最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう   作:勝てなくても努力して勝つのが好き

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感応現象……!便利すぎ!?


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 めちゃくちゃギリギリの綱渡りだけど上手くいったっぽいな!? 

 澄まし顔で恋バナしてる時にふと思ったんだよね。私なら感応現象で意図的に情報抜けるんじゃね⁉って。GE2の感応種やブラッドって毎回一定の影響を対象に与えてて、GE無印時点の感応現象は接触による無作為な記憶と感情の交換だった……と思う。作劇上必要な情報が出ていたわけではあるけど、本人たちは感応現象を起こそうと思って起こしてないのが今回のポイントかな。

 

 この違いはなにか。それを私はこう仮定した。

 

 感応現象は引き起こそうとする側が、望む現象を具体的に指定することが出来るという説。

 

 今回私がアリサちゃんに見せようとしたのはユウ君と初めて会った日の私との会話。心情とかにはフォーカスせずっていう指定。

 そして、アリサちゃんの内面に対する指定はユウ君への感情"ではない"

 私が現状どうにかしないといけないこと、即ちサクヤさんが持ってるであろうリンドウさんが遺した記録媒体の在処だ。

 

 サクヤさんとアリサちゃんは、アリサちゃんが原隊復帰しユウ君がリーダーに着任するまでの短期間のどこかで秘密のお話──というか前向いて頑張ろう会的なこと──を行っている。その時の話は原作では詳細に描かれていない。

 せいぜい一緒に頑張りましょうとか言いながら、お茶を飲んでるシーンが描かれたくらいだったけど、実際は。

 

 

『サクヤさん、リンドウさんの腕輪が見つかるまでソレどこに隠しておくんですか?』

 

『そうねぇ、私の身に何かあった時はアリサに任せざるを得ないし、この記録媒体も随分丈夫そうだし、ターミナルの下にでも隠しちゃおうかしら』

 

『それなら神機使いでもないと持ち上げられないですし、最適ですね! たしか、灯台もと暗し……というやつですね!』

 

『よく知ってるわね、そういうこと。まあないと思うけど私に何かあったら、よろしく頼むわね』

 

 とまぁ、そういうものが見れた。本当に、ご都合主義にも程があると思う。私の人生はいつだってこういう薄氷の上を突発的に歩いてギリギリで渡れている感じがある。

 もうリンドウさんが後々合流するのは確定してるけど、ディアウス・ピターが第1部隊に討伐される前に記録媒体の中身を確認。その後不都合な所があればその部分を改竄しておかなきゃだけど、そうするとリンドウさんが生きてるのがみんなにバレてから問題かな。

 いや、サクヤさんとアリサちゃんが出ていくのは榊博士に相談してなかったんだっけ? いや、相談先を私に向かわせればいいのか。そうなるように記録媒体の中身を改竄して誘導すればいい。

 

 タイミングはどうしよう。中身を確認してから偽物を作りたいけど、流石にディアウス・ピター討伐してからじゃ時間が足りない。サクヤさんは遺留品として権利を主張していのいちばんに回収して動くだろうしね。

 やっぱり勘でいい感じのデータを作っておくしかないから、また賭けになるのか。

 

 ホントに私の人生って

 

「行き当たりばったりすぎるよね〜」

 

 まだなんとかなってる。ギリギリ崖の淵で生きてる。

 けど、私の人生は両親が死んだあの日から、全て、全てが上手くいってる。上手くいってるはずだ。

 ヨハンさんに依頼したモノも、この前エイジス付近の応援に行った時に感知したところ順調みたいだし、特異点の確保だって上手くいった。あとはノアと保険のロケットが建造されるのを待つだけ。

 やり遂げたらきっと、お父さんとお母さんもきっと褒めてくれ……あれ? 

 

「お父さんとお母さんって、どんな顔してたっけ」

 

 最近やけに人のことを覚えれなくなってた自覚があったけど、え、嘘。親の顔を忘れるってマジ……? いくら私が妹ラブなアリア至上主義者だとしても、そこまで根が腐っては無かったはず。富裕層でもない私の家は写真なんかなかったし、もちろんビデオもない。

 

「あれ、声はどんなだった? 優しかったはず、怒られたこともあったんだっけ……?」

 

 ぐるぐると、思考の底なし沼に沈み込む。気づけば自室まで向かっていた筈の歩みは止まり、頭がズキズキとした痛みを訴えてくる。

 これも超人になった代償ってことかな。確かに私は失ったものに対して得てきたものが多すぎた。けど過去の記憶を代償に力を得るなんてことは原作じゃなかったはず。

 未確認症例か、あるいは私が本当に忘れっぽいクズなのか。

 いや……

 

「……私の身体は本当にまだ正常なのかな?」

 

 思い出すのは蒼穹の月の後のメディカルチェックの結果。

 2年前に受けた最後のメディカルチェック以降は忙しすぎてまるで受けれてなかったんだけど、そういえばちょっと目が悪くなった気がするのに数値上はまるで変化が無かったな。

 医療班に私は何かを隠されてる? いや、隠すようなネームドは居ない。なにかを隠されてるとしたら、異常があった際に一番に報告が行く榊博士に違いないはずだ。

 私の身体の異常をフェンリルが見逃しているはずがない。そういう技術部分にだけは信頼が置けているからね。

 

 ユラリと、身体を揺らしながら頭を抑えながら医療班の元へ向かう。

 流石に頭が痛すぎるから頭痛薬くらいは処方してもらいたいところ。後、カルテを再度見せてもらおう。アーク計画成就の為にも、不要なリスクは排除したいし、抱える爆弾は把握しておかないといけない。

 ああクソ、このレベルの頭痛なんて本当に久々だ。神機使いになる前の流行り病以来じゃないか? 

