最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
ここから徐々にまた再開していきます。
サブタイトル2-Xの話は、このSS主人公加納ニーナちゃんが第4部隊隊長になってから原作開始までの数年間を書くつもりです。
ここから独自解釈、独自設定が徐々に出てくると共に、話の展開速度が1-Xの新兵時代に比べて緩やかになってくると思います。
長い目でお楽しみください。
P.S.お気に入り、高評価ありがとうございます!寝込んでる間に評価に色がついて嬉しかったです。
フェンリル極東支部には所謂2つ名だとか、異名、そういうものを持った神機使いが数名存在する。先んじて言っておくが上乳だとか横乳だとか、そういったことではもちろんない。
極東最強と名高い雨宮リンドウ、雨宮ツバキの姉弟。
怪物、あるいは死神と恐れられるソーマ・シックザール。
施し、もしくは蒐集者と呼ばれる私こと、加納ニーナである。
他にも防衛の要だとか、職人だとか言われる人達が、防衛部隊に存在しているが、取り分けよく極東で名が知れ渡ってるのは、第1部隊に所属していた私を含める4人だった。
私がフェンリルに入社、というか入隊した2067年から早いもので、もう2年と少しが経過していた。
現在は2069年、原作開始の2071年まで後もう2年だ。
第1部隊として活動していた1年は、私自身が生き残る為にも、やはり戦えなくなる人は少ない方が良い。そう考えて、回復錠が切れた人には余りを渡したり、味方がやられそうなタイミングでスタングレネード投げたり、重傷を負った人を担いで逃げおおせてから、1人で対象アラガミを討伐したりと、自分でできる範囲の味方の助けをしていたら、いつの間にやら『施し』なんて音的にはかっこいい様な、字面からダサい様な2つ名みたいなのが付けられていた。
蒐集者っていうのは、神機パーツ開発に必要な素材や、支部長から指示された物を探して持ち帰っているうちに、そんなふうに呼ばれるようになった。
にしても施しのニーナ、もしくは蒐集者ニーナ。......うーん微妙だ。もう少し私も極東最高とか、最巧とか、英雄とかそんな感じの名前なら一周まわって喜べたかもしれない。
それから第4部隊の隊長に、就任というか昇進というか栄転と言う名の、左遷みたいなモノを受けた時は、この小娘が隊長だと〜??みたいな人も少なからず居たけれど、自分に余裕があるとき、積極的に人助けしていたのが幸いしたのか、思った以上に反発は少なかった様に思う。
いや、シックザール支部長が私の耳に届く前に、そういった声を潰した(直喩)可能性も否定できないけども。
まあ、なにはともあれ、第1部隊の面々からも快く──ソーマ君は少し寂しそうだったが、今も会えば少しは話してくれる。──送り出され、入れ替わりに橘サクヤさんがオペレーターから第1部隊に転属し、無事に私は第4部隊の隊長になったのだが、ここで1つ問題が発生した。
そう、誰を第4部隊という遺体回収業者に道連れ指名するかである。
副官という訳じゃなくても、私についてきてくれて、性格が終わってなくて、そこそこ以上に強くて、だけど他所から引き抜いても大丈夫な人。なんて、当たり前だが居るわけなかった。
自分の都合だけを考えるだけならソーマ君やリンドウさんを指名したのだが、絶対に引き抜けないのは分かっている。
ということで、私は指名権を放棄する代わりに、性格が終わってなければなんでもいいので、周りからの評判がいい人をください。ということを支部長にお願いした。
その結果、第4部隊に配属された記念すべき生贄は、かつて極東にいて、当時グラスゴー支部に所属していたある意味で2つ名持ちの
