最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
息抜きのアリア発表会です
なおいくら天才と言えどこんな発表会が行われるのはニーナのコネがあるからな模様。
めちゃくちゃオリジナル設定の説明会&読まなくてもいい奴なのであとがきに簡単に言うとこう!を書いておきます。
フェンリル極東支部 神機保管庫 第4整備室っていう大きなお部屋に私はツバキさんに手を引かれて来た。
中にはリッカちゃんや、榊おじさん、ヨハネスおじさんとか他にもいろんな整備の人がいたり狼谷学園の上級生までいたりした。今日は私の最近まとめたモノの発表会らしい。
ツバキさんが時計で時間を確認したら、一歩前に出てよく通るキレイな声で説明を始めてくれた。
「時間になったな。これより極東狼谷学園 小等部 加納アリア女生徒の提出論文である【神機駆動コア 正式名称アーティフィシャルCNSの駆動波形の法則】の検証を始める。
まずは加納女生徒、本論文の概略を改めて説明してくれ」
概略、簡単にまとめるとっていう説明だったっけ。
人前で発表するのはやっぱりちょっと緊張だ。ねぇねもいてくれたらよかったけど、
なんだか榊おじさんがまたねぇねをこきつかってるみたいだからしょうがない。
ねぇねが納得してるみたいだったからいいけど、私がもうちょっと大きくなったら榊おじさんの上司になってこきつかってやるもんね! ……と、いけないいけない。まずはこの発表会をうまく終えなきゃ。
「……加納アリアです! 今日はお時間いただきありがとうございます!
早速の説明ですが、あーてぃふぃしゃるCNS……言いにくいので駆動コアって言いますね!
神機の駆動コアは駆動波形、人間で例えれば心電図や呼吸の癖みたいなものですけど、神機ごとに違うのが基本です。
それは駆動コアの素材であるアラガミのコアがオウガテイル、ザイゴート、コンゴウ、ヴァジュラ等ばらばらであれば当然違ってくるし、同じオウガテイル同士でも完璧に同じ駆動波形をもつ駆動コアは本来存在しないからです。
ですが、先日から極東支部で活躍している新型の神薙ユウさんとお姉t……第4部隊長加納ニーナさんの神機の駆動波形の一致率が98%を超えたというデータが整備班長楠リッカさんから上がってきました。
これに対する調査の方を様々な観点から進めた結果、
時が少し遡りまして、加納ニーナさんが第4部隊隊長になって暫くして以降、神機の生産量が爆発的に上がっていることがわかりました。
これは当時のアラガミの増加を背景とした神機使いの増加によるものが大きい理由ですが、神機の生産量を上げるにあたって危険性を顧み無くなったり、コストを下げた記録は見当たらず、ただ、一つ当たりの神機の生産時間が下がったことが分かりました。
この要因はなにか、当時の神機開発部の方々に話を聞いた際に、皆一様に、神機のコアの安定性があがった、アラガミのコアが比較的大人しくなった。等といった声が上がりました。
当時、これらの声はアラガミの知性の向上攻撃や捕喰の行動の最適化による野生の減退が関係しているというのが有力視されていました。
ですが2か月前にアラガミ生態調査課長加納ニーナさんの発表論文にありましたとおり、アラガミのコアはアラガミとして動いてるうちは安定していないようです。こちらの詳細は私の出した資料の参照元に挙げられていますのでそちらを見てください。
ではその他で変化した点は何か。
それは神機使い達のアラガミの結合崩壊達成率の上昇と、神機整備の際に施されていたコア回収用のスペースのアップグレードになります。
第4部隊長加納ニーナさんの近接神機使い用教習映像及び、各種アラガミの討伐手順のマニュアル化はこれらに大きく寄与し、より弱らせ、神機使い──人類とアラガミとの上下関係を叩きこむことに成功していると予測しました。
それの証明検証がこちらです。リッカちゃん、用意の方お願いできる?」
「了解加納博士! ちょっとまっててね」
事前にエリック君経由で頼んで用意してもらった素材コアをリッカちゃんに整備用机に出してもらう。
長々と説明していたので用意してもらってる間にお水を一口飲む。
思った以上にみんな優しい雰囲気で聞いてくれるので助かるなぁ。ねぇねの話だとフェンリルの事技職は嫌な人結構いるって話だったのに。
そんなことを考えていればあっという間に整備用机上にリッカちゃんが三つのアラガミのコアを並べてモニターにそれぞれの波形の観測値を出してくれた。
「お待たせ! 準備できたよ。
