最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
感応現象ってなんなの!?便利すぎてコワイよぉ!
感応現象についてのおさらいをしよう。
GE無印~BURST世界における感応現象とは、オラクル細胞の相互的干渉によって発生する瞬間的かつ膨大な細胞間の記録交換現象だ。
これがGE2の世界まで進めば強力な偏食場パルスによって周囲のオラクル細胞に干渉して何らかの効果を与えるモノだ。語弊を恐れずに言うなら、こっちはシンプルにバフデバフが出来るようになったもんだと思ってもらいたい。
この2種の感応現象の違いとは、発信側あるいは受信側の干渉能力がトントンなのが無印~BURST世界で、どちらかの能力が超強化された結果発信側あるいは受信側の強度に問わず感応現象が起こせるようになったのがGE2の感応現象だ。と私は予想している。実際この目で感応種に喚起や直覚、鼓舞に統制、誘因や対話といった血の力を見ていないのでほとんど勘だけど。
さて、前置きは置いておいて、なぜ私とユウ君の間に感応現象が発生したのか。それは旧型が本来持たない発信能力を私のユーバーセンスが悪さをしたのか、はたまた最近やけにうるさい私の神機君の影響かもしれないね。
と、ここまで思考したのはおそらく現実世界で0.1秒以下だろう。
ユウ君のアリサちゃん曰く温かい感情とやらを感じながらそんなことを考えた。ユウ君の中身を覗くメリットよりも、私の中身を覗くデメリットの方がデカすぎる。そう考えて急いでユーバーセンスを意識的に弱める。
ON/OFFは出来なくても強弱はあるからね。
すればあら不思議、ユウ君の日頃から備わっている善性が離れる。次に肉体が動くようになったのを自覚する。ユウ君を引き戻すため抱き寄せれば、ユウ君の動揺は私に抱き寄せられたことによるものと周囲は判断してくれるだろうね。
敵意は周りにはない。精々アリサちゃん位かな。アリユウ派閥だった私としては順調にユウ君が人たらしをしているようでなによりだ。その調子で次の地球でもイチャラブしてほしいね。
ソーマとじゃれ合いに乗って、ツバキさんに一喝され彼らは走っていく。
対象アラガミを今日聞かされてないと思うけど、後から教えてあげるか。
「で、さっきのはなんの真似だニーナ」
「ただの忠告ですよ。ツバキさん。今日の任務後、支部長と会うでしょうから”失礼”の無いようにねって」
ソーマに引っ張られた頬を痛そうにさすりながら、不貞腐れてそう言って見せれば、ツバキさんは大きなため息をつく。
「はぁ……であるのならもう少し忠告の仕方を考えろ往来の場だ」
おお、上乳とか言われてた人にそういう関連で注意されることあるんだ。今までこういう感じのことで注意されたことなかったから流石歩く破廉恥だなとか思ってたのにな……。この人とサクヤさんとアリサちゃんに破廉恥とか痴女とかそういう系統の注意くらうの無駄に悔しいな。
「……はーい」
「まったく、欠片も反省して無さそうな声と顔をやめんか。貴様らには今日のアイツらの動き方について実際の現場目線での寸評をしてもらう。連携、個の力、なんでもいいから改善点を出せ。ソーマはアイツらとの合わせ方について見て考えていろ」
「採点する必要があるのかい?彼らは彼らなりに華麗に戦えるはずだろう?」
「エリック君の言う通りですね。いります?それ。私は新型神機の報告レポート出さないとなのでついでだからいいですけど、他二人はむだじゃないですか?他のアラガミでも狩ってもらった方がいいと思いますけど」
「榊博士の指示でな。なんでもアラガミの出現と消失のコントロール実験らしい。それと、個の強さに頼るのではなく隊としての強さが必要になると考えている。これ以上アイツと同じ轍を踏む気はない」
「……最もですね。じゃあ私じゃなくてエリック君の意見をベースで作った方が良さげですね。私だと求めるラインが高くなりすぎる傾向にあるらしいですから」
ツバキさんの言に肩をすくめてエリック君に仕事を押し付ければ、苦笑いしながらエリック君は了承した。
「まぁニーナ君は他人を見ていても考慮しないしね、承った。華麗な草案を出してみようじゃないか。ソーマも、思ったことはガンガン教えてくれたまえ」
「ああ、わかった」
ソーマが元気よくお返事してくれたところで、私たちもヘリポートへと向かう。
エリック君が通信でユウ君たちのチームに今回の目標を共有している。
サリエルとボルグカムランでMAPは贖罪の街か。まあ楽勝だね。
コウタ君一人でも時間さえかければ勝てそうじゃん?