いや、2063年から神機使いとして戦っているうえに、極東より脅威度は下がるにしても、各地の支部にて活躍していたらしく、そこそこに強いし、優秀なのだ。
武器種はバスターブレードで、溜め攻撃の隙が大きい欠点もあるが、戦い方は非常に巧い。トラップや最近開発された回復柱なんかも、積極的に使って支援してくれているし、アラガミへの程よい恐れがある為、突撃しすぎず、及び腰になり過ぎない塩梅で攻撃もしてくれる。性格は気さくで、ポジティブな発言が多く、周囲をいい感じに盛り上げてもくれる。
と、今はまだ男所帯な気のある神機使い組の中では、それはそれは非常に評判が良かったらしい。
実際任務におけるハルオミさんは非常に頼りになる。
被弾率は少なく、装甲も巧みに使い、トドメのバスターブレードのチャージクラッシュは爽快だ。私が稀に被弾した際もスグに庇いに来てくれて、回復柱の設置かスタングレネードで、私が回復錠で立て直す隙を作ってくれる。
なにより、
ただ、任務に向かう際と、任務からアナグラ──極東支部の神機使いが拠点としてるところ──へと帰投する際が、いや、なんならアナグラにいる時。所謂作戦行動中以外の全てに問題があったと言える。
「なあ、隊長。俺は思うんだよ」
「ハイハイ、今日はなんですか?」
「世の男たち。いや女性諸君にも新たなムーブメントを引き起こす要素......それはタンクトップなんじゃないかって」
「毎度言いますけど、貴方がそうやってセクハラ発言してくるから、私は服装変えてるのに、再度その服装でセクハラするのやめてくれません?後リッカちゃんは流石に犯罪ですよ」
そう、この人は事ある毎に、とまでは行かないがある程度の期間毎に、私のお気に入りの服装についてセクハラ発言をかまして、私は身の危険から服装をイメチェンするしかないという、悪循環を生み出す変態紳士だった。
この前はダボダボの服を楽だから着ていれば、ふとした時に見えるボディライン。その前のきっちりとした軍服──フェンリル公式制服──では真面目さの中に垣間見えるエロスだったか。死ねばいいんじゃないのかこの人。
「おいおい、俺は別にリッカのことを言ってるんじゃない。第1彼女は将来有望だがまだ15歳とかだろう?幼すぎるのは良くない」
「ハルオミさんがロリコンじゃなくて良かった。と言いたいところですが、いい加減にしないと私は貴方を査問会行きにしないといけません」
「勘弁してくれよ隊長。俺が居なくなるのはそこそこ困るだろ?それに隊長に会えなくなるなんて残念でならないしな」
「マジでその顔で!そういうことをさらって言うのやめてくれませんかね!?」
原作での
いやまぁ、アーク計画成就させれば自然とGE2になんて入らないだろうし、ルフス・カリギュラとかフラッキング・ギルとかは関係ないけども!それはそれとして、ハルオミさんに私が惚れるのも惚れられるのもやはり解釈違いだ。
「なんでそんなに嫌がるんだよ、隊長が初めてだったんだぜ?俺のムーブメントの話に真剣に付き合えるヤツってのはよ......」
「世界一可愛いものってなんだ?なんて言われたら私の
「ハッハッハ!隊長のスイッチ入る条件ってわかりやすいよな」
誰がわかりやすくてちょろい女だ。私は黒幕に私欲のために協力する悪い女なんだぞいい加減にしろ。それにアリアが世界一じゃないんだったら、アーク計画の時に暫定1位の存在を宇宙船に乗せないでやってもいい。いやさすがにこの発想は最低すぎるか。
「ま、話はそんくらいにして今日はなんだっけ?」
「はぁ、鉄塔の森にてメインの任務は
第4部隊としてのメインの仕事。
MIAとなった時点で、基本的には死んでいるとみて間違いない。
だが、偶に死ぬ前に腕輪が壊れることによって神機が制御を失い、アラガミ化、最悪の場合私はまだ目撃したことがない上に、フェンリルとして生態確認された訳では無いが、