 

「おい、大丈夫か?」

 

 ラボラトリ区画まで壁にもたれかかりながらたどり着いたところで、おそらく榊博士のラボラトリから出てきたソーマに見つかった。タイミング悪いなぁ、もうユウ君とのご飯は終わったのかな。

 私たちより先に食べてるから早く終わったんだろうけど、何しにラボラトリに来てたんだろ。ああ違う違う。返事、返事しなきゃ。

 

「やっほーソーマ。大丈夫だよ、ちょっと急に頭痛くて薬貰いに来ただけ」

 

 ソーマを体重かけてもたれかかるようにして押しのけ、医務室のドアを開ける。ああもう。時間も遅いからか医務室の人も居ないじゃん。

 世界が歪んで視える。ぐにゃぐにゃだ。本当に急に私の身に何が起きてる? 

 

オイ!

 

 壁に沿って手の感覚だけを頼りに薬棚を開ける。必要なのは鎮痛薬だ。だけど、しまった私分かんないや。いつもは携行状態にある薬しか使わないからこんな瓶とかに詰められた状態からじゃ分かるワケないんだった。

 

落ち着け! スグに医療班を呼ぶ!

 

 うるさいなぁ。ずっと耳元で叫ばないでよ。

 今はそれどころじゃないんだってば、全方位歪んだ世界のなかで、一人何とか壁の感覚だけを頼りに立ってるっていうのに。はやくどうにかしないと私が私じゃなくなるかもしれないんだから。

 

「退けソーマ。……これで、落ち着くだろう」

 

 急に、歪んだ世界の中で私真後ろからヨハンさんの声がした。首におそらく何かを注射された感じもする。

 急激に、意識が落ちる。強力な麻酔? それとも別のナニカ? 力が抜けて崩れ落ちそうになるのをずっとそばで叫んでたソーマに抱き留められた。は? てか何でここにヨハンさんがいる? ソーマの大声につられたのかな。

 

「オイテメェ、ニーナに何打ちやがった」

「逸るな。危険な薬物ではないし、お前に説明したところでまだわからんだろう。症状を落ち着けただけと認識しろ。彼女の面倒は任せるからベッドに寝かせておきなさい。私は医療班を呼びだそう」

 

 ちがう。意識が落ちてるんじゃない。単純に周りが視えなくなった。音は聞こえる。気だるさはあるけど頭の痛みも治まった。

 ていうか視力が悪くなった自覚はあったけどここまで何も見えないもの? 

 ソーマに抱かれて壁際から、ベッドに寝かされる。

 

「おい、しっかりしろニーナ。大丈夫か?」

 

「多分……? 心配かけたねぇ。シオのこと捕まえれたから、気が抜けちゃって。疲れが、一気に出たのかも……?」

 

 声を頼りに手探りでソーマの頭をあやすように撫でる。

 その手を掴んで両手でしっかりと握りこんでくるソーマが少し心配のし過ぎで笑えてくる。でもこういうところが可愛げだしね。

 にしても、ちゃんと心配してくれてるんだ。未だに実感が湧かないよね。

 

「ソーマ」

「なんだ」

 

「このことアリアには内緒だよ。お願いじゃなくて尉官からの命令だからね」

 

「……チッ。そう言うならこうなる前に止まれよ」

 

「はーい。大丈夫だよ。同じミスはしない。知ってるでしょ?」

 

 ああ、そうだ。医療班の人間が来たらきちんとしたカルテを見せてもらわなきゃ。でも今なんでか知らないけど視界不良なんだよな。ぼや~っと光が分かるくらいで、なんも見えない。私こんな若いのに失明直前ってこと? 流石に驚きで声も出ないんだけど、私ってどの時点からか知らず知らずにユーバーセンスに依存して生活してたってことか。そう考えると私のユーバーセンスって超絶高性能に進化してたんだなぁ。

 

 アリア自体はくっきりはっきり4K画質以上に視えてたし、今のこの状況もヨハンさんがなんで助けてくれたかはわからないけど、症状を抑えただけって言ってたから多分、その内戻るだろうし。

 その前に今回の症状の原因を判明させたいところだね。

 

「そういえばソーマ」

「なんだよ」

 

「お父さんとはまだ仲直り出来なさそう?」

「うるせぇ。自分の心配してろ」

 

 手を握られたまま肩をすくめれば、ソーマは拗ねたように鼻を鳴らす。

 2人とも感情的に動く人間の癖になんでこうもすれ違っちゃうかなぁ。こんな世界なんだから、親子位仲良くした方がいいのにね。

 

「じゃあ代わりにお礼言っておいてくれる? 支部長のおかげでまた助かりましたって」

 

「……またってなんだよ」

 

「支部長には、アリアのことでいっぱい助けてもらってるから。そういう意味だよ。不調があって助けられたわけじゃないから。安心して。……頼んだからね」

 

あんまり期待してないけど、少しでも仲が改善されたら私も嬉しいし、きっかけくらいは作ってあげないとね。

 




榊博士「人が神となるか、神が人となるか。競走の始まりだ」(原文ママ)

みんなはハッピーエンド好きですか?

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  • いや、バッドエンドの曇り顔が輝くね
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