最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
最近は(これまでもずっとだけど)AC6が辞められなくてぇ……
みんなもストーリー3周してからシングル戦の対人に来よう!(ダイマ)
前回はニーナと榊博士の仲良しシオ育成回でしたが、今回はアリサと神薙ユウ回のユウ視点です。
第1部隊の隊長として少しばかり仕事も慣れてきた。
この前鎮魂の廃寺付近で保護──実態としては確保が適切──した特異点? のシオって子にはちょくちょく会いに来てほしいって榊博士は言っていたけど、ニーナ先輩はまだ調教前だから接触禁止って言ってたんだよね。
調教、まあ人型アラガミなわけだから調教って言葉が正しい感じはするけど、どうしても容姿が幼女のせいで抵抗があるからオレは教育って言いたくなるな。なんか幼女を調教っていうのは犯罪臭がするんだよね。
「ユウ。食事ですか?」
ぼんやりと、そんなことを考えながら食堂に向かっていれば、アリサが後ろから声をかけてきた。
リンドウさんの件から時間が少し経ったとはいえ、この前はヴァジュラ討伐も出来てたし、ニーナ先輩程じゃないけど視野も広くなってて助けられてばっかりだから、だいぶ元気になってきたと思う。
……ほんの少し距離感が近いのは抑えてほしいとは思うけど。
「お疲れアリサ。さっきツバキ教官に報告書出してきたからね。今から晩ご飯食べるとこなんだ」
「……もしよければ、一緒に食べてもいいでしょうか」
「もちろんいいよ。オレも一人で食べるのは寂しいから」
「やった」
るん。というオノマトペが付きそうな上機嫌で、肩を弾ませながら隣を歩くアリサ。新型同士だからかもしれないけれど、なんだかやけに気に入られているっぽい。
2人で他愛のない話をしながらそれぞれ配給券を食事と交換する。
まだニーナ先輩ほどオレの配給券は豪華じゃないけど、新兵扱いだった時に比べてだいぶ良くなった。
前はジャイアントトウモロコシの比率が8割だったけど、今は6割くらいまで減ったからね。おかげでジャイアントトウモロコシご飯──卓上調味料で味付けした混ぜご飯モドキ──の生活から解放されたというものだ。今日はカレー風味レーションと山菜炒めになる。
大分ヘルシーだけどここ数年で改善されたらしいレーションの味は意外とイイもので、良い感じに満足感があってオレ的には割と当たりのメニューだ。
アリサはどうやらニョッキ? のシチューモドキみたいなやつにしたらしい。芋特有の甘味がおいしい気がするメニューで、アレも多分当たり枠だ。
2人そろって窓際の横並びの席に着くとアリサが辺りをきょろきょろと探るように首を振っていた。
「アリサ、どうかした?」
「いえ、その……」
周囲に人が少ない──居ても距離がある──ことを確認したアリサが、耳打ちしてくる。
「ユウ、感応現象って新型同士で起こるモノ……ですよね?」
「うん? その筈っていうか、そうやって説明受けてるね。詳しい原理とかは知らないけど」
たしか新型同士のオラクル細胞に対する制御だか受発信だかが、どうたらこうたら言ってた気がするんだよね。
アリサとニーナ先輩以外で起きたことないからほぼ使わない現象だし。ニーナ先輩はなんだったか、ユーバーセンスが悪さしたとかなんとか言ってたっけな。
「実はですね、ナイショと言われたので他言無用でお願いしたいのですが、ニーナ隊長につい先日握手した際にですね、起こったんですよ。感応現象が!」
「ああ、アリサも? アレ不思議だよね。オレも起きたよ、ほら、隊長就任の時に握手した時、ニーナ先輩は誤魔化すためにオレを抱き寄せたみたいだけど」
おそらくオレと違ってニーナ先輩から詳しい説明が無かったから、ナイショだけでは堪え切れずに一先ずオレに相談しに来たって感じかな。
「ユウもだったんですね⁉というか、なるほどそれであんな無防備に破廉恥なことを……」
「いや破廉恥な意図はないんだけどね⁉ソーマに殺されるから勘弁してよホント……」
あと破廉恥な格好してる女性筆頭みたいなアリサに言われるのは、オレ納得いかないよ。冤罪過ぎるでしょ。まぁこういう時に立場弱い側として弄られるのが男だし、しょうがないし、アリサも軽口以上の意味はないやり取りみたいで柔らかく笑ってるからいいけど。
「フフ、すみません。それにしてもニーナ隊長は新型じゃないですよね? なぜ私たちと感応現象が起こせるんでしょうか」
「オレも詳しく聞いてるわけじゃないんだけど、ニーナ先輩のユーバーセンスが旧型の人たちが持ってない受発信のどっちかだかを担ってるんじゃない? 先輩のアレって常時発動してるらしいし」
オレの話を聞いて少し考えこむように黙るアリサ。
アリサはオレと違って賢いから色々考えることがあるんだろうね。何考えてるかはまるで分らないけど。
「……ユウ、ニーナ隊長との感応現象って偶然でしたか?」
「え、多分そうだと思うよ? ニーナ先輩としても内心慌ててた感じだったし。感応現象ってオレとアリサでも結構起きるけど発動率? みたいなのって結構低いじゃん。稀によくあるってくらいでしょ。だから偶然だと思うけど」
「私の時は、ニーナ隊長から手を差し出されたんです」
「それは……それまで話していた文脈に沿わない形で不自然にってこと?」
コクリとアリサの首肯を確認して考える。
感応現象は狙って起こせる事象じゃないって榊博士が言っていた。
だけど、アリサの話を聞くに、少なくともニーナ先輩にとって感応現象は”狙って起こせる現象になっている”ということになる。
別に機密情報なんて第1部隊隊長のオレですら大したものは持ってない。オレが持っているものはニーナ先輩だって持ってるだろう。上等兵扱いのアリサだってそこは同じだろうし、ニーナ先輩がオレ達から探りたい情報はない筈。
じゃあ、先輩は何かをアリサに見せたかった?
