最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
1話から最新話近くまで怒涛のら抜き言葉訂正来て笑っちゃった。ホンマにありがとうね〜!
※独自要素を含みます!(今更)
※オリキャラを含みます!(今更)
視界が開けた時、場所は愚者の空母のまま。
ソーマも、エリック君も消えて、通信が途絶しているし、手に持っていた筈の神機もない。
私だけが別の愚者の空母とよく似た場所に飛ばされた? いや、ゴッドイーターの世界に魔法はないからそれはない。
だから、これは──
「「感応現象」」
私の口元から言葉が漏れるのと被せるように、目の前にソレが言葉と共に現れた。
身長は170㎝と少し程で痩せ気味、黒い靄に覆われた肢体。声は若いが幼くはない。まだリンドウさんの神機”レン”の様な確たる個を持ちえない。私の神機ってわけだ。性別としては体格と気だるそうな立ち方から見て男かな。
「ヨォ、2週間振リダナ? ニーナ」
ニタニタという擬音がピッタリの話し方をするコレに、少しばかり眉が寄る。リンドウさんの神機はあんなに可愛かったのに私のはこんなのか……。まさに怪人という風貌だけど、これからまともなビジュになるのかな。
「私の適合率──いや、侵喰率はキミの実体化に影響がないかと思ってたけどな。なんか用?」
「用ナンテアルカヨ。オマエダッテ分カッテイル通リ、普通感応現象ハ偶然起キルモノダ。今回モ偶々起キテルダケダシ、記憶情報ノ共有ジャナイノハ神機ト神機使イノ関係ダカラダロ。前例ヲオマエハシッテイル筈ダ」
じゃあここは原作でいうところの、レン君と主人公の間で起きていた短時間に圧縮されたコミュニケーション空間ってやつか。
あの時もたしかリッカちゃんが近くにいたはずだけど、見えてはいなかったみたいだし、おそらく今現実で私の周りにいるソーマとエリックから見ても一瞬止まったように見える位でほぼ違和感はないんだろうね。原理としては走馬灯が近いのかな。
「じゃあ偶然か、良かった。道具の分際で私の邪魔しようとしてるのかと思ったよ」
「ソノ道具が無カッタラトックニ死ンデルノニ随分ト偉ソウダナ? 喰ライタクハ無イガ、オマエガ2度ト戦エナイ様ニシタッテイインダゼ?」
肩を怒らせながら私に近づき、文字通りの意味で上から威圧するように見下ろして来る。コレで引いたら負けだし上下関係はつけるとしたら向こうが下であることは絶対条件だから、引けない。
「スクラップがご所望かな? まだアラガミを喰べていたいんだったら、大人しく私に従うことだね」
強めに言い返せば鼻を鳴らして少し下がる。
うん、コイツは予想よりよっぽど我が強い。喰欲の旺盛さは知るところだったけど、中々どうして反抗的だ。眼も鼻も口も見えないけれど、ニタニタとこちらを冷笑しながら見下ろして来るのが分かる。敵意があるっていうよりは思春期の子供やアダルトチルドレンとかにみられるプライドの高さがある感じかな。
……あれ? 神機ってこういう感応現象とかにも詳しいのは普通なんだっけ? レン君はなんかわかってる感はあったけど、どうなんだ?