「ハハハ、グボログボロはともかく、ヴァジュラすらついで扱いできるのは極東でもそう居ないってのに。流石蒐集者と呼ばれる隊長だ」
「やめてくださいよハルオミさん。施しよりはマシですが、そっちも厨二病っぽくて少し恥ずかしいです。それに私が積極的に開発・整備班に協力的であるが故に極東では新しい神機のパーツが他所より充実してるんですから、感謝こそすれいじらないでください」
そりゃあまぁ、知ってる武器はとりあえず──使うかはともかくとして──全部揃えときたいので、平均的な神機使いが持っている神機のパーツ量、それの大凡3-5倍程は既に文字通りの蒐集しているわけだけども。
これまで私が積極的にアラガミ素材とコア、物資の収集をし続けた結果、ショートブレードに関してはアイス、ヒートのドリル派生に、
上位種は未だに極東であってもそこまで数が居ないので、中々に取り揃えるが出来ないのが辛いところだ。
現在の私は
防御力0の超回避バックラーは作れれば作りたいが、流石にジャストガード前提の戦いは精神的に疲れるだろうし、使うことは無いだろう。
この世界では、ショートブレードのアドバンスステップやライジングエッジも、未だに確立した技術という訳では無いらしい。
未だに新型神機がないため、ロングブレードではインパルスエッジもそもそも出来ないし、アラガミもまだ頭が多少は弱いままではあるものの、少し先行きが不安にもなってくる。
「それにヴァジュラは後1、2体分コアを集めればヴァジュラから作られる
「ハイハイ、皆の為にってやつだろ?まぁそれに関しちゃ異存はねぇからよ」
納得も得られたところで、鉄塔の森へとヘリが到着した。
パイロットの人に互いにサムズアップしながら、ハルオミさんと降下する。
この2年でユーバーセンスの使い方も磨きがかかったお陰で、情報の取捨選択が半ば無意識でできるようになった。
一定以上距離のあるアラガミは、そこに居る程度の認識まで、動いてるもので風とかに揺られている布とか、植物はスルー出来るようになった。
戦闘に入れば自身と味方、それを取り巻くアラガミ以外の情報はほぼシャットアウトする代わりに、アラガミの挙動と、味方の状態を最優先に。と言った具合に。
「じゃあ、とりあえず動いてる存在の検知から始めます。引っかからなかったら鉄塔の森探索時のルートA、もしくはBの順路で見て回りましょう」
「了解だぜ」
「じゃ、始めますね」
腕輪以外にもなにか遺品が残っていれば、遺族も喜ぶだろうけど、望み薄かな。
ソーマ:冷たくあしらってもずっと話しかけてくる距離が異様に近い女。あんなに話しかけてきたのに、他部隊に行ってから話す機会が減って少しもどかしい。
リンドウ:戦闘技術と収集癖がやべー女。神機解放モードで人格が変わるのを見て、大丈夫か......?と心配している。第4部隊にハルオミを推薦した人
ツバキ:愚弟よりは真面目に仕事をこなすし、隊長としての書類仕事も特段不備なくこなすので信頼度が高い。だけどコミュ力高すぎる弊害かおしゃべりな所を少し抑えて欲しいと思っている。主人公家族が亡くなった時に1番心配してた人。ニーナが殉職したらアリアの後見人になるのもやぶさかではない。
ハルオミ:ケイト・ロウリーがグラスゴーに来る直前に極東に呼び戻された人。
美人に会う前に呼び戻されて少し肩を落としていたが、配属先が外見良しだったのでやる気をだし、下ネタの話をしても普通に悪態付きながら乗ってくる主人公を気に入っている。
主人公:男も女も老いも若きもグイグイ距離を詰めてくる。戦闘中は人格が変わるし、仲間がその時にピンチになれば俺口調で助けてくれる顔のいい可愛い16-17歳。
下ネタにも理解があって、普通の話なら男女問わず肩組んで来たり、なんかあったら抱きついてきたりもする。
童貞と厨二病の白昼夢か?