「オレの時はなんか真っ暗な部屋でタブレットより小さい、片手で握れるくらいの薄い楕円形立体の中に長方形の液晶? にアルファベットでGOD EATERって映った所で全部終わってるんだよね」
これくらいの。と手振りで大きさを示す。コウタに勧められて暇な時に見ているターミナルに遺っている前時代の映像にあった携帯ゲーム機とかが近いだろうか。
「GOD EATER、私たちのことですね。でもその液晶がある端末形状はフェンリルの規格の中では私は見たことが無いですね。
何用の端末なんでしょうか」
「さぁ? ニーナ先輩に聞いたら死んだ顔で過去の研究内容の一つかもって言ってたけど、働きすぎで詳細は覚えてないみたい」
「ああ、あの働き方はそうもなるでしょうね」
アリサも一瞬で理解したようだけど、働いてる時はいいけど、思い返すと何してたか忘れるみたいな状態にニーナ先輩ちょくちょくなってるみたいだから、どうにも申し訳なさが先に来ちゃって深堀が出来ないんだよね。
「ニーナ先輩のその言動って、アリサに意図的に見せたいモノがあったんじゃないかなって一瞬思ったんだけど、アリサもそう思う?」
「そうですね。私と話していた流れも見たモノも正にって具合だったので」
じゃあアリサはオレと違ってワケ分んないものを見たわけじゃないんだ。それにやっぱり見せたいものを見せれてるワケで……。ソーマに一応教えておいてあげるべきかな。でも一応プライバシーだし。かといってニーナ先輩に許可貰いに行くのはアリサとのナイショ話を明かしてしまったことになっておかしな話になるわけだから……難しい話だな。
「そういえば、アリサはニーナ先輩の中の何を見たの? もちろん差し支えなければ、だけど」
「ニーナ隊長があなたと……っ!
スイマセン、そこはとても、すごく、差し支えます! まだ、秘密なので……」
急に顔を赤くして慌てたように食事を進めるアリサに思わず面食らうけど、まあ差し支えるっていうならしょうがないか。
「あ、そういえばユウ。聞いてますか? ニーナ隊長の件」
「え? なんかあったの?」
「なんでも有給消化と称して数週間~一月の間現場に出ないみたいです。内勤で事務研究作業はするみたいですけど」
普通に初耳だった。ツバキ教官に報告書提出した時にもそんなこと言われなかったけど、もしかしたらターミナルにはメール展開されてたのかな? 帰ったら確認しないとだ。
最近オレが慣れない書類作業に追われてる中でおざなりになってる、全体共有されるような内容の細かいフォローをアリサはよくしてくれてるから、本当に助かるんだよね。頭いいし。順当にいけば次の隊長はアリサかな。
「ターミナルの方に届いてる感じ? まだ見れてないや。
にしても、ニーナ先輩がしばらく出られないなら、より一層気をつけなきゃね。救助の成功率はガクッと落ちるだろうし」
「ですね……休んでもらいたい気持ちと頼りたい気持ちで心が二つあるというか。にしてもユウも聞かされていなかったとなると本当に急に決まった休暇みたいですね。……厳密には休んではないんですけど。何があったんでしょうか?」
「ん~、案外シオの教育が大変だから注力したいのか、それともアリアちゃん、妹さんに働きすぎってドヤされたとかはありそう」
「なんでも重度の妹好きと聞いていますが、流石にそれは……まだソーマと結ばれて……みたいな方がありそうですね」
アリサの言葉を聞いて、オレ達の間に少しばかりの沈黙が流れた。
「……ソーマが、結婚?」
「すみません、言ってて思いました。『無い』ですね」
「それはそれで失礼だよ」
身内の祝言を想像して、余りの似合わなさに思わず二人で笑ってしまう。ニーナ先輩はいくらでも出来そうだけど、ソーマは扱いが難しいからね。申し訳ないけどあんまり結婚出来るイメージが無い。とはいえ、ソーマと一番近い女性はニーナ先輩なわけだしいずれは結婚とかそういう風になるんだろうけど。
「なんにしてもソーマとしてはしばらく安心かもね。ニーナ先輩の戦い方はすごいけど、こう、ハラハラするもんね」
「ですね。お付き合いしている方があんなスリリングな戦い方をしていたら心臓がいくつあっても足りませんよ。最初見た時はドン引きでした」
まあ休暇の真相は今度ニーナ先輩にあった時とかに話せばいいか。どうやら事務研究の仕事はしてるみたいだし、執務室か榊博士のラボラトリにお邪魔すればいつでも会えるだろうから。
みんなはハッピーエンド好きですか?
-
ハピエン厨ですけど
-
どっちでも美味しく食べれます
-
いや、バッドエンドの曇り顔が輝くね