「オマエトズット居タンダ。ソコラノ奴ヨリ詳シイダロウヨ」
「へぇ、思考も読めるんだ。じゃあ、私がこれから言うこと、というかこれまでの私の考えと知識は全部わかってる感じかな?」
「大体ハナ。マズ言ッテオクガ、コッチカラスレバアーク計画ニハ賛否ノ考エハ無イシ、成功シヨウガ失敗シヨウガドッチデモイイ。
ソノ上デ忠告シテヤルガ、アーク計画ハ失敗スルト思ウカラ止メタ方ガ良イゾ」
「……へぇ? 根拠を言ってみなよ」
私と神機の間で空気が底冷えするほどに重くなった。いや、そう錯覚するほどに私自身から冷たい声が出たんだ。
アーク計画が失敗? この私がこれほどまでに尽力してあげている計画が? そんなこと、有り得ていいわけがないでしょ。
「ソウ怖イ顔ヲスルナ、アリアヤソーマニ逃ゲラレルゾ」
「御託はいいから、なんでそう思うか言えって言ってるんだけど」
肩をすくめて首を振り、ため息まで吐く神機の姿に思わず舌打ちが漏れる。こういう冷笑の態度をするカスはこの世界じゃ少ないからな。まるで前世のSNSにあった、なんだっけ、ツイなんちゃらに生息してた社会的地位が低くて失うものがない、悪口や冷笑という弱者のための専用麻薬にどっぷりつかってるような連中と、似たような匂いがして虫唾が走る。
「言イ過ギダロ。……ッタク、分カッテイルトオリ、神薙ユウガ一番ノネックダナ」
「ユウ君? たしかに強いだろうけど、やりようはいくらでもあるでしょ」
「明ラカニゲームノ頃ヨリ強イ化物ニドウ勝ツ気ダ?」
「ゲームの主人公より強いのは私も一緒だよ。それに、新型は私から奪われた時用の兵器はとっくに用意を進めてるしね」
「アルダノーヴァノ女神ニデモ乗ルツモリカ?」
「まさか、ヨハンさんの奥さんをそこまで辱めるつもりはないよ。別口を造ってもらってんの。私という馬車馬のごとく働く存在がいるから原作よりは資源に余裕は出来てるはずだからね。製造するモノが増えてるからかノア建設が思ったより時間かかってるけど、原作と同じ時間軸には完成するでしょ」
「フゥン? オレト接続シテイナイ時ノ話ラシイナ。オマエハオレヲ警戒シテ普段カラソレニツイテハ考エナイ様ニシテルダロ」
「当然でしょ。ディアウス・ピター討伐後に回収されたリンドウさんの神機と君が会話して、そこから誰かに漏れました。なんて話にならないからね。
それに、私は出来るだけ第1部隊と正面からやり合いたくないって思ってるけど、ガチンコになっても負けるつもりは毛頭ない。たとえこの命が失われようと私がこの星を楽園、あるいは聖域にするって決めてるのよ」
「秘密主義ノ完璧主義者メ。コッチハオマエヲ観測スル位シカ、暇潰シガ無イッテイウノニ酷イ話ダ」
近くの瓦礫にドカリと腰を下ろした神機は、寂しそうにしながら上を見上げて話を変えてくる。
「マァ、他ニモアリア、リッカ、サカキ色々上手クイカナイダロウトイウ理由ハアルガ、今ハイイカ。オマエガ秘密主義ナラコッチモ考エヲ秘匿シヨウ。
オマエガ目下気ニシテイル、オレヲ振ルエルカハ問題ナイト言ッテオク。オレトシテモコレ以上暇ハゴメンダ。バイタルは安定シタ数値ヲ出シトイテテヤルカラ、ディアウス・ピター討伐後ニハ出撃出来ル様ニ上ニカケアエ」
ぐ~~と長い腹の音が目の前から響く。どうやら神機としても空腹と暇に耐えかねているというのは事実らしい。
私としても安定して出撃が出来るなら越したことは無いし、渡りに船ではあるかな。バイタルを安定した上程で維持できるということは、逆も可能ってことでいつ牙をむいてくるかわかったもんじゃないけど、今は十分すぎるか。
神機がもう少し私に献身的で忠誠心があるなら感じなら全部話して悪だくみも良かったんだけどね。レベルはともかく話せる相手っていうのは居れば居るだけ良いはずだからね。私が、抱え込みすぎてるのが原因だから自業自得なんだけど。
「まぁ、その辺を決めるのはヨハンさんと榊博士だから。それ次第だけど掛け合ってはみるよ。ああ、そういえば神機。キミは名前があるのかな? レン君的な」
「リンドウノ神機ハ、確カオレト同ジク自我形成ニ至ッテイテ、レンッテ名乗ルンダッタカ? オレハ……ソウダナ、”イース”と呼んでくれ」
「へぇ、”イース”ね。まあ呼びやすいからいいか」
ビキリと、愚者の空母の赤い空がひび割れる。どうやら走馬灯のようなこの長い時間にも限界が来たらしい。