とはいえ、新型神機の稼働について報告しないといけないから、ユウ君にも戦ってもらわないといけないんだけど、話に聞くところによるとどうやらあれらしいね。なんでも出力が高いとかなんとか聞いたけど、実際の映像とか見たことないから分かんないんだよな。
まあ見てからのお楽しみってやつか。
そんなことを思ってた時期が私にもありました。
「アレ、反則じゃない?なんで切断に強いボルグカムランの盾を数回切ったら結合崩壊させてるの?彼ロングブレードだよね?バスターじゃないよね?」
私が頬を引き攣らせながらそう言えば、エリック君が肩をすくめて、ソーマは見飽きたみたいな顔をしていた。
「身体能力はソーマのが上だと思うけど、あそこまで華麗な切れ味が出てるのは極東式新型神機をニーナ君がこれでもかと接触禁忌種のコアやら素材やらを詰め込んだからだとみんな思ってたけど、ニーナ君をもってして予想外なのかい?」
「まぁ私が使う予定だったからね。コンバート用の実験が臨床許可下りなかったせいで私じゃなくて彼の手に渡ったけど……いやぁ適合率が奇蹟的に高いとは書類上では聞いてたけど、ここまでとは思わなかったな。私が喧嘩したらソーマより手強いかもなぁ」
「まぁニーナほど目がいい訳じゃないらしいからな、ほどほどに被弾も多い。遠距離攻撃に戸惑いはねぇみたいだが、性にあってないんだろ」
「ふぅん?」
邪魔にならない様に遠目から観察してるけど、これ不味いかもなぁ。一番やばいのはソーマかと思ってたけど、影が薄かったとはいえ流石は原作主人公って言ったところか。
欲を出して私用の新型神機を作ろうとしてたら適合者が他で出たと聞かされた時は驚いたものだけど、ここまであのオーバーパワー神機を使いこなしてくるとなると話が変わってきた。絆すべきだったのはソーマじゃなくて彼だったか。ああいや、まあ、後悔してるわけじゃないけど。感応現象で少し見た感情、というか個の強さ的に絆されてくれないだろうし。彼、人間味が薄いよねぇ。我儘とかいうことあるのかな。
聞くところによると非番の日も誰かしらの何かしらをお手伝いしてるらしいし……。趣味が人助けの正義の味方となると、私との印象勝負にも負けない可能性だってあるし、なんなら最近人助けする回数が減ってる私が不利かもなぁ。
「自分より優秀かもしれない子ってムカつくなぁ」
「フッ、ニーナ君ともあろう人が嫉妬かな?」
「うん。本当に、もう一個新型作ってあげるから、あの神機だけでも返してほしいと思うくらいには妬ましいよ。アレを本当は私が使えてたと思うとなおさらね。……後の祭りだから切り替えないといけないけどね。彼、良い子らしいから」
素直に認めれば後ろの二人が顔を見合わせた。
まぁ確かに私って基本ができた人間で自信満々で傲岸不遜な振る舞いをしてるわけだから、意外に思う気持ちはわかるけどね。
第1部隊の戦いを見れば、ボルグカムランは既に沈黙して、残すはサリエルとなっていた。ボルグカムランから捕喰して手に入れたアラガミバレットを、サクヤさんとコウタ君に渡して全員が神機解放。後は全員でハチの巣にすればサリエルも危なげなく処理完了か。バレットの威力はユウ君もアリサちゃんも神機のパーツ性能くらいの差しかないのか。ああ、でも弾持ちがいいな……つまるところオラクルポイントの総量が多いか回復量が大きいのか。
新型を今後の戦場のベースにするなら捕喰の簡易化……クイック捕喰の基本化は急務だね。あれ神機の調教をしないと意外と現実ではやりにくいし。これからは全員でアラガミバレットを渡しまわして、神機開放状態を維持するのがマストになりそうだ。だとしてもユウ君は外れ値だけど。
……ユウ君、本当に邪魔だなぁ。大人しく箱舟に乗ってくれないかな。両手足の骨折っとけば抵抗できないかな。ああでも回復錠の類で治されたり誰かに助けられるかもしれないし、そうなったら完全に伏兵になってよくないや。
まぁ、いざ当日に私の前に立つってなったら
「おい」
ソーマにべしっと後ろから頭を叩かれた。