右側のコアと真ん中のコアはソーマがボルグカムランを全結合崩壊を済ませた後討伐して、約14時間神機に格納し続けたコアで、左側のコアはニーナちゃんが倒した盾のみを結合崩壊させずに討伐し、約2時間だけ神機に格納したコアだね。モニターに三つのコアの波形だしてるよ」
現状の波形からすでにソーマさんが倒した方が類似率84%、ねぇねが倒した方は他二つと比べて類似率が25パーセントしかない。同じボルグカムラン神族のコアなのにだ。
「ありがとうリッカちゃん。
見てもらった通り、第一段階として、まだ駆動コアになる前からすでに類似値が高い者が出てるっていうのが分かると思います。じゃあリッカちゃん、それを駆動コアに加工してくれる?」
「任せて! じゃあ皆さん防護壁降ろすのでちょっと下がってね!」
警告音と共にシャッターがゆっくり降りてきて、壁に掛けられた大きいモニターに中の様子が映される。
『映ってるかな~?』
映像と音声確認がてら手を振ってくるリッカちゃんに、職員さんが問題ないっていう旨を伝えてる。
アラガミのコアが駆動コアに加工されるまでの手順は大きく分けて3つ。
①コアの非活性化
これは偏食因子漬けにするとコアが大人しくなって加工しやすくなるみたい。
今回は既に非活性化済のモノを用意してもらってるからこの工程がない。
②コアに対する偏食の付与
これはコアの偏食を人類が扱いやすい神機となるように矯正する工程らしい。
③偏食を矯正したコアをアーティフィシャルCNSとして運用するために変形機構のベースパーツの組付
この工程で神機のベースは完成して、後は各刀身、銃身、盾、捕喰機構とかにイイ感じに統制すれば神機の出来上がりらしい。
①の非活性化工程が時間がかかるだけで、残りの工程は基本的に自動化されてるみたいだからものの30分とかで3つの神機駆動コアが全部出来上がる。
さっきまではアラガミのコアとして動いてたから84%の類似しかなかったけど、神機のコアとしての波形を再度見ると面白いことが分かる。
『駆動コアへの加工は出来たよ!
3つのコアの波形と、コアの元となったアラガミを狩ってきた神機使いの神機の駆動コアの波形も出すね!』
リッカちゃんが壁に設置されたタブレットをカタカタと動かして、表示される波形は全数5個、だけど波形の種類は4つだけだ。
1つめはねぇねの神機のデータ。
2つめはねぇねが狩ってきた、結合崩壊可能箇所を残した状態で倒されたボルグカムランから出来たコアのデータ。
3つめはソーマさんの神機のデータ。
4つめと5つめははソーマさんが狩ってきた、全結合崩壊を完了させた2体のボルグカムランから出来た一致率100%のデータだ。
ちなみにソーマさんの神機の波形データと4つめと5つめの波形データの一致率は97%と出ている。
「これは……」
「本当ならアラガミのコアごとの波形観測からの非活性までの手順が短縮されるのでは?」
「ああ、本当ならその通りだが、この残りの数パーセントは何が違う」
「加納隊長と例の新型の完全一致がイレギュラーと見るべきでは」
集まってくれたみんなが口々に独り言や、隣の人と相談したりしてる。その中にはねぇねとユウさんの神機の一致率について話す声もあったので一気に説明しちゃおうかな。
「整理すると、討伐時の結合崩壊の段階と長期間神機の格納スペースに討伐後コアを入れていることの2点が関係しているのではと推測しています。
では神機格納スペースに長時間アラガミのコアを入れると、なぜ討伐者の神機と波形が近づくのかですが、これはオラクル細胞の捕喰と学習の性質によるものだと考えられます。
例を挙げればヴァジュラに捕喰されたオウガテイル、またはヴァジュラの死骸を霧散前にオウガテイルが捕喰した場合、個体の強弱に関わらず、喰べた側のアラガミが体内から捕喰したアラガミのオラクル細胞に捕喰されることはありません。
これはコアから離れたオラクル細胞が補喰個体のオラクル細胞を学習し、一体化するためだと言われています。
この例にもれず、近接型神機のアラガミコア格納スぺースは、神機の駆動コアを核としたオラクル細胞で構成されています。採取したアラガミのコアに喰い破られるのを防ぐための機構でしたが、神機とは人造のアラガミ、生体兵器なので先の例が適用されるというわけです。
つまり、討伐されたアラガミのコアはその神機を格上とし、格納スペースに居る期間が長ければ長い程その神機そのものになろうとする。だからこそソーマさんが討伐してきたコアとソーマさんの神機の波形が一致率が高くなるわけです。