「アァ、ソウダ。感応現象ハ自発的ニ起コサナイ方ガ良いゾ。侵喰ガ進ムカラナ」
「言うのが遅いよバカイース!」
私の叫びを皮切りに空のヒビが地面に伝わり、目の前の神機、イースのいる空間にまで広がった次の瞬間、空間が割れる。最後の最後までこっちを指さして笑ってた。本当にムカつくヤツだ。
自意識が加速したこの一瞬から、通常速度まで思考が落ちるのと同じく、視界もまた暗闇の中へと沈んだ。
それから、最初に聞こえたのは無線の声だ。
『バイタルは安定してるよ! 現場はどう?』
「こちらソーマ、外見上はなんの問題もない。オイ、ニーナ。返事をしろ」
現実に意識が戻った。周囲には顔を覗き込んでくるソーマ、辺りを警戒し続けてくれているエリック君。耳元のインカムからはリッカちゃんの声。慌てようの少なさとかから意識が感応現象に持っていかれていた時間はおそらく数秒位かな。
「っ! こちらニーナ、問題無しです!」
ソーマに声かけられなかったらもう少しぼーっとしていたかもしれない。イースは大人しくしてくれているようで、さっさと小型アラガミの討伐に移りたいな。2週間絶食しているイースもそうだけど、私自身もずっと腹4分目位の空腹を維持されていてムカつくんだよね。
『サッサト喰ワセロ』
はいはい。
心の中で返事を返して、インカムで指示を仰ぐ。
「こちらニーナ、状態安定しています。私の神機は大食漢で有名ですが、どうやら2週間絶食しても私を喰わない理性はあるらしいです。早速小型討伐に移ってもいいですか?」
『分かった。バイタル、本人確認、同行者の確認もとれているからね。小型から順次討伐してくれ。
少しでも異常を感じたら止まること。いいね?』
「了解です。……じゃ、ソーマ、エリック君も行こっか!」
「なんでウキウキしてんだよ」
「やっぱ根は現場タイプだからじゃないかい? 事務研究は出来るからしているというだけで、身体動かす方が楽しいのだろうね」
グサグサと2人からトゲが刺されているけど、気にしていられない。
シオに餌やりをするタイミングで毎回一緒に食べることを誘われていたけど、出撃できるようになればソレもなくなるだろう。
まだ私は良いけど、ソーマの前であの発言されたらソーマがブチ切れそうで怖いんだよね。おかげでソーマのいないタイミングで餌やりしないといけなくなってたりする。
「で、ニーナ。アラガミの位置把握は変わらず出来てるのか?」
ソーマの確認に脚を止めて、愚者の空母の作戦域全域をユーバーセンスで視る。
……前よりよく見えるね。脳みそまでオラクル細胞の転換が進んで処理能力が上がったのかな? 前までは遠方だと形状に違いがあるならともかく、堕天種と通常種の見分けは付かない感じだったけど……。遠方でも若干の色とアラガミの内包するオラクル細胞の強度が分かるっていうか……説明が難しいな。まあいいや、利便性が若干上がっただけだし。
「現在地の近くからコクーンメイデン4体、オウガテイル炎の堕天種5体、シユウ堕天種1体を補足してるよ。コクーンメイデンから狩ろうか」
「ユーバーセンスに陰り無しだね。ニーナ君、違和感はあるかい?」
「無いよ。寧ろ久々の現場で浮かれてるのか調子は前よりいい気がするくらいだね」
「忘れてそうだがお前の安全確認が今回の目的だ。はしゃぎ過ぎるなよ」
「ソーマうるさいよ。それくらい分かってます~」
ソーマにべーっと舌を少し見せて、私は高台から飛び降りる。目標は落下先にいるコクーンメイデン。神機……イースを
「喰事の時間だよ」
「捕喰は小型討伐後実施って言ってただろうがバカ女!」
ソーマの背後からのツッコミを聞いて、そういえばそんな指示だったなと思いだす。
浮かれ過ぎちゃったみたいだと思いながら、イースの大口をコクーンメイデンに齧り付かせた。
みんなはハッピーエンド好きですか?
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ハピエン厨ですけど
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どっちでも美味しく食べれます
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いや、バッドエンドの曇り顔が輝くね