最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
帰投ポイントにて合流した私は、ヘリの操縦士に招き入れられるまま帰投用ヘリに乗り込む。先に乗っていたハルオミさんがタオルを差し出して出迎えてくれた。
「よう隊長、おつかれさん」
「はい、お疲れ様でした。柊さんは無事ですか?」
「予定通り回収ヘリと一緒にP53*1を持ってきてて
タオルで身体に付着した返り血を、拭えるとこだけでも拭いながら話していれば、ハルオミさんが少し怖い顔をする。回収用フェンリル職員と柊さんはヘリ内の少し離れた位置に陣取っているのを見るに、きっと他の人とも事前に話して説教するのを決めてたんだろうなぁ。なんて、遠くを見る感じでハルオミさんに目線を合わせれば、案の定だった。
「なんで単独で殲滅したんだよ。俺が援護が行くまで待てなかったか?」
「いやぁ、建前としては3つあって、1つ目は柊さんが回収されるまで他のアラガミが襲ってこないとも限らないから、2つ目は柊さんを保護して、偏食因子を
「で、本音は?」
「1人で倒せそうだったからですね、今回は柊さん救助の瞬間の球状電撃を盾越しに受けていただけですし」
「あんたツバキさんの元部下だよな? あの人から何を学んでんだよ」
「いやぁ、申し訳ないですね、でもしょうがなくないですか?
「それで! ……それで死んだらどうすんだって言ってるんだ。
ぐぬぬ、完璧な理論武装をしていたつもりだったがアリアのを引き合いに出すのは流石に卑怯では?
それにどの道ヴァジュラの討伐任務も兼任していたんだし、あそこで殲滅していたのは間違いとは言えないわけで、ああいやでもここで言い返したら嫌な奴だな。
「……以後気をつけます」
「分かってくれたならいいけどな、次こんなことがあったらアリアちゃんに報告さしてもらうからな!」
「おいおいおいおいおい! それは禁止カードですよ!? アリアが泣いたら査問会送りにしてやりますからねこの変態紳士が!」
「おーおー、上等だよ。別の地で美女と新たなムーブメントに俺がたどり着くだけだしな! それにアリアちゃんが泣くって泣かしてるの隊長だろうが!」
「はぁ!? 私がアリアを泣かせるわけなんて人生であと1回しか無い予定ですけど!?」
「1回はあるのかよ。しかも予定ってわざとなのかよ」
私達がそんな風に子供みたいな言い合いをしていれば、ヘリコプター内の職員達が一斉に笑い出した。
ハルオミさんを見やれば計画通りとばかりにあくどい笑みを浮かべている。……この確信犯め。
せめてもの抵抗でそっぽを向けば、血塗れの私の頭をタオル越しに撫でてきた。
「おら、アナグラに着くぜ隊長。ちゃんとオペレーターにも後で謝っとけよ? 心配してたからな」
「……まったく、分かりましたよ。あと頭撫でるのは犯罪ですよ、ちょっとキモイです」
「……そんな言う?」
せめてもの意趣返しなので精々ショックを受けておけばいいと思う。だいたい
まあ心配してくれてこちらが気にしないように立ち回ってくれたようなので、多少の感謝はしていますけど。
アナグラに着いたので、微笑ましい感じの空気を出しているヘリコプターからは挨拶したら一番に降りて、とっとと逃げ出さしてもらった。
ハルオミさんも追いかけてくることは無かったので、オペレーターさんにもちゃっちゃと謝ると安心した様に溜息をつかれたが、笑顔で無茶しちゃダメですよと一言言ってくるだけだったので、手早く済んだし、小言も無かったのでヨシとしよう。
神機も預けてシャワーを浴びて着替えをして、時計を見ればまだ時刻は1400じゃなくて14:00だ。これならアリアの学園*2のお迎えに間に合いそうだ。
学園でアリアはまだ1年生の為オラクル細胞やアラガミの概要を始めとしたフェンリル関連の基礎的な知識+数学や理科、歴史や文章力等の基礎学力の授業、後は体育での運動系授業を受けてるらしい。国語なんて言うものは全世界がフェンリル頼りになったあたりから消滅したようで、代わりに共通語の文章力の授業があるようだ。