ではユウさんとニーナ隊長の神機の波形一致率が100%になる理由ですが、ユウさんの新型神機はニーナ隊長が手ずから集めた大型アラガミ、その数20超のコアを分解し、再合体させ、調整に調整を重ねた所謂モンスターマシンですが、記録を見るとこちらのコアは大量発生の際に1日かけて獲得したものがほとんどの様です。
各戦闘時間はおおよそ10分程だそうですが、約20時間ほどを神機の中に格納し続けたことになります。
このそれぞれが90%を超える一致率のコアのすべてを調整し、一致するところだけを合体させたコアで構成されているからこそ二人の神機は100%の一致率を叩きだしていると、私は考えています。
最後に私はまだまだ未熟な身ですので、今回の結果に穴が無いかや今回の話がどのような人類貢献に活かせるか検討が付いていません。なので皆さんの明晰な頭脳でもって、この結果を足掛かりに新たなナニカを生み出してくれると嬉しいです! お時間いただきありがとうございました!」
一息に説明を終えて頭をぺこりと下げれば一瞬の間のあと、ぱちぱちとみんなが拍手してくれる。それが少しばかり恥ずかしくなって、もじもじしながらツバキさんの後ろに隠れた。
ツバキさんがそれからの話は引き継いでくれて、私の初めての発表会は無事に終わった。ねぇねに早く報告して褒めてもらいたいなぁ。
出ていく前の話じゃもう2.3日もすれば帰ってくるはずだけど、最近のねぇねはスグに嘘つくから心配だ。この前だってなんか友達のメッセージ見てただけっていてたけど絶対ウソだったもんね。
あーあ、私がもう少し早く生まれてたらねぇねのこと守ってあげてたのになぁ。
早く私もゴッドイーターになって自分で素材集めて自分で研究できる立場になりたいや。そしたら最強姉妹とか呼ばれちゃったりして!
「……リア、加納アリア聞いてるか?」
「わわわ! ごめんなさいツバキさんぼーっとしちゃってました!」
「まったく、いい発表だったがまだ人前だ。気を抜きすぎないようにな」
ツバキさんはなんか用があって話しかけたんじゃなくて褒めてくれるだけだったらしい。
頭を撫でる手はねぇねと違ってすこし荒っぽい。これが現場の手ってやつなのかな。ねぇねはなんていうか割れ物でも扱ってるのかってぐらい優しく触ってくるから新鮮だ。
「ツバキさん」
「どうかしたか?」
「将来は私がねぇねを助けれるくらい強くなれるかなぁ?」
「フッ、フフ。
……ああ、きっとなれるさ。ニーナの奴に頑張りすぎるなと教えてやるといい」
変なことを言った覚えはないのに、やけに面白いものを見たみたいに笑うツバキさんが印象的な、そんな日だった。
Q.神機のコアの駆動波形の法則って?
A.アラガミを一定の手順を踏んで壊して、そのコアを神機が確保し続けることで、オラクル細胞に《わからせ》を行います。
《わからせ》られたアラガミのコアは神機にすると極めて近い駆動波形を出すようになります。
現代日本の教育みたいですね。
神薙ユウ君の新型神機はニーナが手ずから完全破壊したアラガミのコアを20時間以上神機保管し《わからせ》つづけた結果、神機化した時にニーナの神機と同じ駆動波形を出すようになりました。
まるでクローンみたいですね。
一人称小説なのであくまで目立たないキャラが多く居ますが、こいつの視点みたいかも!とかありますか?気が向けばそのキャラ視点で一話進行させます
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藤木コウタ
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雨宮ツバキ
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橘サクヤ
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アリサ・イリーニチナ・アミエーラ
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楠リッカ
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竹田ヒバリ
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大森タツミ
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台場カノン
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加納アリア