「……今回に関しては叩かれる理由がないと思うんですけどー?」
「じゃあ試しに今何考えてたか言ってみろ」
「……今後の新型をどうしようかなってことだよ。みんなの為のことだもん。怒られる謂れはありませんよーっだ」
振り向いてベーっと舌を出せば、納得の言ってなさそうな怪訝な顔をされた。
これでも未来の人類のことまでついでに考えてあげてるっていうのに、本当にひどい話だよね。まぁ今に目が向いてないのがみんな気に喰わないんだろうけど。
「そういうことにしといてやるが……なんかするなら事後承諾じゃなくて、俺らに事前に相談しろ」
「フフフ、ソーマも随分素直になったものだね。ニーナ君、ソーマの言う通りだよ。僕たちはみんな華麗に君の力になりたいと思っているんだ。1人で抱える必要はないんだからね」
「……はいはい、2人ともイケメンだね。頼りにしてるよ。差し当たって【新型神機使いの性能から考えられる戦場におけるアラガミ討伐ドクトリンの最適化】は任せたから」
エリック君、最近仕事を詰め込んでるんだけどやけに余裕そうなんだよな。やっぱり私と頭の出来が違うのかもしれない。ソーマと一緒に考えてる時も多いし、榊博士を上手に頼るのも上手いみたいだし……もしかして彼も榊博士側か?
ソーマが聞かされてる以上、エリック君を取りこんでいたって違和感はない。最近は私が単独行動が多いせいで彼の自由時間は多めの筈。
「……ソーマ、一個教えてほしいんだけど」
「珍しいな、どうした」
「この前のデートで話してたこと、榊博士からエリック君と一緒に聞いたの?」
「そうだ」
「ふぅん、どうせどっかのタイミングで情報共有はしてるでしょ?エリック君、他に何か知ってることは?」
「残念なことになんにもないよ」
「2人はさ、榊博士に声をかけられたのかな?それとも、声を掛けたのかな?」
「俺はかけられたな」
「僕もだとも。といっても、今後起きるだろう合同の捕獲作戦にあたっての事前知識の入力みたいなものだったけどね」
「そっかぁ……まあ、捕獲作戦の時はよろしくね。あんな化け物の言葉に耳を傾けないようにするんだよ?」
ソーマはこの際どうでもいい。エリック君のことだけ見てそう聞いたが、声も、所作も、サングラスの奥の目まで動揺はない。
パパの教育の賜物か、はたまた本当なのか、判断に困るところだね。エリナちゃんがいる以上、馬鹿みたいなノブレス・オブリージュなんて捨てさせる気だけれど、彼みたいに優秀に育った人材が敵側に回るとしたら話が変わってくる可能性がある。
私もまた特異点を捕まえたあとくらいまでには、彼のことを見定めなきゃね。
一人称小説なのであくまで目立たないキャラが多く居ますが、こいつの視点みたいかも!とかありますか?気が向けばそのキャラ視点で一話進行させます
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藤木コウタ
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雨宮ツバキ
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橘サクヤ
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アリサ・イリーニチナ・アミエーラ
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楠リッカ
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竹田ヒバリ
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大森タツミ
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台場カノン
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加納アリア