最近のアリアは学園でお友達も出来たようで、お友達の話や授業で習ったことを楽しそうに話してくれるので、私もとても嬉しい。
まだ
そんなこんなアリアに思いを馳せながら身支度を済ませ、いざ迎えに向かっている最中に、
いやぁ、そうかそうか、そういえば入隊時期はそろそろだったような気もする。
「君も狼谷学園になにかご用があるの?」
背後から突然声を掛けたのにも関わらず、その男は驚きもせずにこちらを振り返った。
「ああそうだとも、はじめましてフロイライン。ボクはエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデ。明日よりこの極東支部で正式に神機使いとして配属される期待の星でね、今は愛すべき妹のエリナを学園へ迎えに行く最中さ。よければキミの名前も聞かせてくれるかな」
前世の記憶通りのキザなセリフに、赤髪サングラスにタトゥーを入れたタンクトップジャケットといった攻めた格好。余りの懐かしさに思わず私も微笑んでしまう。
「これはこれはフォーゲルヴァイデ閥の方でしたか。私は加納ニーナ、極東支部にて神機使いの末席を汚す1人です。以後、お見知り置きを」
彼は望まない事だろうが一応財閥も財閥の令息なので、へりくだった様に礼を返せば少し慌てたような仕草も見せる。
「オイオイそんな態度はやめてくれたまえ。つまり君は極東支部でのボクの先輩にあたるんだろう? 他の面々から要らぬ反感は買いたくないからね。それに恐らく歳の頃もボクらは近しいだろう? 普通に接してくれると嬉しいよ」
ボクは15歳だ。そう言いながら出してきた手に此方も応じて握手をする。
「そういうことなら。私は17歳かつ、神機使いの先輩として普通に接させてもらいますね。よろしくエリック君」
「ああ、よろしくお願いするよ。ニーナくん」
愛妹を持つ者同士、比較的すぐに打ち解けられたので、極東狼谷学園への道中は笑いが絶えなかった。エリックの妹のエリナちゃんは現在9歳で、私の妹のアリアが現在6歳なので3歳の年の差があるようだ。エリナちゃんとアリアが仲良くなれば、私がもし居なくなってからもアリアの面倒を見てくれるかもしれないし、仲良くなっておく事に損は無いだろう。なにより可愛い×可愛いは最強なので私が見たいから仲良くなっても欲しい。
とはいえ、エリナちゃんは病弱故の療養で極東にきたらしいので、そんなに遊ぶ時間があるかもわからないけれど。
「ところでエリック君、きっとこの先耳にタコができるほど聞くと思いますけど、戦場に出た時はちゃんと周囲の警戒を解いてはダメですよ。視界の外、例えば上からオウガテイルが飛びかかってくる。なんてこともあるかもしれませんからね。じゃあ、1年生の学舎はこちらなので今日はこの辺で。また会いましょう」
「その時は華麗に避けてみせるとも、御忠告感謝するよ。また後日に」
エリックにはアーク計画の時に宇宙船に乗って貰えれば万々歳かな。
ああ、私以外のいい人はみんな船に乗ってくれれば良いけど、とりわけ未来の第1部隊は頑固だから、どう説得するか今から考えておかなきゃ。
原作改変がここからちょっとずつ始めていきたいですね。
ていうか、久々に投稿したら感想くれる人多くて元気出ました。ありがとうございました。
アンケート設置しましたので気が向いたら教えてくれると嬉しいです
主人公のニーナちゃんはどのくらい酷いことができそうなイメージがありますか?
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助けれる範囲は全員助けようとしちゃう
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悪人相手なら容赦なく殺害
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妹の為なら善人だろうと殺害
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妹の為ならマジでなんでもする(悪女)