアリアに向き合わなきゃね。
「エリック君が大袈裟なだけだよアリア。
ちょっと出張してたから疲れてたから病院で検査受けてただけだよ〜?」
「ウソだもん! そうやってねぇねが言ったらウソだって言ってたもん!」
「なんで私の言うこと分かってんの!?」
「言い訳むよー! そこになおりなさい!」
え、いやほんとに。なぜ私の完璧な言い訳を先読みできるのだ……。エリック・デア=フォーゲルヴァイデ、恐ろしい男だね。
懇々とアリアからのありがたいお叱りを受け続け、私はいつの間にか正座で怒られていた。
すごい、狼谷学園で習ったであろう知識を総動員して怒ってきている。コレが天使の成長か……。可愛いなぁ。
ああ、はい、反省してます。スミマセンデシタ……。
アリア? 床に正座はいいんですけど、エントランスでやるのは恥ずかしいっていうか……。床が固いし自室の方でやっていただきたいっていうか……。おいソーマ、エリック君、ユウ君はカメラを私に向けてる場合か? これでも君たちを助けた回数の数はしれないんだが?
「いやぁ、ニーナ先輩も人間なんですねぇ」
「アリア君にとりわけ弱いからね。人前で怒られるのはレアだけれど」
「ハッ、馬鹿にはいい薬だろ」
このガキ共が舐めやがってよぉ……私より弱いくせにぃ……!
「ねぇね! 聞いてるの!?」
「はい聞いてます! ゴメンナサイ!」
「今日は私と一緒にご飯食べて一緒に寝ること! 絶対にお仕事しちゃダメだからね!」
「はい! ありがたき幸せです!」
アリアに頬をぐにぐにされながらと怒られる。
もう直こういうこともなくなるやもしれないと思うと、涙がちょちょ切れそうになるけど、今のうちにこの子との触れ合いを楽しんでおこう。
スケジュールはパツパツだけど、1日くらいなら大丈夫だろう。
「エリック君、私のことよく理解してくれてるみたいだから、プリティヴィ・マータの大量討伐に伴うオラクル細胞の霧散によるアラガミ大量発生の予測報告の方支部長に出しといてね!」
「え」
「過去事例は執務室の右通路側の棚に入ってるから参考にしといて。これからしばらく家に帰れないと思ってね!」
「ちょっと」
「私のアリアを変に心配させた罰です! 分からないことがあれば明日対応しますけど、ソーマや榊博士に泣きついてもいいよ! じゃ、私は今日は帰るので、お疲れ様!」
ユウ君がいの一番にコウタ君と肩を組んで走って逃げた。ソーマも肩を叩いて黙って帰る。
取り残されたエリック君は、肩を竦めながら私の執務室に向かった。割と理不尽言った気がするけど文句も言わないのは流石だな……。
私はアリアを抱きあげて私室に帰る。
約1週間ぶりにあったからか、首元にめいっぱい力強く抱き着いてくる。視界が完全にふさがってるが、幸いにもユーバーセンスがあるので困らない。可愛い腕をふるふると振るわせながらも抱きしめてくれるのだから、随分と心配をかけたらしい。さっきは怒ってたけど、本当に優しい子だね。
「アリア、今日は寝るとき物語を聞かせてあげよっか」
「やった! 最近全然一緒に居てくれないもんね」
「ごめんねぇ。今日のはアラガミがいない世界のお話だよ。楽しみにしてて」
エンディングに影響はないですが調査です。この物語の最後の予想は?
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アーク計画成功。
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アーク計画失敗。